監督交代劇

クラブは2シーズン連続の無冠に終わり、ロッカールームは息苦しい雰囲気に包まれている。現在の指揮官アルバロ・アルベロアは、キリアン・ムバッペ、ダニ・セバージョス、アルバロ・カレラスらトップチームの選手たちとの関係が悪化している。この自己破壊的なスパイラルを断ち切るため、ジョゼ・モウリーニョの監督復帰が確定している。モウリーニョは現在ベンフィカの監督を務めているが、シーズン終了を待って違約金700万ユーロが支払われ、3年契約を結んで公式発表される。

モウリーニョの復帰には賛否両論が渦巻いている。2007年のペペ獲得時、ホルヘ・メンデスとホセ・アンヘル・サンチェスがモウリーニョ招へいを話し合った際、当時のカルデロン会長とミヤトビッチSDは彼を「スタジアムを空席にする守備的な若いカペッロ」と見なして拒否した歴史がある。ソシオ歴30年以上のディエゴ・バルカラは『彼のやり方はクラブに社会的代償をもたらした。マドリーの監督に求められるエンブレム、レジェンド、過去への敬意という3つの基本原則をすべて破った。カシージャスのキャリアの終盤を壊し、デル・ボスケを含む過去の監督を軽視した。クリスティアーノ・ロナウドはエゴイストで無作法だったが、ゴールを決めて勝っていた。モウリーニョの場合は勝てず、ヒステリーと被害者意識を生み出しただけだ』と痛烈に批判している。さらに『取締役会の無策は明らかで、モウリーニョはすがるべき藁になった。フロレンティーノはスポーツ部門の決定には干渉しないと繰り返していたが、15年前に立てた計画を実行し続けているだけだ。アンチェロッティやモウリーニョといった引退間近の監督を呼び戻し、プランBや新しいアイデアがなく、過去の過ちから学んでいない』と指摘している。

モウリーニョの復帰により、チーム内のエゴイストたちを統制することが期待される一方で、ベルナベウに再びポピュリズム、対立、被害者意識、有毒な空気、二極化が戻ってくると予想されている。モウリーニョの過去の言葉である『高い位置でプレスをかけたいのに、フォワードがプレスをかけなければ、それは不可能だ。自陣深くでブロックを構えたいのに、フォワードが下がってこなければ、ブロックは形成できない。守備でしっかり働くフォワードがいなければ、チームとして良い守備はできない。同時に、高い平均得点数を誇るフォワードがいなければ、重要な目標を達成するのは非常に難しい』という哲学が、守備への貢献度が低いと批判されているムバッペやヴィニシウスに対する事前警告としてSNSで話題となっている。(via SPORT, Estadio Deportivo, ElDesmarque)

キャプテンの退団

ダニ・カルバハルは今週土曜日のラ・リーガ最終節、サンティアゴ・ベルナベウでのアスレティック・クラブ戦にスタメン出場し、13年間プレーしたトップチームに別れを告げる。怪我の影響で過去2シーズン出場機会が少なく、アルベロア監督は就任当初から彼を信頼していなかった。カルバハルは怪我から復帰後も9試合でスタメンから外された。アルベロア監督は、怪我で15試合欠場していたトレント・アレクサンダー=アーノルドを復帰後すぐに2試合連続でスタメン起用した一方で、カルバハルよりもフェデ・バルベルデやカンテラ出身のダビド・ヒメネスを優先した。

アルベロアは以前カルバハルについて『ロッカールームで選手たちが彼のようなお手本を持てるのは非常に重要だ。彼が最高のレベルを取り戻すと確信している』と称賛して関係修復を図ったが、その後もフラン・ガルシア、ダビド・アラバ、ゴンサロ、フランコ・マスタントゥオーノらとともにカルバハルをベンチに置き続けた。カルバハルは水曜日の夜にマドリードのレストランでチームメイトやスタッフとのお別れ夕食会を主催するが、アルベロア監督は招待されていない。(via SPORT)

