リーガ最終節ビジャレアル戦のプレビューと3位争いの行方

アトレティコ・マドリードはラ・リーガEAスポーツの最終節となる第38節で、エスタディオ・デ・ラ・セラミカにてビジャレアルと対戦する。キックオフは21時00分で、試合はM+ LALIGA、M+ LALIGA HDR、LaLiga TV Barで放送される。前節はアデモラ・ルックマンのゴールによりジローナに1対0で勝利しており、良い流れのまま最終戦に臨む。

この一戦ではリーグ3位の座が懸かっている。現在、両チームは勝ち点69、得失点差+22で完全に並んでいるが、メトロポリターノでの直接対決でアトレティコが2対0で勝利しているため、アトレティコは引き分け以上で3位を確定させることができる。ビジャレアルは勝たなければ3位を奪えない。3位と4位では賞金に約700万ユーロの差があり、クラブの財政にとっても非常に重要な試合となる。ディエゴ・パブロ・シメオネ監督がフルシーズン指揮を執った過去13シーズンのうち、3位を下回ったのはジローナに次ぐ4位となった2年前の1シーズンのみである。

チームは野戦病院のような状態となっており、合計8選手が欠場する。フリアン・アルバレス、ホセ・マリア・ヒメネス、ナウエル・モリーナ、パブロ・バリオス、ロドリゴ・メンドーサ、ニコ・ゴンサレス、ジョニー・カルドーゾの7名が負傷で欠場し、ロビン・ル・ノルマンが累積警告により出場停止となる。これにより、シメオネ監督はベンチメンバーをBチームの選手で補充せざるを得ない状況に陥っている。

予想スタメンは以下の通りである。ゴールキーパーにフアン・ムッソ。ディフェンスラインはマルコス・ジョレンテ、マルク・プビル、ダビド・ハンツコ、マッテオ・ルッジェリ。中盤にはジュリアーノ・シメオネ、オベド・バルガス、コケ・レスルレクシオン、アレックス・バエナ。前線にはアントワーヌ・グリーズマンとアデモラ・ルックマンが並ぶと見られている。(via Estadio Deportivo / MARCA / Mundo Deportivo)

アントワーヌ・グリーズマンの退団とファンへの神対応

このビジャレアル戦は、アントワーヌ・グリーズマンにとってアトレティコ・マドリードのユニフォームを着て戦う最後の試合となる。1週間前にメトロポリターノで500試合出場を達成し、ホームのファンに別れを告げたグリーズマンは、10シーズンを過ごしたクラブを去り、アメリカのMLSに所属するオーランド・シティへ移籍する。

彼はアトレティコ・マドリードの歴代最多得点者という生ける伝説であり、レアル・ソシエダ、アトレティコ、バルセロナでプレーしたスペインでのキャリアにおいて、合計805試合出場、298ゴールという驚異的な記録を残した。ビジャレアル相手にはキャリアで6ゴールを挙げているが、アトレティコの選手としてはまだゴールを奪えておらず、最後の試合での得点が期待されている。

退団を前に、チームの練習拠点であるマハダオンダのセロ・デル・エスピノでの最後のトレーニング後、彼を見送るために100人以上の子どもや大人のファンが集結した。猛暑の中、グリーズマンのユニフォームを着てサインを待つファンに対し、彼は素晴らしい対応を見せた。連日の混雑を避けるため、施設内に専用の部屋を用意し、そこに集まったファン全員を招き入れて、一人ひとりにサインをし、一緒に写真を撮るという神対応で感謝の意を示した。(via Mundo Deportivo / Estadio Deportivo / MARCA)

フリアン・アルバレスの移籍志願騒動とクラブとの対立

現在、クラブ内で最も深刻な問題となっているのがフリアン・アルバレスの去就である。彼はアトレティコを離れたがっており、その理由は怒りや子どもじみた癇癪ではなく、シメオネ監督の戦術や起用法に不満を抱いているためである。マンチェスター・シティでアーリング・ハーランドの控えであることに疲れ、両親の居住ビザ更新の問題もあった中、シメオネ監督からの度重なる熱烈な電話勧誘を受けて移籍を決断したが、現在も頻繁に途中交代させられる状況に陥っており、不満を募らせている。シメオネ監督のアプローチが変わったわけではなく、アルバレス自身の認識と期待にズレが生じた形だ。

