サディク離脱の衝撃とドゥクシュ獲得の電撃破談、エヨン緊急打診のドタバタ劇

バレンシアの今夏の移籍市場最終日は、まさに目を覆いたくなるような大失態の連続でした。すべての悲劇の引き金となったのは、チーム唯一の得点源として期待されていたウマル・サディク選手がデポルティーボ戦で右ハムストリングを断裂し、最低でも2ヶ月(約10試合近く)の長期離脱が決定したことでした。サディク選手は自身のインスタグラムで悲痛な祈りの言葉を投稿しています。

『神よ、私に最善をお与えください。わが主よ、私はあなたが送ってくださるどのような恩恵も、心から必要としています』

攻撃陣の崩壊に直面したフロントは、緊急の代役としてバーミンガム・シティに所属する32歳のドイツ人FWマルヴィン・ドゥクシュ選手のレンタル獲得に動きました。交渉は一気に進み、選手自身もバレンシアでの挑戦に同意していました。

しかし、ここで致命的な問題が浮上します。ドゥクシュ選手が今年4月にイギリス国内のヘンリー・イン・アーデン付近のA3400道路において、メルセデスを運転中に飲酒運転を起こして交通事故を誘発し、1万6000ポンドの罰金を科されていた不祥事が発覚したのです。スポーツディレクターのロン・グーレイ氏らが獲得を急ぐ一方、倫理的な問題を懸念する上層部との間で判断が遅れ、バレンシア側の回答は引き延ばされました。

これに業を煮やしたのが、この日サウザンプトンとの試合を控えていたバーミンガム・シティ側でした。「もう手続きを完了させる時間的な余裕がない」として交渉の打ち切りを通告し、ドゥクシュ選手を試合の招集メンバーに入れてしまいました。選手本人はバレンシア移籍を熱望していたため、この破談に大きな不満を漏らしていると伝えられています。

パニックに陥ったバレンシアは、残り数時間という段階でレバンテの22歳カメルーン人FWエッタ・エヨン選手に緊急アプローチを試みました。しかし、レバンテ側は「今さらライバルチームを助けるつもりはない」と一蹴。さらに100%の権利に対して2000万ユーロという、到底支払えるはずのない莫大な移籍金を要求され、交渉はあっけなく破談しました。

この結果、バレンシアは最も補強が必要だったストライカーを誰も確保できないまま移籍市場を終えることになりました。週末のバルセロナ戦では、残された唯一のFWウーゴ・ドゥロ選手と、若手の佐藤龍之介選手を2トップに置く極端な布陣を敷くか、守備的MFのペペル選手を後ろに下げるような満身創痍のパッチワーク戦術を強いられることになります。構想外で120万ユーロの高給がネックとなり残留したダニ・ラバ選手にとっても、皮肉にもこのサディク選手の離脱が出番を得る数少ない好機になろうとしています。(via ElDesmarque)

【本日の総括】

移籍市場の最終盤、サディク選手の長期離脱という大打撃に見舞われながらも、フロントの判断の遅れと交渉力の低さから、獲得寸前だったドゥクシュ選手を不祥事の精査遅れで逃し、エヨン選手への緊急打診も高額な要求で一蹴されるという最悪の結末を迎えました。エリオット選手の電撃加入という一縷の光はあるものの、右サイドバックやセンターバックの補強失敗も含め、今季のバレンシアはあまりにも脆く、満身創痍の状態で首位バルセロナをメスタージャに迎える過酷な戦いを強いられます。