ヴィニシウス・ジュニオールの契約延長交渉の現状
レアル・マドリードが抱える今夏の懸案事項の一つが、2027年で契約が切れるヴィニシウス・ジュニオールの契約延長問題だ。現在、交渉はすべてストップしており、双方ともブラジル人アタッカーの休暇明けに話し合いの場を持つ予定となっている。
数ヶ月前までは合意に近いと見られていたが、現在は暗礁に乗り上げている。最大の理由は経済的な条件の違いだ。ヴィニシウス側はチーム最高給、あるいはキリアン・ムバッペと同等の給与を要求している。一方、クラブ側はこの要求を経済的に受け入れがたいものと考えている。給与の引き上げには応じる構えだが、引き留めのために法外な金額を支払うつもりはないという姿勢を崩していない。
この交渉はフロレンティーノ・ペレス会長が自ら陣頭指揮を執っており、ヴィニシウスを説得できると期待している。ヴィニシウス自身も常にレアル・マドリードでのプレー継続を望んでいると公言している。しかし、現状は両者の金銭的な隔たりが大きく、決して楽観視できない状況だ。
現在バルデベバスには彼に対する正式なオファーは届いていないものの、状況次第では今夏に市場に出される可能性も完全に排除できないとする見方もある。クラブとしては、来年になってフリーで移籍の交渉をされるような長引く事態は避けたく、良くも悪くも可能な限り早くこの問題を解決したいと強く望んでいる。(via Mundo Deportivo)
カンテラーノのヴィクトル・バルデペーニャスがフィオレンティーナへ移籍
レアル・マドリードの若手ディフェンダー、19歳のヴィクトル・バルデペーニャスがイタリアのフィオレンティーナへ移籍することが決定した。移籍金は800万ユーロで、レアル・マドリードは彼の保有権の50%を売却する形となり、将来的な価値上昇による利益も見込んでいる。契約期間は5年間となる見込みだ。
センターバックとサイドバックをこなすバルデペーニャスは、昨季レアル・マドリード・カスティージャで守備の要として活躍し、ユースリーグ優勝にも貢献。トップチームで左サイドバックの負傷者が相次いだ際には、トップチームの練習に継続して参加し、ラ・リーガでデビューを飾ったほか、チャンピオンズリーグのメンバーにも招集されるなど、コーチングスタッフから厚い信頼を得ていた。
彼の才能にはボローニャ、ユベントス、ミラン、アイントラハト・フランクフルト、アーセナル、ローマ、ボルシア・ドルトムントなど多数のクラブが関心を示していたが、最終的にフィオレンティーナが争奪戦を制した。モウリーニョ監督は手元にある戦力と、売却益でトップチームのさらなる補強を目指すクラブの経営方針を理解し、プレシーズン前の想定よりも早く彼の放出を容認した。
なお、レアル・マドリードは今夏の移籍市場において、カンテラ出身選手の売却で総額1億3450万ユーロ(約1億3500万ユーロ)もの莫大な収入を得ている。内訳は、ニコ・パスをコモへ6000万ユーロ、ビクトル・ムニョスをリバプールへ2550万ユーロ、マリオ・ヒラをミランへ(保有権の売却で)1500万ユーロ、アルバロ・ロドリゲスをボーンマスへ1250万ユーロ、マリオ・マルティンをヘタフェへ350万ユーロ、そしてフラン・ガルシアをベティスへ400万ユーロで売却している。これに今回のバルデペーニャスの800万ユーロが加わる形となる。(via Estadio Deportivo / ElDesmarque / Mundo Deportivo)
モウリーニョ新体制のコーチングスタッフ全容が判明
ジョゼ・モウリーニョ監督率いるレアル・マドリードの新たなコーチングスタッフの陣容がクラブの公式ウェブサイトで発表された。
最大の驚きは、ベンフィカから「スポーツサイエンス」の専門家である生理学者、サンドロ・カリーソを招聘したことだ。彼は2013年からベンフィカで働いていた実績を持つ。モウリーニョとフィジカルコーチのアントニオ・ディアスが、マドリードの選手たちに特有のニーズがあることを確認し、信頼できる生理学者の必要性を感じてベンフィカと交渉した。ルイ・コスタ会長との話し合いを経て、レアル・マドリードへの引き抜きが実現した。彼の任務は、データと科学的根拠に基づいて人体の運動への反応と適応を研究し、選手の身体的パフォーマンスを分析して最適化すること、そして怪我の予防と健康増進を図ることだ。
