ダニ・ビビアンの苦悩とクラブへの犠牲

スペイン代表としても名を連ねるセンターバックのダニ・ビビアンは、内転筋の負傷を抱えながらクラブのために戦い続けた過酷な舞台裏と、その結果として今夏のワールドカップ出場を逃すことになった悔しさを明かした。

ビビアンは今年1月に内転筋の付着部を断裂する重傷を負ったが、チームが置かれていた厳しい状況を考慮し、戦列を離脱せずにプレーを継続する決断を下した。試合に出場するために平日のトレーニングでは毎週のように激しい痛みに耐えており、100%の状態とは程遠い中でクラブへの献身を優先させていた。

この強行出場が響き、最終的にデ・ラ・フエンテ監督が率いるスペイン代表のワールドカップメンバーから落選することとなった。ビビアンは当時の心情について『選手には常に野心が必要であり、私にもそれがあった。W杯に行けなかったことは当然ながら大きな痛みだった。選出されるために膨大な努力を重ねてきたが、当時の私は最高のパフォーマンスを出せる状態ではなかった。デ・ラ・フエンテ監督のもとでは、最高の状態にある選手だけが代表に呼ばれることは明確だった。辛く厳しい経験だったが、自分を見つめ直す機会になった。大会中は羨ましさもあったが仲間と連絡を取り合い、今は次のW杯に向かって進む意欲に満ちている』と語っている。

また、クラブに対する犠牲的精神について『1月にアディクター(内転筋)の付着部を負傷して以来、ずっと問題を抱えていた。チームの状況を考えて休まないことを決めたが、試合に間に合わせるために練習で本当に苦しんだ。私はクラブに恩義があり、そのために犠牲を払った。100%でプレイできない時期もあったが、自分の80%を100%として見せなければならない瞬間がある。何よりもクラブが優先されるべきだ』と強く主張している。

代表監督とのコミュニケーションに関しては『デ・ラ・フエンテ監督とは話をしていない。監督が落選理由を説明しないスタンスであることは知っているし、選手自身が自分の状態を自覚すべきなので説明は不要だった』と明かした。

なお、同様の筋肉トラブルを抱えていたニコ・ウィリアムズに対しては、数週間の完全休養を与える別の治療アプローチが取られた。ニコはその甲斐あって状態を取り戻してワールドカップに出場し、決勝でフェラン・トーレスの決勝ゴールをアシストする活躍を見せたが、ビビアンの場合はチーム事情からその道を選択することができなかった。(via MARCA)