左サイドバック補強戦線
マヌ・ファハルドSDの最優先課題の一つが左サイドバックの補強です。スイス代表としてW杯に出場しているリカルド・ロドリゲスは契約満了での退団が確実となっており、ジュニオル・フィルポの残留も不透明なため、ポジションの全面刷新が行われる可能性があります。
ユトレヒトのスフィアン・エル・カルアニ、サークル・ブルッヘのフラヴィオ・ナジーニョ、ラシン・サンタンデールのホルヘ・サリナスといった名前も挙がっていましたが、現在のトップターゲットはクルゼイロに所属するブラジル代表DFカイキ・ブルーノ(23歳)です。カイキはイタリアのコモ(セリエA)への移籍が決定的に見えました。コモは移籍金1500万ユーロを支払い、保有権の80%を獲得することでクルゼイロと合意していましたが、支払い方法や残る20%の保有権の扱いを巡って交渉が難航しています。この事態を受け、コモは並行してヤングボーイズのジャウエン・ハジャム(市場価値700万ユーロ)との交渉を開始しました。これにより、ベティスにも再びカイキ獲得のチャンスが巡ってきています。ベティスに1500万ユーロを支払う財力はありませんが、3月にはスカウトをブラジルへ派遣して直接視察しており、129試合で10アシスト2ゴールという彼の実績を高く評価し、状況を注視しています。
その他のオプションとして、ディナモ・キーウに所属するウクライナ人DFコンスタンティン・ヴィヴチャレンコ(24歳、契約解除金600万ユーロ)や、レアル・マドリードのフラン・ガルシアがリストアップされています。フラン・ガルシアは、マドリードがマルク・ククレジャを獲得したことで出番が減少する見込みですが、フェルラン・メンディが怪我で2027年まで復帰できないことや、チェルシーがアルバロ・カリージョの引き抜きを狙っていることから、マドリードが容易に放出に応じるかは不透明です。マヌエル・ペレグリーニ監督はフラン・ガルシアを高く評価しており、ベティスは残り1年となった彼の契約状況と、マドリードが一時的に抱える左SBのオーバーブッキング状態を突いて、現在の市場価値である1000万ユーロからの値下げを期待しています。ただし、520万ユーロ(グロス)という高額な年俸負担がネックとなります。
さらに、新たな候補としてローマのアンへリーニョ(29歳)にも接触しています。イタリアのジャーナリスト、ジャンルイジ・ロンガリ氏によれば、最近になってベティスがローマと連絡を取ったとのことです。アンへリーニョは4月の段階で退団の噂を『フェイクだ』と一蹴していましたが、昨夏に540万ユーロで加入後、病気や怪我の影響もあり、わずか9試合(426分)の出場にとどまり、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督の構想から外れています。市場価値は2000万ユーロから450万ユーロまで暴落しており、2028年までの契約を残す中で、投資の回収を急ぐローマからレンタルまたは完全移籍で獲得できる現実味を帯びています。
(via Estadio Deportivo, SPORT, ElDesmarque, As, Sportitalia)
ジオヴァニ・ロ・チェルソの去就とW杯での状況
アルゼンチン代表としてW杯に参加しているロ・チェルソですが、3-0で快勝した初戦のアルジェリア戦では出番がありませんでした。リオネル・スカローニ監督は中盤にロドリゴ・デ・パウル、アレクシス・マック・アリスター、エンソ・フェルナンデスを起用し、ロ・チェルソには声がかかりませんでした。
前回大会(2022年カタール)は直前の筋肉の怪我で欠場し、優勝の歓喜をピッチで味わえなかっただけに、今大会への思いは非常に強いものがあります。事前のホンジュラス戦やアイスランド戦では素晴らしい活躍を見せていたため、次戦のオーストリア戦でのW杯初出場が期待されています。
ベティスとしては、彼のW杯での活躍によって市場価値が高まり、魅力的なオファーが届くことを望んでいます。現在の市場価値は800万ユーロです。今季は右太ももの怪我などで約3ヶ月離脱し、32試合に出場(先発は一部)して3ゴール3アシスト、プレー時間は1777分にとどまり、1月にはヨーロッパリーグの登録メンバーからも外れました。高額な給与負担を抱えるクラブは、彼を放出して中盤の再編とサラリーキャップの確保を図りたいと考えています。
母国のリーベル・プレートが獲得を狙っており、ベティスが獲得を目指すネルソン・デオッサとの取引も絡んでいますが、クラブが求める条件には届いていません。ロ・チェルソ本人はヨーロッパでのプレー継続を最優先しており、契約を2年残す中で、今年1月にはリヨン、アヤックス、レンヌからの打診を断っています。
