クラブ売却交渉の崩壊とラモスの会見

セルヒオ・ラモスが表看板となっている投資グループ、Five Eleven CapitalによるセビージャFCの過半数株式取得交渉は、事実上の決裂という劇的な結末を迎えた。長月にわたり進められてきたこの買収劇は、水曜日にセビージャ市内のホテルで行われた会合で、ラモスと代理人のフリオ・センが土壇場で条件を大幅に変更したことにより崩壊した。

当初の合意では、投資グループが3億7630万ユーロを投じる計画だった。そのうち2億9630万ユーロを既存の大株主(カストロ家、アレス家、ギハロ家、カリオン家、ホセ・マリア・デル・ニド・ベナベンテ、A-CAP)への支払いに充てて約85パーセントの株式(87,947株、1株あたり3,369ユーロ)を取得し、さらに8000万ユーロの増資を行ってクラブに直接資金を注入するという内容だった。このスキームであれば、増資後に投資家が95パーセントから99パーセントの資本を握り、大株主たちには段階的に現金が支払われる手はずだった。

しかし、独占交渉期間の終了を5日後に控えた水曜日の会議で、Five Eleven Capitalは表舞台から消え、代わりにメキシコの投資家であるGrupo DMIが主導する新提案が持ち出された。この新提案では、総投資額が約2億2200万ユーロに減額された。買収の第一段階として、即座に1億2000万ユーロの増資(転換社債による融資)を実施して42.5パーセントの株式を確保。その後、1株あたり3,175ユーロで最大18パーセントの株式を追加購入するというものに変更された。これにより、投資グループは60パーセント以上の株式を握ってクラブの実権を握れるが、大株主側が受け取れる現金は約8670万ユーロにとどまり、残りの株式(約34パーセント)は流動性の低い少数株主として新オーナーの支配下に置かれることになった。

この動きに対し、現在クラブをコントロールする大株主たちは新提案を「受け入れがたい」として強く拒否し、交渉は決裂した。大株主側は、ラモス側の資金力不足による合意違反であると主張している。

一方で、セルヒオ・ラモスも黙ってはいない。交渉不成立が確定的な状況を受け、ラモスは来る月曜日にセビージャ市内のホテルで記者会見を開き、自らの正当性を主張する予定だ。ラモスは、買収が成立しなかったのは自身の資金不足(背後にはメキシコの投資家がいる)ではなく、瀕死の状態にあるクラブの必要性よりも自分たちの経済的利益を優先した大株主たちの強欲さにあると直接批判するつもりだ。実際、ラモスは木曜日、テレビ番組の『セビージャは技術的破産状態にあり、オーナーたちは廃墟となった建物を黄金の価格で売れると勘違いしている』という報道にSNSで「いいね」を押しており、月曜日の会見でも同様の厳しい言葉が語られると予想されている。

ただし、大株主側はクラブが技術的な破産状態にあるという主張を否定しており、直近の資金調達によって2030年までの支払能力は証明されていると反論している。彼らにとって1億2000万ユーロもの増資は資金繰りのためではなく、ラ・リーガのサラリーキャップ制限(売上高の25パーセント以内)に合わせた枠の拡大には過剰であり、当初予定の8000万ユーロの増資で選手登録には十分だったと主張している。 (via SPORT)