レアル・マドリード会長選挙の最新動向
6月7日に控えたレアル・マドリードの会長選挙に向け、現職のフロレンティーノ・ペレス会長と対抗馬のエンリケ・リケルメの激しい選挙戦が展開されている。ペレス陣営には、カゼミーロ、ルーカス・バスケス、サンティアゴ・ソラーリ、ロベルト・カルロス、カリム・ベンゼマといったクラブのレジェンドたちがSNSのストーリー機能などを通じて続々と支持を表明している。ロナウド・ナザリオも『成すべき歴史はまだたくさんある』というスローガンのもと、立候補プレゼンテーションに参加し勝利を祈願した。
一方で、リケルメ候補は選挙管理委員会が定めた郵便投票の厳格な条件に不満を持つソシオ(会員)のための対策を打ち出した。郵便投票には公証人の立ち会いが必要であり、約100ユーロの費用がかかるうえに6月3日までに予約を取ることが非常に困難となっていた。これに対し、リケルメはラファエル・サルガド通り3番地にある自身の本部に公証人を無料で配置し、午前10時から12時、午後16時30分から18時30分までソシオが手続きを行えるようにした。これは、教皇レオ14世の訪問によってマドリード市内が混乱する日曜日の現地投票を避けるための措置である。
また、2006年から2009年まで会長を務めたラモン・カルデロンもSNSを通じてペレス会長を猛烈に批判している。カルデロンは『彼のプロジェクトの最も重要な部分がラモン・カルデロンを攻撃することに基づいているなら、彼には提供できるものがほとんどなく、私たちが思っていたよりもさらに老いぼれているということだ』と発言した。さらに『エンジニア(ペレス)は決して討論を受け入れないだろう。彼の傲慢さと表現の不器用さ、最初の選挙でのラモン・メンドーサとの失態、そして記者会見での姿が彼を丸裸にした』と痛烈に非難し、ペレスがソシオに投票を呼びかけた手法についても『レアル・マドリードの歴史上、これほど恥ずべきことはない』と糾弾している。(via AS / SPORT)
次期監督人事と夏の大型補強計画
来季の監督人事については、ジョゼ・モウリーニョの13年ぶりの復帰が確実視されている。ベンフィカとの契約解除金は、最終戦から10営業日が経過したことで700万ユーロから1500万ユーロ(2026-27シーズンの契約全額に相当)に上昇したものの、ペレス会長はこれを支払うことを受け入れた。モウリーニョの代理人であるジョルジュ・メンデスが主導したこの契約は、2029年6月までの2シーズン+成績に応じたオプションの3シーズン目という条件で、ペレスが選挙で勝利した場合にのみ有効となり、選挙プロセス終了後に公式発表される。ベンフィカは後任としてマルコ・シウバを第一候補に挙げている。
一方、リケルメ候補はモウリーニョ以外のスペイン人監督と接触しているとされ、ポルトガル代表のロベルト・マルティネス監督が浮上している。ラジオ番組でレアル・マドリードの監督就任について問われたマルティネス監督は数秒の沈黙の後、『ポルトガルは電波がありません』と冗談で返し、明言を避けた。
夏の移籍市場の補強計画も両陣営で熱を帯びている。ペレス会長のリストには、PSGのジョアン・ネヴィス、インテルのアレッサンドロ・バストーニ、そしてオサスナで活躍しスペイン代表にも選出されたビクトル・ムニョス(800万ユーロの買い戻しオプションあり)の3人が含まれている。さらに、「2300万ユーロの革命」として、下部組織出身の若手を買い戻す計画も進行中である。コモをチャンピオンズリーグ出場に導いたニコ・パスは、1000万ユーロ未満の900万ユーロで買い戻されることが決定しており、6月30日の期限を前に、選挙結果に関わらず復帰が確定している。同じくコモで活躍したハコボ・ラモン(600万ユーロ)の復帰も計画されている。なお、コモは引き続きレアル・マドリードの若手獲得を狙っており、ジャニェスやフォルテアの動向を追って今季もバルデベバスに何度も視察に訪れている。シュトゥットガルトのチェマ・アンドレスも計画に入っているが、彼のポジションにはロドリの獲得を優先しているため復帰は遠い。
