劇的な逆転Remontada ラージョとの熱狂的開幕戦で5年ぶりの白星発進
ラ・リーガの新しいシーズンがホームのサンチェス・ピスフアンで華々しく幕を開けました。セビージャは難敵ラージョ・バジェカーノを相手に、二度のペナルティキックを沈めて2-1という劇的な逆転勝利(Remontada)を収め、サポーターに大きな歓喜をもたらしました。開幕戦での勝利は2021/22シーズン以来、実に5年ぶりの快挙となります。
試合前には、コロンビアで発生した大地震の犠牲者や、ここ数ヶ月の間にこの世を去ったすべてのクラブソシオ、および元選手たちの冥福を祈り、スタジアム全体で厳かな1分間の黙祷が捧げられました。
試合は前半4分、新規加入のセンターバックであるサンガンテと守護神ヴラホディモスの痛恨のミスから先制を許す、最悪の立ち上がりとなりました。スタジアムに悲観的な空気が流れ、前半はラージョの組織的なプレッシングと素早い垂直カウンターに手を焼く時間帯が続きました。
しかし、ハーフタイムでのシステム変更や積極的な選手交代が功を奏し、後半に入るとチームは一転して攻撃の主導権を奪い返しました。52分に同点PKを決めて勢いに乗ると、88分にキケ・サラスが一発退場となり十人での戦いを強いられる絶体絶命の危機に直面。それでも泥臭く戦い続け、アディショナルタイムの97分に再び獲得したペナルティキックを冷静に沈め、スタジアムは地鳴りのような歓声に包まれました。(via MARCA)
テクノロジーの不具合によるキックオフ10分遅延の全真相
この開幕戦のキックオフ直前、スタジアム全体を困惑させる前代未聞のトラブルが発生しました。今シーズンからラ・リーガ1部リーグ全体で大々的に導入された、ボール内部に高性能なセンサーを内蔵してオフサイド判定などを精密にサポートする新テクノロジー「接続ボール」ですが、この試合開始のタイミングで致命的な接続障害が発生したのです。
ボールに内蔵されたセンサー自体は正常に信号を発信していたものの、マドリードのラス・ロサスに設置されている中央判定室(VOR)において、その電波を受信するための接続システムが確立できない状態となりました。センサー開発を担うKinexon社、VARのインフラ配信を行うMediapro社、そして半自動オフサイド(SAOT)のライセンスを持つHawk Eye社の3社間でデータ連携が完全にブロックされてしまったことが原因です。
ピッチ上でデ・ブルゴス・ベンゴエチェア主審や技術スタッフが懸命な復旧作業を行いましたが、スタジアムのサポーターが不満の口笛を吹くなか、最終的にはこの最先端技術を今回の試合で使用することを断念。試合の遅延がこれ以上長引いて選手たちの体が冷え切ることを防ぐため、主審は両チームの監督とキャプテンに状況を説明し、通常のボールを用いて試合を開始することを決定しました。これにより、試合は約10分間遅れてキックオフされました。(via Mundo Deportivo)
物議を醸した判定 Isaac RomeroのPK取り消しと幻の相手ゴール
スタジアムを大きく揺るがすジャッジを巡る騒動が相次ぎました。最初の決定的な場面は前半37分、アグメの素早いボールカットから前線のイサク・ロメロへと素晴らしいスルーパスが供給されました。ボールに食らいついたイサクがペナルティエリア内で相手GKバタジャをかわそうとした瞬間、バタジャの激しいチャージを受けて転倒。主審はすぐさまペナルティキックを指し示しました。
しかし、VARからの介入があり、主審がモニターでリピート映像を確認した結果、バタジャのファウルではなくイサク・ロメロ側が相手の進路を阻んで倒したという判定に覆り、PKは無効とされました。この決定に対し、ピスフアンのスタンドからは凄まじい大ブーイングと抗議の声が上がりました。
一方、前半終了前にはラージョのイシ・パラソンが素晴らしいダイビングヘッドでセビージャのネットを揺らし、決定的な追加点かと思われたシーンがありました。しかし、これもVARチェックと主審の確認により、イシがシュートを放つ直前にセビージャのフアン・イグレシアスに対して悪質な引っ張りファウルを行っていたことが判明。ゴールは取り消され、セビージャは九死に一生を得ました。試合後もこれらの判定基準を巡り、両チームの選手やサポーターの間で激しい議論が巻き起こっています。(via ElDesmarque)
