ティボー・クルトワ 試合中に涙の負傷交代
W杯準々決勝スペイン対ベルギー(1-2でスペイン勝利)。クルトワはベルギー代表の絶対的守護神としてスタメン出場しました。前半からダニ・オルモのシュートを防ぐなど見事なセーブを連発していましたが、ファビアン・ルイスの先制点の場面では、自身が弾いたリバウンドの処理が甘く失点につながりました。
66分、味方が自陣でファウルからのリスタートを行う直前、全くのアクシデントで左脚大腿四頭筋(太もも)にピリッとした痛みを覚えてピッチに倒れ込み、ベンチを見つめました。マイケル・オリバー主審が給水タイムを指示したため、歩いてベンチへ向かいベルギーの医療スタッフと話し、治療を受けてプレー続行を試みました。しかし身体は反応せず、71分に交代を要求し、セネ・ラメンス(マンチェスター・ユナイテッド所属)と代わって涙を流しながらピッチを去りました。
この涙は、激しい痛みによるものか、あるいは彼にとってW杯2026での最後の出場となる可能性による悲しみからと推測されています。その後はベンチで落ち着いた様子で試合の結末を見守っていましたが、代わって入ったラメンスがパウ・クバルシのシュートをファンブルし、ミケル・メリノの決勝ゴールを許したため、クルトワの退場がベルギーの敗退の決定打となってしまいました。
近年負傷が多く、今年3月にも右脚大腿四頭筋前直筋を筋肉の負傷で離脱してチャンピオンズリーグの重要な時期を欠場し、5月に復帰して以来は問題がありませんでした。モウリーニョ監督がバルデベバスでプレシーズンを開始したばかりの現在、夏の真っ只中の筋肉トラブルは新シーズンの開幕やプレシーズン合流に重大な影響を及ぼすため、レアル・マドリードにとっても警報が鳴り響いています。メディカルレポートはまだなく、正確な状態は検査待ちとなっています。 (via Estadio Deportivo) (via SPORT) (via MARCA) (via Mundo Deportivo) (via ElDesmarque)
ホセ・モウリーニョ監督 バルデベバス帰還で始動
ホセ・モウリーニョ監督が2010年から2013年まで過ごした古巣、レアル・マドリードのシウダード・デポルティーバ・デ・バルデベバスに13年ぶりに帰還しました。彼は自身のInstagramでマドリードのウェアを着て笑顔を見せる写真とともに『Vamos』という短いメッセージを投稿しました。
クラブの公式チャンネルであるReal Madrid TVのインタビューでは、彼のトレードマークである自信と挑戦的な姿勢を見せつつ、次のように語りました。
『言葉だけでは十分ではない。なぜならこれは使命のようなものだからだ。私が多く勝つか少なく勝つか、自分自身を心配しているわけではない。私は選手やスタッフ全員がより良くなるよう助けに来た。責任感、野心、そしてレアル・マドリードで働くという名誉と責任、私がよく知るその仕事の文化を築くために。私はこの概念がとても気に入っている。「レアル・マドリードで働く」のではなく、「レアル・マドリードのために働く」のだ。その使命感を持って私はここにいる』
『今日ここに来てすべてが始まるわけではない。私たちはかなり前からクラブの様々なレベルの構造と協力して多大な取り組みをしてきた。今はテクノロジーのおかげで、その場にいなくても仕事ができる。今日は、これまでやってきたこと、これからやるべきことをコントロールするために来た』
『プレシーズンについて、当然ながら全選手がここにいてほしいが、この2週間を前向きに活用しなければならない。共に働く若者たちを知り、彼らに私を知ってもらう機会として捉えている。今季は彼らの多くがカスティージャにいるだろうし、その分野の成長にも参加し、貢献したい。ここにいれば、いずれ世界チャンピオンが合流してくるだろう。非常に自信を持っているし、このクラブを愛しているという深い感情がある。Hala Madrid y nada más!』
公式な就任プレゼンテーションはワールドカップ終了後になりますが、すでに監督としての実権を握っています。コーチングスタッフには、第2監督のジョアン・トラリャン、アシスタント兼フィジカルコーチのペドロ・マチャド、アナリストのロベルト・メレッラ、GKコーチのヌーノ・サントス、フィジカルコーチのアントニオ・ディアスが就任。さらに、第一次政権下で教え子だったサミ・ケディラがアシスタントとして加わり、かつてのアイトール・カランカのようにロッカールームとのパイプ役を担います。
また、アントニオ・ピントゥスはモウリーニョの強い要望によりトップチームに留まり、フィジカル部門の最高責任者を務めますが、ルイス・ジョピスGKコーチはヌーノ・サントスの加入によりトップチームでの役割を外れます。ただしジョピスは残り2年の契約があり、来週クラブと今後の役割について会談する予定です。
