ネルソン・デオスサの劇的な残留劇

昨シーズンは適応不足や度重なる怪我、パフォーマンスの低下により厳しい評価を受け、一時はブラジルのバスコ・ダ・ガマやアルゼンチンのボカ・ジュニオルスへの放出が確実視されていたコロンビア人MFネルソン・デオスサですが、このプレシーズンでその立場を完全に覆しました。

攻撃陣の主軸であるクチョ・エルナンデスの合流遅れや、前線の新戦力補強の遅れに対応するため、マヌエル・ペジェグリーニ監督はデオスサを前線の「偽9番(falso 9)」として起用するという大胆な策を打ち出しました。これが大はまりし、デオスサはプレシーズンでチーム最多タイとなる3ゴールをマーク。特にダブリンで行われたアーセナル戦では衝撃的なミドルシュートを突き刺し、その計り知れないポテンシャルを証明しました。

この劇的な活躍を受け、本人の意志も残留へと大きく傾いています。デオスサはすでにバスコ・ダ・ガマへの移籍を拒否し、新シーズンをベティスで戦い抜く強い決意をクラブに伝えました。チームメイトや指揮官からの厚い信頼を背に、本来の価値を示し始めたデオスサの存在は、今夏の移籍市場における「最大のサプライズ」となっています。ただし、アーセナル戦での輝きを目にしたイプスウィッチ、リーズ、ウェストハム、ウォルヴァーハンプトンといったイングランドのスカウト陣が熱視線を送っており、市場閉幕までに高額なオファーが届く可能性は残されています。 (via Estadio Deportivo)

ニャンゴロ・ブアレの去就を巡る交渉

プレシーズンで最も強烈なアピールを続けているカンテラ出身の22歳、ニャンゴロ・ブアレの去就を巡り、緊迫した交渉が続いています。

ペジェグリーニ監督から高く評価され、アーセナルとの親善試合でもスタメンに大抜擢されたブアレに対し、クラブは2030年までの3年間の契約更新と給与改善を提示しました。しかし、選手本人は未だに首を縦に振っていません。クラブの提示したプランが「トップチームに帯同しつつ、基本はBチーム(ベティス・デポルティーボ)でプレーする」というものであり、22歳となった彼にとって、降格に伴い今季4部(セグンダRFEF)で戦うBチームでのプレーはカテゴリーが低すぎると感じているためです。

中盤にはファクンド・バーナル、マーク・ロカ、パブロ・フォルナルスといった実力者がひしめき、さらなる補強の噂もあるため、出場機会の確保に不安を抱いています。現在、2部のブルゴスやコルドバ、カディス、グラナダに加え、1部のクラブからも具体的な関心が寄せられています。クラブ側は、契約更新後にレンタルで武者修行に出すか、あるいは今夏に約50万ユーロの移籍金+将来の再売却時の高額なパーセンテージを保持する条件で完全移籍させるかの両面で、決断を迫られています。 (via Estadio Deportivo)

ボーンマスとのホームプレゼンテーションマッチ

ベティスは8月8日土曜日の20:30から、本拠地セビリアのラ・カルトゥハ・スタジアムにプレミアリーグのボーンマスを迎えて、今夏7戦目のプレシーズンマッチを行います。この一戦は、地元のサポーターに向けた新チームのお披露目・プレゼンテーションマッチとなります。

対戦相手のボーンマスは、昨季プレミアリーグで6位に食い込んだ強豪であり、今季はリヴァプールへ去ったアンドニ・イラオラ監督の後釜として、ドイツの名将マルコ・ローゼ監督が率いています。エプシロンから加入したアルバロ・ロドリゲスや、セビージャの下部組織出身であるフアンル・サンチェスの出場なども予想され、非常に高い強度の戦いが期待されます。

ベティスのペジェグリーニ監督は、この試合に向けて25名の招集メンバーを発表しました。過負荷から回復したマーク・ロカや、合流して間もないクチョ・エルナンデス、そして去就が不透明なゴンサロ・ペティやイケル・ロサダもメンバーに含まれました。一方で、負傷を抱えるアイトール・ルイバルと新守護神のDiego Condeは欠場。アルゼンチン代表としてW杯決勝を戦ったジョバニ・ロ・セルソは休暇中のため不在で、月曜日からチームに合流する予定です。

なお、アルゼンチン代表としてのLo CelsoのW杯決勝進出に伴い、リーガ開幕戦(バレンシア戦)が延期されたため、ベティスは8月15日にイタリアでインテルとの最終テストマッチを急遽追加しています。今回のボーンマス戦は、チケットがすでに3万枚以上販売されており、スタジアムは熱い熱気に包まれる見込みです。 (via Estadio Deportivo)

