プレシーズン最終戦ヘルクレス戦での2-0快勝と露呈した前後半の課題
プレシーズン最後の親善試合として、バレンシアは3部(1部RFEF)に所属するヘルクレスCFをパテルナのシウダ・デポルティーバ内にあるエスタディオ・アントニオ・プチャデスに迎えました。この試合は、熱気と湿度に包まれた厳しいコンディションの中で、約1500人の観客が見守る中で実施されました。前半、バレンシアは主力をほぼ並べた強力な布陣で臨んだものの、ヘルクレスの統率された組織的守備と積極的なボール支配に大いに苦しめられました。相手のアンディ・エスクデロのシュートや、ビクトル・ナロの鋭いクロスがバレンシアのゴールマウスを脅かす場面があり、バレンシアはビルドアップでの停滞感から決定的な形を作れず、ハーフタイムのホイッスルが鳴った際にはスタンドから不満のブーイングが飛ぶ一幕もありました。しかし、後半に入ると流れが一変します。ヘルクレス側が中盤やゴールキーパーなどの守備の要を一気に入れ替えたことで、バレンシアが主導権を奪還。後半47分に高い位置でのパスカットからハビ・ゲラが鮮やかなフェイントを交えた一撃で先制点を奪うと、そのわずか7分後の後半54分には再び相手のミスを突いてハビ・ゲラのアシストから佐藤龍之介が落ち着いて追加点を決め、2-0とリードを広げました。終盤はテンポを落としてカンテラーノの若手たちに出場時間を与え、そのまま2-0で勝利を収めました。これにより、バレンシアはプレシーズン最終戦を勝利で飾り、リーグ開幕に向けて最低限の自信を確保した形となります。(via SPORT)
日本人佐藤龍之介がプレシーズン得点と圧倒的な躍動感で指揮官の信頼を奪取
今夏のプレシーズンにおいて、サポーターを最も熱狂させ、カルロス・コルベラン監督にとっても最大の収穫となっているのが、日本の若き逸材である佐藤龍之介です。佐藤はプレシーズンを通じて素晴らしいコンディションを維持しており、このヘルクレス戦でもスタメンとして2トップの一角で起用されました。前半19分には、左サイドのジェスス・バスケスからのクロスをエリア内で見事にトラップして素早く反転、左足で強烈なボレーシュートを放って相手守護神ブラシッチを強襲する素晴らしいシーンを作りました。彼の持ち味である俊敏な動きと、相手のディフェンスラインの合間を縫うようなポジショニングは、前半停滞していた攻撃陣において唯一とも言える圧倒的な脅威であり続けました。そして後半54分、その努力が結実します。ハビ・ゲラが相手から奪ったボールを運び、絶妙なタイミングで通したスルーパスに佐藤が完璧なタイミングで反応。エリア内でゴールキーパーと1対1になると、冷静に低い弾道のシュートをゴール左隅へと沈め、見事な追加点をマークしました。このゴールは彼にとって今プレシーズンでの2得点目となります。後半70分にカンテラーノのジャウメ・ドゥラと交代するためにピッチを去る際には、スタンドを埋めたサポーターからこれ以上ないほどの温かいスタンディングオベーションと大きな拍手が送られました。現地メディアも彼の活躍を大絶賛しており、ハビ・ゲラとの攻撃的なコンビネーションは今のバレンシアにおいて最も流動的で機能している最高のホットラインと評されており、開幕戦でも先発に名を連ねる可能性が極めて濃厚です。(via Estadio Deportivo)
ハビ・ゲラがバレンシア残留への強い意志とフロントへの緊急補強を要求
チームの絶対的な心臓であるハビ・ゲラは、ヘルクレス戦後にメディアの取材に応じ、自身の去就やチームの現状について非常に素直な胸の内を語りました。今夏、様々な移籍の噂が絶えないゲラですが、自身の将来について『私は現時点でここにいる。ここにいる限りは、それは私が残るということを意味している。市場では常に何が起こるか分からないけれど、自分にはまだ契約があるし、これまで何度もこの問いには答えてきた。これ以上何も言う必要はない』と断言し、バレンシアでのプレーを継続する意志を示しました。一方で、チームの戦力不足についてはフロントに対して明確な危機感を言葉にし、『いくつかのポジションで選手が明らかに不足している。良いメンバーは揃っているけれど、全員が死ぬ気になって一つになり、ラ・リーガの最初の試合に向かわなければならない』と述べ、新戦力の早急な補強を強く求めました。