2025-26シーズン総括と代表への影響

レアル・マドリードにとって2025-26シーズンは、無冠に終わっただけでなく、多くの選手が期待を下回るパフォーマンスを見せた忘れるべき1年となった。この不振は、今夏のワールドカップに向けた各国の代表メンバー選考にも直接的な影響を及ぼしている。

シーズンの始まりは、シャビ・アロンソ監督の就任とクラブワールドカップでの好パフォーマンスにより期待が最高潮に達していた。しかし、チャンピオンズリーグ準決勝でパリ・サンジェルマンに0-4という大敗を喫し、チームは厳しい現実に引き戻された。その後、シャビ・アロンソ監督は解任され、アルバロ・アルベロアが指揮を引き継いだものの、ロッカールームのトラブルを解決することはできなかった。フェデ・バルベルデとオーレリアン・チュアメニの間の喧嘩という深刻な事件も発生し、キリアン・エムバペ、ヴィニシウス・ジュニオール、ジュード・ベリンガムといったスター選手たちも非難の的となり、最終的に12人もの選手がシーズン評価で落第点を受ける惨状となった。

期待された若手や新戦力たちも苦しんだ。ディーン・ハイセンは当初レギュラー候補と見られていたが、不安定なパフォーマンスとベルナベウのファンを敵に回すような決定的なミスにより評価を落とした。アルバロ・カレラスはシーズンの出だしこそ良かったものの徐々に失速し、アルベロア監督のもとではフェルラン・メンディとフラン・ガルシアに次ぐ左サイドバックの3番手に転落。ゴンサロ・ガルシアも良い瞬間を見せ将来のオプションとして名乗りを上げたが、エムバペの影に隠れてほとんどチャンスを与えられなかった。彼ら全員がスペイン代表から落選している。

また、ダニ・カルバハルはクラブで冷遇され十分な出場時間を得られなかったことが響き、ワールドカップのメンバーから外れた。トレント・アレクサンダー=アーノルドも、質の高いプレーと試合から消えるプレーが混在し、トーマス・トゥヘル監督が率いるイングランド代表の物議を醸すリストから外れる結果となった。エドゥアルド・カマヴィンガはW杯出場の可能性が高かったものの、シーズンを通した個人のミスが指摘され、クラブとフランス代表の両方で立場が危ぶまれ、落選した。フランコ・マスタントゥオーノについても、アルゼンチン代表のリオネル・スカローニ監督の予備リストには入っているが、マドリーでの出番の少なさから最終メンバーから外れる可能性が濃厚と見られている。

アルベロア監督によるカンテラ(下部組織)選手の起用は、効果的というよりパフォーマンス的な意味合いが強く、起用された6人の選手は合計で1試合(90分)未満の出場にとどまった。最も出場時間を得たティアゴ・ピタルチも、バイエルン戦やカンプノウでのクラシコといった重要な局面では失速してしまった。

一方で、ワールドカップに出場予定のレアル・マドリードの選手は以下の最大11人となる見込みである。7月に退団予定のダビド・アラバ(オーストリア)、ティボー・クルトワ(ベルギー)、アントニオ・リュディガー(ドイツ)、ジュード・ベリンガム(イングランド)、フェデ・バルベルデ(ウルグアイ)、オーレリアン・チュアメニ(フランス)、アルダ・ギュレル(トルコ)、ブラヒム・ディアス(モロッコ)、ヴィニシウス・ジュニオール(ブラジル)、エンドリッキ(ブラジル)、キリアン・エムバペ(フランス)。

(via SPORT / ElDesmarque / Mundo Deportivo)

会長選挙の激化と両陣営の動き

レアル・マドリードで20年ぶりとなる会長選挙が正式に招集され、現職のフロレンティーノ・ペレスと、挑戦者のエンリケ・リケルメ(37歳・Grupo Cox創業者)による一騎打ちの構図が鮮明となった。選挙日は6月7日の日曜日が有力視されている。

両陣営の選挙本部は、サンティアゴ・ベルナベウの隣、ラファエル・サルガド通りに位置し、わずか100メートルしか離れていない距離で火花を散らしている。フロレンティーノ・ペレス陣営の拠点はレストラン「ホセ・ルイス」の隣にあり、『成し遂げるべき多くの歴史がまだある』というスローガンを掲げている。ペレスは立候補承認直後、ベルナベウの近くに自身の2つの任期(2000-2006、2009-現在)で獲得した7つのチャンピオンズリーグのタイトルを誇示する巨大な横断幕を設置した。水曜日の19時からは首都のホテルでメディアに向けた正式な立候補プレゼンテーションを予定している。

