テルジッチ新監督就任とバルベルデ監督退任 記録的敗戦からの再建へ
ファンにとって、今季のアスレティック・クラブのシーズンはフアン・アントニオ・バヨナ監督の映画「インポッシブル」を彷彿とさせるような、タイでのバカンスを突如襲った津波のような悪夢でした。2年間でコパ・デル・レイを制覇し、チャンピオンズリーグでも決勝進出チーム相手に健闘を見せ、サン・マメスで勝ち点を奪った相手がタイム誌の表紙を飾るほどのセンセーションを巻き起こしていたチームが、今季は理解不能な大不振に陥りました。
レサマにアンチフットボールのウイルスや集団記憶喪失、あるいは不安による極度の疲労が蔓延したかのように、後半戦で勝ち点0という前代未聞の記録を作り、クラブ史上最多の敗戦数を更新しました。降格圏レベルの悲惨な数字を叩き出しながらも、アラベスの本拠地ビトリアでまるでブラジルが1970年W杯を制したかのような喜びを見せて辛くも1部残留を果たしました。クラブの伝説であるアグスティン・"ピル"・ガインサの『他に3チーム、より編成がひどいか状態の悪いチームがいれば、残留と安定は保証される』という言葉にすがるような状況でした。
ヨン・ウリアルテ会長が全く注目されなかったコパ準決勝の数日前に収支報告を行わなければならないほどの危機的状況のなか、クラブの伝説的な存在であるエルネスト・バルベルデ監督の退任が決定し、多くのファンが別れを惜しんでいます。その後任として、ドイツ人のエディン・テルジッチが新たにサン・マメスのベンチに座ることが確定しました。フィジカルコーチやミケル・ゴンサレスFDらディレクション陣は、苦難のシーズンを経て、新たな血を注入するための再建に着手しています。
(via ElDesmarque)
ヘスス・アレソの苦悩と決意 新体制でのリセットを誓う
今シーズンのアスレティックにおける最大の懸念事項の一つが、ヘスス・アレソの深刻なパフォーマンス不振です。カスカンテ出身でアレックス・レミロやキケ・ソラと同郷の彼は、オサスナからクラブ史上4番目となる1200万ユーロという高額な移籍金で2度目のビルバオ加入を果たし、11年ぶりのチャンピオンズリーグ復帰に向けた目玉補強として大きな期待を集めていました。
しかし、持ち前のフィジカルを活かして右サイドを駆け上がったり、守備の穴を塞いだりすることができず、完全に迷走してしまいます。本来のポジションである右サイドバックの定位置は、アンドニ・ゴロサベルやイニゴ・レクエ、さらにはルイス・デ・ラ・フエンテ監督の2026年W杯メンバーから落選したCBのダニ・ビビアンにまで出番を奪われる状況に陥りました。
本人はSNSを更新し、『個人的なパフォーマンスとして期待に応えられず、チームとしても大きな苦しみを味わいました。家族とゆっくり過ごしてリフレッシュしたいですが、未来へのハングリー精神と野心は決して忘れていません』と率直な反省と再起への強い意志を綴っています。テルジッチ新監督のもとで、ヨン・ウリアルテ会長とミケル・ゴンサレスFDによる2031年6月までの長期契約と高額な移籍金が間違いではなかったことを証明するためのリセットが求められています。
(via ElDesmarque)
ウゴ・リンコンのレンタル復帰 去就はテルジッチの判断次第
バルティエラ出身のウゴ・リンコンは、プレシーズンにバルベルデ前監督を大いに悩ませた後、ジローナへレンタル移籍し、ミチェル監督のもとで多くの出場機会を得て飛躍を遂げました。彼にとって初めての1部リーグでの挑戦を終え、いよいよアスレティックに復帰します。彼の超攻撃的なプレースタイルはテルジッチ新監督の戦術に完璧にフィットするとみられており、イバイガネ(クラブ)も彼をレサマの至宝として高く評価しています。
右サイドバックのポジションにはアレソやゴロサベルがおり競争が激しいですが、現在23歳で2部リーグでの経験も積んだリンコン本人は、アスレティックでのプレーを強く望んでいます。最終的な判断は新監督がプレシーズンで評価を下すことになります。もしテルジッチ監督の構想から外れた場合、クラブは再度のレンタル移籍を完全に除外しており、完全移籍での退団という道を模索することになります。現在の市場価値は約400万ユーロで、2028年6月までの契約を残している若き才能の今後に注目が集まります。
