中盤の光と影、ヤンゲル・エレラの見事なパススタッツとカルロス・ソレールの中盤での沈黙

ベティス戦で、ソシエダの中盤を支える二人の新旧実力者たちのパフォーマンスには、極めてコントラスト(明暗)の分かれる内容となりました。

最も大きな驚きとポジティブな驚愕を提供したのが、昨シーズンに多額の移籍金で加入しながらも、プレシーズン中の度重なる負傷離脱やコンディション不良によって全く輝けず、サポーターから厳しい批判を浴び続けていたベテランのヤンゲル・エレラ(Yangel Herrera)でした。

エレラはこの試合、これまでの不甲斐ない姿を完全に払拭する、まさに彼が全盛期に見せていたインテンシティを取り戻したかのような大車輪の活躍を見せました。守備面では、中盤のアンカー(4番)のポジションに入り、ベティスが狙うセカンドラインからの鋭い飛び出しや侵入をことごとくシャットアウトする強固な壁として機能。さらにボール保持の局面でも、非常に落ち着いた技術と視野の広さでパスを散らしました。前半に見せた、オスカルソンへのあのピンポイントの超長距離スルーパスは、間違いなく前半最大のハイライトでした。

スタッツの面でもその貢献は圧倒的で、試合全体のパス成功率は驚異の「93%(46本中43本成功)」をマーク。特に自陣内でのパス成功率は「30/31」、敵陣でも「13/15」という驚異的なフットボールインテリジェンスと精度を示しました。

後半60分過ぎ、疲れから相手のプレッシャーに遭ってハーフライン付近で危ういロストを犯し、さらにリケルメのゴールシーンでは、自陣エリア内に下がりすぎてしまい、エリア手前のクチョ・エルナンデスへのマークのズレを招いて失点の一因となるなど、いくつかの致命的な守備の判断ミスはあったものの、72分に交代するまで見せたパフォーマンスは、間違いなく今後のソシエダの中盤を強固にする上で大きな希望となるクオリティでした。

その一方で、パリ・サンジェルマンからのレンタル加入で非常に高い期待と熱視線を集め、チームの中盤のダイナモ(8番)としてのタスクを任されていたカルロス・ソレール(Carlos Soler)は、90分間の全編を通して、ピッチ上で完全に「invisible」(目に見えない、存在感皆無)な状態に陥ってしまいました。

ソレールは、前半のソシエダがビルドアップに最も苦しんでいた時間帯において、ボールを引き出す動きや、中盤でパスコースを作る役割を果たすことが全くできず、ボールタッチ数が極端に少ないまま、エリア内でのクリエイティブな仕事も皆無でした。後半に入り、チームが攻撃的なシステムに変更してからは多少ボールに絡むシーンは増えたものの、本来彼が持っているはずの決定的なラストパスやゲームコントロールの質には程遠い、あまりにも寂しい低調な出来にとどまりました。次戦のベルナベウでの戦いに向けて、早急な状態の改善が求められています。(via DiarioVasco)

【本日の総括】

レアル・ソシエダは、ラ・リーガ開幕戦となるアウェイでのベティス戦に0-1で惜敗し、今シーズンを黒星という厳しい結果でスタートしました。久保建英は先発出場したもののチーム全体の守備的な戦術の中で輝きを放てず、後半に交代。チームは31歳の若さで亡くなった愛すべき栄養士イオン・ゴメス氏に勝利を捧げることができませんでした。一方で、アイヘン・ムニョスの公式戦200試合出場達成や、18歳のアレックス・マルシャルの見事な1部デビューなどカンテラ出身者の明るい話題もありました。移籍市場ではアペリバイ会長らが事務所に残って補強を急ぐ緊迫した状況が続く中、マタラッツォ監督率いるチームは、水曜日に控えるレアル・マドリードとの次なる大一番に向けて中盤の再調整と決定力不足の解消を急ぎます。