UDラス・パルマス
ホームのグラン・カナリアで行われたレガネスとの一戦は、見応えのある激闘の末に0-0の引き分け。この結果と内容について、現地では様々な議論が巻き起こっている。
前節モンティリビでのジローナ戦で5失点という大敗を喫し「悪夢の夜」を過ごした守護神ホセ・アントニオ・カーロ(愛称チュリピ)は、この日は見事に汚名を返上。足元でのビルドアップに安定感を示し、数多くの決定的なピンチを神がかったセーブで防ぎきってチームを敗戦から救った。また中盤では、本来の大黒柱であるキャプテンのキリアン・ロドリゲスが深刻な不振に喘ぐ中、若き俊英イニャキ・ゴンサレスが八面六臂の働きでカバー。ピッチ全体を統率し、まるでキャプテンのようなリーダーシップを発揮した。キリアン自身は前半早々に受けた2枚のイエローカードの脅威に晒され、存在感を欠いたまま最初の交代枠(後半開始早々の1時間経過時点)でピッチを退いた。
後半途中から投入された日本期待の新鋭・宮代大聖は、チームに一気に縦への推進力とダイナミズムを吹き込み、アタック陣と見事なパス連携を披露した。彼のピッチ入りによって、それまで停滞していた攻撃が格段にアグレッシブへと活性化されており、現地でも高い評価を得ている。
試合後、スタジアムで上がったファンからのブーイングに対し、ルベン・デ・ラ・バレーラ監督は『ここいる誰もが勝利を求めている。しかし私たちは、より高いレベルやテストを安定してクリアしていくために、サポーターに支えられ、守られていると感じる必要がある』と呼びかけ、チームの構築にはまだ時間と忍耐が必要だと語った。キリアンの交代については早い警告を考慮した安全策であり、サイドからのアタックを強化するための戦術的選択だったと説明。また、ワントップで先発したヘフテ・ベタンコールについては、相手の堅固な守備ブロックに阻まれ思うような展開を作れなかったと振り返った。 (via SPORT)
CDレガネス
敵地でのラス・パルマス戦に臨んだレガネスは、ルベン・アルベス監督の下で前半からエネルギーに満ちたアグレッシブなプレッシングを敢行。まさに「ロックンロール」と評されるような激しい戦術で試合の大部分をコントロールし、ホームチームを圧倒した。
守備陣はラス・パルマスのワントップであるヘフテを完璧に封じ込め、アウェイゲームとして非常に優れた戦いぶりを披露。しかし、相手守護神カーロの驚異的なセーブの前に決定機を阻まれ続け、ゴールを奪うには至らなかった。それでも、敵地から貴重な勝ち点1を持ち帰るという十分な手応えを得るゲームとなった。 (via SPORT)
セルタ・フォルトゥナ
次節に控えるセウタへの過酷な遠征に向けて、チームの戦力構成が大きく揺らいでいる。前節はホームのバライードスでカステリョンに1-2と敗れ、開幕からの好スタート(カディスと引き分け、アンドラに4-2で勝利)がストップ。この状況からいち早く立て直したいところだが、新たな問題に直面している。
トップチームを率いるクラウディオ・ヒラルデス監督が、月曜日のゲタフェ戦に備えて、フォルトゥナの主力であるウーゴ・ブルシオとアンドレス・アンタニョンの2人を急遽トップチームへと招集。アンタニョンはすでにアノエタでのレアル・ソシエダ戦で先発出場して62分間プレーしており、これら重要な若きキープレイヤー2人がセウタ遠征の帯同メンバーから外れることになった。さらに、最終練習で膝に違和感を訴えたジャン・オリベラスが欠場を余儀なくされ、大注目の才能ステファン・バイチェティッチもまだ公式戦を戦えるコンディションに達していないと判断され、今回の遠征メンバーからは除外された。
一方で好材料もある。移籍市場の最終日にスペインサッカー連盟(RFEF)がようやく登録手続きを完了したポルトガル人ミッドフィールダー、ブラド・シルバがセウタ戦で公式戦デビューを果たせる状態になった。また、主力の相次ぐ離脱に伴いマテオ・ソブラルが招集リスト入りし、こちらも出場の機会を窺っている。フレディ・アルバレス監督は、難地セウタでの戦いを前に『ピッチ外で起きている苦境が相手チームにスポーツ面で影響を与えているのは確かで、選手たちにとって非常に困難な状況であることは間違いない。しかし、逆境の中だからこそ、チームは一致団結してさらに強い結束を示すことができる。厳しい戦いになるだろう』と、相手の不気味な底力を警戒している。 (via Estadio Deportivo)