対するリケルメ候補は『土曜日から話したい。その質問には答える』とバルセロナの選手獲得の可能性について沈黙を守りつつ、『私が会長になれば、レアル・マドリードの選手がスペイン代表としてW杯に出場する』と宣言。マンチェスター・シティのロドリやPSGのファビアン・ルイスの獲得を匂わせている。また、マンチェスター・シティを退団しフリーになったベルナルド・シウバの名前も挙がったが、彼はバルセロナ移籍が濃厚となっている。リケルメはさらに、ビセンテ・デル・ボスケを理事会に迎え入れる意向も示している。(via AS / SPORT / MARCA / ElDesmarque)
トップチームの内紛とアルベロア前監督への痛烈な批判
今シーズン、シャビ・アロンソの後任として1月からトップチームの指揮を執り、28試合を戦ったアルバロ・アルベロア前監督に対し、元レアル・マドリードのイバン・エルゲラが痛烈な批判を浴びせた。チームは2年連続で主要タイトルを逃し、チュアメニとフェデ・バルベルデの喧嘩やエムバペの起用法を巡る不満など、ロッカールームは内紛状態にあった。
エルゲラはインタビューで、エムバペの騒動について『この状況をどう管理したかではなく、それ以前にチームをどう導いてきたかだ。何が原因でこうなったのか?ずっと前からうまく管理できていなかったということだ』と指摘。『私の見解では、明らかにアルベロアには非常に大きな責任がある。彼が監督として優秀なのか、ダメなのか、普通なのかは分からない。しかし、突然レアル・マドリードのようなチームを指揮することになった。うまく管理できなかったのはアルベロアだけではない。彼が間違っていたのは明らかだが、彼をそのポジションに置いた人々も間違っている』と、ペレス会長を含めたクラブ首脳陣の任命責任も追及した。
また、昔のロッカールーム(ラウル、フィーゴ、ジダン、ロナウド、ロベルト・カルロス、ベッカム等)と比べて今の管理が難しいわけではないとし、『エゴや振る舞い、選手の性格は全く同じだ。当時のレアル・マドリードのロッカールームも今と同じくらい難しかった。厳しい監督が必要なわけではない。私たちが抱えている偉大なチームを管理し、物事をうまく進める方法を知っている良い監督が必要だ』と語り、理想の監督としてユルゲン・クロップを挙げた。さらに『レアル・マドリードは常に紳士的なチームだった。バルセロナが勝ったからといって私たちは狂ってしまっている。何も問題はない。レアル・マドリードは常に復活する』とクラブのアイデンティティを取り戻す必要性を主張した。
アルベロアはスペイン人選手やカンテラーノ(下部組織出身選手)を冷遇したとも批判されている。ペレス会長がスター選手を支持しているため、スペイン人選手は組織的な重みを持っていなかった。特にダニ・カルバハルは、クラブが期待を寄せるトレント(アレクサンダー=アーノルド)の起用により予想以上にベンチに置かれ、最後のW杯出場の機会を失い、退団に追いやられる可能性が出ている。アセンシオや絶対的な控えに降格したセバージョスはアルベロアと直接対立し、フラン・ガルシアは継続的な出場機会を与えられなかった。カレラスもシーズン終盤に失速してW杯出場を逃し、フイセンもケガとパフォーマンス低下で代表落ちした。ゴンサロはエムバペやロドリゴが負傷し、エンドリッキがリヨンにレンタル中であるにもかかわらず、ブラヒムやマスタントゥオーノが優先され、最後の16試合で2試合しかスタメン出場できなかった。ルイス・デ・ラ・フエンテ代表監督がレアル・マドリードの選手を無視しているとマドリディスタは非難しているが、アルベロア自身も彼らを助けなかったことが露呈している。(via SPORT)
