2025-2026シーズンの激動の振り返りと選手評価
今季のアトレティコ・マドリードは9ヶ月間で61試合を戦い抜き、当初の期待とは異なる様々な変化に直面した。プレシーズン、オサスナのアレソがアスレティック移籍を選んでオファーを拒否し、ナウエルの放出先を探している間に、アルメリアからマルク・プビルが加入した。ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエルでの練習中、ホセ・マリア・ヒメネスが負傷していたため、ディエゴ・シメオネ監督はプビルをセンターバックとして起用。このチャンスを掴んだプビルは、当初構想されていたヒメネスとロビン・ル・ノルマンのコンビから、プビルとダヴィド・ハンツコのコンビへと守備陣の顔ぶれを変えさせた。12月以降、プビルはチーム最高のセンターバックへと成長し、スペイン代表にも名を連ねた。
攻撃陣では、第1節のエスパニョール戦でアレックス・バエナとティアゴ・アルマダがフリアン・アルバレスとともに有望なトライアングルを形成し、敗れはしたものの最初の1時間はファンに希望を抱かせた。しかし、その後バエナとアルマダの負傷により状況は一変。夏の目玉補強だったバエナは時折輝きを放ったものの、継続性を欠き控えに定着。アルマダに至っては完全に第3のユニットへと降格し、重要な試合では出番がなかった。バエナは来季も信頼されているが、アルマダの立場は厳しい。
中盤では、キャプテンのコケが副次的な役割を受け入れて契約を延長。開幕当初はカルドーソ、コナー・ギャラガー、パブロ・バリオスの後塵を拝し、ベンチスタートや出場なしが続いたが、その後状況を覆して11試合連続先発を果たした。最終的にシメオネ監督の全試合で起用可能となり、チーム最多の56試合に出場。クラブは少なくとももう1年彼を必要としている。
また、アントワーヌ・グリーズマンはスーパーサブ的な役割からスタートしたが、アトレティコでの最後の数ヶ月は先発に定着した。その後、彼はMLSのオーランド・シティへ移籍を果たしている。
ゴールキーパーのポジションでは、2015年以来のオブラクと10人という確固たる体制に歴史的な議論が生まれた。オブラクの脇腹の負傷により出場機会を得たフアン・ムッソが、コパ・デル・レイ要員という立場からシメオネ監督に猛アピール。アーセナルとのチャンピオンズリーグ準決勝では両者とも100%の状態だったが、監督はオブラクを選択した。しかし、守護神の未来については依然としてジレンマが残っている。(via AS)
クラブ運営の変革:新SD就任とファンドの実権掌握
ピッチ外でもクラブは大きな変革期を迎えた。10月、男子プロサッカー部門の新たなディレクターとしてマテウ・アレマニーが就任。彼がチーム編成の全権を握り、1月の移籍市場ではカルロス・マルティンを期限付き移籍させ、ハビ・ガラン、ジャコモ・ラスパドーリ、コナー・ギャラガーを放出。代わりにアデモラ・ルックマン、メンドーサ、バルガスを獲得する大鉈を振るった。
さらに11月には、投資ファンドのアポロが新たな筆頭株主になることが発表された。ミゲル・アンヘル・ヒルとエンリケ・セレソは役職に留まるものの、3月にはアポロがクラブの実権を完全に掌握。資本増資を含む計画を携え、アトレティコの主要パートナーとしてこの夏を迎えることになった。(via AS)
フリアン・アルバレス移籍騒動とバルサとの全面戦争
蜘蛛ことフリアン・アルバレスの去就が、ヨーロッパの移籍市場で最大の関心事となっている。今季、コルネジャでの見事なフリーキック弾で前年の29ゴールという高い目標に向けた素晴らしいスタートを切り、9月末にはラージョ戦で3ゴール、レアル・マドリード戦で2ゴールと大爆発。しかしその後は沈黙し、リーグ戦ではセビージャ戦でのPK1ゴールのみにとどまり、合計8ゴールで終わった。この得点力不足がチームの首位争いに響いた一方で、チャンピオンズリーグではベスト32から準決勝まで得点を重ねる活躍を見せた。
そのフリアンは現在、FCバルセロナでのプレーを熱望し、アトレティコでのステージに終止符を打つ決断を下した。彼の代理人であるフェルナンド・イダルゴは、アーセナルとパリ・サンジェルマンに対し、すべての交渉を凍結するよう通達。アーセナルはガブリエル・ジェズスやガブリエル・マルティネッリを含む現金と選手のトレードを準備し、PSGもゴンサロ・ハモスを取引に含める意向だったが、選手側は関心に感謝しつつもバルサへの移籍を絶対的な優先事項としている。
しかし、アトレティコは直接のライバルへの主力放出を容易には認めず、5億ユーロという天文学的な契約解除金に固執している。この強硬な姿勢の裏には、バルサ側からの意図的かつ虚偽のリークによる嫌がらせキャンペーンへの激しい怒りがある。
この移籍交渉は、アトレティコの新スポーツディレクターであるマテウ・アレマニーと、バルサのデコSDとの因縁の対決でもある。アレマニーは過去にデコがバルサのSDに就任したことでクラブを追われた経緯があり、この二人が直接顔を合わせて交渉に臨む運命にある。