ADセウタFC
ここまで開幕3連敗を喫し、10失点という守備崩壊で最下位に沈んでいる。チームの再起に向けた道のりは、ピッチ外の深刻な問題によって険しいものとなっている。
7月31日の移民流入危機に伴うセウタ市内の緊迫した治安・社会情勢が、今夏の補強計画に大打撃を与えた。獲得合意に達していた15名もの新選手たちが、この情勢不安を理由に直前でセウタへの移籍を拒否。その結果、急遽リストの第一希望ではない代わりの選手たちでロースターを補わざるを得ず、選手登録やチームへの合流は市場の最終週までずれ込むことになった。
ルイス・ガルシア監督の下、ホームであるエスタディオ・アルフォンソ・ムルーベのサポーターの前で何としても意地を見せ、勝ち点をもぎ取って降格の影を払いたいところ。相手のフォルトゥナ側も、セウタが持つ多彩な攻撃パターンやダイレクトプレーの質の高さを依然として非常に高く評価しており、この逆境の中での激突が注目される。 (via Estadio Deportivo)
レアル・オビエド
本拠地タルティエレにブルゴスを迎える一戦を控え、フリアン・カレロ監督は今夏の移籍市場で16人もの新戦力を獲得したことについて、映画『フォレスト・ガンプ』の名台詞を引用して表現した。『これはフォレスト・ガンプのチョコレートの箱のようなもの。これからは箱を開けてみて、どれが本当に美味しいか(どの組み合わせが機能するか)を確かめていく段階だ』と語り、チームが未だ建設途中であることを強調した。
負傷したアイサルのカバーとして急遽獲得されたダビド・ヒメネスは、ウイングバックだけでなく中盤のインサイドハーフもこなせる多才でダイナミックな選手として高く評価されている。また、攻撃に創造性をもたらすゴティについては、システムを柔軟に変更する戦術的な幅をもたらす選手(10番や4-4-3、4-4-2など)としてカレロ監督の信頼を得ており、彼の持つ高いテクニックに闘争心を吹き込み、チームに貢献させたいと述べた。
フォワード陣の台所事情は深刻だ。Chris Ramos(クリス・ラモス)とCarlos Fernández(カルロス・フェルナンデス)が負傷のため練習に参加できず、今節の欠場が確定。これにより、新戦力のアレクサンドル・イスファンが引き続きワントップを任される。イスファンはここまでリーグ最多の8本のシュート(枠内3本)を放つなど、ゴールへの強い意欲を示しているもののいまだノーゴール。空中戦では4勝2敗と健闘しているものの、地上戦を含むデュエルでの勝率が2勝11敗と著しく低く、この改善が大きな焦点となっている。監督は、イスファンを先発させて前線で相手DFを消耗させ、後半からビクトル・ミンゴを投入するプランを予定している。
カレロ監督自身にとって、ブルゴスは過去にクラブの消滅危機を乗り越えてセグンダに定着させた、強い愛着と絆のある特別な相手。今回の対戦について特別な感情を認めつつ、相手のキープレイヤーであり、かつてオビエドで不発に終わるも今季ブルゴスで2ゴールを決めているフォレスを『類まれな得点感覚と高い決定力を持つ選手であり、細心の注意が必要だ』と警戒を露わにした。 (via SPORT)
CDエルデンセ
移籍市場最終日にロベルト・ロペスとフアン・ラリオスを獲得し、合計18人という驚異的な数の新戦力を補強してチームを完全に刷新した。ここまで1平2敗(勝ち点1)で20位の降格圏に苦しむエルデンセだが、次節の強豪マジョルカ戦を前に一歩も引かない構えを見せている。
クラウディオ・バラガン監督は、市場での大補強について『多くの素晴らしい戦力が加わった。これほど優秀な選手たちからメンバーを選ぶのは、私にとって嬉しい悲鳴であり、同時にワクワクする幸せな悩みだ』と喜びを隠さなかった。さらに、負傷していたマヌ・ニエトとパウ・カバネスが全体練習に復帰したことで、チームの選択肢はさらに広がっている。
