エレリンのバレンシア加入裏話

かつてアスレティック・ビルバオなどに所属し、現在38歳で現役を続けるゴールキーパーのイアゴ・エレリンが、ポッドキャスト番組『offsiders』に出演し、2022年9月にバレンシアCFへ電撃加入した際の知られざる舞台裏を明かしました。

当時バレンシアはジェンナーロ・ガトゥーソ監督が率いており、移籍市場が閉じた直後に2番手GKのハウメ・ドメネクが膝に重傷を負う緊急事態が発生。無所属のベテランGKを探していたクラブのGKコーチであるオチョトレナから、エレリンへ一本の電話が入ります。

エレリンは当時のやり取りを次のように振り返りました。

『オチョトから電話があって、「ハウメの怪我の重症度はまだわからないけれど、こういう状況になるかもしれない」と言われたんだ。その日の午後に再び連絡があり、数日間の入団テストを受けないかと提案された。34歳でテストを受けるか、契約が確実だったトルコ行きを選ぶかの二択だったけれど、迷わずに友達にバレンシアへ行くと伝えたよ。合格できる自信があったからね』

しかし、当時のエレリンには大きな問題がありました。187センチの身長に対して通常体重は87キロ前後だったものの、当時は9キロオーバーという明らかな体重過多の状態でバレンシアに到着したのです。彼を迎えたガトゥーソ監督は開口一番、『お前のことはよく知っている。もし体重を落とすと約束するなら契約してやる』と告げました。

幸運にも、エレリンが到着した直後の週末の試合が終わると国際Aマッチウィークによる2週間の中断期間に入りました。彼はここから壮絶な減量生活に突入します。

『午前と午後にトレーニングをして、ご飯は一切食べずに水を飲みまくった。夜に鶏の胸肉を1枚だけ食べて、夜中に起きてはまた水を飲むという一日中脱水状態の生活さ』

この超過酷なメニューにより、なんとわずか7日間で10キロの減量に成功。体脂肪の指標(プリーツ)も8日間で75から49へ激減させ、首脳陣を絶句させました。後から滞在先にやってきた彼女は劇的に痩せた彼の姿を見て『一体何があったの!?』と困惑。さらに契約を結ぶためにクラブハウスに入ると、言い渡した張本人であるガトゥーソ監督から『痩せろとは言ったが、まあ落ち着け』となだめられる始末でした。

バレンシアでの公式戦出場は国王杯ラ・ヌシア戦のわずか12分間にとどまりましたが、過酷なプロの世界を象徴する強烈な思い出として語り継がれています。(via SPORT)