偉大な記録と一発退場 Kike Salasの100試合出場達成と悲劇のレッドカード
カンテラから昇格して以来、守備の核として成長を続ける24歳のセンターバック、キケ・サラスにとって、この開幕戦は自身のキャリアにおける金字塔となる公式戦通算100試合出場の記念すべき節目でした。さらに、今シーズンからはチームの主将を務めるガブリエル・スアソらと共に、栄光ある公式キャプテンの一人に任命され、リーダーとしての重責を担ってピッチに立ちました。
試合前、彼の父親であるエンリケ・サラス氏は次のように興奮と感動の胸の内を語っていました。
『4シーズン目を迎えてカンテラーノとしてこのクラブの伝統を背負う立場になった。本当に特別で、まるで夢を見ているようで信じられません。息子はあまり感情を表に出すタイプではないけれど、監督が彼を信頼してこの大役を任せてくれたことを家族として心から誇りに思います』
しかし、記念すべき一夜は87分に悲劇へと変わりました。相手のデ・フルートスが驚異的なスピードで鋭いカウンターを仕掛けようとした瞬間、キケ・サラスはそれを防ぐために非常に激しいスライディングタックルを敢行。これが危険なプレーとみなされ、主審から無慈悲なレッドカードが提示され一発退場となってしまいました。偉大な記録を打ち立てた日に、最悪の幕切れを経験することとなりました。(via Estadio Deportivo)
同点弾のGuridiと妻に捧げる劇的決勝弾のPeque
二度のプレッシャーのかかるペナルティキックの場面において、新加入選手たちが類まれなスター性と冷静さを示しました。
まず1-1の同点ゴールを記録したのは、新戦力のジョン・グリディです。プレシーズンから高い評価を得ていた彼は、試合前のセットプレー確認においてPKキッカーの第一候補に指名されていました。55分、ミゲル・シエラの粘りから得たPKのチャンスで、グリディは『自分が強い責任感と自信を持って蹴る』と自らボールを掴み、GKの逆を突いてゴール左隅へ流し込みました。デビュー戦で貴重な同点弾を決めた彼は、ベンチへ下がる際に満員のスタンドから盛大なスタンディングオベーションを受けました。
試合後、彼は、
『このクラブは開幕戦での勝利から5年も見放されていた。だから、絶対にこの試合で勝ち点3を取ることがどれほど重要か全員が分かっていた。3分に先制されるという冷や水を浴びせられたが、チームは強い個性とプライドを持って素晴らしいリアクションを見せた。ただ、私は常に地に足をつけて生きる人間だ。今日の結果に浮かれることなく、すぐにAthletic Clubとのタフな次戦へ頭を切り替えなければならない』と冷静に語りました。
And、97分に試合を決定づける2-1の勝ち越しPKを沈めたのが、同じく新加入のペケ・フェルナンデスです。後半途中から投入され、攻撃にダイナミズムを与えていた彼は、アディショナルタイムにウレが倒されて得たPKの場面でキッカーを志願。砂を噛むような緊張感のなかで、右足で鋭いシュートをゴール右上の完璧なコースへと突き刺しました。
ペケは得点後、ユニフォームの中にボールを入れるパフォーマンスを披露。
『最高に嬉しい。実は妻が妊娠しており、これから生まれてくる最愛の子供のためにこの記念すべきゴールを捧げた。96分での劇的な remontada(逆転)は本当に特別だ。チームは魂を削って戦ったが、これから改善すべき課題もたくさんある。たとえ5-0で大勝したとしても、常に上を目指して成長し続けるハングリーな精神が必要だ』と喜びと今後の決意を力強く語りました。(via SPORT)
スコットランドの俊英Robbie Ureの鮮烈デビューと現地で太鼓判を押すDiego Garcíaの証言
今夏、スウェーデン1部のシリウスから約600万ユーロの移籍金で獲得した22歳のスコットランド人フォワード、ロビー・ウレが、合流からわずか1日の全体練習しか消化していないにもかかわらず、後半開始と同時に投入され、鮮烈な公式戦デビューを飾りました。
ウレの獲得を巡っては、その高い得点力に期待が集まる一方で、スペインフットボールへの適応能力に疑問を投げかける声もありました。しかし、今夏にスウェーデンの名門マルメへ移籍したスペイン人フォワードのディエゴ・ガルシアは、現地メディアのインタビューで次のように熱弁し、ウレの実力を全面的に擁護しています。