ちょっとした小ネタとして、SNS上で選手自身が自分の名前の正しい発音を教える動画が流行しており、ロ・チェルソもアルゼンチン代表の公式動画に登場しました。これを見た世界中のファンから『ずっと間違って発音していた』と驚きの声が上がり、話題を呼んでいます。
(via Estadio Deportivo, ElDesmarque)
マルク・カサド獲得へ向けた中盤の再編計画
ベティスは中盤の大幅な入れ替えを計画しています。セルジ・アルティミラとネルソン・デオッサの退団が既定路線となっており、フェネルバフチェと交渉中のソフィアン・アムラバトの残留も不透明です。さらに、マルク・ロカにはエスパニョール行きの噂があり、前述の通りロ・チェルソの退団も視野に入っています。
そこでマヌ・ファハルドSDが白羽の矢を立てたのが、FCバルセロナのマルク・カサド(22歳)です。カサドはシャビ前監督やハンジ・フリック現監督の下でも期待されたほどの出場機会を得られず、昨季は34試合に出場したものの先発は15試合、合計1397分(1アシスト)のプレーにとどまりました。ガビやマルク・ベルナルの負傷離脱があったにもかかわらず、重要な試合での起用は限られていたため、彼はジョルジュ・メンデス代理人に新天地探しを依頼し、6月30日までの退団を求めています。
バルセロナはレンタルでの放出を望まず、完全移籍を要求しています。市場価値は1800万ユーロですが、クラブは移籍金を2000万ユーロに設定し、決算期日である6月末までに売却して帳簿の赤字を埋めたい意向を持っています。
ベティスはカサドにとって、レアル・ソシエダ、アヤックス(アヤックスはレンタルを希望しているためバルサが難色を示しています)と並んでトップ3の有力な移籍先候補となっています。ベティスに移籍金全額を支払う余裕はないため、近年よく用いている、保有権の一部を買い取る手法で交渉に臨むと見られています。
カサド本人は欧州の主要リーグでのプレーを継続することを希望しており、トルコやサウジアラビア(アル・ヒラルへのジョアン・カンセロの取引に含める案もありました)からのオファーは拒否しています。マンチェスター・ユナイテッド、アトレティコ・マドリード、バイエル・レバークーゼンなども強い関心を示しており、メンデス代理人を交えた激しい争奪戦が予想されます。
(via Estadio Deportivo, SPORT, ElDesmarque, The Sun)
ダニ・セバージョスの復帰計画とマドリードとの駆け引き
ダニ・セバージョスのベティス復帰の噂が今夏も再燃しています。アヤックスへの移籍は選手本人がSNSで即座に否定し、ベティスは表向きは慎重な姿勢を見せていますが、内部では復帰へ向けた状況を注視し続けています。
セバージョスはレアル・マドリードのジョゼ・モウリーニョ新監督の構想から完全に外れており、来季が契約の最終年となります。選手側はマドリードに対し、残り1年分の給与を放棄する代わりに、フリーで退団させてほしいと要求しました。しかし、マドリードのフロントはこれを明確に拒否し、移籍金を得たいという姿勢を崩していません。マドリードは彼が納得するオファーが届くのを待っています。
しかし、時間が経てば契約満了が近づくマドリード側も条件を緩めざるを得なくなるとベティスは踏んでおり、移籍金ゼロ、またはごく低コストでの獲得のみを検討し、じっくりと腰を据えて交渉の機をうかがっています。
セバージョス自身も古巣であるベティスへの帰還を熱望しており、マドリードに対して条件を緩和するよう圧力をかける見込みです。また、ベティスに加入するためには、自身の高額な給与をクラブの経済的な上限に合わせる必要があります。ファハルドSDは中盤の強化を望んでおり、関係者全員の思惑が一致すれば、ゆっくりとしたペースで移籍が実現すると見られています。
(via Estadio Deportivo, The Athletic, SPORT)
GKギリェルメ・フェルナンデスの売却と資金調達
レンタル先のレアル・バジャドリードが買い取りオプション(100万ユーロ、または関係者によれば50万ユーロ)を行使しなかったため、GKギリェルメ・フェルナンデス(25歳)はベティスに復帰することになりました。
トップチームのGK陣は、引退したアドリアン・サン・ミゲルの穴をカンテラのマヌ・ゴンサレスが埋める予定であり、ギリェルメが入るスペースはありません。クラブは近日中に代理人と会談し、彼が新シーズンの構想外であることを伝える見込みです。
本人はベティスの正GKになる夢を語っていましたが、契約は残り1年となっており、クラブは今夏の完全移籍による売却を目指しています。ポルトガル1部のジル・ヴィセンテが獲得に強い関心を示しているほか、スペインのセグンダ・ディビシオン(2部)やブラジルのクラブからも問い合わせが届いています。本人はスペインでのプレーを優先しつつも、ポルトガル1部への復帰も前向きに検討しています。
