プレシーズンマッチ:ストーク・シティ戦の結果と内容
バレンシアはイギリスでのトレーニングキャンプを締めくくる親善試合としてストーク・シティと対戦し、1-1の引き分けで終えました。
試合は前半10分、ハビ・ゲラと若手のミゲル・モンフェレールの連携から抜け出したゲラのクロスをアルナウト・ダンジュマが押し込み、バレンシアが先制に成功します。しかし後半の52分、相手のマンフーフが上げたクロスをモンフェレールが自陣のゴールに逸らしてしまい、不運なオウンゴールで同点に追いつかれました。その後はホームのストーク・シティが圧力を強め、押し込まれる時間帯が続きましたが、そのまま1-1で試合は終了しました。
この試合では、ウマル・サディク、ディミトリ・フルキエ、ルボ・イランソの負傷欠場に加え、直前でムクタル・ディアカビも欠場となるアクシデントがありました。これによりカルロス・コルベラン監督は、右サイドバックにBチームのモンフェレールを先発起用せざるを得ない状況でした。守備陣が苦しい中、ゴールマウスを守ったストール・ディミトリエフスキが素晴らしいセーブを見せてチームを救う場面も目立ちました。
先発メンバーは以下の通りです。
ディミトリエフスキ、モンフェレール(60分ガモン)、タレガ(85分ワンジャラ)、デ・ハース(68分イケル・コルドバ)、ガヤ(60分ヘスス・バスケス)、ウグリニッチ(60分ディエン)、ギド・ロドリゲス(85分マヨル)、ルイス・リオハ(46分オトルビ)、ハビ・ゲラ(46分ダニ・ラバ)、佐藤龍之介(46分ウーゴ・ドゥロ)、ダンジュマ(60分アルメイダ)
(via ElDesmarque)
カルロス・コルベラン監督の戦力と基本布陣
プレシーズン5試合の出場時間から、カルロス・コルベラン監督が描く今シーズンの基本布陣と主力選手が見えてきました。
ゴールキーパーでは、ビセンテ・アブリルが最初の4試合にフル出場し、チーム最多の225分プレーしました。しかし、ストーク・シティ戦で復帰したマケドニア代表のストール・ディミトリエフスキがベストコンディションを取り戻せば、彼が先発の座に就くと予想されています。
ディフェンスラインは比較的疑問が少ないポジションですが、右サイドバックだけは例外です。現在はBチームのロドリゴ・ガモンがモンフェレールやアーロン・マヨルを一歩リードして起用されていますが、このポジションの補強は急務です。センターバックと左サイドバックは、セサル・タレガ(218分)、デ・ハース(202分)、そしてキャプテンのホセ・ガヤ(210分)が十分なプレータイムを得ており、守備の軸となっています。
中盤では、ギド・ロドリゲスとウグリニッチのコンビが頻繁にテストされており、その前でハビ・ゲラが攻撃のタクトを振るう形が定着しています。ペペルとアリウ・ディエンが中盤の主導権を争う強力なバックアッパーとして控えています。
攻撃陣では、ルイス・リオハがウイングのポジションを確固たるものにしています。そして特筆すべきは日本人若手選手の佐藤龍之介です。彼は試合を重ねるごとに存在感を増し、ここ数試合は連続して先発出場を果たしており、コーチ陣からの厚い信頼を証明しています。ストライカーのポジションはウーゴ・ドゥロが最も長くプレーしていますが、プレシーズンで結果を残しているダンジュマがコンディションを上げれば先発を奪う可能性が高い状況です。ウマル・サディクは違和感を抱えており、万全ではありません。
現時点で開幕を迎えた場合の予想スタメンは以下のようになります。
ディミトリエフスキ;ガモン、タレガ、デ・ハース、ガヤ;ギド・ロドリゲス、ウグリニッチ;リオハ、ハビ・ゲラ、佐藤龍之介;ダンジュマ(またはウーゴ・ドゥロ)
(via ElDesmarque)
右サイドバックの深刻な補強難航
バレンシアの移籍市場において、右サイドバックの補強が完全に膠着状態に陥り、他のポジションの補強計画までストップさせてしまう深刻な問題となっています。
トーマス・ムニエとアンドレス・ガルシアがチームを去り、ルボ・イランソとディミトリ・フルキエが負傷離脱しているため、トップチームには純粋な右サイドバックが一人もいない状態です。ダービー・カウンティ戦やストーク・シティ戦でもBチームの選手を起用してやり繰りするしかありませんでした。
7月14日にムニエの移籍計画が突然破談になって以来、すでに3週間近くが経過していますが、状況は改善していません。クラブはゼロ円での補強を目指していましたが、背に腹は代えられない状況となり、ジェンクの移籍で得た175万ユーロの資金をこのポジションの補強に回す許可が出ました。約200万ユーロの予算でレバンテのジェレミー・トリアンとクラブ間合意に近づきましたが、最終的に選手がレバンテ残留の条件を受け入れたため、この話も流れてしまいました。バレンシアを拒否したわけではなく、単に交渉がまとまらなかった結果です。