『スウェーデンのリーグは、攻撃の人数が非常に多く、攻守の切り替えのインテンシティが極めて高いため、イングランドのプレミアリーグに非常に近い。ここでシーズン15点から20点を決めるのは本物のクオリティがある証拠だ。ディフェンスが弱いからゴールを量産できたという意見は的外れだ。彼はスペインのラ・リーガという最高峰の舞台でも十分にその得点感覚を発揮できると確信している』
ウレはピッチ上でその強靭なフィジカルを活かし、前線での基準点として体を張り、ボールをキープして見事な推進力をもたらしました。そして92分、マヌ・ブエノからのパスを受けると、ペナルティエリア内で鋭い切り返しを見せ、たまらず飛び込んできたルジューヌのファウルを誘発して劇的な決勝PKを獲得しました。
ガルシア・プラザ監督は、
『ロビーは私たちが求めた役割を完璧にこなしてくれた。EjukeやVargasがボールを持った際の動き出しにはまだ少し戸惑いが見られるが、加入直後でこれだけのパフォーマンスを見せてくれたことに非常に満足している。彼にはまだまだ大きな伸びしろがある』と絶賛。ウレ本人も試合後、自身のSNSに『素晴らしい大声援と温かい歓迎をありがとう』と、感動のメッセージを投稿しました。(via Estadio Deportivo)
Arouna Sangante 4分の大失態から後半に見せた素晴らしい精神的復活
今夏、フリーで加わったフランスリーグでの実績十分なディフェンダー、アルナウ・サンガンテにとって、公式戦デビューの舞台となったこの開幕戦のスタートは悪夢そのものでした。
前半開始わずか3分、自陣ペナルティエリア付近での極めて単純なクリア処理の場面において、サンガンテはトラップを誤って躊躇。さらに背後のGKヴラホディモスとのコミュニケーション不足からパスの選択肢を失い、ボールを完全にコントロールできない状態に陥りました。この大失態を見逃さなかったラージョのÁlvaro Garcíaに足をねじ込まれ、無人のゴールネットへ先制点を奪われる壊滅的なエラーを犯してしまいました。
この過酷なデビューに、満員のスタンドからは即座に不信のブーイングが飛び、サンガンテは極度の緊張と恐怖から一時的にプレーの正確性を欠きました。しかし、ガルシア・プラザ監督は彼を見捨てることなく、ピッチ脇から声をかけ続けました。
監督は当時の心境を、
『あの信じられないミスの後、私は彼の目を真っ直ぐ見ようとしたが、彼は恐怖と申し訳なさから私をどうしても見ることができなかった。若者にとって、ホームのデビュー戦であのような事態を経験するのは本当に辛いことだ』と語りました。
ハーフタイムでの監督の激励を経て、後半のサンガンテは見違えるような強固なディフェンスを披露しました。臆することなく相手アタッカーに厳しくコンタクトし、ビルドアップの局面でも鋭い縦パスを通して攻撃のスイッチを入れるなど、後半は実質チーム最高レベルの守備を誇りました。ミスを帳消しにするほどの強い精神力を見せた彼に対し、ファンからも最後には温かい拍手が贈られました。(via ElDesmarque)
カンテラーノたちの熱い反乱 Nico GuillénやMiguel Sierraらが生み出した勝負強さ
セビージャは現在、予算の制限と深刻なプロ登録選手数の不足に悩まされており、この試合ではカンテラ(下部組織)から実に7名の若手選手を招集してメンバーを埋めざるを得ない窮地に立たされていました。しかし、この若きカンテラーノたちがピッチ上で見せたパフォーマンスは、驚くべき熱量と実力に満ちていました。
プレシーズンで最大の輝きを放ち、先発デビューを飾った18歳のミッドフィルダー、ニコ・ギジェンは、前半に中盤の底で強固な相手プレスを必死にいなし、シンプルなパスでリズムを作ろうと奮闘しました。ハーフタイムで退いたものの、プロの厳しい舞台でしっかりと戦える才能の片鱗を見せました。
そして、右ウイングとして同じく先発したミゲル・シエラは、この夜最大のサプライズとなりました。52分、シエラはエリア内へ果敢に切り込み、こぼれ球に対して相手ディフェンダーのÁlvaro Garcíaより一歩早く足を差し込んでPKを誘発。この見事な働きによりチームは同点に追いつき、交代の際にはスタジアム全体から割れんばかりの大喝采が沸き起こりました。