アルバレスの代理人側によると、移籍時にクラブのオーナー陣から直接、もしクラブで居心地が悪くなれば移籍をサポートするという約束を取り付けていたという。しかし、クラブ側は全く異なる見解を示している。ミゲル・アンヘル・ヒル・マリン、シメオネ、カルロス・ブセロ、マテウ・アレマニーの首脳陣は彼を売却する意思は全くなく、公式なオファーも届いていないと断言している。クラブは彼を契約で強固に縛っており、契約改善のオファーも提示したとしている。一方、選手側はそのような提案はなかったと反論し、アレマニーが提示したとされる2026-2027シーズンから適用される条件改善についても、事前の話と異なると不満を示している。アトレティコ側は、アルバレスの移籍金設定額である5億ユーロを引き上げる必要もなく、給与引き上げの義務もないという強気の姿勢を崩していない。

さらに、3月から5月にかけて、パリ・サンジェルマンのルイス・エンリケ監督やアーセナルのミケル・アルテタ監督から直接メッセージが届き、バルセロナのスポーツディレクターであるデコも、チャンピオンズリーグのアーセナル戦の前に代理人に接触し、獲得の可能性を探ったとされている。アトレティコ側は、これらは代理人が手数料を得るために選手を動かそうとしているポーズだと捉えており、パリ・サンジェルマンのナセル・アル・ケライフィ会長とヒル・マリンの良好な関係を利用して、ゴンサロ・ハモスやイ・ガンインをトレードに含める画策をしていると疑っている。アトレティコはアルバレスの移籍金を1億5000万ユーロに設定しており、どのクラブもこの金額を支払うことはないと考えている。

なお、アルバレス自身は非常にプロ意識が高く、ロンドンで行われたアーセナルとのチャンピオンズリーグ準決勝第2戦では、足首から血を流しながらもプレーを続けるなど、ピッチ上では献身的な姿勢を見せている。チーム内で問題を公にしたり、試合の雰囲気を壊したりするようなことは一切していない。(via MARCA)

アポロ参入によるクラブ運営とシメオネ監督のメッセージ

クラブは今季、アメリカの投資ファンドであるアポロを新たなオーナーとして迎えた。アポロは14億ユーロでクラブ株式の57%を取得し、さらに約1億ユーロを注入する予定で、そのうち5700万ユーロを既に拠出している。アトレティコは過去4シーズンで選手獲得に5億400万ユーロを費やし、3億9100万ユーロで売却してきた。オーナー陣は2021年から2024年の間に1億9000万ユーロの増資を行っている。

今シーズンのアトレティコは、チャンピオンズリーグで準決勝に進出し、コパ・デル・レイでは決勝に進出したがレアル・ソシエダにPK戦の末に敗れた。リーグ戦ではトップ4を確保し、来季のチャンピオンズリーグ出場権を獲得している。

シメオネ監督は、アーセナルの予算が8億1500万ユーロ、人件費が6億6000万ユーロであるのに対し、アトレティコの予算は5億5400万ユーロ、人件費が3億3600万ユーロであることを引き合いに出し、チャンピオンズリーグ準決勝進出は期待以上の成果だと主張している。しかし、コパ・デル・レイ決勝で敗れたレアル・ソシエダの予算は1億6000万ユーロ、人件費は1億2800万ユーロであり、この点については矛盾を指摘する声もある。

シメオネ監督は巧みなコミュニケーションで責任の所在をフロントに向けようとしている。『私たちは大きく成長したが、ファンはタイトル獲得を望んでいる』と発言し、さらに『アポロがクラブをビッグクラブに近づけるためにこれ以上資金を投資するとは思わない』と冷ややかに言い放った。これは明確に新オーナーであるアポロへのメッセージであり、タイトルを獲得するためにはフロントがさらなる資金を投じて強力なスカッドを構築する必要があるという圧力をかけている。(via MARCA)

歴史的記録と他クラブからの批判

アトレティコ・マドリードは、ラ・リーガの歴史的順位においてバレンシアを圧倒し続けている。2016年1月にアトレティコがセルタに勝利し、バレンシアがレアル・ソシエダに敗れて以来、シメオネ率いるアトレティコは常にバレンシアよりも上の順位を維持しており、その差は現在272ポイントにまで広がっている。

一方で、他クラブからの批判も受けている。レバンテのルイス・カストロ監督は、アトレティコ・マドリードがセビージャ戦やバレンシア戦で大幅なメンバーのローテーションを行ったことについて言及し、これがコンペティションの公平性を歪めていると公に非難した。(via SPORT / ElDesmarque)

【本日の総括】

リーグ戦3位の座を懸けたビジャレアル戦や、レジェンドであるグリーズマンの退団に注目が集まる一方、フリアン・アルバレスの移籍志願問題やシメオネ監督による新オーナーへの牽制など、クラブ内外で激しい駆け引きが繰り広げられている。