【本拠地セラミカでの悲劇

本拠地エスタディオ・デ・ラ・セラミカに久々に帰還したビジャレアルCF。開幕から勝利がない中でサポーターの前での初白星が期待されましたが、終わってみれば2-3というあまりに痛烈な逆転負けを喫しました。これで今シーズンは4試合を消化して2分け2敗、勝ち点はわずかに2にとどまり、イニゴ・ペレス体制の新プロジェクトは早くも深刻な危機に瀕しています。

試合はビジャレアルが良い立ち上がりを見せました。前半19分、アヨセ・ペレスの見事な反転からの浮き球スルーパスに反応したニコラス・ペペが抜け出すと、相手ゴールキーパーであるレオ・ロマンの中途半端な飛び出しを見逃さずに正確なループ気味のコントロールシュートを流し込んで先制に成功します。

しかし、先制したものの試合の流れを引き寄せきれないビジャレアルは、前半終了間際の43分、ルイスミ・クルスに同点ゴールを叩き込まれます。

後半に入り、ビジャレアルは攻勢を強めます。ジェラール・モレノ、アルベルト・モレイロ、ペペらが鋭い攻撃を見せ、モレイロの強力なシュートが相手GKの好セーブに遭うシーンなど、多くの決定機を作ります。パプ・ゲイがフリーキックの流れから見事なゴールを奪ったシーンでは、味方選手が相手の壁に不適切に侵入したという反則により、主審のヘスス・ヒル・マンサーノによってゴールが無効とされる厳しい判定もありました。

後半75分、右サイドからのジェラール・モレノのセンタリングが、クリアを試みた相手ディフェンダーのアダマ・トラオレの頭に当たり、オウンゴールとなってビジャレアルが2-1と再び勝ち越します。しかしこの歓喜も束の間、わずか3分後の78分、交代出場したばかりのザカリア・エダシュリに、ゴールキーパーのルイス・ジュニオールのニアサイドを抜かれる鋭いシュートを突き刺されて2-2の同点に追いつかれます。

そして迎えた88分、中盤での不必要なエラー、あるいはセバスティアン・カルドナの致命的なマークミスから、ピエール=エメリク・オーバメヤンに一瞬の隙を突かれて決勝ゴールを許し、2-3で屈辱的な逆転負けとなりました。試合終了後、本拠地に集まった18,302人のファンからは怒りの口笛や、チーム、そしてGKルイス・ジュニオールに対する容赦ない大ブーイングが浴びせられ、スタジアムは重苦しい空気に包まれました。(via SPORT)

【CLドルトムント戦を見据えた大改革

過密日程を戦い抜くための決断か、あるいはチームの活性化を狙ったものか、イニゴ・ペレス監督は火曜日に控えるUEFAチャンピオンズリーグのボルシア・ドルトムント戦を見据え、前節のアラベス戦から先発メンバーを一気に関わる大刷新を試みました。

先発メンバーから、サンティ・コメサニャ、ブキャナン、ミカウタゼ、ムリーニョ、ロメロ、そして負傷のフォイスという主力級の6名が外れ、代わってアヨセ・ペレス、ジェラール・モレノ、ナタン・サリバ、ローガン・コスタ、セルジ・カルドナ、アレックス・フリーマンが先発に名を連ねました。

イニゴ・ペレス監督は、後半に状況を解決すべく、ミカウタゼ、ブキャナン、コメサニャの3人を同時に投入してシステムを変更。さらに終盤にはジェラール・モレノに代えてタニ・オルワセイン、ローガン・コスタに代えてイリアス・アコマシュを送り込み、極めて攻撃的な布陣で勝負に出ました。しかし、守備の連動性を欠いたチームは終盤に耐えきれず、結果としてこの大幅なメンバー変更と勝負を賭けた采配は裏目に出る形となりました。(via SPORT)

【469日ぶりのスタメン

キャボベルデ代表ディフェンダーであるローガン・コスタにとって、この日は極めて特別な1日となりました。負傷したファン・フォイスの代役としてセンターバックに入ったローガン・コスタですが、公式戦の先発メンバーとしてピッチに立ったのは、実に対象的な469日ぶりの出来事でした。

彼の最後のスタメン出場は、2025年5月25日に行われた2024-2025シーズン最終節のセビージャ戦(4-2で勝利、90分フル出場し1アシストを記録)まで遡ります。