一方のリケルメ陣営は『遺産と未来』というスローガンを掲げて拠点をオープンした。リケルメはABC紙のインタビューなどで現体制を激しく批判している。彼は『レアル・マドリードが直面している最大のリスクは勝つか負けるかではなく、民営化だ。これが最後の選挙になるかもしれない。民営化への扉を開けば、1%でも100%でも、定款の変更を意味し、クラブのガバナンスが完全に変わってしまう』と警鐘を鳴らした。ソシオが1株10万ユーロを受け取るとの噂については否定しつつ、『もしソシオが民営化を望むならそれはそれで完璧だ。2つのプロジェクトで議論しよう』と公開討論を呼びかけた。

また、リケルメはベルナベウの改修工事についても厳しい評価を下している。『17億ユーロの改修後、座席はよりくっついて小さくなった。ソシオやシーズンチケット保持者のエリアは、バーもトイレも同じままで、飲み物とサンドイッチを買うために前半終了の10分前に外に出なければならない。これが17億ユーロの改修なのか?』とカルバハルのユニフォームを着て観戦した後に不満を爆発させた。これに対しペレスは、『最初の屋根の契約が6億、地下ピッチ収納システムが4億、そして装飾と座席が13億だった。ダメージを与えるために6億で始まって13億で終わったと悪意を持って言われている』と反論している。スタジアムはコンサートの停止や駐車場の法的問題、スカイバーの未解決問題などで潜在能力を十分に発揮できていないが、2026年1月のアンドレア・ボチェッリのコンサートからイベントが再開される見込みで、選挙翌日には教皇レオ14世のイベントがリハーサルとして予定されている。

リケルメはクラブの経営効率についても、『年間8千万ユーロの赤字を出しているが、VIP席の販売などの特別収入でカバーしている。100人以上が100万ユーロ以上を稼ぎ、レアル・マドリードTVはシェア0.2%なのに4500万ユーロの予算を持っている。コストを大幅に改善し、圧倒的に効率的になる可能性がある』と指摘した。さらにネグレイラ事件についても『2024年の総会で強いバルサが必要だと言われていたが、その時にはすでにネグレイラ事件のことは分かっていた。バルサがスーパーリーグのパートナーを辞めた時になって初めて、事件に興味を持ち始めた。バルセロナに何の処分も下されていないのは、私たちが最初からそれに反対する良い管理をしていなかったからだろう』と現体制の対応を非難した。

自身のプロジェクトについてリケルメは、『2人の国際的なスター選手と契約を済ませている』と明言し、数日内にスポーツディレクターの就任も発表すると予告した。また女子サッカーについても『ヨーロッパのトップを争っていないのはあり得ない』と強化を約束している。一部で囁かれたPSOEやペドロ・サンチェス首相との関係、イベルドロラ会長のイグナシオ・サンチェス・ガランの関与については完全に否定し、『この国でどの政党とも関係はない。攻撃される前に攻撃しろ、という意図から生まれた噂だろう。私には大物バックもいない』と一蹴した。彼が提出した保証金はスペインで営業ライセンスを持つアンドラ銀行(Andbank)のスペイン支店から得たものであることも明かした。

(via SPORT / Esport3 / MARCA)

次期監督モウリーニョの動向と補強リスト

フロレンティーノ・ペレスが選挙で再選を果たした場合、次期監督としてジョゼ・モウリーニョが復帰することが確実視されている。すでに2年契約に加えてリーグ戦で最低1つのタイトルを獲得した場合の1年間の延長オプションで合意に達している。本来であれば今週中にベンフィカとの契約を解除して正式発表される予定だったが、予期せぬ選挙の招集により計画が狂ってしまった。

この遅れはレアル・マドリードにとって大きな経済的打撃となった。モウリーニョとベンフィカの契約には、競技終了後10日間のみ有効な700万ユーロの解除条項が含まれていたが、この期限が切れ、違約金は1400万ユーロに倍増してしまった。ベンフィカ側は9月の会長選挙の際に設定したこの条項について、1ユーロたりとも値引きする気はない。マドリー側も選手の譲渡などで移籍金を下げる交渉は行わず、違約金を全額支払う予定であり、これによりモウリーニョはサッカー界の監督の中で最も高額な移籍金で引き抜かれることになりそうだ。ベンフィカはすでにフラムのマルコ・シウバを新監督として迎える準備を進めている。

モウリーニョはすでにペレスに対して、来季に向けたチーム補強のレポートを提出している。彼は現在の前線の陣容(エムバペ、ヴィニシウス、ロドリゴ、ギュレル、ベリンガム、ブラヒム)は十分すぎると判断しており、課題は守備と中盤にあると分析し、以下の4つのポジションの補強を強く求めている。

