最終節バルサ戦の劇的勝利と幻に終わったヨーロッパ進出

バレンシアはメスタージャでの最終節でFCバルセロナを相手に見事な逆転勝利を収めました。61分にロベルト・レバンドフスキのボレーシュートでバルサに先制を許したものの、66分にハビ・ゲラの左足のシュートで同点に追いつき、71分にはルイス・リオハがエリア内のこぼれ球を押し込んで2-1と逆転に成功。さらに守護神ストーレ・ディミトリエフスキがアンドレアス・クリステンセンのシュートをゴールライン上で防ぐスーパーセーブを見せ、リードを守り切りました。しかし、バレンシアが来季のカンファレンスリーグ出場権を獲得するためには、他会場の結果も必要でした。試合中、オサスナが得点を決めたという情報が流れ、メスタージャの観客はヨーロッパ進出が決まったと勘違いして大歓声を上げました。ベンチにいたウーゴ・ドゥロはスマートフォンを見ながら困惑していましたが、結果的にオサスナのゴールはスコアボードに反映されず「幻のゴール」となりました。さらにラージョ・バジェカーノがデポルティーボ・アラベスに逆転勝利を収め、ヘタフェも勝利したため、バレンシアの9位フィニッシュが確定し、ヨーロッパへの切符は完全に消滅しました。 (via ElDesmarque)

ウーゴ・ドゥロがSNSで吐露した失意と来季への決意

ヨーロッパ進出の望みが絶たれ、さらに親友であるディエゴ・ロペスの重傷というショックを受けたチーム得点王のウーゴ・ドゥロは、試合後にSNSを更新し、悔しさと未来への思いを語りました。

『また一つのシーズンが終わった。成長して、誰もが望む場所にバレンシアを戻すチャンスを生かせなかったシーズンだ。昨日、僕らはクラブのため、ファンのため、そしてチームのために、もっとずっと上の順位にいるべきだと証明した。個人的にはとてもハードなシーズンだった。すべてを出し尽くしたし、これからも僕の家であるこのクラブのために全てを出し尽くす。精神的にもタフで難しかったけど、来シーズンはチームのために戦い、全員が望むもっと大きな目標を達成するために、これまで以上に強くなって戻ってくる。今はスイッチを切り、充電して、反省する時だ。1ヶ月後に戻ってきたら、バレンシアをふさわしいヨーロッパの舞台に導くために、全員が一歩前に出て団結しなければならない』 (via ElDesmarque)

ルイス・リオハが語るシーズン総括とチームへの苦言

最終節で逆転ゴールを決めたベテランのルイス・リオハも、シーズン全体を振り返り厳しいコメントを残しました。バルサ戦の勝利で残留を確実にした安堵はありつつも、チームの不安定さによってヨーロッパに届かなかったことに不満を隠しませんでした。

『幸せな気持ちでシーズンを終えられない。カンファレンスリーグ出場権を獲得できなかったのは残念だ。自分たちの仕事をすることが一番大事で、それから他会場の結果を見ることだった。自分たちは仕事をしたけど、残念ながら他の結果が伴わなかった。自分たち次第ではなかったためにヨーロッパ出場を逃したのは残念だ。チャンスが来るのが少し遅すぎた。来年は最終節まで待たなくていいようにしたい』

また、後半戦の成績だけで見ればチームは4位相当だったことについて触れつつ、チームの姿勢に警鐘を鳴らしています。

『後半戦と同じくらい前半戦も重要だ。バランスが必要だ。もっと早く反応し、最初から怒りを見せる必要がある。危険を感じてから反応するようではいけない。来年はシーズン全体を通してヨーロッパの出場権を争えるよう、バランスを見つけてほしい』 (via ElDesmarque)

前半戦の不振から後半戦の躍進へ、カルロス・コルベラン監督の評価

カルロス・コルベラン監督のシーズン評価は10点満点中「5点」と、辛うじての合格点となりました。前半戦は降格危機に陥り、1月時点では解任されてもおかしくないほどの恐ろしい成績でした。ロッカールームの管理や選手の出場時間の采配についても理解に苦しむ場面があったと指摘されています。しかし、後半戦に入るとチームを立て直し、チャンピオンズリーグ出場圏内レベルの勝ち点ペースを記録。降格争いから一気に9位まで順位を上げ、最終盤までカンファレンスリーグ出場権を争うまでにチームを復活させました。前半戦の評価が「2点」、後半戦の評価が「8点」と極端な明暗が分かれたシーズンであり、メスタージャのファンと完全に和解するためには、来季のさらなる改善が必須とされています。 (via ElDesmarque)

