最終節バルセロナ戦 欧州の舞台へわずかな望みを懸けた大一番
メスタージャで開催されるラ・リーガ最終節(第38節)は、バレンシアにとって今シーズンの総決算となる非常に重要な試合です。キックオフは土曜日の21時(CEST)に予定されています。前節、アノエタでレアル・ソシエダ相手に3-4の劇的な勝利を収め、すでに1部残留を数学的に確定させたカルロス・コルベラン率いるバレンシアですが、驚くべきことにシーズン最終戦でヨーロッパの舞台に返り咲く可能性を残しています。
ターゲットとなるのは、来シーズンのカンファレンスリーグ出場権が与えられる7位の座です。現在、バレンシアはヘタフェから2ポイント差の9位につけています。この奇跡の逆転劇を実現するための条件は明確でありながら非常に厳しいものです。バレンシアは王者FCバルセロナに必ず勝利しなければならず、さらに同時刻に開催される試合でヘタフェ(対オサスナ戦)とラージョ・バジェカーノ(対アラベス戦)の両チームが勝利を逃す(引き分け以下に終わる)必要があります。ヘタフェとの直接対決の成績ではバレンシアが有利に立っているため、勝ち点で並べば順位を逆転することが可能です。相手のバルセロナはすでにリーグ優勝を決め、祝勝パレードや遊園地での祝賀会などを終えたお祭りムードのなかでメスタージャに乗り込んできます。バレンシアはこの状況を活かし、他会場の結果を待ちながら奇跡を信じて最後まで戦い抜く覚悟です。 (via SPORT / MARCA)
カルロス・コルベラン監督 試合前会見での熱いメッセージ
バルセロナ戦を前にした記者会見で、カルロス・コルベラン監督はヨーロッパ進出への並々ならぬ意欲と、チームの現状について熱く語りました。
指揮官はまず、ヨーロッパの大会に出場できる可能性について『私たちはこのクラブの偉大さと、私たちが何を代表しているのかを理解しています。残念ながら、今日までヨーロッパの大会について語るに値しませんでしたが、だからこそ最大限に戦い、争わなければなりません。自分たち次第ではありませんが、すべてが自分たちにかかっているかのように、何か大きなことを成し遂げるために全力を尽くします』と力強く宣言しました。ストライカーのウーゴ・ドゥロが以前「ヨーロッパについては話されていない」と発言したことについても触れ、『彼の発言は尊重しますが、残念ながらこれまで私たちはヨーロッパについて語るには値しませんでした。だからこそ達成するために全力を尽くします』と現状を冷静に分析しつつ闘志を燃やしています。
対戦相手であるバルセロナがすでに優勝を決めておりリラックスしているのではないかという質問に対しては、毅然とした態度で『ライバルの振る舞いについて憶測したり信じたりしたことは一度もありません。何も賭けていないチームについて語ることは、プロのサッカー選手に対するリスペクトを欠く行為です。現実ではないシナリオについて話すことは何も生み出しません。足を踏み入れ、走り、激しくプレーし、試合の戦い方を知る必要があります。私たちは完全に自分たち自身に集中しています』と相手への敬意を示しました。バルセロナの選手たちが遊園地などで祝賀会を行っていたことについても『私たちの頭の中を占めるものではありません。重要なのはメスタージャで起こることです』と一蹴しています。
さらに、サポーターに対する責任感についても『ファンは言葉ではなく、行動、振る舞い、試合での献身を求めています。そしてそれこそが、明日の試合で彼らに喜びを与えるために私たちがやらなければならないことです。観客動員記録が更新されたことは、このクラブ、この感情がいかに生きているかを物語っています。だからこそ、望むものを与えられないと余計に胸が痛むのです』と語り、ピッチでの姿勢で恩返しをすることを誓いました。
最後にシーズン全体を振り返り、『前半戦では、私たちが自分たちに要求すべきものに到達できず、期待に応えられませんでした。しかし後半戦でそれを改善したからこそ、明日の試合でこのチャンスを得られたのです。バレンシアニスタに喜びを与えることは、純粋に自分たち次第だという決意を持ってプレーしたいです』と、シーズン後半のチームの成長を称え、最終戦への自信を覗かせました。 (via ElDesmarque / Estadio Deportivo)
バルセロナ戦の予想スタメンと負傷者・欠場者情報
大一番となるバルセロナ戦に向けて、バレンシアは多くの欠場者を抱えており、台所事情は非常に苦しい状況です。カルロス・コルベラン監督は記者会見で『ルーカス・ベルトランは引き続きメディカルスタッフとリハビリを行っているため欠場します。また、出場停止によりエライ・キュメルトも失います。アルナウト・ダンジュマは背中の痛みから回復しました。さらに、リザーブチームの若手選手を数人リストに加える予定です』とチーム状況を説明しました。