来週月曜から始まるプレシーズンには、W杯参加組を除き、ルニン、新加入のトレント・アレクサンダー=アーノルド、アセンシオ、ディーン・ハイセン、アルバロ・カレーラス、エドゥアルド・カマヴィンガ、フランコ・マスタントゥオーノ、ゴンサロ・ガルシアら11名が参加します。昨季終盤に重傷を負ったエデル・ミリトン、フェルラン・メンディ、ロドリゴは引き続きリハビリを行います。
プレシーズンマッチとして、8月1日にオーストリアでフィオレンティーナ戦の可能性があり、8月12日にはテレサ・エレラ杯でデポルティーボと対戦します。サンティアゴ・ベルナベウ杯が2018年以来に復活する可能性もあります。 (via Estadio Deportivo) (via SPORT) (via MARCA) (via Esport3) (via ElDesmarque)
キリアン・ムバッペ フランスを牽引し負傷の不安も一掃
W杯準々決勝モロッコ戦で、キリアン・ムバッペがフランスを2-0の勝利と準決勝進出に導きました。前半25分にマズラウィのタックルを受けて自らPKを獲得したものの、シュートが甘くGKヤシン・ボノにセーブされました(VAR確認等で3分以上待たされた影響もありました)。しかし後半60分、ペナルティエリアの角で4人に囲まれながらも、信じられないようなコースを見つけて右足で強烈なシュートを放ち、先制ゴールを記録。直後にはウスマン・デンベレの追加点をアシストし、MVPに選出されました。
これで大会8ゴールとなり、アルゼンチンのリオネル・メッシに並んで得点ランキングトップに立っています。
76分には足首を痛めた様子でピッチに座り込み、マテタと交代。ベンチで右足首にアイシングをしており負傷が懸念されましたが、試合後は笑顔で挨拶していました。ミックスゾーンでのインタビューで彼は次のように語りました。
『大丈夫だ。足首に打撃を受けたけど問題ない。マテタの方が最後の15分プレーするのに僕より適していた。だから僕が下がり、彼が入り、危うくゴールを決めそうになった。ポジティブなことだ』
『準決勝の相手については何も気にしていない。準決勝はスペインでもベルギーでも常に難しい試合になる。明日の結果を見るよ』
『僕はフランス代表にいると心地よい。このチーム、このグループにはとても愛着がある。何年も前から知っている友人がたくさんいるし、僕を年上の選手として見ている若手もいる。ピッチ内ではサッカーのプレーを知っている一人の選手に過ぎないが、僕は感情面でチームの手本にならないといけない。W杯でプレーすることがどういうことか知っているし、それをチームメイトに教えなければならない』
また、フランスのジャーナリストからの重圧について冗談交じりにスペインメディアにこう明かしました。
『僕たちはチームであり、W杯で歴史を持つ国だ。国の歴史と、フランスのためにプレーするプレッシャーを理解しなければならない。何が何でも勝たなければならないんだ。もし勝てなければ、ここにいるフランスのジャーナリストたちに殺されてしまうよ(笑)。質の高い選手はいるが、チームとしてプレーしている。我々は団結しており、全員が勝つという同じ方向を向いている』
ディディエ・デシャン監督も彼を称賛し、『多くの人はキリアンが自分のことしか考えない独裁者のようなものだと思っているが、彼はキャプテンとして模範的だ。多くのゴールを決める以上に、ピッチでの行動でそれを示している。PKについては、VARの確認で非常に長い時間がかかったため、言い訳はしないが簡単な状況ではなかった』と擁護しました。
また、過去にはユルゲン・クロップが、モナコ時代(2017年)のムバッペをリヴァプールに引き抜こうと画策し、5部屋ある巨大なプライベートジェットでニースまで飛び、誰にも見られないよう上空を旋回しながら機内で家族と会食・交渉したものの、結局PSGへ行かれてしまったというエピソードをドイツのテレビ番組で笑いながら暴露しています。さらにパラグアイのセレステ・アマリージャ上院議員からSNSで人種差別的侮辱を受けていた件で、彼女はアカウントを取り戻した後も挑発的な投稿を行っています。 (via ElDesmarque) (via MARCA) (via SPORT)
マリオ・ヒラのミラン移籍で巨額の臨時収入
レアル・マドリードの下部組織「ラ・ファブリカ」出身のセンターバック、マリオ・ヒラ(23歳)がラツィオからミランへ移籍することが決定し、2031年までの契約を結びました。移籍金は約3000万ユーロです。
レアル・マドリードは2021-22シーズンにカルロ・アンチェロッティの下で2試合トップチームに出場した彼を、2022年の夏に600万ユーロでラツィオに売却していました。しかしその際、将来の移籍金の50%を受け取る権利を保持していたため、今回のミランへの移籍で約1500万ユーロの多額の移籍金収入(いわゆる「良いお小遣い」)を手にすることになりました。
