新戦力モルテン・ヒュルマンド獲得

アトレティコ・マドリードは、スポルティングCPのキャプテンでありデンマーク代表のモルテン・ヒュルマンドの獲得をほぼ確実なものとしました。数日前にスポルティングが最初のアプローチを拒否していましたが、アトレティコが要求額に歩み寄り、クラブ間合意に達しました。移籍金は固定4000万ユーロに加えてボーナス500万ユーロの合計4500万ユーロとなります。スポルティングのフレデリコ・バランダス会長は市場価値を下回る額での放出を断固として拒否していましたが、この条件で納得した形です。スポルティングは2023年にレッチェから約2000万ユーロで獲得していたため、大きな利益を得ることになります。契約期間は5シーズンで、2031年6月までとなります。また、給与はポルトガル時代に受け取っていた200万ユーロから3倍となる600万ユーロへと大幅に引き上げられます。

この移籍はマテウ・アレマニーSDがマドリードでヒュルマンドの代理人事務所(BTAM)と数日間にわたり会談を重ねて実現したものです。アレマニーSDは過去の冬の市場でも獲得を試みていましたが、その時はスポルティングが完全に拒絶していました。ディエゴ・シメオネ監督もこの獲得を強く望んでおり、すでに本人と直接言葉を交わし、チームでの役割を説明しています。監督は中盤にフィジカルの強さ、競争力、そして信頼性をもたらし、チームを支える「背番号5」を求めていました。ヒュルマンドは静止したポジションだけでなく、プレッシングに飛び出し広範囲をカバーするエネルギーを持っています。これにより、パブロ・バリオスをより前方の危険なエリアで解放することができるようになります。また、27歳という年齢とスポルティングで培ったキャプテンシーも即戦力として高く評価されています。選手自身もアトレティコでのプレーを熱望しており、交渉を強く後押ししました。

ヒュルマンドは本日マドリードへ向かい、書類の交換、メディカルチェック、契約への署名を済ませて正式発表される予定です。13日からのプレシーズン初日からシメオネ監督の指揮下に入ることが目標とされています。これは2200万ユーロで獲得したアレハンドロ・グリマルドに続く、今夏2人目の大型補強となります。(via Estadio Deportivo / ElDesmarque / Mundo Deportivo / SPORT)

フリアン・アルバレスの去就問題

ストライカーのフリアン・アルバレスの去就が今夏の大きな焦点となっています。アルゼンチン代表としてW杯に参加中のフリアンは、公の場で退団の意思を明らかにし、バルセロナやレアル・マドリードへの移籍を希望する発言をしており、アトレティコにとって大きな冷や水となりました。当初、アトレティコはライバルクラブへの売却を絶対に避けたいという強い姿勢を見せており、放出を断固として拒否していましたが、本人の強い退団意思に直面し、状況が変化しつつあります。クラブの新たなオーナーグループであるアポロ・スポーツ・キャピタルが介入し、初めて売却に向けたオファーに耳を傾けることを検討し始めました。

アトレティコ側としては、もし手放すのであればスペイン国外のクラブ、具体的にはアーセナルやパリ・サンジェルマン(PSG)への売却を優先したいと考えています。しかし、フリアン自身の第一希望はバルセロナです。バルセロナ側も彼を最優先ターゲットに定めており、スペイン代表のラミン・ヤマルも『誰もが一緒にプレーしたいと思うトップ選手。もし来てくれたら全員がとてもハッピーになる。バルサのスタイルにとても合う選手だ』と両手を広げて歓迎するコメントを出しています。バルセロナはW杯でのアルゼンチン代表の戦いが終わった後に、改めて本格的な獲得アプローチを行う予定です。アトレティコは何が何でもバルサには出したくないという思惑があり、売却する場合は1億5000万ユーロ以上の移籍金を要求すると見られています。(via ElDesmarque / SPORT)

チームの脱アルゼンチン化とコーチ陣の変更

アトレティコ・マドリードは今夏、大規模なチームの再編、特に「脱アルゼンチン化」の波に直面しています。その変化はベンチから始まりました。ディエゴ・シメオネ監督の長年の第2監督を務めたネルソン・ビバスが荷物をまとめ、チームを去りました。彼に代わって、アトレティコのレジェンドであるガビ・フェルナンデスが右腕として復帰しました。シメオネ監督はガビに対して『選手時代のように振る舞ってほしい』と求めています。

現在、アルゼンチン代表としてW杯に参加している6人のアトレティコの選手たちも、その多くが退団の可能性があります。残留が確実視されているのは、1月に2030年までの契約延長にサインし、父親の指揮下で重要な選手として定着したジュリアーノ・シメオネと、2028年まで契約を残すGKのフアン・ムッソの2人のみです。その他の4人は不透明な状況です。