内紛と負傷

フェデ・バルベルデの25/26シーズンは波乱万丈だった。シャビ・アロンソ前監督のメソッドとは相性が悪く、右サイドバックで起用された。アルベロア監督就任後は安定を取り戻し、チャンピオンズリーグのマンチェスター・シティ戦(ベスト16第1戦)ではハットトリックを記録した。しかし、準々決勝のバイエルン・ミュンヘン戦での敗退後、オーレリアン・チュアメニと暴力的な喧嘩を起こした。この衝突でバルベルデは頭部外傷を負い、10日から14日間の離脱を余儀なくされた。この行動はファンから強く批判されている。セビージャ戦はメンバー外だったが、今週土曜日のアスレティック・クラブ戦で復帰する可能性が高く、スタンドからの厳しい反応が予想される。なお、チュアメニは自身のビデオポッドキャストで、バルベルデとの喧嘩の前に収録されたものだが、ゲストの『ロッカールームでの喧嘩は見たことがない』という発言に同意し、『ビンタは見たことがあるが、本格的な喧嘩は見たことがない』と語っていた。

また、エデル・ミリトンは過去3シーズンで179試合中52試合(出場率29%)しかプレーできていない。今季は2度の深刻な筋肉の怪我を負い、最後は手術が必要となり、ワールドカップ出場の夢も絶たれた。ミリトンは、長期間の離脱から復帰した今シーズン序盤の起用方法についてシャビ・アロンソ前監督を痛烈に批判している。不十分なプレシーズンだったにもかかわらず、復帰直後から最初の20試合中16試合に出場させられ、休んだのは軽傷による2試合を含む4試合のみだった。この過密日程が筋肉に過度な負担をかけ、12月7日の最初の重傷、そして118日間の離脱を経て復帰した直後の4月の2度目の重傷につながったと信じている。ミリトンを手術した医師は『高レベルの選手が重度のハムストリングの怪我を負った場合、トップレベルで再びプレーできるようになるまでには一般的に4ヶ月から6ヶ月かかる』と説明している。ミリトンの長期離脱により、クラブのセンターバックの補強計画は白紙に戻り、夏の移籍市場での再構築が急務となっている。(via Mundo Deportivo, MARCA)

移籍市場

左サイドバックはクラブにとって最大の頭痛の種となっている。ベンフィカからアルバロ・カレラスを5000万ユーロで獲得し、フェルラン・メンディ、フラン・ガルシアと合わせて3人を抱えているが、誰も納得のいく活躍をしていない。メンディは怪我が多く、今季全公式戦で9試合(453分)の出場に留まる。先週手術を受け、4〜5ヶ月の離脱が決定したため、来季も残留せざるを得ない状況だ。フラン・ガルシアはメンディの怪我とカレラスの不調により14試合でスタメン出場したが、絶対的なレギュラーレベルとは見なされておらず、この夏に退団する可能性が最も高い。5000万ユーロで加入したカレラス(23歳)は、序盤のアトレティコ・マドリード戦での5失点大敗などで評価を落とし、控えに甘んじた。2031年までの契約があり売却は考えていないが、モウリーニョ監督の就任に伴う意識改革が期待されている。モウリーニョはすでにこのポジションの補強を要求している。

センターバックの補強候補として、インテルのアレッサンドロ・バストーニが浮上している。バストーニは、モウリーニョのマドリー監督就任を報じたSNSの投稿に「いいね!」を押した。価格は約7000万ユーロと高額だが、モウリーニョはローマ時代に対戦しており彼を熟知している。マドリーは1年前にもトレント・アレクサンダー=アーノルド、ディーン・ハイセン、アルバロ・カレラスの獲得に1億ユーロ以上を費やしているため、資金面での調整が必要だ。

中盤の補強については、カマヴィンガの去就が不透明であり(本人は残留希望)、セバージョスは退団濃厚、バルベルデとチュアメニの喧嘩による退団の可能性から、モウリーニョがスポルティングCPのデンマーク人MF、モルテン・ヒュルマンド(26歳)の獲得を最優先で要求している。今季44試合で3,916分プレーし、3ゴール6アシストを記録。契約は2028年6月30日まであり、市場価値は4500万ユーロとされている。(via SPORT, Estadio Deportivo)

会長選挙

フロレンティーノ・ペレス会長に対抗する候補として、グループ・コックスの創設者兼CEOであるエンリケ・リケルメ(36歳)が立ち上がった。選挙の立候補締め切りは5月23日(土曜日)であり、リケルメはこの日までに予算の15%(1億8700万ユーロ)の個人資産による保証を提出する予定だ。選挙戦が実現すれば2006年以来の対立候補が出る選挙となる。

リケルメはイベントに出席し、『立候補できれば素晴らしい。スポーツ面でもワクワクする決断になる。ソシオには一歩前に出て、意味のあるワクワクするものを提示する倫理的・道徳的義務がある』と語った。また『名前は出せない。他チームにいる選手もいるからだ。しかし、スポーツ面でも非常にワクワクするプロジェクトがある』と補強も示唆している。さらに『フロレンティーノ・ペレスには全面的な敬意を払っている。しかし、人生のすべてにおいてサイクルの変化がある。私たちは2028年に向けた戦略に取り組んできたが、それが3年前倒しになった』と明かした。

