黄金のカンテラからW杯王者へ

スペイン代表がワールドカップで2度目の優勝を果たした歓喜の裏には、ビジャレアルCFが長年培ってきた育成の賜物がありました。フェルナンド・ロッチ会長と故ホセ・マヌエル・ジャネサ氏が未来を見据えて築き上げたカンテラモデルから、ロドリゴ・エルナンデス(ロドリ)、アレックス・バエナ、ジェレミ・ピノという3人の世界王者が誕生しています。

今大会で最優秀選手賞(ゴールデンボール)を受賞した絶対的リーダーのロドリは、ビジャレアルにとって特別な存在です。2013年、16歳の時にアトレティコ・マドリードからRoda(ビジャレアルの育成組織)に加入した彼は、カステリョンからビジャレアルのスポーツシティまで電車と自転車を乗り継いで通っていました。加入初年度は出場機会に恵まれず、一度はサッカーを辞めることも考えたそうですが、翌年の夏に身長が急激に伸びて才能が開花しました。2016年にトップチームデビューを飾り、2018年に2000万ユーロでアトレティコへ移籍するまでに、ビジャレアルで公式戦84試合に出場し、2ゴール6アシストを記録してチームに大きく貢献しました。

アレビン年代からビジャレアルで育ったアレックス・バエナも、今大会でまばゆい輝きを放ちました。25/26シーズンにアトレティコ・マドリードへ移籍して1年目のシーズンを過ごした彼ですが、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督の信頼を勝ち取り、カーボボベルデ戦以降はスタメンに定着しました。ウルグアイ戦では決勝ゴールを挙げ、ラウンド16のオーストリア戦でもアシストを記録。EURO、オリンピック、そしてワールドカップのすべてを制覇した史上初の選手という歴史的偉業を成し遂げています。恩師であるデ・ラ・フエンテ監督のタトゥーを彫るかという問いに対し、バエナは『もし頼まれたらタトゥーを入れるよ。でも、あまりかっこよくないから見えないところにね』と冗談交じりに語り、チームの良好な雰囲気を垣間見せました。

カデテ年代からミラルカンプで育ち、現在もビジャレアルに所属するジェレミ・ピノは、ウルグアイ戦で肩を負傷し、それ以降はピッチに立つことができませんでした。しかし、彼はロッカールームを一つにまとめる重要な役割を担い、ネーションズリーグ、EURO、ワールドカップという3つの国際タイトルを持つ選手としてチームを支え続けました。

さらに、この3人に加えて、ボルハ・イグレシアスもビジャレアルの育成組織に所属していた過去があります。2010/11シーズンにセルタのカンテラから加入した彼は、Rodaで1年、フベニールAで1年、そしてビジャレアルCで1年間プレーして11ゴールを挙げ、その後にセルタへ復帰して成長を遂げました。カンテラでの膨大な努力とクラブの育成哲学が、世界一という最高の結果となって実を結んでいます。(via SPORT)

笑顔の帰還

ビジャレアルのミラルカンプ(シウダー・デポルティーバ・ホセ・マヌエル・ジャネサ)に、待ちに待った笑顔が戻ってきました。カーボボベルデ代表としてワールドカップに参加していたセンターバックのローガン・コスタが、大会を終えてトップチームのプレシーズンに合流しました。ワールドカップに出場したビジャレアルの選手の中では、彼が一番乗りの帰還となります。

本来であれば、国際大会に参加した選手には法定で3週間の休暇が与えられます。カーボボベルデ代表は7月3日のラウンド32でアルゼンチン代表に敗れて大会を去りましたが、コスタはわずか2週間と1日という短い休暇でチームに戻ることを決断しました。この早期合流の背景には、彼が直面した非常に困難な1年間があります。

コスタはちょうど1年前の2025年7月19日、FCバーゼルとの夏のプレシーズンマッチ初戦で左膝の前十字靭帯を完全断裂するという大ケガを負いました。手術を受け、25/26シーズンのほぼ全休を余儀なくされた彼は、ワールドカップの代表メンバーには選出されたものの、試合勘の不足からロベルト・ロペスとディネイ・ボルジェスのセンターバックコンビの前に出場機会を得ることはできませんでした。

長かった苦難の時間を完全に過去のものとし、試合勘をいち早く取り戻して新監督のプランで重要なポジションを勝ち取るため、彼は自ら休暇を短縮しました。月曜日の練習に合流したコスタは、チームメイトたちと笑顔で触れ合い、非常に積極的な姿勢を見せていました。特に、同じく重度の筋肉のケガで長期離脱し、ジムや施設でリハビリの日々を共に過ごしたウィリー・カンブワラとは強い絆で結ばれており、ピッチ上で親しげに言葉を交わす姿がありました。

ケガをする前のコスタは、対人戦での強さ、空中戦の支配力、そして背後の広大なスペースを守る能力を兼ね備えていました。彼がトラブルなくこの夏を乗り切り、開幕に向けて最高の状態を取り戻すことができれば、ビジャレアルの守備陣にとって計り知れない補強となります。彼の自発的な合流と前向きなエネルギーは、今週のクラブにとって最大の朗報となりました。(via SPORT)

