アントワーヌ・グリーズマンのMLS移籍と後継者問題

アトレティコ・マドリードの歴代最多得点者であるアントワーヌ・グリーズマンが、7月1日よりMLSのオーランド・シティへ移籍することが確定しました。10シーズンで501試合に出場し212得点を記録、35歳になっても後半戦を牽引した彼の退団はチームにとって大きな損失となります。代役として、フリアン・アルバレスや加入1年目のアレックス・バエナがチーム内に控えています。市場ではマンチェスター・シティを退団するベルナルド・シウバのフリー獲得が浮上していますが、プレースタイルや得点力は異なります。この件について、男子プロサッカーディレクターのマテウ・アレマニーは『アントワーヌの代わりを見つけることは不可能だ。だから代わりを探そうと考えるべきではない。チームが弱体化するどころか全体として改善できるように、他のバリエーションを探さなければならない。我々は以前からシメオネ監督の考えと一致するアイデアを持っており、その計画を実行に移さなければならない。計画は存在する』と明言しています。(via Mundo Deportivo)

フリアン・アルバレスの去就と移籍金1.5億ユーロの攻防

フリアン・アルバレスはクラブからの契約更新オファーを拒否し、数日前の会談で退団の意思を伝えました。ワールドカップから戻った際に練習をボイコットするような強硬手段は取らない姿勢ですが、今夏の退団と、可能であればバルセロナへの移籍を優先するよう求めています。2シーズン前に7500万ユーロで獲得し、2030年までの契約を残すアトレティコは、彼を安売りする気はなく移籍金を最低1億5000万ユーロに設定しています。バルセロナからは7000万ユーロ+フェラン・トーレスという唯一の正式オファーがありましたが、フェランがアトレティコでのプレーやトレード要員になることを拒否したため破談となりました。バルサの資金力不足の中、アーセナルやPSGも資金力を背景に関心を示していますが、現在はCL決勝に集中しているためオファーは7月か8月に持ち越される見通しです。なお、アトレティコは過去1年間で彼に対する3つの正式オファーを拒否しており、現在机の上にはどのクラブからの公式オファーも全く無い状態となっています。(via Estadio Deportivo, SPORT, Esport3, ElDesmarque)

アタランタMFエデルソンの獲得失敗と中盤の補強

中盤の強化が最優先課題となっていますが、アタランタのブラジル人MFエデルソンの獲得は完全に消滅しました。アトレティコは1月に獲得を試みて合意に至らず、3月には個人的な合意に達したとの噂もありましたが、ここ数週間で状況が変化しました。メトロポリターノのフロントは彼への関心を失い、他の中盤選手にターゲットを変更しています。一方でマンチェスター・ユナイテッドが給与面で魅力的なオファーを出し、エデルソンはすでにユナイテッド移籍を優先しています。アタランタとユナイテッドは4500万ユーロ前後で交渉中ですが、アトレティコ側は来年7月に27歳になる彼にその金額を払う意思はありませんでした。(via ElDesmarque)

シメオネ体制ワーストのリーグ成績と守備の崩壊

今季のアトレティコは21勝6分11敗、62得点44失点、勝ち点69の4位で終了しました。最終節でのビジャレアル戦の大敗は、シメオネ体制で最悪のリーグ敗戦となりました。堅守が最大の武器であったチームにとって44失点は痛手であり、シメオネ就任後初めて勝ち点70を下回る最悪のシーズンとなりました。これまでは19/20シーズンの70ポイントが最低で、最高は2014年の90ポイントでした。しかし、この69ポイントという数字は、シメオネ就任前の15シーズンの1部のどの成績よりも優れており、ラドミル・アンティッチ監督が率いた1996/1997シーズン以降で最高の数字となっています。(via ElDesmarque)

