アンドニ・ゴロサベルの不透明な去就と構想外の理由

プレシーズン最終戦となったアタランタ戦や、その前のマルセイユ戦を含め、今夏のプレシーズンマッチにおいて右ラテラルのアンドニ・ゴロサベルは一度もピッチに立っていません。2028年6月まで契約が残るゴロサベルですが、新指揮官エディン・テルジッチの構想から完全に外れています。プレシーズン開始時にレサマ(Lezama)に合流した当初は身体的な問題を抱えていましたが、現在は完全に回復してトレーニングに励んでいるものの、未来は不透明です。

昨シーズンは前監督エルネスト・バルベルデのもとで公式戦30試合以上に出場して非常に重要な役割を果たしていましたが、テルジッチ監督がサイドバックに求める「縦への推進力と攻撃的な駆け上がり」という要素が、戦術的規律による守備を重んじるゴロサベルのスタイルと合致していません。さらに、ジローナへのレンタルから復帰したウーゴ・リンコンがレギュラー候補として急浮上しているほか、オサスナから1200万ユーロで獲得したアレス、そしてフィジカルに優れる若手のヨハネコらの存在が、ゴロサベルをさらに厳しい立場に追い込んでいます。

放出先としては、当初はバレンシアやオサスナといった1部クラブが関心を示していましたが、バレンシアはアルナウ・マルティネスに関心を移したため、オサスナが獲得レースをリードする展開となりました。しかし、ここへきてラシン・サンタンデールも獲得に名乗りを上げており、移籍金を引き下げたい他クラブとの交渉は市場の最終盤まで長引く見込みです。(via Estadio Deportivo)

新指揮官テルジッチによる戦術大改革とプレシーズン全成績

エディン・テルジッチ新監督のもとで臨んだ今夏のプレシーズンは、リーグ開幕の遅れに伴い2つのフェーズに分けて行われました。第1フェーズでは地元の下位チーム相手に攻撃のテストやシステムの確認を丁寧に行い、5日間のブレイクを挟んだ第2フェーズでは本番を想定したマルセイユ戦とアタランタ戦の2試合に挑みました。プレシーズン全体では5勝1分け2敗(25得点6失点)という成績を残しています。

具体的な試合結果は、デリオ戦(3-0)、レイオア戦(11-0)、セスタオ・リベール戦(2-0)、ラシン戦(3-0)、ブルゴス戦(3-0)で勝利し、エイバル戦(2-2)で引き分け、マルセイユ戦(3-1)、アタランタ戦(1-0)で敗北をスライドする結果となりました。アタランタ戦は唯一無得点に終わりましたが、ヨハネコに対する明らかなペナルティキックが見逃される判定の不運もありました。

戦術面では、メンバー構成自体は昨季とほぼ同じであるものの、非保持時の4-4-2でのプレスから、ボール保持時には片方のサイドバックと逆サイドのウイングを極端に開かせ、もう片方のサイドバックを3バックのビルドアップラインに入れ、もう片方のウイングを内側に絞らせる3-4-3へと可変する、非常にアグレッシブな新システムが採用されています。(via Mundo Deportivo)

ウナイ・シモンがアタランタ戦で獲得したフェアプレー特別賞

プレシーズン最終戦として行われたアタランタとの親善試合は0-1での敗北に終わりましたが、ピッチ外では両クラブの素晴らしい関係性が改めて示されました。昨シーズンのチャンピオンズリーグにおいてサン・マメスで2-3と勝利して以来の再戦となった今回、アタランタ側は試合後に両チームの選手が並んで記念撮影を行うなど温かい対応を見せました。

アスレティックはボルトロッティ・トロフィーへの参加を称える賞を受け取ったほか、守護神ウナイ・シモンが「Valter Polini記念賞」を受賞しました。これは、第27回となるこの夏の大会において、最もフェアプレーの精神を体現した選手に贈られる非常に名誉ある賞です。シモンは負傷からの復帰プロトコルを経て、このイタリアの地で今夏初のプレシーズン出場時間を無事に記録し、開幕に向けた実戦感覚を取り戻しています。(via Mundo Deportivo)

センターバック陣のスクランブルと台台するカンテラーノたち

今夏のプレシーズンにおいて、センターバックのアイトール・パレデス(497分)とジェライ(483分)の2名が、テルジッチ監督が起用した全28選手の中で最も多い出場時間を蓄積しました。これは、ワールドカップ優勝後に長期バカンスを取得しているラポルトやニコ・ウィリアムズの不在に加え、ビビアンが内転筋の怪我によって稼働できなかった守備陣の緊急事態に伴うものです。

プレシーズン全8試合に出場し続けたのはジェライ、カナレス、サンセ、アレス、ロベルト・ナバロの5選手のみでした。

一方で、若手(カンテラーノ)の整理や登用も急速に進んでいます。ウーゴ・リンコン、パディージャ、レゴ、ヘレの4名はファーストチームの背番号を受け取ることが決定しており、特にレケイティオ出身で昨季カステリョンへの有益なローン移籍から復帰した若手選手は、アタランタ戦で先発起用されてテルジッチ監督を納得させる素晴らしいパフォーマンスを披露しました。また、18歳のカナレスはファーストチームに帯同しつつも、Bチーム登録に留めることでトップチームの選手登録枠を1つ空ける賢明な措置が取られています。左ラテラルでは、アダマと激しいレギュラー争いを見せているヨハネコの存在感が高まっています。(via Mundo Deportivo)

ラシン・サンタンデールとのゴロサベル移籍交渉を巡る心理戦

アスレティックのフロントを率いるミケル・ゴンサレスSDは、新シーズンでのヨーロッパリーグ挑戦などを見据えたチーム編成を進める一方で、現在は構想外となった選手の放出(オペレーション・サリダ)に全力を注いでいます。すでにフレン・アギレサバラのラシン・サンタンデールへの完全移籍を完了させましたが、ゴロサベルの売却交渉において、ラシン側が「買いたたき戦略」を再び仕掛けているとして警戒感を強めています。

ラシンのスポーツディレクターを務めるチェマ・アラゴン氏はレサマの下部組織の才能を熟知しており、交渉のプロとして知られています。アギレサバラの交渉時、アラゴン氏は一度メディアに対して獲得を完全に否定する公の声明を発表し、そのわずか2日後にはアスレティック側に対して移籍金を大幅に引き下げさせることに成功しました。

現在、ゴロサベルを巡ってバレンシアがアルナウ・マルティネスに関心を移したことでオサスナが優勢と見られていましたが、ラシンが獲得競争に名乗りを上げています。アスレティックとしては放出対象であっても適切な移籍金を回収したいと考えており、ラシン側が同じような「一度引き下がって値を下げる」心理戦を仕掛けていることを察知し、交渉は9月1日の締め切り直前まで長期化する様相を呈しています。(via ElDesmarque)

【本日の総括】

プレシーズン全8試合を終え、アスレティックはテルジッチ新監督のもとで3-4-3の可変システムへの移行という大きな戦術改革を進めています。アタランタ戦での敗戦や守備の緊急事態により課題も残りますが、ウナイ・シモンの実戦復帰や若手カンテラーノの台頭などポジティブな要素も多く、8月22日のセビージャとの開幕戦に向けて本格的な調整に入ります。