バルサ側は、かつてアントワーヌ・グリーズマンの獲得で高額な移籍金を支払いながら利益を得られなかった失敗を繰り返さないよう、1億1000万ユーロ以上の支払いは狂気の沙汰だと慎重な姿勢を見せている。交渉が長引きバルサの財政難が壁となれば、PSGが再び有力な移籍先として浮上する可能性も残されている。(via SPORT / MARCA / Mundo Deportivo)
SNSでの場外乱闘とエルチェからの痛烈なイジり
フリアン・アルバレスを巡るバルセロナとの緊張は、公式SNSを舞台にした場外乱闘へと発展した。アトレティコは金曜日の午後、バルサへの当てつけとして、ラミン・ヤマル、ペドリ、ハフィーニャを獲得するという皮肉たっぷりの架空のオファーを投稿。さらにネグレイラ事件などバルサの過去の論争を突く投稿へとエスカレートし、最後はアトレティコがバルサの選手を獲得するという偽のライオンの動画で締めくくった。アトレティコはすでに勝者の気分で、バルサのオファーを嘲笑し、全力で来るなら身ぐるみ剥がすとハッタリをかけて挑発している。バルサの首脳陣はこれが公式アカウントの投稿か何度も確認するほど驚いたが、泥沼化を避けるために公の反論は行わない決断を下した。
この騒動に対し、ジャーナリストのマティ・プラッツは『自分を守るのは良いが、5月に調子に乗ったら、とても長い夏の間、毅然とした態度を保たなければならない。後になってフリアンが残らないと言った時に、日和ってバルサと交渉の席に着くことは許されない。これはもはや選手の売り買いの問題ではなく、両クラブのプライドの問題だ』とアトレティコに強く警告した。
さらに、この状況に便乗したのがエルチェCFである。彼らはSNSで『バルサのミームを作る時のアトレティ』としてライオンの画像を、『エルチェと対戦する時のアトレティ』として無害な犬の画像を投稿。今季、アトレティコがエルチェ相手にメトロポリターノで引き分け、マルティネス・バレロで敗北し、1勝もできなかった事実を突きつけ、ディエゴ・シメオネのチームを痛烈にからかった。(via MARCA / ElDesmarque / Esport3 / Mundo Deportivo)
ワールドカップ出場11選手とプビルの歓喜の涙
アメリカ、メキシコ、カナダで開幕するワールドカップにおいて、アトレティコ・マドリードからは各クラブに大きな経済的利益をもたらす計11人の選手が各国の代表として選出された。
スペイン代表にはマルコス・ジョレンテ、マルク・プビル、アレックス・バエナの3名。アルゼンチン代表にはフアン・ムッソ、フリアン・アルバレス、ニコ・ゴンサレス、ティアゴ・アルマダ、ジュリアーノ・シメオネ、ナウエル・モリーナの6名。さらにメキシコ代表にオベド・バルガス、ノルウェー代表にアレクサンダー・セルロートが名を連ねている。
特に注目を集めたのが、スペイン代表にサプライズ選出されたマルク・プビルのA代表初招集である。彼はU-19、U-21、そしてパリオリンピックでの金メダル獲得を経て、アトレティコでの完璧なパフォーマンスが評価され大舞台への切符を掴んだ。ルイス・デ・ラ・フエンテ監督は『彼が提供したパフォーマンスは誰もが知っている。適切な時期だと信じ、素晴らしいシーズンを送っている彼を選んだ』と選出理由を説明。プビル本人は『ワールドカップという大会で国を代表することは、サッカー選手が求めることができる最高のことだ。両親がすぐに電話をかけてきて、僕も少し涙が出た。ここにいられてとても幸せだ』と歓喜の涙と共に語った。(via ElDesmarque / Estadio Deportivo)
W杯優勝メンバー在籍記録の喪失とCL準決勝の無念
これまでアトレティコ・マドリードは、ワールドカップ優勝メンバーを同時に6人擁するという記録を持っていた。フリアン・アルバレス、ナウエル・モリーナ、アンヘル・コレア、ロドリゴ・デ・パウル、アントワーヌ・グリーズマン、トマ・レマルである。しかし、グリーズマンのMLS移籍などにより、現在はフリアン、アルマダ、モリーナの3人のみに減少しており、彼らの残留も保証されていない。代わってアルゼンチンのリバー・プレートがニコラス・オタメンディを獲得したことで、同クラブのW杯優勝メンバーが5人となり、アトレティコはこの誇り高き記録を奪われることになった。
また、ヨーロッパの舞台では、チャンピオンズリーグ準決勝でアーセナルと激突。アトレティコは懸命に戦ったものの、アーセナルの守備的と非難されるほどの堅守の前に屈し、無念の敗退を喫している。(via Mundo Deportivo / AS)
【本日の総括】
25/26シーズンはクラブの経営陣交代からスカッドの激しい入れ替わりまで、まさに激動の1年でした。フリアン・アルバレスのバルサ移籍騒動はSNSでの挑発合戦に発展し、新SDアレマニーの手腕が問われています。一方で11人ものW杯出場選手を輩出する誇らしいニュースもあり、ピッチ内外でアトレティコから目が離せません。