ビクトル・ムニョスのリヴァプール移籍、ニコ・パスのコモ移籍に続き、下部組織出身者の売却がクラブの財政を大いに潤しています。 (via MARCA) (via Mundo Deportivo)
ヴィニシウス・ジュニオール W杯敗退を受け長文で謝罪
ブラジル代表がW杯ベスト16でノルウェーに敗退(アーリング・ハーランドの2ゴール等による)したことを受け、ヴィニシウス・ジュニオールが敗退から数日経って沈黙を破り、自身のSNSに長文のメッセージを投稿しました。白黒の写真で、試合終了の笛の後にピッチに倒れ込む姿が添えられています。彼は今大会5試合で4ゴール1アシストを記録し、攻撃の牽引役となっていました。
彼は以下のように綴りました。
『約4年が経ち、ワールドカップでの挫折の後に何を書くべきか再び考えている。あらゆる年齢の多くの人々が私を支持し、私たちの夢を抱きしめてくれているのを見た。沈黙を保つのは不公平だろう。しかし、反省するための数日が必要だった。代表チームのユニフォームを着ることは私の人生における最大の誇りであり、ワールドカップのラウンド16で敗退することは説明が難しい感情だ。自分がどれだけ準備し、どれだけ集中し、皆や家族のためにこれをどれほど望んでいたか分かっている。フラストレーションの感覚は途方もない。私たちにはもっと先へ進めるだけの強いグループがあったが、達成できなかった。謝罪します。そして、再び世界の頂点に立つという私たちの夢のために戦い続けます』
また、ノルウェー戦の0-0の場面でブラジルがPKを獲得した際、ヴィニシウスではなくブルーノ・ギマランイスが蹴って失敗した件について、議論が巻き起こっていました。これについてヴィニシウスはミックスゾーンで『責任から逃げたわけではない。カルロ・アンチェロッティ監督が練習の成果を見て、ブルーノをキッカーに指定していたから、その決定を尊重しただけだ』と釈明していました。 (via Estadio Deportivo) (via SPORT) (via MARCA) (via ElDesmarque) (via Mundo Deportivo)
ダニ・セバージョス 退団しフリーでベティス移籍へ
ダニ・セバージョスが、レアル・マドリードとの契約を解除してフリーエージェントとなり、古巣レアル・ベティスへの復帰に向かっています。
金曜日の午後、マドリード発セビリア行きのAVE(高速鉄道)でサンタ・フスタ駅に到着した彼は、満面の笑みを見せました。報道陣に対し、『今は休んで、祖父母や家族に会いに来ただけだ。一番気になっているのは双子の娘の誕生で、もう少しで生まれるんだ』と、直接の移籍交渉目的ではないと語りました。
しかしベティス復帰について問われると、『もう話し合いは済んでいる。今の私が望んでいるのは、プレーすること、そして重要だと感じることだけだ。私のスポーツキャリアのこの段階において、それ以外のことは完全に二次的なものだ』と断言。
マドリードで受け取っていた手取り500万ユーロの年俸を放棄し、移籍金ゼロでの退団を実現させた彼のこの発言は、経済的な問題がベティス復帰の障害にはならないことを暗に示しています。ベティスのアンヘル・アロ会長は数日前に「現在の状況ではダニの獲得は現実的ではない」と発言していましたが、水面下で交渉は進んでいると見られます。 (via Estadio Deportivo) (via Mundo Deportivo) (via ElDesmarque)
フロレンティーノ・ペレス会長 ロドリ獲得を拒否
レアル・マドリードは、トニ・クロースの引退やルカ・モドリッチの退団に伴い、ゲームをコントロールするミッドフィルダーを探していました。オーレリアン・チュアメニ、フェデ・バルベルデ、エドゥアルド・カマヴィンガにはドイツ人やクロアチア人のような足元の技術はなく、ベルナルド・シウバの獲得も根本的な解決にはならないと見られています。
そこで理想的なターゲットとされていたのが、マンチェスター・シティのスペイン代表MFロドリでした。彼は30歳になったばかりで、2027年までの契約がありますが、移籍金を下げてドアを開ける可能性がありました。しかし、フロレンティーノ・ペレス会長は彼の獲得リストからロドリの名前を一掃しました。
その理由は、1か月半前に行われた会長選挙で対立候補だったエンリケ・リケルメが、ロドリ獲得を最大の公約に掲げていたためです。ロドリ自身は合意を否定していましたが、ペレス会長はこれを許しませんでした。表向きはロドリのフィジカル(昨年9月の前十字靭帯断裂など)への疑念を理由にしていますが、それならばエデル・ミリトンやフェルラン・メンディの方が長く離脱していると批判されています。 (via SPORT)