新スタジアム建設とCEOアラルコンが描く持続可能な財務モデル

CEOを務めるラモン・アラルコンが、権威あるビジネス誌「フォーブス」のインタビューに応じ、メガクラブとの経済的格差を縮めるための極めて先進的な持続可能な成長モデルを明かしました。

その核心となるのが、ホームスタジアムであるベニト・ビジャマリーンの全面改修計画です。スタジアム全体の収容人数は維持しつつ、VIP・プレミアム席を現在の1,200席から6,000席へと一気に5倍に拡張。これにより、一般サポーターのチケット価格をインフレに合わせた穏やかな引き上げに留めつつ、観客1人あたりの平均スタジアム収入をほぼ3倍に跳ね上げます。

さらに、スタジアムに隣接する形でホテル、商業施設、レストラン、オフィスを建設し、試合が開催されない日も含めた「年間365日営業」の複合施設へと変貌させます。これにより、スタジアム単体での年間商業収入を現在の3,000万ユーロから9,000万ユーロへと大幅に増加させ、最終的には年間総営業収入2億ユーロを安定して確保する強固な基盤を築き上げます。アラルコンCEOは『大クラブとの差は依然として残るが、このスタジアム改修によって他クラブに対する経済的優位性を確立し、常に欧州カップ戦を争う第2グループの筆頭に定着できる』と力強く展望を語りました。

ピッチ外では、2020年に立ち上げた環境サステナビリティプラットフォーム「Forever Green」の取り組みが世界的なブランド価値を高めており、国連の支援を受けながらローマやマンチェスター・ユナイテッドなど世界有数のクラブと連携を進めています。今季のセカンドユニフォームも、若くして亡くなったサポーターのサンドラ・ペニャへの追悼と、いじめ(bullying)撲滅への社会的なメッセージが込められた特別なデザインとなっています。 (via Estadio Deportivo)

トゴ代表FWケヴィン・デンキー獲得交渉の障害

ベティスが今夏の補強の最優先ターゲットとして、熱心に交渉を続けているトゴ代表FWケヴィン・デンキーですが、移籍の実現に向けて避けては通れない大きな壁に直面しています。

デンキーを保有するシンシナティは、2025年1月にサークル・ブルッヘから1,620万ドル(約1,500万ユーロ)という巨額の移籍金で彼を獲得したため、今回の売却に対しても相応の高額な移籍金マネーを求めています。さらに、交渉における最大の障壁となっているのが、デンキーが現在アメリカのMLSで受け取っている「極めて高額な年俸(給与制限)」です。

選手本人は『ベティスは素晴らしい選択肢であり、ヨーロッパの舞台に戻りたい』と移籍に非常に前向きな姿勢を示しており、個人合意に向けた話し合いは継続しています。しかし、ラ・リーガが課す厳しいサラリーキャップ(給与制限)の枠内に彼の給料を収めることは容易ではありません。ベティスの技術部門は、何としても彼を迎え入れるために、シンシナティの要求を満たすオファーの構築と、給与の削減交渉を並行して進めていますが、この超大型移籍を成功させるためには、主力DFナタン(Natan)などの高額売却によって財政的スペースを作り出すことが絶対条件となります。 (via Estadio Deportivo)

19歳の新守護神アレックス・ポスティゴの獲得合意

ベティスは、下部組織の強化と将来のファーストチームを見据え、ギムナスティカ・セゴビアナから19歳の有望なゴールキーパー、アレックス・ポスティゴを獲得したことを公式に発表しました。

セゴビアナ側は当初、違約金である10万ユーロ満額に近い金額での取引を要求して交渉が難航していましたが、最終的にはベティス側が一定の移籍金を支払う形で円満合意に達しました。ポスティゴは昨季、セグンダRFEFで26試合に出場し、若くして高い安定感とセービング技術を示してきました。特に昨年10月のレアル・アビラとのダービーでのプロデビュー翌日に最愛の母親を亡くすという、精神的に極めて過酷な試練を乗り越えて成長を遂げた強固なメンタリティの持ち主です。

ポスティゴはまずベティスCからスタートし、段階的にBチーム(ベティス・デポルティーボ)の守護神を目指すプランとなっています。Bチームでは、契約満了となったヘルマン・ガルシアがカセレーニョへ移籍し、ラファイラがルーマニアに復帰したため、GK陣の大規模な玉突きが発生しています。U-19欧州選手権を制したマヌ・ゴンサレスがトップチームの第3GKに引き上げられたこともあり、ポスティゴには早い段階でBチームへの昇格と活躍が期待されています。 (via Estadio Deportivo)