現在、ジローナのアルナウ・マルティネスが候補として挙がっています。彼は右サイドバックだけでなくセンターバックもこなせるため、カルロス・コルベラン監督が求めるプロフィールに合致しています。しかし、ジローナが移籍金を要求していることや、スペイン国内やドイツのクラブとの競合があるため、獲得は非常に困難です。同様にアルメリアのチリノも候補ですが、財政的に手が届きません。
これまで名前が挙がっていたキングスレイ・エヒジブエやルベン・サンチェスへの関心は薄れており、ウィリアム・ミケルブレンシスはギリシャのPAOKへの移籍が間近に迫っています。リーグ開幕まで残りわずかとなる中、早急に解決策を見つける必要があります。
(via MARCA)
(via ElDesmarque)
アルナウト・ダンジュマのストライカーとしての覚醒と残留宣言
アルナウト・ダンジュマは、イギリスでのトレーニングキャンプで最も評価を上げた選手の一人です。退団の噂が絶えなかったオランダ人アタッカーですが、プレシーズンマッチで3ゴール(ダービー・カウンティ戦で2得点、ストーク・シティ戦で1得点)を叩き出し、カルロス・コルベラン監督の下で「ゴールを奪える背番号9」としての地位を確立しつつあります。
サイドでのプレーではなかなか存在感を示せずにいましたが、守備の負担が少なく、自由に動けるストライカーのポジションで水を得た魚のように躍動しています。ストーク・シティ戦後のインタビューで、彼は自身のポジションと将来について明確に語りました。
試合については、『前半は私たちがかなりコントロールし、とても良いプレーをして、試合に勝つためのチャンスを作ったと思います。彼らはそれほど多くチャンスを作れませんでしたが、彼らが入れたゴールは少し運が良かったです。結果は妥当なものです』と振り返りました。
ストライカー起用については、『私の最高の時期はストライカーとしてプレーしていた時で、そこでとても快適に感じています。ウイングとしても快適ですが、どこでもプレーできます。ストライカーとしてはより多くのスペースがあり、より多く仕掛けることができ、自分のスピードも生かせます』と自信を覗かせています。
そして去就については、『私はバレンシアCFの選手であり、ここに集中しています。昨年は私たちにとってハードな年でしたが、私たちにはもっと提供できるものがあり、今年はみんなにとって良い年になる可能性があります』と残留を強く宣言しました。ダンジュマは5月末にも自身のSNSで、ファンと共にクラブを相応しい場所に導くという誓いのメッセージを投稿しており、その言葉をピッチ上で証明しようとしています。バレンシアとの契約は2028年6月まで残されています。
ラ・リーガの開幕に向けては、『チームは良い状態だと見ていますし、今週はとてもよく練習しました。良い感触を得ています。1日に2回トレーニングをしていて選手たちがより疲れているため、プレシーズンの試合は現実のものではありません。私はチームと私たちができることを大いに信じています』と手応えを口にしました。
(via SPORT)
(via ElDesmarque)
ストール・ディミトリエフスキの契約延長とメスタージャ最終年への想い
バレンシアのゴールマウスを守るストール・ディミトリエフスキが、クラブとの契約を新たに2年延長し、合計4年の長期契約を結んだことが明らかになりました。クラブとの関係には紆余曲折もありましたが、現在は全てが良好な状態にあります。
ディミトリエフスキは、プレシーズンの手応えについて『試合に満足しています。シーズンに向けてとてもハードにトレーニングしていますし、この出場時間を得られたこと、そしてゴールキーパーに必要な感覚を取り戻しつつあることにとても満足し、幸せを感じています』と語りました。
今シーズンの目標については、クラブ内外で残留争いか欧州進出かで意見が分かれていますが、彼は明確に上を目指しています。『昨年の前半戦を改善し、あの後半戦のような戦いができれば、ヨーロッパ進出の可能性はあります。試合ごとに考え、最初から良い状態を保つために改善しなければなりません。目標をより近づけるためにそれが必要です』と強い意気込みを見せました。
また、2027年夏には待望の新スタジアム「ノウ・メスタージャ」への移転が予定されており、現行のメスタージャでのフルシーズンは今年が最後となります。このことについて彼は、『とても感情的で、悲しく、特別で…そういった全ての感情があります。信じられないスタジアムで、ホームとしてもアウェイとしても一番印象に残っているスタジアムです。この最後の1年を楽しみ、素晴らしいシーズンにするために全力を尽くさなければなりません。私たちのファンはそれに値しますし、毎日改善し、試合に勝つために働くことに疑いはありません。次のシーズンも新メスタージャでの最初のシーズンになるので感動的でしょうし、大きな意欲と熱意を持って臨む必要があります』と、特別な想いを吐露しました。