カスティージャが昇格プレーオフ準決勝第1戦で快勝
セグンダ・ディビシオン(ラ・リーガ・ハイパーモーション)昇格プレーオフ準決勝第1戦が行われ、レアル・マドリード・カスティージャがサバデルに2-0で勝利した。カスティージャは、グループIでポンテベドラ、バラカルドと勝ち点58で並んだものの、スペインサッカー連盟(RFEF)の大会規則第29条により土壇場で5位に滑り込み、プレーオフ進出を決めていた。13年ぶりのセグンダ復帰を目指す。
アルフレド・ディ・ステファノ・スタジアムには4159人のマドリディスタが詰めかけ、チケットは完売。バルデベバスへのアクセスが渋滞し、クラブが臨時駐車場を2つ設けるほどの熱気に包まれた。ペレス会長も貴賓席から観戦し、試合前にはフベニール(ユース)の歴史的3冠を称えるセレモニーが行われた。
フリアン・ロペス・デ・レルマ監督率いるカスティージャのスタメンは、GKフラン・ゴンサレス、ダビド・ヒメネス、ジョアン・マルティネス、ラミニ・ファティ、ディエゴ・アグアド、ポル・フォルトゥニー、セステロ、ティアゴ・ピタルチ、アレクシス・シリア(64分 レイバ)、ハコボ・オルテガ(64分 ラチャド・フェタル)、セサル・パラシオス(83分 ジャニェス)。ティアゴ・ピタルチはアルベロアのトップチームにほぼ帯同していたが規定により出場可能となりスタメンに名を連ね、フベニールで活躍したシリアも先発に抜擢された。
対するフェラン・コスタ監督(出場停止のためアイトール・マエソが指揮)率いるサバデルは、今季グループIIで2番目に失点が少なく、GKディエゴ・フオリは21回のクリーンシートを誇る堅守のチーム。試合は前半、カスティージャがボールを支配するものの、ハコボ、ラミニの高打点ヘディング、パラシオスのボレーシュートなどが次々とGKフオリの好セーブに阻まれ0-0で折り返す。
しかし後半26分(71分)、ついに均衡が破れる。セステロのパスを受けたディエゴ・アグアドがペナルティエリア内で肩を使った見事なトラップを見せ、ラチャド・フェタルへパス。ラチャドのシュートは再びフオリに防がれたが、こぼれ球をポル・フォルトゥニーが押し込んでカスティージャが先制した。フォルトゥニーはこれで今季プリメーラRFEFで9点目、公式戦11点目となった。
さらに後半34分(79分)、セサル・パラシオスがペナルティエリア外25メートルの距離から見事な無回転シュート(folha seca)をゴールネットに沈め、貴重な追加点を奪った。パラシオスにとっては今季16点目のゴール。試合中には、ジェナール・フォルネスのティアゴへのタックルに対するレッドカードの可能性や、サバデル側のペナルティ要求、アグアドのハンド疑惑などでVARが介入したが、判定は覆らなかった。
カスティージャがこのまま昇格を果たせば、レアル・ソシエダBなどに続き、セグンダに複数のリザーブチームが参加することになる。運命の第2戦は6月5日(金)21時から、敵地ノバ・クレウ・アルタで行われる。(via AS / MARCA / Mundo Deportivo)
カゼミーロがエンドリッキに関する過去の発言を弁明
ブラジル代表のカゼミーロが、若きストライカーであるエンドリッキに関する過去の発言について釈明した。
カゼミーロは以前、TNT Sports Brasilのインタビューで「エンドリッキがW杯に行くなら、我々は現実的にならなければならない。彼はまだグループの一部ではない。彼に試合を決めるプレッシャーをかけてはいけない」と発言し、エンドリッキの能力を疑問視していると誤解されてSNS等で炎上していた。