バレンシアCF全選手シーズン評価と寸評まとめ

現地メディアによる2025-26シーズンの選手評価(10点満点)は以下の通りです。チーム全体としてゴールとアシストの不足が課題として挙げられています。

ストーレ・ディミトリエフスキ (9): 控えスタートで不満を漏らす場面もあったが、アギレサバラの負傷後に正GKの座を掴むとチーム最高の選手に。後半戦の躍進の立役者。

グイド・ロドリゲス (7.5): 世界王者の風格でチームに落ち着きをもたらした。クラブは彼を引き留めるべき。

ハビ・ゲラ (7): 他の下部組織出身選手同様に苦しんだ時期もあったが、最後の1ヶ月は素晴らしいパフォーマンスを見せた。

ウーゴ・ドゥロ (7): サディクやベルトランに時間を奪われながらも、3年連続の10ゴール以上を記録しチーム得点王に。

ペペル (6.5): グイドの加入で定位置を失うも、センターバックとして台頭し活躍。仕事ぶりは高評価。

キュマルト (6.5): プレッシャーのない中、バレンシア加入後で最高のレベルを披露。

ウナイ・ヌニェス (6.5): センターバックとして加入したが、サイドバックとしても十分に機能した。

ラルジ・ラマザニ (6.5): 1月までは存在感がなかったが、その後は重要選手に。自己最高の6ゴール1アシストを記録。

ウマル・サディク (6.5): 1月に加入し、4アシストを記録して貢献。

ヘスス・バスケス (6.5): 出場時は期待以上の活躍。ガヤの最高の控えであり、未来のサイドバック。

ホセ・ルイス・ガヤ (6): ベストシーズンではなかったが、キャプテンとして役割を全う。終盤に負傷。

ウグリニッチ (6): ゴールやアシストの数字が足りず、怪我にも泣かされたが、もっとできるポテンシャルを感じさせる。

ルイス・リオハ (6): 常に意欲的で役割を果たすが、数字面での貢献が不足。

セサル・タレガ (5): 4つのオウンゴールが響くなど困難な状況で苦しんだ。成長が必要。

ホセ・コペテ (5): 移籍金で疑問視されたが適応。調子が良い時に負傷したのが悔やまれる。

フレン・アギレサバラ (5): 負傷するまでは良かったが、その後はディミトリエフスキにポジションを奪われた。

レンソ・サラビア (5): 短期契約の助っ人として加入し役割を果たしたが、シーズン終盤の負傷が惜しまれる。

ディエゴ・ロペス (4.5): 何ヶ月も重要になれず、シーズンの始まりよりは良くなったが重傷を負って終了。

ムクタル・ディアカビ (4): 2度の重傷でわずか8試合の出場。将来が懸念される。

ディミトリ・フルキエ (4): 負傷前に15試合出場したが、チーム最悪の時期だった。かつての姿を取り戻す必要がある。

ルーカス・ベルトラン (4): よく動き戦うが、ストライカーとして致命的なゴール欠乏。終盤に問題も抱え、残留は厳しい。

ティエリ (3): 負傷と不調に苦しみ、期待されたレベルに届かず退団へ。

バティスト・サンタマリア (2): ほとんどプレーせず、コパ・デル・レイでの馬鹿げた退場が響いた。

アルナウト・ダンジュマ (2): 期待を大きく下回る。8ヶ月間攻撃でほとんど貢献せず。

ダニ・ラバ (2): 開幕戦で先発したものの、その後コルベラン監督に外され1年間姿を消した。

クリスティアン・リベロ (評価なし): 出場なし。 (via ElDesmarque)