1. センターバック:エデル・ミリトンが負傷中でダビド・アラバの退団が決まっているため、アントニオ・リュディガーの契約延長の動向次第で1人から2人の補強を要求している。現在起用可能なのはハイセンとラウル・アセンシオのみという危機的状況だ。

2. 両サイドバック:右サイドはカルバハルが退団し、アーノルドも控えに甘んじている状況を受け、モウリーニョはより守備的で経験豊富なディオゴ・ダロトを強く要求している。左サイドもフラン・ガルシアが退団する場合には補強が必要となる。

3. 守備的ミッドフィルダー:チュアメニとフェデ・バルベルデがロッカールームで和解したとはいえ、ピッチ上でのサポートが不足していると考え、チュアメニとポジションを争える守備的な選手を求めている。カマヴィンガとダニ・セバージョスについては放出を模索している。

4. 創造的なミッドフィルダー:トニ・クロースの後継者となるクリエイティブな能力を持つ選手。カルロ・アンチェロッティやシャビ・アロンソも求めていたが実現しなかったポジションである。また、ベンフィカでモウリーニョが信頼を寄せていたノルウェー人MFフレドリク・アウルスネスの名前も浮上している。

一方、対立候補のリケルメは監督人事について異なる見解を示している。『シャビ・アロンソを連れてきたのは正解で、解任したのは間違いだった。プロジェクトは3ヶ月では作れない。ロッカールームを管理する権限を彼に与えるべきだったのに、それがなかったことなどでマドリディスタは失望している』とフロントの対応を批判し、アルベロアの起用についても『アルベロアは実験であり、プロジェクトがないまま2年過ごしたマドリーは実験をしている場合ではない』と一刀両断した。

モウリーニョの復帰についてリケルメは、『私はモウリーニョ派でも反モウリーニョ派でもなくマドリディスタだ。彼は偉大な監督で多くの成功を収め、ロッカールームの管理に独特のスタイルを持っている。しかし、いまのクラブに必要なのは絆創膏のような短期プロジェクトではなく、中長期的なプロジェクトで方向性を完全に変えることだ。私が会長になれば評価するが、長期プロジェクトを作りたい。監督について話すのはまだ先だ』と明言を避けた。自身の好みとしてはユルゲン・クロップの名前を挙げ、『クロップは大好きだ。現在はレッドブルで働いているが、マドリーを指揮してほしいプロファイルのひとつだ。他にも好きな監督はいる』と語っている。

なお、スペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督はモウリーニョの復帰の噂について、『クラブの決断を絶対的に尊重する。彼は偉大な監督であり、レアル・マドリードで非常に重要な歴史を持っている。とても良いアイデアだと思う』と好意的な見解を示している。

(via SPORT / AS / MARCA / ElDesmarque)

W杯スペイン代表ゼロの波紋と解決策

ルイス・デ・ラ・フエンテ監督が発表したワールドカップのスペイン代表26人のリストには、レアル・マドリードの選手が1人も含まれていなかった。これは約1世紀に及ぶワールドカップの歴史において前代未聞の事態である。カルバハル、ハイセン、フラン・ガルシア、ゴンサロ・ガルシアといった選手たちがプレリストの55人には含まれていたものの、最終的なリストからは漏れた。これに対してライバルのFCバルセロナからは8人の選手が選出されており、際立った対比を生んでいる。

この事態に対し、元レアル・マドリードのカンテラ出身で、現在はコメンテーターを務めるアルバロ・ベニートなどはリストの完成度を高く評価しつつも、アルベルト・モレイロの選外を指摘するなど議論が白熱している。ジャーナリストのトマス・ロンセロは『カルバハルを待たなかった理由が理解できない。彼は直近10年間で世界最高のサイドバックであり、常にスペインのために顔を張ってきた。また、オヤルサバルの控えとして、U-21で実績がありマドリーでも純粋な9番としてゴールを決めているゴンサロを連れて行くべきだった』と怒りを露わにした。

選外となったハイセンは、自身の父親がSNSに投稿した『Sofascore』による今季のラ・リーガのベストイレブンの画像をリポストし、暗に選考への不満を表明した。その画像ではハイセンがパウ・クバルシやエリック・ガルシアを上回る評価点(7.28)を得ており、父親は『悪くない、最初のシーズンだ。Hala Madrid!』とコメントを添えていた。

デ・ラ・フエンテ監督はこの歴史的ゼロ選出について、『私は代表監督だ。どのチームの出身かは見ない。スペイン代表としてプレーする可能性だけを見る。地元びいきのメンタリティは持っていない。あれこれの推測は興味がないし、それ以上の意味はない』と毅然と答えた。また、落選したカルバハルらについては『ダニとアルバロ(・モラタ)について一言言わせてほしい。彼らのサイクルは終わっていない。彼らは紳士さ、個性、リーダーシップ、キャプテンシーという忘れられない遺産を残した。彼らが成し遂げたすべてに感謝し、将来また会えることを願っている』とフォローした。