特に、ナポリからレンタル移籍で加わった若きフォワード、ディニス・ロドリゲスに対する周囲の期待は極めて高い。監督は『素晴らしいデータや情報はあるが、まずは日々の練習で彼がどうアピールするか見ていきたい。すべての選手が横一線からのスタートだ』と述べた。
かつて1部リーグで戦っていた強豪マジョルカに対し、バラガン監督は『昇格を宿命づけられた強力な相手だが、我々は自分たちの戦術を信じて全力で戦う。格上のステージであるセグンダの厳しさを学びながら、ミスを減らして競争力を高めていく』と闘志を燃やしている。 (via Estadio Deportivo)
RCDマジョルカ
前節セウタに3-0で快勝し、昇格プレーオフ圏内の5位につけるマジョルカは、敵地ヌエボ・ペピコ・アマ(ヌエブ・ペピコ・アマット)でのエルデンセ戦で今季アウェイ初勝利を狙う。
ルイス・ガルシア監督は『ホームとアウェイを区別してはならない。1部昇格という目的を果たすために、敵地でもSon Moixと同様に支配的なパフォーマンスを見せ続ける必要がある』と、チームのメンタリティを強調した。
中盤の主力セルジ・ダルデルが完全に怪我から回復。ただし、直近の試合に出場していないため、今節もモルラネス、パブロ・トーレ、アレックス・サラの中盤トリオが先発の見込み。また、バルセロナから獲得した注目の神童ギジェ・フェルナンデスと、同じく新加入のジョン・チェタウヤが初の招集リストに入り、ベンチから出番を待つ。アルベルト・モレノ、アブドン、プッチマル、カラムバ、ジャン・サラス、ダニ・ルナは引き続き怪我などの影響で招集外となっている。 (via SPORT)
コルドバCF
今季セグンダに昇格したコルドバCFは、ピッチ外の革新的なアプローチでチームの競争力を高めている。CEOであるアントニオ・フェルナンデス・モンテルビオの主導のもと、スタジアム「エル・アルカンヘル」の内部に、1部リーグやチャンピオンズリーグに出場する一流クラブをモデルにした最先端のキッチンおよび専用食堂をゼロから建設した。
チームデリゲートを兼ねるクラブ栄養士アントニオ・フローレスは『ピッチに入る前の正しい栄養補給が選手のパフォーマンスに直結することは科学的に証明されている。プロサッカー選手は最高のアスリートでなければならず、栄養や筋肉の水分量が不足していれば、ケガの発生リスクが跳ね上がる』と力説する。
選手たちはスタジアムで朝食と昼食をとり、夕食や間食は個別メニューとしてパッケージ化されて持ち帰る。食事管理は徹底されており、21日ごとに「ISAK法(皮下脂肪厚計測)」を用いて体脂肪率を測定し、制限範囲内に収まるよう管理。さらに、心拍数を計測するウェアラブルデバイス「Whoop」のデータと毎日のウェルネスアンケートを通じて、選手の疲労や回復度を客観的に数値化している。この先進的なデータ・栄養管理によって昨季の昇格とパフォーマンス向上を実現した。フローレスはこれを『さらに細部を突き詰め、チャンピオンズリーグ級の品質へと引き上げたい』と大きな野心を語る。 (via SPORT)
レアル・バリャドリード
開幕からアウェイ3試合(スタジアム「ホセ・ソリージャ」の改修工事のため)を戦い、1平2敗(勝ち点1)で19位の降格圏に沈むが、今節ついに本拠地サポーターの前での今季初ゲームを迎える。
フラン・エスクリバ監督は、対戦相手であるFCアンドラを非常に手強いと認め、『アンドラのように他のクラブとは一線を画した独特なポゼッションスタイルを持つチームは他にない。非常に若く、攻撃的で大胆不敵だ。美しく、同時に極めて過酷なゲームになるだろう』とコメントした。
バリャドリードには、かつてアンドラに所属していたジェライ・カバンソンが今回は完全移籍した選手として所属しており、古巣との特別な対決となる。本拠地での待望の開幕戦を勝利で飾り、降格圏からの脱出を誓う。 (via MARCA)
FCアンドラ
ここまで1勝2敗(勝ち点3)の15位。前節エイバルに0-1で敗れたカルレス・マンソ監督率いるチームは、伝統的に相性の良い敵地ソリージャでのバリャドリード戦で、再起を期す。アンドラは昨季も11戦未勝利のどん底からソリージャでの勝利(ミンスのロスタイム弾)を契機に勢いを取り戻した。