この結果、負傷によりホセ・ルイス・ガヤ、レンツォ・サラビア、ホセ・コペテ、ムクタール・ディアカビ、ディミトリ・フルキエ、そして膝の問題を抱えるルーカス・ベルトランの欠場が確定しています。前節のレアル・ソシエダ戦でレッドカードを受けたエライ・キュメルトも出場停止となります。一方で、アノエタへの遠征には帯同したもののプレーできなかったアルナウト・ダンジュマが回復し、メンバー入りを果たします。
予想されるスターティングメンバーは以下の通りです。
ゴールキーパーにはディミトリエフスキ。最終ラインは右からティエリ・コレイア、タレガ、そして出場停止のキュメルトの代役としてセルタからのローン選手であるウナイ・ヌニェスがセンターバックに入り、左にはヘスス・バスケスが並ぶ見込みです。中盤にはギド・ロドリゲスと、ウグリニッチまたはペペルのコンビが予想され、より前線の位置にハビ・ゲラが配置されるでしょう。両サイドにはディエゴ・ロペスとルイス・リオハが入り、最前線は直近3試合で連続スタメン出場を果たしているウーゴ・ドゥロが務めると予想されています。 (via SPORT / ElDesmarque)
ギド・ロドリゲス退団濃厚か 引っ越し作業と他クラブの関心
今年1月にウェストハム・ユナイテッドから半年間の短期契約でバレンシアに加入したアルゼンチン代表MF、ギド・ロドリゲスの去就に注目が集まっています。契約満了となる6月30日を目前に控え、メスタージャを離れる可能性が非常に高まっています。
バレンシアは経験豊富で戦術的なバランスをもたらすギドを引き留めたいと考えており、契約延長のオファーを提示しています。しかし、ワールドカップ優勝メンバーでもある同選手が求める金銭的条件とクラブの提示額には大きな開きがあり、交渉は事実上停滞しています。こうした中、ギドのバレンシア郊外にある自宅ではすでに引っ越し作業が始まっており、家の前に家具や荷物を運び出すトラックが停まっているのが目撃されました。クラブへの最終的な回答はまだ保留されているものの、この動きは退団への準備を進めている決定的な証拠と見られています。
ギド本人は最近のインタビューで自身の去就について問われ、『私は残りたいですし、クラブもそう望んでいると知っています。隠すことは何もありません。クラブは私に満足しており、私もクラブに満足しています。ただ、話し合うべきことやタイミングがあります。移籍市場やクラブの計画、チームレベルでの戦略など様々なことがあります。ですから、すべてのための時間があると思いますし、重要なのはクラブが私に満足し、私もクラブに満足しているということです』と語り、バレンシアでの生活に満足していることを明かしていましたが、金銭面やスポーツ面でのプロジェクトがネックになっていることが窺えます。
この状況を注視しているのがビジャレアルです。来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権を武器に、ダニ・パレホの退団やトマス・パルティ、パプ・ゲイェの放出の可能性に備え、フリーで獲得できるギドを中盤強化の最優先ターゲットに設定し、正式なオファーの準備を進めています。また、ビジャレアルだけでなく、レアル・ベティスやメキシコの複数のクラブも強い関心を示しており、彼を巡る争奪戦は激しさを増しています。 (via Estadio Deportivo / ElDesmarque)
Bチームの歴史的ストライカー マリオ・ドミンゲスが契約延長へ
将来を嘱望される若手ストライカーの慰留に成功しそうです。バレンシアCFの下部組織、VCFメスタージャ(Bチーム)でプレーする22歳のマリオ・ドミンゲスが、クラブとの新たな長期契約を結ぶことで基本合意に達しました。正式な発表を残すのみとなっています。
グラナダ出身のドミンゲスは、カデテ(U-16)時代からバレンシアのアカデミーで育ち、常にその得点感覚で際立った存在でした。2022年5月にはトップチームでラ・リーガデビューも果たしましたが、2024年に負った膝の重傷により成長が一時ストップしていました。しかし、2025年にピッチへ復帰すると徐々に本来の姿を取り戻し、今シーズンはセグンダRFEFのグループIIIで爆発。シーズン16ゴールを記録し、これまでフラン・ナバーロやパコ・アルカセル、ラファ・ミルといった名だたるストライカーたちが保持していたVCFメスタージャでの1シーズン最多得点記録を塗り替える歴史的な活躍を見せました。