その後、膝の十字靭帯断裂という選手生命を脅かす深刻な重傷を負い、気の遠くなるような過酷なリハビリ期間を過ごしました。昨シーズンの終盤にようやく戦列へ復帰したものの、出場機会はラージョ・バジェカーノ戦での14分間、アトレティコ・マドリード戦での15分間という短時間の途中出場のみ。今シーズンもこれまではベンチスタートが続いていましたが、ついに悲願のスタメン復帰を果たしました。

ローガン・コスタは後半83分に交代するまでピッチで奮闘し、試合後には次のように今の胸中を語りました。『勝つために強い気持ちで挑んだが、本当に難しい試合になってしまった。多くの決定機を作り出しながらも、最後の仕上げを欠いてしまった。これは選手たちが自信を失っているわけではない。ただ今はチームとして不調な時期にいるんだ。それでも、僕たちは絶対にここから這い上がり、素晴らしいチームへと改善していくと確信している』と、悔しさを滲ませながらも強い決意を述べました。(via MARCA)

【期待の新星デビュー

今夏の移籍市場で加入した若きミッドフィルダー、ナタン・サリバが、ついにファンにお披露目されました。イニゴ・ペレス監督は彼をいきなりスタメンとして起用し、期待の大きさをうかがわせました。

黄色いユニフォームを身にまとって中盤の底に入ったサリバは、デビュー戦とは思えないほどの強いエネルギーと卓越したスキルを披露。高い身体能力を活かした守備はもちろん、攻撃の局面でも正確な縦パスを配給し、中盤で強烈な存在感を発揮しました。

試合後、指揮官であるイニゴ・ペレス監督も彼のパフォーマンスを絶賛し、次のように讃えました。『今日の試合における最大の収穫の一つは、間違いなくナタンの躍動だ。加入してまだ間もない短い時間の中で、これほどのエネルギーと確かなレベルをピッチ上で示してくれた。この彼の熱いプレーが、チーム全体にポジティブな刺激として伝染していくことを願っている。彼にはチームを牽引する力がある』と、新星のこれからの飛躍に大きな期待を寄せました。(via MARCA)

【痛烈な自己批判

デポルティボ戦の逆転負けを喫した後、記者会見場に現れたイニゴ・ペレス監督は、一切の言い訳をせず、厳しい言葉を並べて深い自己批判を行いました。

開幕から4試合で勝ち点2という大不振のスタートについて、ペレス監督は感情をむき出しにして語りました。『このシーズン滑り出しは非常に悪い。言葉を飾るつもりはない。心にあるのは強い苛立ち、苦痛、そして深い悔しさだ。このような逆境に直面したときこそ、現実から逃げずに真実と向き合い、分析を行い、何が間違っているのかを突き止める必要がある。そこから改善するのは苦しい作業になるが、それしか道はない。火曜日にはチャンピオンズリーグのドルトムント戦という過酷な一戦が控えており、いつまでも悔やんでいる時間も余白もない。選手たちや私自身も含め、個々のパフォーマンスを徹底的に分析しなければならない』。

また、たとえ最後のオウンゴールなどで勝っていたとしても不満が残ったはずだと強調し、次のように続けました。『もし今日、最後の最後で奇跡的に勝利を掴み取っていたとしても、私の不安や不快感は同じように残っていただろう。なぜなら、私自身が監督として選手たちに求めているビジョンや戦術的な規律が、ピッチ上で表現されていなかったからだ。ペナルティエリア内での決定力不足や信じられない守備のミスが響いたのは事実だが、問題はもっと深いところにある。ピッチ上の選手たちと指導陣が一致団結し、この危機的な状況からチームとしての強さを取り戻すために、現実から目を背けずに戦っていくしかない』と、緊急の改善に向けた並々ならぬ危機感を表明しました。(via MARCA)

【筋肉の違和感と直前の離脱

今回のデポルティボ戦では、直前まで先発メンバーへの復帰やスタメン出場が確実視されていた2人のディフェンダーが、直前のアクシデントにより急遽欠場を余儀なくされました。

前節のアラベス戦で90分間フル出場を果たし、怪我からの完全な復活を証明したとみられていたアルゼンチン代表ディフェンダーのホアン・フォイスは、メンバー外となり欠場。

さらに、チームの左サイドバックとして重要な役割を担うカルロス・ロメロも、試合前の段階で筋肉に違和感を訴えたため、無理をさせずに急遽メンバーから外れることになりました。

この2人の主力DFの離脱により、イニゴ・ペレス監督は急遽、代役としてローガン・コスタとセルジ・カルドナをスタメンに配置せねばならず、直前の戦術プランの変更を余儀なくされました。(via Mundo Deportivo)