(via ElDesmarque)
Bチームのアランバリ監督退任と複数選手の退団が決定
レサマの象徴でありBチームにあたるビルバオ・アスレティックを2シーズン率いた、アスコイティア出身のホキン・アランバリ監督の退任が公式に発表されました。ヨン・ウリアルテ会長やミケル・ゴンサレスFDらによる決定であり、英語力不足がネックとなり実現しなかったものの、一時はテルジッチ新監督の右腕となる噂もありました。
アレハンドロ・パジャレス、カルロス・グルペギ、ビンゲン・アロステギらの後任としてエイバルBから加入したアランバリは、成績面で就任1年目は勝ち点54で7位、今季は勝ち点49で13位という結果を残しました。結果至上主義で一部から批判もありましたが、ページョ・カナレス、いまだ契約未延長のアレックス・レゴ、エンディカ・ブハン、イボン・サンチェス、アシエル・イエロ、セルトン・サンチェス・スエド、エデル・ガルシア、イケル・モンレアルといった多くの若手選手をトップチームにデビューさせています。また、レンタル組としてもベニャト・ヘレナバレナ、アインゲル・オラバリエタ、イケル・バレラ、そしてイニゴ・ビセンテやアシエル・ビジャリブレらとともにラシンで昇格を果たしたカナレスなどの育成に多大な貢献を果たしました。
クラブは声明で『彼の在任中のコミットメントと献身に感謝し、今後の個人的およびスポーツ面での幸運を祈ります』とエールを送っています。後任にはバスコニアを率いるビトール・ジョピスが就任する見込みとなっています。
また、クラブはエンディカ・ブハン、ホン・デ・ルイス、シャビエル・イルリタ、エリック・ガメン、イケル・アルダイの5選手がチームを退団し、来季は所属しないことも併せて発表しました。
(via ElDesmarque)
元アスレティックのイニゴ・ビセンテ サン・マメスでの古巣対戦を熱望
ガイスカ・ガリターノやアンデル・ガリターノと同郷の「デリオの魔術師」こと元アスレティックのイニゴ・ビセンテが、ラジオ番組で自身について語りました。彼は今季ラシン・サンタンデールで20アシスト・8ゴールと大活躍し、サウル・ベルホンが持っていた19アシストの2部リーグ記録を更新しました。敵陣での成功パス数がリーグトップの1157本を記録し、批判者への答えとなるような1試合平均4.5回のボール奪取も記録しています。最終節のエル・サルディネロでのカディス戦でさらに記録を伸ばし、14年ぶりの1部復帰を優勝で飾ろうとしています。
自身のアイドルとして、マルセロ・ビエルサ監督の1年目にも活躍した、少し気まぐれな左利きの元アスレティック選手であるフラン・ジェステを挙げました。さらに、来季1部の舞台で最もプレーしたいスタジアムについて問われると、『家族や友人の前でサン・マメスでプレーしたくてたまらない』と古巣との対戦を熱望しました。
また、もしサッカー選手でなければ消防士になりたかったこと、対戦して一番難しかった相手はアトレティコ・マドリードのワールドカップメンバーであるマルク・プビルであること、一番真面目なチームメイトはアスレティックからレンタル中の同郷のページョ・カナレスであること、そしてこれまでもらった最高のアドバイスは『決して夢を失わず、全てを懸けろ』であったことも明かしています。28歳で1部に挑む彼の「ランブレッタ」を含む華麗なプレーに、サッカー界から熱い視線が注がれています。
(via ElDesmarque)
【本日の総括】
歴史的敗北からの再建を託されたテルジッチ新監督のもと、不振に苦しんだアレソのリセットや、リンコンの復帰などトップチームは大きな転換期を迎えています。Bチームの指揮官交代や選手退団など下部組織も刷新される中、古巣対戦を心待ちにするイニゴ・ビセンテの活躍も、来季のサン・マメスに新たな彩りを加えそうです。