さらに、終盤に投入されたマヌ・ブエノは、決勝点となったPKの場面において、中盤での素晴らしいボールカットから相手守備陣を鮮やかに切り裂く圧倒的なラストパスを供給。
監督も、
『あの劇的なPKのシーンの80%は、マヌ・ブエノの驚異的な個人技と素晴らしい状況判断によるものだ。彼の実績を絶対に忘れてはならない』と最大限の賛辞を贈りました。(via MARCA)
Chidera Ejukeの売却破断と「戦力」としての復活起用
去就が極めて不透明となっていた快速ウインガー、チデラ・エジュケを巡り、この移籍市場の終了間際になって大きな戦術的な大どんでん返しが起きていました。
エジュケは数週間前、オランダでのプレシーズン集中キャンプの遠征メンバーから完全に除外されていました。クラブは彼の放出による多額の純利益獲得を狙っており、実際に中東のサウジアラビアやカタールの富豪クラブ、さらにはベルギーの名門アンデルレヒトへの移籍交渉が最終合意の段階にまで達していたためです。
ガルシア・プラザ監督は、
『オランダ遠征の時点で、エジュケはほぼ100%放出されることが決定していた。スポーツディレクターのヨセ・イグナシオ・ナバロとも話し合い、彼に代わる後釜のウインガーもすでに完全に確保して手続きを進めていた』と、移籍が寸前のところで破断になったことを認めました。
しかし、交渉が土壇場で完全に消滅したため、指揮官は方針を転換。
『交渉が成立しなかった以上、彼は今でも私の大切な戦力だ。彼の能力を100%チームのために活かす』と決断し、後半78分にエジュケをピッチへ投入しました。エジュケはピッチに入ると、持ち前の圧倒的なスピードと鋭いドリブルで右サイドを支配し、スタジアムを大いに沸かせました。現段階ではクラブに残って最終年となる契約を全うする可能性が極めて高まっており、前線の貴重なスピードスターとして新シーズンの鍵を握ることになります。(via Estadio Deportivo)
ルイス・ガルシア・プラザ監督が訴える選手層不足と「pico y pala」の泥臭い精神
劇的な勝利を収めたものの、ルイス・ガルシア・プラザ監督は試合後の記者会見において、チームが置かれている極めて過酷な現実に警鐘を鳴らし、フロントに対してこれ以上の選手流出を防ぎ、迅速な追加補強を実行するよう強く要請しました。
監督は現在の危機的な戦力事情について以下のように説明しています。
『私たちは現在、わずか17人のファーストチームプロ選手しか抱えておらず、ベンチの半分以上を2部Bなどでプレーしていた若いカンテラーノたちで埋めなければならない。今回の開幕戦の勝利は、彼らの素晴らしい成長とハードワークのおかげだが、これから長いリーガの戦いをこの人数で乗り切るのは絶対に不可能です。中盤の底を任せられるプロのミッドフィルダーが、現在アグメとグリディの2人しかいない。中盤、ウイング、フォワードのポジションに、最低でも4人、できれば6人の本物のプロフェッショナルを加える必要がある』
また、チームの目指すべき姿勢とサポーターの温かい理解について、
『セビージャのサポーターはフットボールを実によく知っている。 tontos(馬鹿)ではないのだ。現在のセビージャが、かつてのように2億ユーロもの巨額な移籍金を投じてスーパースターを買い漁っていたかつての豪華なチームではないことを痛いほど理解している。今の私たちは、ピッチで泥臭く働き、コツコツとスコップを動かして勝ち点をもぎ取る「pico y pala(ピコ・イ・パラ)」のチームだ。それでもファンは、3分に失点したあの最悪の瞬間でも私たちを信じて声援を送り続けてくれた。この素晴らしいピスフアンの熱量こそが、私たちの最大の強みなのだ。私たちの現実的な目標は、まずは絶対に残留争いのパニックに巻き込まれず、最速で勝ち点40を積み上げて安全圏に達すること。今日でまず3ポイントを確保した。残りは40ポイントだ』と語り、現実を見据えた泥臭いサバイバルを誓いました。(via Estadio Deportivo)
Rubén Vargasの去就と後釜候補Jorge de Frutosの獲得交渉に潜む高いハードル