今年6月で契約が切れる予定だったドミンゲスに対し、クラブ側には特定の条件(トップチーム登録など)を満たせば一方的に契約を延長できるオプションがありましたが、両者は新たにテーブルに着き、彼がトップレベルへ到達するためのキャリアプランを再構築することを選択しました。新たな契約は2028年までの固定契約となる予定です。
短期的な計画として、ドミンゲスはカルロス・コルベラン監督が率いるトップチームのプレシーズンキャンプに参加します。そこで自身の価値を証明し、来シーズンのトップチームの25人のメンバー枠に食い込むためのアピールを行うことになります。現時点では他のクラブへレンタル移籍させる案は優先されておらず、クラブと選手双方の強い信頼関係のもと、メスタージャで成功を掴むための道が用意されています。 (via ElDesmarque)
メスタージャでの別れ 契約満了とレンタル終了を迎える選手たち
今週末のバルセロナ戦は、複数の選手にとってバレンシアのユニフォームを着てメスタージャのピッチに立つ最後の試合になる可能性が高いです。チームの再建が予想される夏の移籍市場を前に、ローン期間の満了や契約切れにより多くの選手がチームを去ることになります。
ローン契約が6月30日で終了し、それぞれの所属元クラブへと戻る予定なのは、GKのフレン・アギレサバラ、セルタから加入しているDFウナイ・ヌニェス、そしてアタッカーのラルジ・ラマザニとルーカス・ベルトランです。特にフィオレンティーナからローン加入していたアルゼンチン人FWのルーカス・ベルトランは、現在膝の負傷により別メニューでの調整が続いており、この最終戦も欠場が確定しています。これにより彼は5試合連続の欠場となり、ファンに直接別れを告げる機会をピッチ上で得ることはできなくなってしまいました。
また、契約満了によりフリーエージェントとなる選手も多数います。右サイドバックのティエリ・コレイア、出場停止で最終戦を欠場するエライ・キュメルト、去就が注目されているギド・ロドリゲス、そしてレンツォ・サラビアも契約の更新が行われない見通しであり、新たな新天地を求めることになります。ヨーロッパの舞台を目指す熱戦の裏で、多くの別れが交錯する感慨深い夜となりそうです。 (via SPORT / ElDesmarque)
経営陣への抗議デモと著名人ファンの悲痛な叫び
ピッチ上ではカンファレンスリーグ出場を目指す重要な試合が行われますが、スタジアムの外ではクラブのオーナーであるピーター・リムと現経営陣に対する強い不満が爆発しようとしています。
バレンシアのサポーター団体「Libertad VCF」は、バルセロナ戦のキックオフ数時間前となる午後5時から、市役所からメスタージャ・スタジアムに向けて大規模な抗議デモを計画しています。ピーター・リム体制となって以降、クラブは過去6シーズン連続で勝ち点50の壁を越えられないというスポーツ面での低迷に苦しんでおり(※本日の試合に勝利すれば勝ち点51となります)、サポーターの忍耐は限界に達しています。ファンたちはこの最終戦を、リム氏や経営陣に対する責任追及の場としても位置付けています。
このクラブの窮状に対しては、著名なバレンシアファンも声を上げています。バレンシア出身のジャーナリストであり、俳優・テレビ司会者としても活躍するアルトゥーロ・バルスは、出演したポッドキャスト番組のなかで、愛するクラブの惨状について苦しい胸の内を明かしました。
彼は番組内で『これ以上悪くなることはあり得ません。感情的な観点から言えば、経営陣の交代が私たちに良い影響を与えるのは明らかです。最も痛いのは、少なくとも私にとって痛いのは、ファンからこれほどまでに乖離しているという無関心と無知です』とクラブ上層部の姿勢を痛烈に批判。さらに『私たちが過ごした今年、あれは恐ろしい、友よ、恐ろしいことです。チームに強さがありません。息子に「2-0か0-2で安心して試合を見られるのはいつになるんだろう?」と言いました。私たちは常に苦しんでいて、それはどんどん増しています。それに、私たちは今ほど苦しむようなチームでもありませんよね?』と、毎試合のように胃を痛める現状への悲しみを吐露しました。スタジアムの帰り道にファンから「バレンシアを買収してくれ!」と懇願されるエピソードも明かしたバルスですが、彼自身にはそのような資金力はないと笑い混じりに否定しつつも、現状を変えたいというファン共通の切実な願いを代弁しています。 (via SPORT / ElDesmarque)
【本日の総括】
バレンシアは残留を確定させた余裕と欧州大会進出という大きなモチベーションを胸に、絶対王者バルセロナとの最終戦に臨みます。数多くの欠場者や退団濃厚な選手を抱え、さらにスタジアム外では経営陣への抗議が渦巻く複雑な状況下ですが、指揮官と選手たちはメスタージャに集うファンのために全身全霊を懸けて奇跡の勝利を目指します。