期待の若手アーロン・マヨルと2029年までの契約延長

バレンシアのカンテラは引き続き優れた才能を輩出しています。クラブは、18歳になったばかりのミッドフィルダー、アーロン・マヨルと2029年までの契約延長(クラブ側の2年間の契約延長オプション付き)で合意に達しました。昨シーズンにレバンテのユースから加入したマヨルは、今季VCFフベニールAでディビシオン・デ・オノールのグループ7優勝に貢献。シーズン終盤にはVCFメスタージャ(セグンダRFEFグループ3)に昇格し、8試合に出場(うち6試合で先発)して大勝に貢献する活躍を見せました。カルロス・コルベラン監督も彼の才能を高く評価しており、すでにトップチームの練習に何度も参加させています。プレシーズンをトップチームで過ごす可能性もあり、来季は基本的にVCFメスタージャに所属しつつ、トップチームのダイナミクスに組み込まれる予定です。 (via SPORT)

守護神ディミトリエフスキの契約延長とアギレサバラの退団

今シーズンのバレンシアで最も評価を高めた選手の一人が、ゴールキーパーのストーレ・ディミトリエフスキです。シーズン序盤は控えに甘んじ、現状への不満を漏らす場面もありましたが、後に謝罪。フレン・アギレサバラの負傷を機に正GKの座を掴むと、その豊富な経験と老獪さでチームを救うセーブを連発し、後半戦の勝ち点獲得に大きく貢献しました。この活躍を受け、クラブは彼との契約をさらに2年間延長する方針を固めています。一方で、シーズン序盤にゴールを守っていたアギレサバラは、負傷からの復帰後もディミトリエフスキの壁を越えられず、クラブは彼を引き留めない決断を下しました。アギレサバラはレンタル元のアスレティック・クラブへ復帰することになります。 (via ElDesmarque)

ウナイ・ヌニェスがファンへ別れの挨拶、クラブは完全移籍を模索

セルタ・デ・ビーゴからレンタル加入していたウナイ・ヌニェスは、バルサとの最終戦後、メスタージャのピッチを一周してファンに別れを告げました。センターバックとして加入しながらもサイドバックとしても見事に機能し、チームの守備を支えた彼は、試合後に自身のSNSで感謝の思いを綴っています。

『激しく、成長できた数ヶ月間だった。ヨーロッパ出場で締めくくりたかったが、少なくとも勝利で別れを告げることができた。バレンシアCFがビッグクラブであることは知っていたが、実際にここで過ごすまでは本当の規模を知らなかった。すべてに感謝している。アムント!』

ヌニェスはセルタとまだ3年の契約を残しており、一旦はビーゴに戻ってプレシーズンを迎えることになります。バレンシアは彼を完全移籍で獲得したいと考えており、選手自身も復帰を望んでいますが、セルタ側が移籍金を求めていることに加え、彼の給与が高額であることが交渉の障壁となっています。セルタ側も彼を構想外として売却による資金確保を望んでいるため、今後の移籍金の設定額が交渉の鍵を握ります。 (via ElDesmarque)

アルナウト・ダンジュマの深刻な不振と売却への動き

ビジャレアルから所有権を買い取って獲得したアルナウト・ダンジュマでしたが、今シーズンも彼にとって「負のループ」から抜け出せない1年となりました。カルロス・コルベラン監督から何度もチャンスを与えられ、開幕から8試合で3ゴール1アシストと好スタートを切ったものの、その後は完全に失速。第8節以降はアシスト1つのみで無得点に終わり、最後の10試合での出場時間はわずか89分にとどまりました。トッテナム、エヴァートン、ジローナでの失敗を経てバレンシアが再起を懸けて獲得しましたが、最終的な評価は10点満点中「2点」と散々な結果に終わりました。クラブは現在、彼の高額な給与を引き受けてくれるチームを必死に探しており、彼の売却が成功するかどうかが、バレンシアの夏の移籍市場での補強の自由度を大きく左右することになります。 (via SPORT)

右サイドバックの再建へ、アストン・ヴィラのアンドレス・ガルシアに関心

バレンシアの夏の補強ポイントにおいて、右サイドバックの再構築は最優先の緊急課題となっています。ティエリ・レンダルは度重なる負傷と不調で期待に応えられず、6月30日の契約満了をもって退団することが決定しています。また、ディミトリ・フルキエも移籍リストに載っており、残り1年の契約で彼が望む給与条件を満たすオファーがあれば退団する見込みです。このポジションの穴を埋めるべく、カルロス・コルベラン監督と強化部がトップターゲットに据えているのが、アストン・ヴィラに所属する23歳のバレンシア出身DF、アンドレス・ガルシアです。元レバンテの選手である彼は、2025年1月に700万ユーロでアストン・ヴィラに加入しましたが、今季はウナイ・エメリ監督の下で公式戦わずか109分の出場にとどまっています。バレンシアは「買い取りオプション付きのレンタル」での獲得を目指してアストン・ヴィラとの交渉を本格化させています。ベティスも関心を示していますが、選手自身がラ・リーガ復帰を前向きに捉えており、バレンシアが一歩リードしている状況です。代替案として、マジョルカのパブロ・マフェオの動向も注視しています。 (via SPORT)