リケルメのプロジェクトの目玉は、クラブに「品格」を取り戻すためのレジェンドたちをフロントに迎える「スペイン化」計画だ。ビセンテ・デル・ボスケ、フェルナンド・イエロ、ラウル・ゴンサレスの入閣が予定されている。ラウルはスポーツ・エグゼクティブとしての重要な役割を担い、現場とフロントの完璧な架け橋となる。

一方、ペレス会長の信頼する公証人、クルス・ゴンサロ・ロペス=ムジェル・ゴメスが郵便投票の監督に選ばれた。2006年の選挙で1万票以上の郵便投票が無効とされた経緯から、郵便投票の管理は極めてデリケートだ。公証人は最終開票まで投票の保管、封印、移送の責任を負い、投票日まで監視下で保管される。

ラ・リーガのハビエル・テバス会長もこの選挙に言及し、『レアル・マドリードで選挙が行われるのは良いことだ。世代交代が必要かどうかは、ソシオが決めることだ』と述べた。さらに『ペレス会長はスーパーリーグのプロジェクトを放棄したわけではなく、戦略を変えただけだ』とし、『レアル・マドリードはプレミアリーグと競争できないという理由で放映権収入をさらに要求しているが、それは事実ではない』と批判した。

なお、ラファ・ナダルは自身の会長選出馬の噂を完全に否定し、『私が望むのはレアル・マドリードが最高の結果を出すこと。ペレス会長はレアル・マドリード史上最高の会長だ』と支持を表明。リケルメとの関係についても『プロとしての付き合いはあるが、推測されているようなことはない』と一蹴した。

選挙キャンペーンは5月の最終週と6月の第1週に行われ、投票日は6月7日〜9日の間になる見込みだ。規約により、現在の会長と取締役会は新会長が就任するまで全権を持つため、モウリーニョの契約や補強は滞りなく進められる。(via SPORT, ElDesmarque, MARCA, Mundo Deportivo)

フベニールA

アルバロ・ロペス監督率いるフベニールA(U-19)が、アルカラ・デ・エナレスのムニシパル・エル・バルで行われたコパ・デ・カンペオネスの準決勝でグラナダを延長戦の末に1-2で下し、決勝進出を決めた。リーグ戦、UEFAユースリーグを制しているフベニールAは、クラブ史上初の「3冠」獲得に王手をかけた。

試合は51分、アレクシス・シリアの正確なクロスにファーサイドでブルマ・デンベレの上から合わせたイェレマイアのヘディングシュートで先制した。イェレマイアは2024年にアトレティコ・マドリードから加入した2009年生まれの17歳で、これが今季21点目となった。しかし83分、アリエル・ンコゲが倒れている間の混乱を突かれ、マリオ・ヒメネスのパスからグラナダのエンリケ・バスに同点ゴールを許した。

延長戦に突入後の111分、イェレマイアに代わって出場していたハイメ・バローソがPKを決めて勝ち越した(今季21点目)。このPKはコーナーキックの場面でラコスタを掴んで倒したグラナダのマヌ・マサが2枚目のイエローカードで退場になったことで得たもの。グラナダはその後、ダビド・モリージャとディラン・ロドリゲスも退場し、8人で試合を終えた。

マドリーはこれまで同大会で8回優勝しており、大会最多優勝記録を保持している。決勝の相手はラス・パルマス対FCバルセロナの勝者となる。(via AS, SPORT, Mundo Deportivo)

最終節

土曜日の21:00からサンティアゴ・ベルナベウでラ・リーガ最終節のアスレティック・クラブ戦が行われる。2位以上になれないことが確定しているマドリーにとって消化試合となるが、13年間プレーしたダニ・カルバハルがファンに別れを告げる重要な一戦となる。また、頭部外傷から復帰するフェデ・バルベルデに対してスタンドがどのような反応を示すかも注目される。(via ElDesmarque, Mundo Deportivo)

【本日の総括】

モウリーニョ復帰やペレス会長に対抗するリケルメの選挙戦など、激動の改革期を迎えているレアル・マドリード。内紛や退団といったトップチームの混沌とは対照的に、フベニールAは歴史的な三冠へ王手をかけており、世代交代と組織再編の波が同時に押し寄せています。