一方で、ジネディーヌ・ジダンやカルロ・アンチェロッティ政権下でタイトル獲得に貢献してきたGKコーチのルイス・ジョピスがコーチングスタッフから外れることになった。ジョピスはトップチームから離れてクラブ内で別の役職に就くか、新たな冒険に出るものと見られている。後任のGKコーチにはヌーノ・サントスが就任する。
懸念されていたアントニオ・ピントゥス(フィジカルコーチ)の去就については、クラブ首脳陣の支持もあり、引き続きトップチームのフィジカルコーチとして残留することが確認された。
コーチングスタッフの全容は以下の通り。
ジョアン・トラリャン(第2監督)
ペドロ・マチャド、サミ・ケディラ(テクニカルアシスタント)
ヌーノ・サントス(GKコーチ)
アントニオ・ディアス、アントニオ・ピントゥス(フィジカルコーチ)
ロベルト・メレッラ(チーフアナリスト)(via ElDesmarque / Mundo Deportivo)
バルデベバスでの初練習と参加メンバーの状況、ハイセンのコメント
レアル・マドリードはバルデベバスのシウダード・レアル・マドリードで新シーズンに向けた初練習を行い、モウリーニョ監督の指揮下で本格的に始動した。
初日に参加できた選手はわずか8人のみ。ディーン・ハイセン、ラウール・アセンシオ、アンドリー・ルニン、トレント・アレクサンダー=アーノルド、エドゥアルド・カマヴィンガ、アルバロ・カレラス、ゴンサロ・ガルシア、フランコ・マスタントゥオーノがグラウンドに姿を現した。エデル・ミリトン、ロドリゴ・ゴエス、フェルラン・メンディの3名は怪我のため別メニューでの調整となった。
多くの選手は代表戦の影響でまだ合流していない。ベルナルド・シウバ(ポルトガル)、フェデ・バルベルデ(ウルグアイ)、アルダ・ギュレル(トルコ)、ティボー・クルトワ(ベルギー)、アントニオ・リュディガー(ドイツ)、ブラヒム・ディアス(モロッコ)、デンゼル・ダンフリース(オランダ)、ヴィニシウス・ジュニオール(ブラジル)は現在休暇中。ジュード・ベリンガム(イングランド)、オーレリアン・チュアメニ、キリアン・ムバッペ、イブラヒマ・コナテ(フランス)、マルク・ククレジャ(スペイン)はワールドカップ準決勝に進出していたため、合流はさらに遅れる見込みだ。
初練習を終えたディーン・ハイセンは、出待ちしていたファンやメディアに対応した。ローマ時代にもモウリーニョの指導を受けているハイセンは、『以前から彼を知っているから、とても良い感じだ。彼は良い人だよ』と監督について語った。モウリーニョの厳しい練習については『まあ、練習しないとね』と答え、休暇中も個人的にトレーニングを積んでいたことを明かした。新シーズンの目標を『たくさんのタイトル』と掲げ、フランス代表としてW杯に参加している同僚のコナテについては『知らないけれど、とても良い選手だ』とコメントした。(via ElDesmarque / Mundo Deportivo)
ムバッペがW杯準決勝敗退後に厳しい自己批判を展開
ワールドカップ準決勝でスペインに0-2で敗れた後、フランス代表のキャプテンでありレアル・マドリードのストライカーであるキリアン・ムバッペは、メディアの前で深い失望を隠さず、チームと自身のパフォーマンスに対して厳しい自己批判を行った。
今大会8ゴールを挙げ、ワールドカップ通算20ゴールに到達したムバッペだったが、スペイン戦では相手のクバルシとラポルテの牙城に封じ込められ、オフサイドトラップに苦しむなど存在感を発揮できなかった。試合終盤の86分には、時間を稼ぐウナイ・シモンに対して苛立ちから肘打ちと軽い蹴りを見舞い、イエローカードを受けるというフラストレーションを露わにする場面もあった。
ムバッペは試合後、『戦術的にも技術的にも、我々が見せた全体的なレベルにおいても、自分たちが望んでいた試合はできなかった。ワールドカップの準決勝でやるべきことができなければ、勝つことはできない』と語り、チームの力不足を認めた。
スペインの戦いぶりについては、『スペインは自分たちのゲームプランに忠実だった。ポゼッションをコントロールし、リズムを支配するのが好きなチームだ。彼らが落ち着いて偽のリズムに乗るのを防ぐために、高い位置からプレッシングをかけるアイデアだったが、我々はそれを達成できなかった』と脱帽し、フランスの戦術的失敗を指摘した。