ラルジ・ラマザニ、最終戦の夜に自宅が空き巣被害に

バレンシアでのレンタル期間を終え、リーズ・ユナイテッドへ復帰する予定のラルジ・ラマザニが、メスタージャでの最終戦の夜に空き巣被害に遭いました。バルサ戦の勝利後、ピッチに残ってファンに別れを告げていたラマザニでしたが、彼と家族がスタジアムにいる間に、ベテラの高級住宅街「トーレ・エン・コニル」にある自宅が荒らされました。犯人グループは壁を越えて窓から侵入し、防犯アラームが作動していないことを確認した上で数時間滞在。現金や宝石など約10万ユーロ相当の金品を盗み出しました。この住宅街では過去にもカスティジェホ、クライファート、ガライ、パウリスタ、ムスタフィ、コンドグビアといった選手が被害に遭っており、警察は内部に情報提供者がいる可能性も視野に入れて捜査を行っています。ラマザニはイギリスへ戻るための引っ越し準備を済ませていたため、被害が拡大したと見られています。 (via SPORT)

フェルナンド・マルティン監督の沈没事故死、インドネシアの裁判所が船長らに実刑判決

昨年12月26日、インドネシアのコモド国立公園沖で発生した観光船の沈没事故で亡くなったバレンシアCFのフェルナンド・マルティン監督と、その家族に関する裁判の判決が下されました。この事故ではマルティン監督のほか、9歳の息子マテオ君、妻の連れ子である12歳のリアさんの遺体が発見され、妻のアンドレア・オルトゥーニョさんと7歳の娘は奇跡的に救助されました。メスタージャでは黙祷が捧げられ、彼の名前を冠したメモリアルも設置されています。インドネシアの裁判所は、この事故を巡り、船長(56歳)に対して禁固3年半、無免許で操舵していた機関長(22歳)に対して禁固2年半の実刑判決を言い渡しました。裁判所は、船長が適切な訓練を受けずに金銭で免許を不正取得し、無資格の機関長に操舵を任せていたことを重過失と認定しています。遺族側は声明で、無資格のスタッフを雇用し運行を許可した責任についても引き続き追及していく姿勢を示しています。 (via ElDesmarque)

スペイン代表W杯メンバーにバレンシア選手ゼロ、歴史的背景と現状

ルイス・デ・ラ・フエンテ監督が発表した2026年ワールドカップに向けたスペイン代表メンバー26名の中に、バレンシアの選手は一人も含まれていませんでした。これはクラブにとって歴史的な事態です。過去16回のワールドカップのうち、10大会でバレンシアの選手がスペイン代表に名を連ねており、1950年ブラジル大会にはイグナシオ・エイサギーレやアントニオ・プチャデスなど4名が選出され、1982年スペイン大会ではミゲル・テンディージョやエンリケ・サウラが活躍しました。2002年大会ではダビド・アルベルダとルベン・バラハが中盤を支え、2006年と2010年大会にはカルロス・マルチェナやダビド・ビジャらが歴史的な成功を収めました。近年でも、2018年にロドリゴ・モレノ、2022年にウーゴ・ギジャモンが選ばれていました。しかし、ピーター・リム(メリトン)の経営によるクラブの低迷と降格争いの影響が色濃く反映され、今年の夏はバレンシアの選手が不在の7回目のワールドカップとなります。 (via SPORT)

【本日の総括】

バルサへの劇的勝利でシーズンを締めくくったものの、あと一歩でヨーロッパ進出を逃したバレンシア。監督や選手の評価は前半戦の不振が大きく響く結果となりました。ディミトリエフスキの契約延長や右SBの補強など来季に向けた動きが加速する一方、W杯代表ゼロという寂しい現実も浮き彫りになっています。