また、プレシーズンでのサポーターの厳しい反応についても理解を示し、『ファンの疑念や不安はとてもよく分かる。現実的に見つめなければならないが、ここ数年のチームの歩みは、人々が期待していたようなものではなかった。それでも、まだ新しいシーズンは始まっていないのだから、チームを信頼して全員の温かい後押しとともにスタートすることが何よりも大切だ』と語り、ファンに連帯を呼びかけました。さらに、チームがテストしている5バックの戦術については『プレシーズンはいろいろなことを試し、チームに何が最もフィットするかを見極めるための期間だ。今取り組んでいる5バックのラインは非常に有益になるだろう』とポジティブな手応えを明かし、コルベラン監督への信頼については『もし選手たちが指揮官を信頼していなければ、どこにも辿り着けない。全員が手を取り合って同じ方向を向いて進むからこそ、素晴らしい結果が得られる』と熱く語りました。(via ElDesmarque)
テルエル戦でのBチーム大苦戦と守備の乱れによる衝撃の敗戦
ヘルクレス戦の前日である8月12日に、バレンシアは同じくアントニオ・プチャデスで3部(Primera RFEF)に所属するCDテルエルとの親善試合を行いました。この試合は当初、Bチームであるバレンシア・メスタージャが戦う予定でしたが、実戦感覚と出場時間をコントロールしたいコルベラン監督の意向により、ファーストチームの控えメンバーであるユニットBが中心となって臨みました。しかし、その内容はファンの大きな期待を大きく裏切る、厳しい危機感を抱かせるものとなりました。前半30分、ゴールキーパーのクリスティアン・リベロがエリアを大きく飛び出すという致命的な判断ミスを犯し、テルエルのエドゥ・ガジャルドに頭上を越える美しいループシュートを決められて先制を許しました。このシーンでは、センターバックのディアカビのマークも極めて緩く、失点の原因となりました。反撃に出たいバレンシアでしたが、左サイドハーフとして起用されたアンドレ・アルメイダは全く精彩を欠き、無気力なプレーでロストを連発。前半終了間際にフリーキックをクロスバーに当てたシーン以外は見せ場を作れませんでした。また、負傷中のサディク・ウマルの代役として急造ワントップを務めたダンジュマも、過度に個人プレーに走って攻撃のリズムを壊し、中盤のディエンもパスの出しどころに窮して機能しませんでした。不調の控え組の中で唯一、高いパフォーマンスを見せたのは負傷明けで強行出場したキャプテンのホセ・ルイス・ガヤであり、左ウイングバックとして鋭い突破から何度も惜しいチャンスを作り出しました。結局試合は0-1のまま敗戦。メディアからはスタメン組のユニットAに比べ、控えのユニットBの現状はあまりにもお粗末であり、この陣容の薄さはリーグ戦に向けて恐怖を与えるレベルだと酷評されました。(via ElDesmarque)
右サイドバックの絶対的不足とアルナウ・マルティネス獲得を巡るシンガポール本部の意思決定待ち
バレンシアの最大の補強ポイントであり、戦術上の急務となっているのが右サイドバックの確保です。プレシーズンでは本職の選手が誰も稼働できない状況であり、カンテラーノの若手であるガモンを急造で起用してしのいでいます。この致命的な穴を埋めるため、バレンシアはジローナのキャプテンであるアルナウ・マルティネスの獲得を最優先ターゲットに定めています。ジローナが2部へと降格したため、1部でのプレー継続を望むアルナウ本人との間では、将来の契約条件についてすでに完全な個人合意に達しています。しかし、クラブ間の移籍金交渉において大きな障壁が立ちはだかっています。バレンシアは500万ユーロを上限としてオファーを提示しているものの、ジローナ側は主力の安売りを拒否する断固たる姿勢を崩さず、契約に設定されている800万ユーロの契約解除金の満額支払いを一歩も譲らずに要求しており、300万ユーロの差額が埋まっていません。現在、バレンシアのゼネラルマネージャーであるロン・グーレイは、ジローナの要求額に近づく新たな決定的なオファーを提示するため、シンガポールにいるオーナーのピーター・リム本部からの最終的な資金投入の承認を待っている状態です。選手本人がメスタージャでのプレーを強く熱望しているだけに、本部の決定が待たれます。(via ElDesmarque)
ゴロサベルやザノッティなど右サイドバック補強に向けた二の矢の動き