さらに、『彼らがプレッシャーをかけてくるとき、中盤で常に3対2の状況になっていた。スペイン相手にそれではすでに難しい。ファビアンとロドリにプレーする時間を与えすぎた。プレスにおけるコミュニケーションが不足していた』と中盤での数的不利を嘆いた。また、『1対1でプレーし、彼らを走らせる必要があった。ボールなしで走るのを嫌がるチームだからだ。そして、ボールを奪い返した時でさえ、最初のパスやタッチがワールドカップ準決勝のレベルに達していなかった。これらすべてを足し合わせると、結果は敗北になる』と技術的なミスが多すぎたことを悔やんだ。
最後に、『皆と同じように、非常に大きな失望を感じている。決勝に進むことは我々の夢であり、国に夢を見る機会を与え、歴史を作るチャンスだった。今はこれに直面しなければならない。言葉では表せないほど大きな失望だ。立ち直り、休暇を取り、前に進まなければならない。サッカーは誰も待ってくれない。クラブや代表レベルで他にも色々なことが起こるだろう』と語り、3位決定戦、そしてレアル・マドリードでの新シーズンに向けて気持ちを切り替える姿勢を見せた。(via SPORT / Estadio Deportivo / MARCA / Mundo Deportivo)
マイケル・オリーズ獲得の噂とマケレレのフロレンティーノへの進言
レアル・マドリードが今夏の移籍市場で、バイエルン・ミュンヘンに所属する24歳のフランス代表MFマイケル・オリーズの獲得を熱望している。フロレンティーノ・ペレス会長が渇望する「銀河系(ガラクティコ)」のターゲットだ。
このワールドカップで5アシストを記録するなど活躍を見せたオリーズについて、元レアル・マドリードのフランス人MFクロード・マケレレがフロレンティーノ・ペレス会長に直接獲得を進言したことを明かした。『最近フロレンティーノ・ペレスと話をして、もし選手1人に全額を費やすならマイケル・オリーズにするべきだと言った』とマケレレは語っている。マケレレはオリーズの才能について、『彼がピッチにいると、メッシのように誰も予想しなかったことをいつでもやってのけるような予感がする。才能、自由、質、効果的といった、私たちが子供の頃に経験したサッカーを見る感覚を呼び起こしてくれる』と絶賛している。
レアル・マドリードはオリーズ獲得のために、2億ユーロから最大2億2000万ユーロのオファーを準備していると報じられている。しかし、バイエルンのヘルベルト・ハイナー会長は『フロレンティーノ・ペレスがそれを念頭に置いているなら、その労力は省いた方がいい。我々はマイケルを売るつもりはない』と公言し、徹底抗戦の構えを見せている。
それでも、フランスからの報道によると、オリーズはワールドカップ終了後にバイエルンと将来について会談する予定だという。バイエルン側は2029年までとなっている契約の延長を目指しているが、もし選手本人が退団の意思を示せば、レアル・マドリードが本格的に動く可能性がある。両クラブ間には、事前に通達なしにアクションを起こさないという紳士協定が存在するとも言われている。
また、マケレレはムバッペのバロンドール受賞についても言及し、『彼にバロンドールを獲ってほしい。今季レアル・マドリードでは多くのタイトルを獲れなかったが、ワールドカップでの活躍は格別だ。キリアンが年々見せている姿はロナウド・ナザリオにますます近づいている。彼がこの世代のフェノメノ(怪物)だ。さらに証明すべきことがあるのが恐ろしい』と、レアル・マドリードのストライカーを称賛した。(via SPORT / Mundo Deportivo)
来季のラ・リーガ序盤戦の試合日程が確定
ラ・リーガの2026-27シーズン開幕から第3節までの試合日程とキックオフ時間が発表された。
レアル・マドリードはワールドカップ準決勝や決勝に進出している選手を多数抱えているため、選手の休暇期間を確保するというラ・リーガの特例措置により、第1節の試合が延期されることになった。
そのため、モウリーニョ新監督の公式戦初陣は第2節のアウェーゲームとなる。日時は8月22日(土)21時30分で、相手はエスパニョール。試合はRCDEスタジアムで行われる。
続く第1節の延期分は、8月26日(水)21時00分からサンティアゴ・ベルナベウでレアル・ソシエダを迎え撃つ。これがモウリーニョにとって本拠地ベルナベウでの初采配となる。
そして第3節は、8月30日(日)17時00分から、再びサンティアゴ・ベルナベウで昇格組のマラガと対戦するスケジュールとなっている。