【森林火災の救急隊へ捧げるオマージュ

エスタディオ・デ・ラ・セラミカでの一戦を前に、ビジャレアルCFは地域社会と深く結びついた厳粛なセレモニーを開催しました。

クラブは、ビジャレアル近郊に位置するセラ・デスパーダで発生した深刻な森林火災において、命がけで消火活動や治安維持、被災者の救急活動に尽力した救急隊、警察、消防などの治安部隊の人々をスタジアムに招待。ピッチ上に招かれた彼らの勇敢な行動と献身的なコミュニティへの貢献に対し、スタジアムの観衆とともに最大の敬意と称賛を捧げました。

また、そのオマージュセレモニーの直後、キックオフ前には、2025-2026シーズン中に逝去されたすべてのビジャレアルのソシオ(年間シート保持者)およびサポーターを追悼するため、スタジアム全体で起立して1分間の黙祷を捧げ、心からの哀悼の意を示しました。(via Estadio Deportivo)

【IFAB新ルールの適用劇

試合が始まって間もない前半5分、ピッチ上で新しいサッカーのルールが適用される極めて珍しい場面が発生しました。

デポルティボのフォワードであるビル・ンソンゴが、空中戦の競り合いでビジャレアルのDFレナト・ヴェイガと交錯。着地の際に足首を強く踏まれる形となり、ンソンゴはピッチに倒れ込んで激しい苦痛を訴えました。

治療のために一時的に試合が中断されましたが、この際、主審のヘスス・ヒル・マンサーノは、IFAB(国際サッカー評議会)が近年導入したルール5の改定プロトコルを厳格に適用しました。このプロトコルは、医療スタッフの直接的な立ち入りがなかった場合であっても、怪我やその疑いによって試合のテンポが中断された場合、当該選手は一度ピッチ外に出され、再開から1分間が経過するまで復帰を認められないというものです。

ンソンゴはピッチ外に退避させられ、1分間の待機を命じられました。このルールは、不要な時間遅延を防ぎ、ピッチ外で医療スタッフが選手を慎重に観察してプレー継続が可能か判断する時間を確保することを目的に定められたもので、近代サッカーのスピード感維持に向けた象徴的なシーンとなりました。(via SPORT)

【CL前哨戦で劇的逆転

火曜日のUEFAチャンピオンズリーグ開幕節でビジャレアルを迎えるボルシア・ドルトムントは、ブンデスリーガ第2節のホッフェンハイム戦で劇的な大逆転劇を演じ、3-2の勝利でリーグ2連勝を飾りました。

ニコ・コバチ監督率いるドルトムントは、キックオフからの約1時間、ゲームをコントロールできずに完全に圧倒される展開を強いられました。再三にわたる守備の崩壊により極めて苦しい状況に追い込まれましたが、守護神であるグレゴール・コベルの超人的な連続セーブによってかろうじて試合を繋いでいました。しかし、前半45分にレオン・アヴドゥラフに強烈な右足のコントロールシュートを決められて先制されると、後半54分にはティム・レンペルレに2点目を許し、0-2と敗色濃厚となります。

それでもコバチ監督は62分にファビオ・シウバを投入して反撃。61分にエースのセルジ・ギラシがエリア内での巧みなシュートで1点を返すと、投入からわずか4分後の66分にファビオ・シウバがクロスシュートを叩き込んで一気に2-2の同点に追いつきます。そして88分、ホッフェンハイムのディフェンダーであるアルビアン・ハジュダリがクリアを誤って痛恨のオウンゴールを誘発。土壇場で3-2とひっくり返しました。

ドルトムントの不屈の闘志はビジャレアルにとって大きな警戒対象となる一方、彼らが約1時間にわたり守備組織を崩壊させていたという事実は、イニゴ・ペレス監督がドルトムント攻略の糸口を掴むための重要なヒントとなるはずです。(via Mundo Deportivo)

【本日の総括】

開幕から4試合で勝利がなく、勝ち点2で15位に沈むという非常に苦しい現状が突きつけられました。本拠地セラミカでの2度のリードを活かせず、終盤のミスから逆転負けを喫したことは極めて遺憾であり、選手やサポーターには深い痛みといらだちが広がっています。しかし、下を向いている時間はありません。中2日で迎えるボルシア・ドルトムントとのCL初戦に向けて、イニゴ・ペレス監督がこの警鐘をどのように受け止め、チームを緊急に立て直すのか、その真価が問われることになります。