アポロ参入による補強予算の真実とマテウ・アレマニーの戦略

昨年11月に筆頭株主となった米投資ファンドのアポロの資本参加は、夏の移籍市場に劇的な影響を与えないことが判明しました。アポロの巨大な投資は主にシウダード・デル・デポルテのプロジェクトに充てられ、マテウ・アレマニーが自由にできる補強予算は過去2年と同等の純額約8000万ユーロにとどまります。エンリケ・セレソ会長は『アポロがアトレティコ・マドリードの株主になったからといって、明日から世界中の全選手を獲得し始めるわけではない。我々はこれまで通り非常に優れた移籍方針を継続し、その時々に必要だと思うことを行っていく』と明言しました。クラブの経営は引き続きミゲル・アンヘル・ヒルとセレソの手に委ねられ、持続的な成長を目指します。アレマニーの手腕に大きな期待がかかっており、ベルナルド・シウバのフリー獲得が最初の大きな一撃になると見込まれています。(via MARCA)

W杯に左右されない夏の移籍市場へのスタンス

来季に向けたメトロポリターノのオフィスはすでにフル稼働しています。マテウ・アレマニーは、現在開催中のワールドカップがクラブの補強計画に影響を与えるべきではないと考えています。ビジャレアル戦前のインタビューでアレマニーは『市場の期間は長くなるが、我々はワールドカップが無いかのように行動する。それが我々に影響を与えることはない。我々には明確な目標があり、監督が頭に描いていること、スカッドに求めていることがあり、それを改善していく。ワールドカップで何が起きようとも我々は仕事をしなければならないことは明らかだ。ワールドカップは落ち着いて追う。9月1日まで時間はたっぷりあるが、歩みを進める必要があり、早められるならそれに越したことはない』と語気を強めました。(via Mundo Deportivo)

26/27シーズン第3ユニフォームのデザイン流出

来季の第3ユニフォームのデザインがSNSで流出しました。ライトパミスと呼ばれる明るいグレーをベースに、細い赤と青のストライプが水平に入り、袖までデザインが施されています。90年代後半から2000年代初頭のナイキのデザインを彷彿とさせるレトロな仕上がりです。ナイキのロゴはオブシディアンと呼ばれるネイビーブルーにサルサレッドの縁取りが施され、胸のエンブレムはオリジナルカラーが採用されました。メインスポンサーのRiyadh Airは青色でプリントされています。襟はクラシックなポロスタイルで、ネイビーに赤のディテールが入っています。背番号、ネーム、パンツ、ソックスもネイビーブルーで統一される見込みです。公式発表は8月末から9月上旬のチャンピオンズリーグ抽選会時期の予定です。なお、第2ユニフォームは黒地にネオンイエローのディテールで、最終節ビジャレアル戦で既にお披露目されています。(via Mundo Deportivo)

ピッチ外の小ネタ(市長のチクリ、レアル会長選のパクリ疑惑、国王杯決勝敗退)

アトレティコ・ファンを公言するアルメイダ・マドリード市長が、カンファレンスリーグ決勝を戦うラージョ・バジェカーノを称賛する中で、過去のCL準決勝アーセナル戦での自チームの守備的な姿勢を引き合いに出し、『ストラスブール戦でのラージョの戦う姿勢が羨ましい。ヨーロッパの準決勝であれほどのパーソナリティを見せるチームはめったにない。待ちに徹せず試合に向かっていった』とチクリと刺しました。また、レアル・マドリードの会長選候補エンリケ・リケルメが発表したシウダード・デル・ソシオ構想が、アトレティコがメトロポリターノ周辺で進めるシウダード・デル・デポルテの完全なコピーではないかと話題になっています。さらに、今季のコパ・デル・レイ決勝ではレアル・ソシエダに敗退したことが報じられています。(via ElDesmarque, Mundo Deportivo, Estadio Deportivo)

【本日の総括】

グリーズマンの退団とフリアン・アルバレスの移籍騒動で前線に大きな動きが予想される中、アレマニーは限られた予算内でシメオネの要求に応えるべく、W杯に影響されない冷静な補強戦略を進めています。