ベティスは昨夏、エストレラ・アマドーラからわずか5万ユーロで彼を完全移籍で獲得したため、今夏いくらで売却できても確実なキャピタルゲインを得ることができます。さらに、クラブは将来の売却益の一部を確保する条項を盛り込むことも計画し、少しでも多くの資金を調達しようとしています。
(via Estadio Deportivo, O Jogo)
所属選手のW杯動向とアブデの負傷離脱
W杯に参加しているベティス所属選手たちの動向です。モロッコ代表としてW杯に参加していたアブデが負傷し、大会を早期離脱してベティスに帰還することになりました。新シーズンへ向けた準備に影響が出るため、クラブにとっては大きな痛手となります。
同じくモロッコ代表のソフィアン・アムラバトは、初戦のブラジル戦(1-1で引き分け)で出場機会がありませんでした。
一方、RDコンゴ代表のセドリック・バカンブは、ポルトガル代表との初戦に向けたスタメン候補として名前が挙がっており、ウィサ(ニューカッスル)やボンゴンダ(スパルタク・モスクワ)らと共に攻撃の要として期待されています。
(via Estadio Deportivo, SPORT, MARCA)
ホセ・フアン・ロメロ監督が溢れるベティス愛でセビージャ行きを一蹴
ADセウタを率いてチームをプロサッカー界に復帰させ、非常に魅力的なサッカーを展開して注目を集めているホセ・フアン・ロメロ監督。彼の兄弟であるレネがセルヒオ・ラモスの代理人であることから、ラモスがセビージャFCの経営に参画した場合、ロメロがセビージャの監督に就任するのではないかという驚きの噂が浮上しました。
これに対し、ロメロ監督はラジオ番組のインタビューで完全否定しました。
『それは誰にとっても耐えられない状況になるだろう。私は自分が強烈なベティコ(ベティスファン)であると公言しており、隠すつもりは一切ない。子供の頃からベティスを愛しているんだ。もう一つの状況(セビージャの監督就任)はあり得ない』と断言しました。
さらに、『ベティスの監督をしたからベティコになったわけではない。父親と母親が私をベティコとして産んでくれたからだ。セビージャが欧州で成し遂げてきたことには絶対的な敬意と称賛を持っているし、セビージャ内部にもたくさんの友人がいるが、プロフェッショナルな面と人間としての感情を切り離すことは私にはできない』と、その揺るぎないベティスへの愛情を熱く語りました。
セウタとの契約は残り1年あり、高額な違約金が設定されています。他クラブから3つの非常に魅力的なオファーがあったものの、クラブが拒否しました。ロメロ自身も『セウタでとても幸せだ。感謝しているし、悪い形で去ることは絶対にない。良心を綺麗にして眠りたいからね』と残留を強調しました。
(via ElDesmarque, Radio Marca)
ベティス財団によるマイナースポーツ選手への支援
レアル・ベティス財団が「第5回スポーツ支援金」の授与式をルイス・デル・ソル・シウダード・デポルティーバで開催しました。この取り組みは、アンダルシア出身のマイナースポーツ選手を経済的に支援し、スポーツを包摂、教育、個人の成長のツールとして活用することを目的としています。
支援対象は4つのカテゴリーに分かれています。
ジュニア・アダプテッド(障害者スポーツ)部門では、パラトライアスロン選手のオスカル・モリーノ(13歳)が選ばれました。彼はスペイン選手権などで輝かしい成績を収めており、過去3シーズンにわたり、ベティスの切断者サッカーチームのメンバーとしてもプレーしています。
シニア・アダプテッド部門は、パラリンピック競泳の第一人者であるフランシスコ・サリナスが受賞。非アダプテッド・ジュニア部門は、自他共に認めるベティコであり、マウンテンバイク(XCO)の国際大会で活躍するウゴ・フランコが選ばれました。そして非アダプテッド・シニア部門は、パリオリンピックにも出場したiQFOiL(ウィンドサーフィン)のピラール・ラマドリッドが受賞しました。
ベティスはメディアへの露出が少ない競技においても、アンダルシアの才能を強力にバックアップし続けています。
(via MARCA)
【本日の総括】
左サイドバックや中盤の再編に向けた動きが活発化しており、カイキやマルク・カサドといった若手有望株の獲得に動く一方で、セバージョスの復帰やロ・チェルソの売却など、経済的バランスを睨んだギリギリの交渉が続いています。アブデの負傷離脱は痛手ですが、W杯での所属選手たちの活躍と、今後の移籍市場の動向から目が離せません!