(via Estadio Deportivo)

新生イニゴ・ペレス体制の歩み

チャンピオンズリーグの舞台に復帰する今シーズン、イニゴ・ペレス新監督が率いるビジャレアルのプロジェクトは着々と進行しています。チームは7月6日の週にメディカルチェックを済ませ、9日からペレス監督の下で本格的なグラウンド練習をスタートさせました。

7月17日の金曜日には、ポルトガルのファロにあるエスタディオ・アルガルベで、今夏最初のプレシーズンマッチとなるベンフィカ戦が行われました。結果はラファ・シウバとパヴリディスにゴールを許し、0-2での敗戦となりました。土曜日の練習と日曜日のオフを挟み、月曜日からは午前9時30分と午後18時30分の2部練習が組まれ、選手たちは厳しいフィジカルトレーニングとともに、ペレス監督が求める戦術モデルの早期適応を目指しています。

ローガン・コスタの合流に続き、今週の半ば(火曜日か水曜日)にはニコラ・ペペ(コートジボワール代表)とパプ・ゲイェ(セネガル代表)の合流が見込まれています。両選手の母国もワールドカップのラウンド32で敗退しているためです。ただし、パプ・ゲイェに関しては夏の移籍市場で大型オファーが届く可能性が残されており、今後の動向が注視されています。

一方で、大会に長く残っていたタニ・オルワセイ、タジョン・ブキャナン、レナト・ヴェイガ、アレックス・フリーマンなどのワールドカップ参加組は、合流時期がさらに遅れる予定です。

今後のプレシーズンのスケジュールとして、チームはPSVエイントホーフェンとの対戦を控えているほか、イタリアへ遠征してコモ・カップに参加し、その後はレバンテ、ガラタサライとの親善試合を戦って開幕への最終調整を行う計画です。(via SPORT)

(via Estadio Deportivo)

セラミカ大改修に伴うシーズンチケット大移動

ビジャレアルCFのシーズンチケット(アボノス)更新キャンペーンが、クラブにとって非常に重要なフェーズを迎えました。本拠地エスタディオ・デ・ラ・セラミカの大規模な改修工事に伴い、多くのソシオ(会員)が座席の移動(reubicaciones)を余儀なくされており、月曜日の朝10時から新座席を選択するプロセスがスタートしました。

スタジアムのチケット売り場周辺には早朝から長蛇の列ができ、中には良い席を確保するために日曜日の午後から折りたたみ椅子を持参して並ぶ熱狂的なファンの姿もありました。クラブは会員歴の長さを優先した事前予約システムを導入して対応にあたりましたが、長年愛着のあった座席から離れなければならないファンが、ピッチの見え方や家族・友人との連番確保について直接窓口で確認したいと考えたため、大変な混雑となりました。

この座席変更のフェーズは7月23日の木曜日まで続きます。続いて7月24日から27日にかけては、座席のカテゴリーが変更になった会員や、新しい「ホスピタリティ」スペースの設置によって影響を受けた奇数メインスタンド(Tribuna Impar Central y Lateral)の会員が手続きを行います。その後、7月28日と29日には、残りの空席から変更を希望する一般会員への対応が行われ、8月3日からは新規入会および未更新者向けの受付が開始される予定です。

今回のスタジアム改修は、一部のスタンドの配置変更だけでなく、アクセスの改善、内部の動線確保、そしてファン向けサービスの抜本的な向上を目的としています。

今シーズンのチケットは2つのカテゴリーで販売されています。1つ目は「Abono LaLiga」で、トップチームのリーグ戦ホーム全試合に加え、ビジャレアルB、下部組織、女子チームのシウダー・デポルティーバでのホームゲームが含まれます。2つ目は「Abono Champions」で、上記の内容に加えてチャンピオンズリーグのリーグフェーズ全試合、およびコパ・デル・レイのホーム全試合を観戦できるフルパッケージとなっています。

イニゴ・ペレス新監督の就任とチャンピオンズリーグ復帰への期待から、ファンの熱気は最高潮に達しています。ただし、スタジアムの改修工事を終わらせるため、ラ・リーガ開幕からの3試合(ラシン・サンタンデール戦、アトレティコ・マドリード戦、アラベス戦)はアウェイでの開催となります。順調に工事が進めば、第4節のデポルティーボ・ラ・コルーニャ戦で、新しく生まれ変わったエスタディオ・デ・ラ・セラミカのお披露目とホーム開幕戦が行われる予定です。(via Estadio Deportivo)

【本日の総括】

ワールドカップでスペイン代表を優勝に導いたロドリ、バエナ、ピノらカンテラ出身者の活躍は、クラブの育成ビジョンが世界最高峰であることを証明しました。トップチームはイニゴ・ペレス新監督のもとでプレシーズンを本格化させており、大ケガを乗り越えたローガン・コスタが休暇を返上して合流するなど、新シーズンへの意気込みが感じられます。また、セラミカの改修によるシーズンチケットの座席変更手続きには多くのファンが殺到しており、チャンピオンズリーグに挑むクラブへの期待の高さがうかがえます。