これについてカゼミーロは、ブラジル代表の合宿所であるグランジャ・コマリーでメディアに対し『かなり腹が立った』と当時の心境を告白。『私は選手、エンドリッキを守ろうとした。W杯に向けて彼に責任を負わせないようにした』と真意を説明した。さらに『私たち経験豊富な選手は、職業の偉大さのためにそれを守らなければならない。SNSではこういうことが起きる。私は彼を守っただけだ』と述べ、自身の発言がメディアからの一方的な重圧を和らげるためのものであったことを強調した。
そしてエンドリッキの才能を改めて絶賛し、『エンドリッキは少なくとも3回か4回はW杯に出場するだろう』『彼が偉大な選手であり、多くのスター性を持っていることはすでに証明されている』とその後輩に太鼓判を押した。(via ElDesmarque)
レアル・マドリードが世界で最も価値のあるクラブの座を維持
経済誌フォーブスが発表した最新のランキングで、レアル・マドリードが12億6500万ドルの収益を上げ、スポーツチームとして史上最高の収益を記録したことが明らかになった。
これにより、これまでトップだったNFLのダラス・カウボーイズ(12億3000万ドル)を抜き、世界一に躍り出た。収益は前年比12%増を記録している。クラブの資産価値自体も95億ドルに達し、前年比41%の驚異的な成長を見せた。これにより、5年連続、過去13回のうち10回目で「世界で最も価値のあるサッカークラブ」の座に輝いた。なお、2位はバルセロナで75億ドルとなっている。(via SPORT)
【本日の総括】
目前に迫る会長選挙でペレスとリケルメの舌戦が激化し、次期監督にはモウリーニョの復帰が確定的となっています。トップチームは内紛とアルベロアへの批判で揺れていますが、カスティージャは昇格に向けて大きな一歩を踏み出しました。クラブの資産価値は世界トップを維持しており、ピッチ内外でマドリードは激動の夏を迎えようとしています。



デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
アルベロア体制下でのトップチームは、個々のタレントを活かすための配置や役割分担が機能不全に陥っていた印象です。特にエムバペの起用法やカンテラーノの冷遇は、戦術的な一貫性よりも特定のスター選手への依存が優先された結果と言えます。次期監督候補に挙がるモウリーニョは、規律と組織的な守備構築に長けており、現在のロッカールームの混乱を収束させるには適任かもしれません。一方で、カスティージャが昇格プレーオフで見せたような、組織として連動し、個が輝く構造をトップチームでどう再現できるかが、来季の最大の課題となるでしょう。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
会長選挙を控え、クラブ内部の温度差が顕著になっています。ペレス会長がレジェンドたちの支持を背景に盤石な体制を誇示する一方で、リケルメ候補はソシオの利便性を突くなど、対立軸が明確化しています。また、エルゲラによるアルベロア批判は、単なる監督個人の評価を超え、クラブの任命責任やアイデンティティの喪失に対する警鐘と受け取るべきです。世界一の資産価値を誇る経済的な成功とは裏腹に、ロッカールームの調和やクラブの伝統的な紳士性をどう取り戻すか、新体制には重い舵取りが求められます。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
補強計画は選挙結果に大きく左右される状況です。ペレス陣営はニコ・パスらの買い戻しを含め、若手育成と即戦力補強のバランスを重視していますが、モウリーニョ招聘に伴う契約解除金の支払いや高額年俸の負担は無視できません。対するリケルメ候補は、ロドリら代表クラスの獲得を匂わせるなど、より派手な編成を志向しています。いずれにせよ、現有戦力の整理とサラリーキャップの管理が急務であり、特にスペイン人選手の処遇を巡る編成の歪みをどう解消するかが、夏の移籍市場における評価の分かれ目となるでしょう。