バレンシアは、アルナウ・マルティネスの獲得交渉が最終的に破談となった場合、あるいはフルキエが今夏に退団することになった場合のバックアッププランとして、右サイドバックの複数の代替ターゲットをリストアップして慎重に調査を進めています。その筆頭が、スイスのFCルガーノに所属するイタリア人右サイドバック、マット・ザノッティです。インテル・ミランの下部組織で育ったザノッティは、400万ユーロという比較的安価な移籍金で獲得が可能であり、年俸条件もバレンシアの厳しいサラリー上限を圧迫しないローコスト・オプションとして非常に魅力的な候補に浮上しています。さらに、バレンシアはアスレティック・ビルバオに所属するアンドニ・ゴロサベルの動向も追っています。ゴロサベルはビルバオのテルジッチ新監督の構想において、新シーズンにあまり出場機会を得られないのではないかと懸念されており、本人も出場時間を求めて他クラブへの移籍を検討しているため、バレンシアにとって現実的な補強プランの一つとなっています。(via ElDesmarque)
ユベントス守護神ディ・グレゴリオ獲得へのローン移籍合意への進展
バレンシアは、正ゴールキーパーのストーレ・ディミトリエフスキと高いレベルで競い合える経験豊富な守護神の確保を目指しており、ユベントスに所属する29歳のイタリア人GKミケーレ・ディ・グレゴリオの獲得に向けて非常に具体的な進展を見せています。ディ・グレゴリオは昨シーズン、ユベントスにおいて公式戦47試合に出場して48失点、19試合でクリーンシートを達成するという実績を残したものの、監督のルチアーノ・スパレッティの完全な信頼を得ることができず、クラブが新たなGKの獲得に動いていることから、出場機会を求めて移籍を熱望しています。バレンシアとユベントスは、買い取りオプションが付帯された1年間の期限付き移籍(ローン)の形態において、すでに交渉が極めて進んだ最終段階にあります。この買い取りオプションの設定額は約1500万ユーロとされており、かつてバレンシアがジュレン・アギレサバラの獲得交渉の際に提示した条件と非常に似通っています。2年前にモンツァでセリエA屈指のパフォーマンスを披露したディ・グレゴリオがメスタージャに加われば、バレンシアのゴールマウスは極めて強固なものとなるはずです。(via Estadio Deportivo)
アーロン・エスカンデルによるバレンシア移籍の噂に対する完全否定
今夏の移籍市場において、一部の地元メディア等でバレンシアへの移籍や復帰が非常に熱心に取り沙汰されていたレアル・オビエド所属のゴールキーパー、アーロン・エスカンデルですが、本人が記者会見の場でこれらの噂を公式に、かつ非常に強い怒りをもって完全否定しました。エスカンデルはオビエドと2029年までの長期契約を結んだばかりであり、自身の去就についてメディアに問われた際、『私はバレンシアから何一つとして具体的なオファーをテーブルの上に受け取っていない。それなのに、あちらのメディアでのインタビューにおいて、私がバレンシアへの復帰を熱望しているというような発言が捏造されて報じられたが、それは全くの大嘘だ。私はオビエドのチーム、スタッフ、臨む環境に100%満足しており、ここで戦うことだけに集中している。これほど良い環境にいるのに、なぜ移籍を考えなければならないのか』と言い放ち、根も葉もない噂を一蹴しました。(via ElDesmarque)
アンドレ・アルメイダのセルタ移籍合意と成立に向けた最終ハードル
バレンシアからの退団を希望し、去就が不透明な日々を送っていたポルトガル人MFアンドレ・アルメイダは、ガリシアの名門セルタ・デ・ビーゴへの電撃移籍に向けて極めて具体的な合意に達しました。アルメイダには当初、イングランド2部のスウォンジー・シティへの移籍計画が進められており、クラブ間合意に近づいていました。しかし、より競争力の高いスペインのラ・リーガでのプレー継続を熱望する選手本人の強い意向により、セルタが交渉に参入したことで状況が一変。すでにアルメイダとセルタの間の個人合意は完全にクローズしており、セルタがバレンシアに対して約350万ユーロの移籍金を支払うクラブ間合意も大枠で完了しています。ただし、この移籍が正式に発表されるためには、セルタ側が現在進めている余剰人員の売却(選手放出によるサラリーキャップ枠の確保)を完了させることが絶対的な必須条件となっており、バレンシアはセルタ側の売却プロセスの完了を静かに待っている状態です。(via ElDesmarque)