リケルメ候補もこの事態を重く受け止め、『レアル・マドリードが初めてW杯に誰も代表を送り込めなかったのは悲しいことであり、憂慮すべきことだ。プロフェッショナルではない管理が続いた結果だ。私が選ばれれば、スペイン人に誇りを感じさせるようなスターたちを代表チームに呼び戻す』とクラブのスペイン化(españolización)を公約に掲げた。

しかし、レアル・マドリードの選手がワールドカップの期間中にスペイン代表のユニフォームを着るための抜け道が2つ残されている。

1つ目は、サポートメンバーとして選出されたゴンサロ・ガルシアの昇格である。彼は6月4日のイラク戦までの合宿に参加する9人のサポートメンバーに入っており、本大会の登録メンバーに負傷者が出た場合には、プレリストに入っていた彼が代替招集される可能性がある。

2つ目は、オサスナで活躍し代表入りを果たしたビクトル・ムニョスの買い戻しである。レアル・マドリードは6月末まで有効な800万ユーロの買い戻しオプションを保持している。マドリーのフロントは「彼にはまだ早く、オサスナにもう1年残るのがベスト」と考えていたが、アストン・ビラやニューカッスルなどプレミアリーグのクラブからの関心が高まっており、オサスナのブラウリオ・バスケスSDが設定した4000万ユーロという契約解除金を他クラブが支払う可能性が出てきた。オサスナが他クラブに売却した場合、マドリーは移籍金の50%を受け取るが、買い戻しオプションは消滅する。そのため、6月7日の選挙で選ばれた新会長が即座に800万ユーロを支払ってオプションを行使すれば、ビクトル・ムニョスが「レアル・マドリードの選手」としてワールドカップに出場することになる。デ・ラ・フエンテ監督も『彼は非常に大きな潜在能力を持った若者で、代表チームでも国際的な最高レベルで競争できる準備ができていることを証明した。必ずや良いセンセーションを巻き起こすだろう』と、ムニョスがマドリーに復帰した場合の成功を保証している。

(via SPORT / ElDesmarque / MARCA)

選手個別の去就と移籍市場の噂

ロッカールームの内紛により厳しい立場に立たされているオーレリアン・チュアメニについて、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍の噂が浮上している。移籍市場の専門家ファブリツィオ・ロマーノによると、ユナイテッドは退団するカゼミーロの後釜としてチュアメニを「夢のターゲット」としてリストアップしているという。しかし、チュアメニの市場価値は7500万ユーロであり、2028年6月までの契約には10億ユーロの契約解除条項が設定されている。さらに、年俸も約1250万ユーロの固定給に加えボーナスが発生するなど非常に高額である。何より、次期監督と目されるモウリーニョのプレースタイルに完璧にフィットする選手であるため、ユナイテッドが彼を引き抜くハードルは極めて高いと見られている。

また、レアル・マドリードがマンチェスター・シティのロドリゴ・エルナンデス(ロドリ)を獲得する可能性も指摘されている。チェルシーの監督にシャビ・アロンソが就任することが有力視されており、それに伴ってチェルシーのエンソ・フェルナンデスが、同じく恩師のエンツォ・マレスカが新監督に就任するマンチェスター・シティへ移籍する可能性がある。このドミノ効果により、現在シティと契約延長交渉中のロドリがレアル・マドリードへ移籍する道が開けるのではないかとジャーナリストたちが予測している。

カンテラ出身のニコ・パス(コモ)については、セスク・ファブレガス監督が彼を高く評価し、『ニコ・パスはコモかレアル・マドリードでプレーする。インテルではプレーしないと確信している』と明言。コモのファンも昇格の祝賀会で彼に残留を懇願し、ニコ・パスも『Forza Como、これは始まりに過ぎない』と応えた。しかし、レアル・マドリードは彼を将来の重要な宝石と見なしており、モウリーニョ新監督の構想に合致すれば、900万ユーロを支払って買い戻す可能性も残されている。

(via SPORT / ElDesmarque / MARCA)

【本日の総括】

無冠と内紛に終わった失意のシーズンは、W杯スペイン代表ゼロという歴史的屈辱を招きました。フロレンティーノ・ペレスとエンリケ・リケルメによる会長選挙が激化する中、次期監督モウリーニョの違約金倍増という痛手も発生。新体制による守備と中盤の大規模な再建、そしてビクトル・ムニョス買い戻しによる代表枠確保の決断に注目が集まります。