ジュード・ベリンガム、W杯での大活躍と監督との対立

W杯のアメリカ・メキシコ・カナダ大会において、ジュード・ベリンガムがイングランド代表を力強く牽引しています。酷暑のマイアミ・ハードロックスタジアムで行われた準々決勝のノルウェー戦で、イングランドは先制を許す苦しい展開となりましたが、ベリンガムは前半アディショナルタイムにアンソニー・ゴードンからのパスをペナルティエリア内で巧みにコントロールし、左足の鋭いクロスシュートで1-1の同点ゴールを決めました。

この同点ゴールの直前、ノルウェーのGKエルヤン・ニーランが蹴ったボールが、スタジアム上空の「スパイダーカメラ」のケーブルに当たって軌道が変わったのではないかという疑惑が浮上し、ノルウェー側は猛抗議しました。ルール上、ボールが外部のエージェントに当たった場合はドロップボールで再開されるべきですが、VARの介入はありませんでした。試合後、FIFAは公式声明を出し、公式球「Trionda」に内蔵されたConnected Ballテクノロジーのセンサー(1秒間に500回のデータを記録するIMUセンサー)のデータを公開し、『ボールが空中にあった際、センサーのグラフにオブジェクトとの接触を示すピークは記録されておらず、ケーブルに当たって軌道が変わったという証拠はない』と断言し、ゴールは完全に合法であったと論争に終止符を打ちました。なお、元レアル・マドリードのGKイケル・カシージャスは、この奇妙なプレーの議論に対し、SNS上で皮肉交じりのツイートをして話題となりました。

試合は延長戦にもつれ込みましたが、延長前半の93分、モーガン・ロジャースのシュートをGKニーランが弾いてこぼれたボールを、誰よりも早く反応したベリンガムが押し込み、2-1の逆転決勝ゴールを奪いました。これでベリンガムは今大会6ゴール目となり、MFとしての1大会最多ゴール記録(ハメス・ロドリゲスとタイ)、およびイングランド人としての1大会最多ゴール記録(1986年大会のギャリー・リネカーとタイ)、そしてハリー・ケインの今大会のゴール数(6)に並びました。さらに、23歳と12日での決勝トーナメント連続複数ゴールは、1958年大会のペレ(17歳249日)に次ぐ史上2番目の若さという大記録です。

しかし、劇的な勝利の裏で、ベリンガムとトーマス・トゥヘル監督との間に深刻な亀裂が生じています。トゥヘル監督は試合後、『我々は運が良かった。パフォーマンスには全く満足していない。自らのプレーで状況を難しくし、不注意で戦術的ミスも多く、スピードが足りなかった』とチームの戦いぶりを公然と批判しました。

これに対し、ミックスゾーンに現れたベリンガムは怒りを隠さず、監督の戦術批判に真っ向から反論しました。『彼(トゥヘル)は、ハーランド、ウーデゴール、ヌサ、セルロートといった選手たちを相手に、このような条件下(気温35度、湿度60%超)でプレーすることがどういうことか分かっていないのかもしれない。対戦するのは簡単なチームではない。すべての試合でボールを蹴り飛ばし、1000本のパスを回して勝てるわけではない。泥臭く勝たなければならない時もあり、今夜の我々はそれを実行した』と述べました。

さらにベリンガムは、『私たちはキャラクターと忍耐力を示し、物事がうまくいかない時でも勝つ方法を見つけた。90分でも120分でも全てを出し尽くす。私はとても誇りに思うし、ピッチで素晴らしい仕事をした全選手に感謝の意を伝えたい。このような状況に陥るまで、彼らがどれほどのメンタリティとハートを持っているかは分からないものだ。ポジティブな環境を作ろうとしているし、そうし続けるべきだ』と続け、監督の「運が良かった」という発言についてノルウェーの記者から問われると、冷たく『ノーコメント』と言い放ち、首を振って立ち去りました。

トゥヘル監督は大会前、ベリンガムをスタメンとして見ておらず、モーガン・ロジャースとポジションを争わせ、能力を示さなければベンチに置くと脅していました。レアル・マドリードでの悲惨なシーズンの後、イングランドの偉大なリーダーとして見事に復活を遂げたベリンガムですが、監督との関係は最悪の状態のまま、アルゼンチンとの準決勝(アトランタ開催)へ向かうことになります。(via SPORT)

(via Estadio Deportivo)

(via MARCA)