レアル・オビエド

前線の怪我人続出に伴い、レアル・オビエドへ緊急補強された39歳のベテランFWホセ・ルイス・モラレスだが、その輝かしいキャリアは遅咲きと苦労の連続によって彩られている。

1987年にヘタフェの貧しい家庭で生まれたモラレスは、幼少期に母親から空手を習わされたものの白黄帯で挫折し、フットサルに情熱を注いだ。地元ブルネテのクラブでプレーしていた頃、元レアル・マドリードの英雄ミヤトヴィッチに強い憧れを抱き、常にそのスウェットを着用していたことから『ペドヤ』という愛称で呼ばれていた。しかし10歳の時、レアル・マドリードの入団テストで「身体能力が不足している」と不合格の烙印を押された。

その後、パーラやフエンラブラーダといったアマチュア・地域リーグを渡り歩いた。フエンラブラーダ時代には、ロッカールームで非常に寡黙で控えめな性格だったことから『エル・ムード(無口な男)』と呼ばれた。ここで彼の才能を見抜いたのが、1990年代にレアル・オビエドでゴールキーパーとして活躍し、当時はレバンテの強化部に所属していたホセ・ルイス・モラであった。モラはセンターバックを探しに視察へ訪れていたが、当時24歳でBチームの23歳以下枠を超えていたモラレスの圧巻のプレーに一目惚れし、レバンテへのスカウトを決断した。

2013年、26歳でエイバルへ期限付き移籍してプロデビューを飾ると、主力としてチームを史上初の1部昇格へ導いた。レバンテ復帰後、ラヨ・バジェカーノ戦で軍隊式の敬礼パフォーマンスを披露し、クラブの激動期に『自分がチームを牽引する』という強い決意を示したことから、現在最も有名である『コマンダンテ(指揮官)』の愛称が定着した。レバンテでは通算377試合に出場して84ゴールを記録し、ビジャレアル時代を含めて1部リーグで長年にわたり活躍した。

モラレスはこれまでにエイバル(2013-14)およびレバンテ(2016-17、2024-25)で計3度の2部昇格を経験している。遅咲きのストライカーは、オビエドのユニフォームを着て自身4度目となる1部昇格という偉業に挑む (via SPORT)。