ウクライナ代表ツィガンコフ獲得への興味と高額移籍金の壁
バレンシアの強化部が、ジローナの2部降格に伴って移籍市場に出されているウクライナ代表MFヴィクトル・ツィガンコフの動向をリストに加えて熱心に注視しています。ツィガンコフは昨季のラ・リーガで素晴らしい評価を確立しており、ジローナが彼の高額な給料を2部リーグで維持することが不可能なため、今夏の移籍は確実視されています。しかし、ジローナ側は彼を安売りするつもりはなく、獲得を希望するクラブに対して1000万〜1500万ユーロという極めて高額な移籍金を設定しています。この金額は、財政的な制限を抱えるバレンシアだけでなく、同じく興味を示しているセルタや、モンチSD率いるエスパニョール、さらには複数の海外クラブにとっても大きな足かせとなっています。現在、バレンシアはツィガンコフ側との具体的な交渉をスタートさせるための前提として、ジローナ側が要求金額を妥協して引き下げるアクションを見せるのを待つ静観の姿勢をとっています。(via ElDesmarque)
伝説マリオ・ケンペスがバレンシア加入50周年の祝典来訪を正式予告
バレンシアの歴史において最も偉大なレジェンドの一人であり、1978年のアルゼンチンW杯で世界一に輝いたマリオ・アルベルト・ケンペスが、自身のSNSを通じて、バレンシア加入から50周年(半世紀)を記念する祝典のために、2026年9月25日と26日にバレンシアを再訪することをファンに向けて公式に発表しました。ケンペスは1976年8月11日にバレンシアに加入し、その5日後のトロフェオ・ナランハ(CSKAモスクワ戦)でデビューを果たしました。ケンペスは当時を振り返り、『ロサリオ・セントラルから私を引き抜いてくれたパシギート監督は、私のためにすべてを賭けてくれた。当時のラモス・コスタ会長は私のプレーを一度も生で見たことがなく、サッカー誌エル・グラフィコの評判だけを信じて契約してくれたのだ。デビュー戦は最悪で忘れ去りたいほどの出来だったが、そこからすべてが変わっていった。何よりもタイトル以上に嬉しかったのは、メスタージャに入った時にサポーターが送ってくれたあの熱烈な愛情だ。50年経った今でも、私は永遠にバレンシアのファンだ』と、サポーターへの深い愛を語りました。(via ElDesmarque)
5-3-2戦術の本格導入とベティス戦延期に伴う8月22日のセルタ開幕戦への備え
カルロス・コルベラン監督率いるバレンシアは、今夏のプレシーズンにおいて、CDテルエルに0-1で敗れ、Trofeu Taronja(オレンジ杯)でニューカッスルに1-2で敗れ、最終的にヘルクレスに2-0で勝利するという、浮き沈みの激しい準備期間を終えました。右サイドバックの絶対的な人員不足を補うため、監督はプレシーズンを通じて1-5-3-2(5-3-2)の可変戦術システムをテスト。Pepelu(ペペル)を3バックの中央リベロに据えてビルドアップの安定を図り、若きガモンを右ウイングバック、ジェスス・バスケスを左ウイングバックに配するこの新布陣が、新シーズンのメインシステムとして機能する見通しです。なお、本来この週末に予定されていたレアル・ベティスとのラ・リーガ開幕戦は、相手チームにW杯決勝出場選手がいたことによる特別措置で延期となりました。これにより、バレンシアの本当のリーグ開幕戦は、8月22日(土曜日)19時30分にホームのメスタージャにセルタを迎える第2節となります。タイトなスケジュールを見据え、チームは最高の準備を続けています。(via MARCA)
【本日の総括】
バレンシアは、プレシーズン最終戦のヘルクレス戦においてハビ・ゲラと佐藤龍之介のホットラインが爆発して2-0で快勝し、テルエル戦での敗戦や右サイドバック不在による不安を払拭する確かな光を手にしました。獲得目前のアルナウ・マルティネスや守護神ディ・グレゴリオの交渉進展、そしてアンドレ・アルメイダの移籍など、フロントも市場最終盤の攻防を急ピッチで進めています。ベティスとの開幕戦が延期されたことで生まれた時間を活かし、コルベラン監督が構築する5-3-2戦術をさらに研ぎ澄まし、8月22日のセルタとのメスタージャでの開幕戦に向けて、バレンシアは不屈の結束力で挑みます。