マンソ監督は『バリャドリードでの一戦で大きな手応えを示したい。我々はまだ15人の新戦力を迎えたチームビルディングの途中だが、リーグ戦は待ってくれない』と語る。しかし、チームが志向する超攻撃的サッカーに対する自信は揺るぎなく、リーグ最多のシュート数を誇り、ゴール期待値でもリーグ首位を走っている点に胸を張る。
攻撃陣の選択肢がさらに充実。ラウタロ・デ・レオンが1週間の全体練習を消化してメンバー復帰が濃厚となり、直近で加入したディエゴ・ディアスも出場可能となった。一方で、エネス・サリは選手登録に必要な諸手続きが未完了のため今回の招集を見送り。ガエル・アロンソとテオ・ル・ノルマンは依然として怪我による戦線離脱が続いている。 (via Mundo Deportivo)
レアル・スポルティング
開幕から2勝1平(勝ち点7、4位)と絶好調のスポルティング。ピッチの好調だけでなく、クラブオーナーのアレハンドロ・イララゴリ会長と、提携クラブであるU-14ラネス(Llanes)に所属する14歳のダニエル・アリサ少年の間で、SNSを通じた素晴らしいやり取りが実現した。
ブルゴス戦をスタジアムで観戦したダニエルが会長に送ったSNSメッセージに対し、会長は『全選手のプレースタイルや特徴、そしてなぜスポルティングが1部に昇格できるかを手紙で書いて送れば、マレオ(練習場)に招待しよう』と約束。ダニエルが送った手紙は驚くほど精確で、守護神ヤニェスを「猫の反射神経」、お気に入りの右サイドバックのギジェ・ロサスを「チーズケーキのよう(必ず当たり)」、コレデラを「ピッチの剣闘士」、オテロを「原石」と見事に表現した。
会長は約束を守り、今週彼と家族をMareoに招待。ギジェ・ロサスがホストを務め、ジムや練習場の見学、ラルカモン監督との対話、さらにチーム恒例の歓迎セレモニー「pasillo de collejas(歓迎デコピン通路)」をダニエルが潜り抜けるという特別な瞬間を過ごした。イララゴリ会長は、土曜日のジローナ戦をダニエルと共にロイヤルボックスから観戦する予定。 (via SPORT)
ジローナFC
前節ラス・パルマスに5-2で快勝し、10位につけるジローナは、アウェイでの強豪スポルティング戦で真価を問われる。
キケ・アルバレス監督は『モリノンでの試合は、我々が本当に1部復帰を争う実力があるかを図る重要なテスト。前節5得点した攻撃は素晴らしいが、守備での細かいミスやビルドアップ時のリスクを修正しなければならない』とコメント。
注目はコロンビア代表のヤセル・アスプリーヤ。8月のセグンダ月間最優秀選手(MVP)に選出された彼は、前節ベンチから途中出場して2ゴールを挙げる大活躍を見せており、今節はついに先発出場の座を掴む可能性が高い。前線はVanatが1トップを維持する見込み。さらに、移籍市場最終日に加入したマテウ・モレイ、カルレス・ペレス、マウロ・フルタードの3選手が初めて招集リスト入りを果たし、デビューを待つ。一方で、ウナイ・エルナンデスとポルトゥは負傷欠場が続き、ハスティンも大腿四頭筋の軽微な負傷により今回のメンバーから外れている。 (via Mundo Deportivo)
【本日の総括】
今節のLALIGA Hypermotionは、1部復帰を至上命題に掲げる強豪クラブが着実に戦力を整える一方で、昇格組や中堅クラブが独自の強みや大規模な刷新で対抗する、極めて密度の高い競争が浮き彫りとなっている。
マジョルカやジローナといった本命級は、ダルデルの復活やアスプリーヤの月間MVP戴冠、さらには市場最終日の新戦力招集などにより、さらにその分厚い牙城を強固にしている。対するエルデンセは18人の新戦力による大刷新で「嬉しい悲鳴」をあげ、バリャドリードも改修を終えた本拠地ホセ・ソリージャでの初陣を機に降格圏からの逆襲を誓うなど、実力伯仲のリーグならではの凄まじい熱量が渦巻いている。
ピッチ外に目を向ければ、コルドバCFが導入した1部水準の徹底的な個別栄養管理・データ連携による身体改革や、スポルティングにおけるオーナーと14歳サポーターのSNSを通じた美しい絆など、クラブの組織的なインフラ整備や結束力がピッチ上の競争力に大きな影響を与え始めている。実力が拮抗し、どの試合も一寸先が読めないセグンダの厳しさと魅力が、今まさに最高潮に達している。