新戦力を加え、モウリーニョの下で再出発を図るレアル・マドリードにとって、過密日程ながらも重要なシーズン序盤戦となる。(via SPORT / Mundo Deportivo / ElDesmarque)
ベリンガムのW杯での活躍にイングランド国内から絶賛の嵐
ワールドカップ準々決勝のノルウェー戦で、延長戦での劇的な逆転ゴールを含む2ゴールを挙げ、イングランドを準決勝に導いたジュード・ベリンガム。今大会6ゴールを記録し、ハリー・ケインらと並びイングランド代表の主要国際大会における最多得点記録に並んだ23歳のレアル・マドリードの背番号10に対し、母国イングランドのレジェンドたちから絶賛の嵐が巻き起こっている。
元イングランド代表FWのギャリー・リネカーは、『彼はイングランドの歴史上最高のサッカー選手になる可能性がある、あるいはそうなるだろうとあえて言おう。そしてそれは非常に大きな意味を持つ』と最大級の賛辞を贈った。
また、元DFのギャリー・ネビルも興奮を隠しきれず、『正直に言って、あのようなパフォーマンスを見て鳥肌が立った。イングランドの選手がこれほど大会で影響力を持つのを見たことがない。1996年のガザ(ポール・ガスコイン)、2004年のルーニー、1998年のマイケル・オーウェンを見てきたが、これは全くの別格だ。彼は最高レベルに達している。次のスーパースターになるのではない、彼が今まさにイングランドのスーパースターなのだ。23歳でこれをやっているのは記念碑的だ』と語り、イングランド中の子供たちがベリンガムに憧れていると強調した。
元トッテナム監督のティム・シャーウッドも、『ジュードは大きな発見だった。彼よりチームが優先だと思っていたが、彼に対する見方を完全に変えられた。トーマス・トゥヘル監督の考えも変わったと確信している。舞台が大きくなればなるほど、彼は前に出て自分の価値を証明したがる。彼への称賛の言葉が見つからない』と語り、イングランド全土が「ベリンガム・マニア」に沸いていることを証明した。(via MARCA)
【本日の総括】
モウリーニョ新体制がバルデベバスで始動し、コーチングスタッフも一新されました。ヴィニシウスの契約延長は難航しており、若手バルデペーニャスは高額でフィオレンティーナへ売却されました。W杯ではムバッペが敗退後に自己批判する一方、ベリンガムは母国で英雄扱いと、マドリードの選手たちの悲喜こもごもが交錯しています!
デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
モウリーニョ新体制の始動において、特筆すべきはスポーツサイエンスの専門家招聘とGKコーチの交代です。特に生理学者の導入は、個々の選手の身体的ニーズをデータで最適化し、過密日程を乗り切るための構造的な準備と見受けられます。戦術面では、ムバッペがW杯で露呈した中盤の数的不利やプレス連動の課題を、新監督がどう修正するかが焦点です。ハイセンら若手の合流と既存戦力の融合、そして新戦術の浸透には、プレシーズンでの配置の噛み合わせが鍵を握るでしょう。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
ヴィニシウスの契約延長交渉が停滞している現状は、クラブの給与体系に対する強い意志表示と受け取れます。ムバッペという新たな象徴を迎えた今、クラブは経済的な規律を維持しつつ、チームの序列を再構築しようとしています。一方で、カンテラーノの積極的な売却は、経営の健全化とモウリーニョ監督の戦力整理が合致した結果と言えるでしょう。クラブ全体が「勝利」という共通目標へ向けて、感情的な側面を排し、冷徹なまでに合理的な判断を下している印象を受けます。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
カンテラ出身選手の売却で1億ユーロ超の収入を得たことは、編成上の大きな転換点です。これは単なる資金調達ではなく、トップチームの枠を空け、より即戦力性の高い補強へ舵を切るための準備と解釈できます。オリーズ獲得の噂は、クラブがさらなるスター選手の獲得を諦めていない証左ですが、バイエルン側の強硬姿勢を考慮すれば、契約年数やサラリー負担を含めた慎重な交渉が求められます。フリー移籍を避けるためのヴィニシウスとの早期合意が、今夏の編成戦略における最優先事項です。