前述のフリアン・アルバレスに加え、ティアゴ・アルマダは期待外れの1年を過ごしたため、リーベル・プレートへ移籍する可能性が濃厚となっています。また、ナウエル・モリーナは契約を2027年まで残していますが、クラブは移籍金を得るための最後のチャンスとして、イタリアのクラブへ売り込みをかけています。ユベントスからのレンタルで加入していたニコ・ゴンサレスについては、アトレティコは残留を希望していましたが、他の移籍交渉を優先しているため、現在は話し合いがストップしており、宙に浮いた状態です。このように、最大で5人のアルゼンチン人がクラブを去るという、近年で最大の転換期を迎えています。なお、ディエゴ・シメオネ監督自身の契約は2027年までとなっています。(via ElDesmarque / Estadio Deportivo)

その他の移籍市場の動き

アトレティコはヒュルマンドの獲得に至る前、中盤の補強として複数の選手を検討していました。アタランタのエデルソン(27歳)は代理人が要求する手数料の問題で決裂。ウルブスのジョアン・ゴメス(25歳)は、代理人のジョルジュ・メンデスがベルナルド・シウバのアトレティコ移籍をまとめられなかったことへの怒りから交渉が破談となりました。また、ローマのマヌ・コネも候補に挙がっていました。

一方で、マルセイユに所属するイングランド人FWメイソン・グリーンウッドの獲得が噂されていましたが、これは実現しないことが確定しました。グリーンウッドの過去のDVスキャンダルがサポーター間で激しい議論を呼んでいましたが、最終的に彼はフェネルバフチェへの移籍を受け入れ、2030年までの契約でトルコへ向かうことになります。

放出面では、すでにアントワーヌ・グリーズマンとクレマン・ラングレがチームを離れており、クラブの給与枠の大幅な解放に繋がっています。しかし、まだまだ退団の可能性は残されており、アレクサンダー・セルロート、ホセ・マリア・ヒメネス、ロビン・ル・ノルマンといった主力級の選手たちにも移籍の噂が浮上しています。(via ElDesmarque / Mundo Deportivo)

プレシーズンのスケジュールと親善試合

アトレティコ・マドリードのプレシーズンは、W杯開催の影響で多くの主力選手を欠いた状態でのスタートとなります。7月13日月曜日にマハダオンダの施設で恒例のメディカルチェックを行い、新シーズンが始動します。翌14日火曜日からは、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエルへ移動し夏のキャンプを行いますが、今年は期間が短縮され、18日土曜日までの5日間のみとなります。

この始動時にはW杯に参加している多くの選手が不在となります。スペイン代表のマルコス・ジョレンテ、マルク・プビル、アレックス・バエナ、アレハンドロ・グリマルド、アルゼンチン代表のフアン・ムッソ、ナウエル・モリーナ、ティアゴ・アルマダ、ジュリアーノ・シメオネ、フリアン・アルバレス、そしてノルウェー代表のアレクサンダー・セルロートが該当します。さらに、オベド・バルガスとホセ・マリア・ヒメネス(出場機会はなし)もW杯に参加していたため、遅れての合流となります。

親善試合については現時点で2試合が決定しています。8月1日土曜日にストックホルムでマンチェスター・ユナイテッドと、8月9日日曜日にソウルでマンチェスター・シティと対戦します。クラブはこれらの日程の前後にもう数試合の親善試合を組むことを目指しています。

さらに、ラ・リーガの開幕日程にも影響が出る可能性があります。本来であれば、開幕戦のマラガCF戦は8月16日の週末に予定されていますが、アトレティコの選手が複数人W杯の準決勝に進出した場合、規程により試合が10日間延期されることになります。その場合、アトレティコの実質的なリーグ開幕は8月23日の週末に行われるビジャレアル戦にずれ込むことになります。(via ElDesmarque)

小ネタ:フィリペ・ルイスがモナコ監督就任

アトレティコ・マドリードのレジェンドであり、現在は監督として歩みを進めているフィリペ・ルイスが、ASモナコの指揮官に就任しました。フラメンゴでの成功を経て、2028年6月までの契約を結んでいます。就任会見で彼は、アトレティコ時代にディエゴ・シメオネ監督から学んだ哲学を反映させ、『競争力と勝利が基本。たくさん攻撃できても、失点が多ければ意味がない。攻撃は試合に勝つためにあるが、守備はタイトルを勝ち取るためにある』と語り、モナコにアトレティコ仕込みの勝者のメンタリティを植え付ける意気込みを示しました。(via Mundo Deportivo)

【本日の総括】

モルテン・ヒュルマンドの獲得が決定し、中盤の要を手に入れた一方で、フリアン・アルバレスをはじめとするアルゼンチン人選手たちの大量退団の可能性が高まっています。新オーナーの介入やW杯によるスケジュールの影響など、クラブはピッチ内外で近年最大の転換期を迎えています。