最後に契約延長については、『バレンシアに残留できて嬉しいです。だからこそ4年間いるためにこの契約を結んだわけで、全ての関係者が幸せです。今は、素晴らしいシーズンにするためにたくさん働き、ハードにトレーニングしなければなりません』と喜びを語りました。
(via Estadio Deportivo)
ウーゴ・ギジャモン退団の背景とバレンシアへの愛
バレンシアの下部組織出身で、カタール・ワールドカップにもスペイン代表として出場したウーゴ・ギジャモンが、スポルティング・ヒホンへと移籍しました。彼はラジオ番組で、愛するクラブを去らなければならなかった理由について赤裸々に語りました。
ワールドカップ以降のキャリアの変化について、彼は『ワールドカップから戻った後、バレンシアでは難しい1年でした。少しずつ主役の座を失い、自分の居場所を見つけられなくなりました。その次の年も望んでいたような出場時間は得られず、そこからクラブと私は解決策を探すのがベストだと判断しました。クラブは私がそのプロフィールに合わないと考え、私ももっとプレーして自分が重要だと感じたかったので退団を望みました』と、出場機会の減少とクラブの構想外になったことが原因であったと説明しました。
クロアチアのハイドゥク・スプリトでのプレーを経てスペインに戻ってきた彼ですが、バレンシアへの愛情は全く変わっていません。『特にバレンシアの試合はほぼ全て見ていました。非常に偉大なクラブであり、要求は最大限です。今年は特にシーズン序盤にすごく苦しんでいましたが、最後はもう少しでヨーロッパの大会に出場できるところでした。彼らをサポートするために、1人のファンとして見ていました。私はあそこで育ちましたし、一生バレンシアのファンであり続けます』と熱い想いを語っています。
(via SPORT)
その他の移籍情報:ジョナタン・ジェズス獲得は見送り
守備陣の補強候補として、ブラジルのクルゼイロに所属する21歳の長身センターバック、ジョナタン・ジェズスに関心を示していました。彼は187センチの体格と優れたビルドアップ能力で注目を集めており、ブラジル代表のカルロ・アンチェロッティ監督の構想にも入っているとされる逸材です。しかし、クルゼイロ側が移籍金として2000万ユーロという高額な要求を設定したため、現在のバレンシアの経済力ではこの金額を支払うことはできず、獲得レースからは撤退しています。現在はベンフィカが獲得をリードしており、レアル・ソシエダも1500万ユーロを提示して争っています。
(via Estadio Deportivo)
ノウ・メスタージャの新プレミアムシート販売とオーナー視察
バレンシアCFは、建設中の新スタジアム「ノウ・メスタージャ」における新たなVIP向けホスピタリティエリア「シルバー・クラブ」の販売を開始しました。これは以前に発売された最高級の「ダイヤモンド」や「地中海スイート」に比べると、よりアクセスしやすい価格帯のプレミアム商品として設定されています。
このシートはメインスタンドの中央エリアに位置し、ピッチを最高の角度で見渡せる個人席となっています。試合前、試合中、試合後の専用VIPラウンジへのアクセス、ケータリングサービス、個別対応など、特別な観戦体験を提供するよう設計されています。個人ファンだけでなく地元企業もターゲットにしており、新スタジアムを年間を通じて収益を生み出す施設にするというクラブのビジネスプランの重要な柱となっています。
この販売発表は、クラブの筆頭株主であるピーター・リム氏が7年ぶりにスタジアムの建設現場を視察したタイミングと重なりました。クラブはスタジアムの完成と商業的な収益化に向けて、取り組みを加速させています。
(via ElDesmarque)
開幕戦の日程変更と今後のスケジュール
プレシーズンのイギリス遠征を終えたバレンシアですが、この後は親善試合としてラジャ・カサブランカ戦の開催に向けて交渉を進めています。そして、リーグ開幕前の最後の大きなテストマッチとなるのが、ホームで開催される伝統の「オレンジトロフィー」で、今回はイングランドのニューカッスルを迎え撃ちます。
また、公式戦のスケジュールに変更がありました。本来なら週末に開催されるはずだったラ・リーガ第1節のレアル・ベティス戦ですが、ワールドカップに参加していた選手たちの休養などを考慮したカレンダー変更の影響により、8月25日(火)の21:00キックオフに延期されることが決定しました。
(via ElDesmarque)
【本日の総括】
深刻な右サイドバックの補強難航がチームの足枷となる中、ストライカーとして復活を遂げたダンジュマの活躍と残留宣言、ディミトリエフスキの契約延長は明るいニュースです。コルベラン監督の下、佐藤龍之介ら若手も台頭しており、メスタージャ最終年となる今季のヨーロッパ進出に向けて、開幕戦への準備が急ピッチで進められています。