スイス代表としてワールドカップで圧倒的な活躍を見せ、自身の市場価値を1500万ユーロにまで急上昇させた快速アタッカー、ルーベン・バルガスの売却話が、市場の裏側で活発に進行しています。クラブは財政難を解決するため、彼を約2000万ユーロの高額な移籍金で放出し、多額の資金を得ることを望んでいます。しかし、開幕戦でのバルガスはコンディション不足が顕著であり、後半途中から起用されたものの、パスミスからキケ・サラスの退場を誘発するなど、去就報道のノイズに悩まされている現状が窺えます。
スポーツディレクターのヨセ・イグナシオ・ナバロ氏は、バルガスの売却成立を見越して、その後釜としてラージョ・バジェカーノに所属する29歳の実力派ウインガー、ジョルジ・デ・フルートスの獲得に動き、選手周辺やクラブに対して具体的な打診を行いました。デ・フルートスは昨シーズンに市場価値を3倍に急上昇させ、現在の移籍金査定は1200万ユーロ、契約解除金は5000万ユーロに設定されています。
しかし、ラージョ側はセビージャからのアプローチを冷酷に一蹴しました。ラージョは今夏、メンディを2300万ユーロ、チャバリアを1900万ユーロでそれぞれ売却し、合計4500万ユーロを超える潤沢な資金力を手に入れたため、経済的な売却の必要性が一切ありません。
ラージョは『市場価格を大幅に超えるような天文学的な金額が支払われない限り、デ・フルートスを放出することは絶対にあり得ない』と断定。セビージャがバルガスを売却できたとしても、デ・フルートスをその後釜として迎え入れることは、極めて困難で実質不可能なミッションとなっています。(via Estadio Deportivo)
Patrik Mercadoの契約破断を巡るIndependiente del Valleとの泥沼の法廷闘争準備
ピッチ外では、かつて合意していた若きタレントの移籍取りやめを巡り、南米のクラブとの間で深刻な法的紛争が発生し、事態は極めて緊迫した様相を見せています。
セビージャは今年2月、エクアドルの名門インデペンディエンテ・デル・バジェ(IDV)との間で、有望なミッドフィルダーであるパトリック・メルカドの今夏獲得に向けた事前合意に達していました。しかし、その後にメルカドが選手生命を脅かしかねない極めて深刻な重傷を負ったため、セビージャの法務・スポーツ部門は今週、契約内の保護条項を適用し、メルカドの獲得手続きを正式に破棄・断念することを公式に発表しました。
これに対し、インデペンディエンテ・デル・バジェ側は即座に激しい怒りを表明。同クラブのゼネラルマネージャーを務めるサンティアゴ・モラレス氏は、エクアドルのラジオ番組で以下のようにセビージャを強く告発しました。
『パトリック・メルカドのセビージャへの移籍合意は、まだ一切終わっていません。両クラブ間には正式に署名された強固な契約書が存在します。セビージャ側はメディカルチェックを十分に行う機会を与えられていたにもかかわらず、怪我を理由に一方的に契約を破棄するのは言語道断です。私たちはこの理不尽な対応に対し、FIFAや国際法廷への提訴を視野に入れ、すでにクラブの弁護士団に契約書の詳細な分析と訴訟手続きの開始を指示しました。メルカドは10月か11月にはピッチへ戻れる見込みであり、彼が私たちのチームに残ることは素晴らしいことですが、クラブの正当な権利を勝ち取るためにセビージャに対して徹底的な法的ペナルティと損害賠償を求めて戦います』
セビージャ側は、この獲得断念の決定が双方の合意内容およびFIFAの規則に完全に合致した合法的なものであると自信を見せていますが、この移籍破談を巡る泥沼の法廷闘争は、今後の補強戦略やクラブのブランドイメージにも大きな影響を与える懸念が生じています。(via Estadio Deportivo)
【本日の総括】
ラージョとの開幕戦において、セビージャはサンガンテの痛恨のミスや一発退場といった数々の逆境を強いられながらも、新戦力の同点PKを沈めたグリディや劇的な決勝PKを決めたペケ、さらに鮮烈なデビューを果たしたウレや泥臭く戦ったカンテラーノたちの目覚ましい躍動により、2-1で見事な逆転 Remontada を果たしました。技術トラブルによる接続ボールの不具合やキケ・サラスの退場処分、さらに去就を巡る移籍市場の複雑な動きやパトリック・メルカドを巡る法的な不協和音などピッチ内外での混沌は尽きませんが、プラザ監督のもとで「pico y pala(泥臭く働く)」の不屈のアイデンティティを確立したセビージャは、大いなる希望とともに次節の Athletic Club との決戦に向かいます。