ファビオ・シウバのラ・リーガ復帰願望

ボルシア・ドルトムントに所属するポルトガル代表FWファビオ・シウバに対し、ブラジルの名門フラメンゴが移籍金3,000万ユーロ+変数500万ユーロという極めて高額なオファーを準備し、獲得へ向けて猛烈なアプローチを仕掛けています。フラメンゴは同じポルトガル人であるレオナルド・ジャルディム監督らが直接本人を説得する構えを見せています。

しかし、シウバ本人の意思は極めて明確です。彼は現時点でブラジルへの移籍を完全に否定しており、ドルトムントで確固たるレギュラーポジションを勝ち取るか、あるいはそれが叶わない場合は、昨季ラス・パルマスで素晴らしいパフォーマンスを見せたラ・リーガへの復帰を最優先に望んでいます。

この状況を察知したデポルティボ・ラ・コルーニャやビジャレアル、そしてベティスが彼の獲得に向けて虎視眈々と動向を注視しています。ベティスは買い取りオプション付きの期限付き移籍(ローン)での獲得を望んでいますが、そのためには前線の余剰人員の整理と、移籍市場の最終盤である8月末まで粘り強く交渉を引き伸ばし、有利な条件をドルトムントから引き出す必要があります。 (via Estadio Deportivo)

パブロ・フォルナルスの熱きハンマーセレブレーション

ダブリンで行われたアーセナルとの親善試合において、ダメ押しとなる1-3の素晴らしいゴールを決めたパブロ・フォルナルスがピッチ上で見せた熱いジェスチャーが、イングランドで大きな話題を呼んでいます。

フォルナルスはゴールを決めた直後、自身の両腕を胸の前で交差させ、かつて4年半にわたって在籍したウェストハム・ユナイテッドのエンブレムに描かれている「2本のハンマー」を形作る有名なセレブレーションを披露しました。アーセナルとウェストハムは同じロンドンを本拠地とする激しいライバル関係にあり、宿敵の目の前で古巣への不変の愛を示した形となります。

このジェスチャーに対し、ウェストハムのサポーター(ハンマーズ)はSNS等で大熱狂。ファンからは『彼の血は今もウェストハムのカラーのままだ』『ウェストハムを心から愛しており、その思いは完全に相思相愛だ』『一度ハンマーになった者は、永遠にハンマーだ』といった、フォルナルスに対する感謝と惜しみない愛、そして敬意を綴ったメッセージが殺到しています。 (via ElDesmarque)

守護神イスコの完全復活への道のりと葛藤

プレシーズンマッチのアルメリア戦に続き、アーセナル戦でも45分間の実戦に出場し、見事なパフォーマンスを披露したイスコ・アラルコンですが、ここに至るまでのリハビリ生活には想像を絶する不安と苦悩がありました。

イスコはドキュメンタリー番組のインタビューに対し、怪我の最中、医師から『もう再びフットボールのピッチに戻ることはできないかもしれない』と告げられた瞬間、目の前が真っ暗になったと告白しました。

『いつ完治するのか、本当に元のレベルに戻れるのかという先の見えない不確実性のせいで、日々のトレーニングやリハビリが果てしなく長く感じられた』

と語り、今もなお試合中や練習後には痛みを和らげるための鎮痛剤や薬物治療(ステロイドなど)が手放せない過酷な状況であることを明かしました。

しかし、彼は精神的な成長を遂げています。かつてレアル・マドリードで序列を下げ、セビージャをわずか半年で退団し、モンチSDと激しい衝突を起こした暗黒期について、客観的な自己批判を行いました。

『あの頃は誰彼構わず衝突し、周囲のせいにしていた。自分を悲劇の被害者だと思い込んでいたが、実際はそうではなかった。他人に責任を押し付けるのは簡単だ。しかし、大切なのは、自分が状況を変えるために何をすべきだったのか、なぜもっと努力し、戦わなかったのかを自分の内面に見つめ直すことだった』

彼は心理セラピーのサポートを受けながらこの精神的スランプを乗り越え、ベティスという愛に満ちたクラブでペジェグリーニ監督のもと、再びフットボールを心から楽しむ喜びを取り戻しました。すべての苦難を強さに変えた魔法使いの復活は、今シーズンのベティスの攻撃にこれ以上ないインスピレーションを注入してくれます。 (via Estadio Deportivo)

【本日の総括】

レアル・ベティスはプレシーズンで5勝1敗という抜群の安定感を示し、特にデオスサの偽9番としての驚異的な覚醒やフォルナルス、イスコの完全復活がチームの士気を最高潮に高めています。移籍市場では、ブアレやデンキー、シウバを巡る複雑な資金・年俸交渉が進む中、新スタジアム改修による年間9000万ユーロのスタジアム商業化という壮大な持続可能ロードマップも描かれており、欧州カップ戦の常連クラブへ向けてピッチ内外で極めて盤石な体制が整えられつつあります。