ラ・リーガ放映権の暗部 「カメラが邪魔だ」監督・選手の怒りと年間1.3億ユーロの巨大インセンティブ制度の全貌
バレンシアのパブロ・マフェオがハーフタイム中の義務インタビューで『このインタビューを受ける気なんて全くない。こんなの糞だし、ここにカメラがいる意味がわからない』と激怒し、試合後に謝罪する騒動が発生した。また、セビージャのルイス・ガルシア・プラサ監督も給水タイム中にマイクが近づくと『相手チームに話の内容を聞かれたくないんだ、ただそれだけだ!』とカメラを拒絶する場面があった。
なぜクラブや選手たちは、これほど嫌がるカメラやマイクの密着取材を許可しているのか。その裏にはラ・リーガが定めた厳格な放送放映規定と莫大な金銭的インセンティブが存在する。
2016-17シーズンに導入されたラ・リーガの映像中継規定では、試合前後の監督インタビュー、ハーフタイムのフラッシュインタビュー、トンネルやベンチへのカメラ進入が「義務事項」とされている。現場の試合監督員がチェックリストで審査し、違反するとマイナスポイントが加算され、シーズン末にクラブに多額の金銭罰金が科される仕組みだ。
さらに2023年8月、ラ・リーガの1部クラブ総会で(レアル・マドリードが唯一反対、2クラブ棄権、18クラブ賛成)放映権料分配方法の変更が可決された。全体の25%を占める「社会的一般定着度」枠の資金のうち、約1億3000万ユーロ規模の特別基金が、テレビ局への取材協力度(ベンチやロッカールームでの映像提供、監督・選手の追加インタビュー等)のスコアに応じて各クラブに分配されるようになったのだ。
過去にはアスレティック・ビルバオの選手たちが、クラブ経営陣によるサン・マメスの招待券削減に抗議してメディア取材を全面ボイコットした際、ラ・リーガから即座に減点処分と分配金削減の手続きが取られた。
クラブにとって、これらの取材を拒否することは数百万ユーロ規模の放映権収入を失うことを意味するため、現場の指揮官や選手がどれほど嫌がろうとも、カメラを受け入れざるを得ない構造になっている。
(via MARCA)