その他の所属選手・カンテラ出身選手の動向
- ブラヒム・ディアス: W杯準々決勝フランス戦(0-2)にモロッコ代表としてスタメン出場しました。右サイドから打開を試みましたが何もできず、クロス成功0/2、ロスト12回、枠内シュート0で74分に交代。評価点4と低調な結果に終わりました。 (via ElDesmarque)
- ジュード・ベリンガム: ノルウェーに敗退したヴィニシウスの謝罪投稿に対し、ハートの絵文字でサポートを示しました。 (via ElDesmarque) また、イングランド代表として4ゴール1アシストと躍躍していますが、『ゴールを決めるのはとても満足のいく感覚で、簡単なゴールだと言って批判されるのもわかっているが、大好きだ』と語り、ストライカーの背後でプレーすることを好んでいるとして、モウリーニョ監督に対し自身が最も活躍できるポジションで起用するようアピールしています。 (via SPORT)
- オーレリアン・チュアメニ: フランス代表のデシャン監督はモロッコ戦の後半、彼に無理をさせず、代役にウォーレン・ザイール=エメリを起用しました。 (via MARCA)
- ニコ・パス: 先日コモへ移籍したカンテラ出身の彼は、アルゼンチン代表としてW杯に参加。『レアル・マドリードでプロデビューしたものの、子どもの頃からアルゼンチン代表としてW杯に出るのが夢だった。メッシの代わりになるのは不可能で、彼は史上最高だ』と語っています。 (via Mundo Deportivo)
- ゴンサロ・ガルシア: キリアン・ムバッペの加入やエンドリッキの復帰により、出場機会が減少する可能性が高いため、ストライカーを探しているレアル・ベティスの獲得候補リストに挙がっています。 (via Estadio Deportivo)
- マルク・ククレジャの妻: クラウディア・ロドリゲスが、キャロライナ・カステジョーテがデザインした「Cucurella」の名前入り特製デニムやコルセット風のスペイン代表Tシャツを着用してW杯を観戦し、SNSでバイラルとなりトレンドになっています。 (via Mundo Deportivo)
【本日の総括】
クルトワの涙の負傷交代という衝撃的なニュースが走る中、モウリーニョ監督がついにバルデベバスに帰還し、マドリー復帰の第一歩を踏み出しました。ムバッペは圧倒的なパフォーマンスでフランスを準決勝へ導き、ヴィニシウスは敗退の痛みを胸に謝罪。さらにヒラの移籍による臨時収入や、セバージョスのベティス復帰など、ピッチ内外でマドリード関連の動きが非常に激しい一日となりました。
デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
クルトワの負傷は、単なる個人の離脱以上の意味を持ちます。ビルドアップの起点であり、守備の最終ラインで絶対的な安定感を誇る彼を欠くことは、モウリーニョ新体制のプレシーズン設計に大きな修正を迫るでしょう。特にGKコーチの交代と重なるタイミングだけに、後方からの組み立てや守備組織の再構築において、戦術的な不確定要素が増したと言わざるを得ません。一方で、ムバッペが狭い局面で個の打開力を見せつけたことは、新シーズンの攻撃戦術において彼をいかに孤立させず、かつ自由に動かすかが鍵になることを改めて証明しています。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
モウリーニョ監督の帰還は、クラブに「勝つための文化」を再注入するという明確なメッセージです。彼が「レアル・マドリードのために働く」と強調したことは、個々のエゴを抑え、組織としての規律を優先させるというフロントの強い意志の表れでしょう。一方で、ペレス会長がロドリ獲得を拒否した背景には、クラブの政治的な力学が色濃く反映されています。ピッチ上の結果だけでなく、こうしたクラブ内部の権力構造や方針が、今後の補強やチームの温度感にどう影響していくのか、慎重に見極める必要があります。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
マリオ・ヒラの移籍による1500万ユーロの収入は、ラ・ファブリカの価値を再認識させる好例です。セバージョスが年俸を放棄してまで古巣復帰を選ぶ姿勢は、選手個人のキャリア選択として尊重されるべきですが、クラブとしては余剰戦力の整理とサラリーキャップの適正化を同時に進める必要があります。ロドリ獲得の消滅は中盤の編成に影響を与えますが、若手の台頭や既存戦力の活用を含め、限られた予算と枠の中でいかにバランスの取れたスカッドを構築できるかが、今夏の編成の焦点となります。