チャビ・エスパート 欧州王者を脅かしたラ・マシアの若きサイドバック
FCバルセロナの下部組織ラ・マシアで育ったサイドバック、チャビ・エスパートが、UEFAチャンピオンズリーグのパリ・サンジェルマン戦で同点ゴールを決め、欧州最高峰の舞台で躍動した。主力の負傷離脱が重なる緊急事態の中で巡ってきた大一番において、世界最高峰のアタッカーを抑え込みながら自らネットを揺らした姿は、クラブの未来を照らす存在として大きな脚光を浴びている。
アウェイのパルク・デ・プランスで行われた一戦は、昨季の欧州王者であるパリ・サンジェルマンが序盤から激しいハイプレスを仕掛け、バルセロナを押し込む波乱の展開で幕を開けた。相手サポーターの過激な横断幕が予告した通り、開始わずか5分間でフヴィチャ・クヴァラツヘリアのシュートがポストを叩き、守護神ジョアン・ガルシアが間一髪でピンチを防ぐなど、バルセロナは苦しい立ち上がりを強いられた。ロドリを予防措置でベンチに残し、ダニ・オルモをトップ下に配置して挑んだものの、ウスマン・デンベレとダニ・オルモが前半のうちに相次いで負傷交代を余儀なくされる厳しいアクシデントに見舞われたのだった。
ラミン・ヤマルのボールロストからデジレ・ドゥエの強烈なミドルシュートで先制を許し、チーム全体が圧迫感に苦しむ中で反撃の狼煙を上げたのが、カンテラ出身のエスパートだった。対面する相手の主攻手クヴァラツヘリアに対し、エスパートは球際の鋭さと完璧な間合いの詰め方で1対1の勝負を制し続け、相手の攻勢をことごとく寸断してみせた。そして後半、守備での奮闘だけに留まらず、攻撃面で圧巻のプレーを披露することになる。
フェルミン・ロペスとの鮮やかなパス交換から敵陣の危険なエリアへ侵入すると、まるで自分の庭でボールを蹴っているかのような落ち着き払った足取りでドリブルを敢行した。詰め寄るディフェンダーを物ともせず冷静に放たれたシュートはゴールネットを揺らし、スタジアムを埋め尽くした5万人のパリサポーターを瞬時に静まり返らせた。試合はその後、激しい点の取り合いの末に2-4で敗れ今季初の黒星となったが、若手が見せた度胸と技術は強い感銘を与えた。
チームが予期せぬアクシデントや苦境に直面した際、バルセロナが頼るべき答えはいつの時代も変わらず、伝統の育成組織であるラ・マシアの中に存在する。主力選手たちの疲労や怪我が相次ぐ中で、カンテラから抜擢された若き才能が即座にトップチームの戦力として機能する構造こそが、このクラブの歴史を支えてきた揺るぎない強みと言える。
今回の敗戦により連勝こそストップしたものの、エスパートが魅せたパフォーマンスは、今後の過密日程において右サイドバックのポジション争いに新たな選択肢をもたらした。高い守備強度と攻撃参加の精度を兼ね備えた彼の台頭は、選手層のやりくりに頭を悩ませるハンジ・フリック監督にとっても大きな収穫となったはずだ。欧州トップレベルのクラブを相手に堂々と渡り合った経験は、彼がバルセロナの次世代を担う軸として成長していくための大きな弾みとなる。(via SPORT)
