「2000年代の黄金期再現は幻想」元技術秘書フェルナンデス氏が語るセビージャの財務危機と現実

今夏の移籍市場で、11人の新戦力を迎え入れ、16人を放出するという合計21件の大規模な取引を完遂したセビージャ。徹底したコストカットを行いながらも若く才能あるタレントをかき集めたこの手法に、多くのサポーターは2000年代初頭、低予算からカンテラの台頭(セルヒオ・ラモスやホセ・アントニオ・レジェスら)と的確な補強で急成長を遂げ、ヨーロッパの頂点へと駆け上がった「第一次モンチ体制」の再来を夢見ています。

しかし、2000年から2006年まで技術秘書としてモンチ氏の「右腕」を務め、クラブの黄金期の基盤を築き上げたアントニオ・フェルナンデス氏は、こうした世論に冷や水を浴びせ、強い警鐘を鳴らしました。

フェルナンデス氏はメディアのインタビューに応じ、現在のチームと2000年代初頭のチームを比較することについて、『それは幻想であり、誤った期待を生むだけだからその見方は捨てるべきだ』と断言しました。その理由として、当時のプロジェクトと現在のプロジェクトでは、出発点の財務・社会的背景が根本的に異なっていることを挙げています。

同氏の説明によれば、『2000年代初頭のセビージャは経済大国になったことがなく』、身の丈に合った低い位置で安定しており、そこから少しずつ上へと積み上げていく上昇局面でした。その後、セルヒオ・ラモスの売却益や、レジェス、ダニ・アウベスといった選手たちの活躍、そして何よりもヨーロッパカップ戦での継続的な成功による莫大な収入が、クラブの財政を健全化し、ステータスを押し上げたのです。

これに対し、同氏は『現在のセビージャは、構築しているというよりは、下落を食い止めている状態』であると、極めてシビアな現実を突きつけました。セビージャは過去4年間で累計1億8000万ユーロ以上の巨額の損失を計上しており、純負債は9000万ユーロ近くに上ります。さらに、日々のクラブ運営を維持するためだけに、米金融大手ゴールドマン・サックスからの融資枠を7000万ユーロも増額せざるを得ないという、極めて危機的な財務状況に陥っています。

フェルナンデス氏は『当時は下から這い上がり、スポーツ、経済、社会面が並行して成長した。しかし現在は、上からの落下を必死に食い止めている状態』と繰り返し、この過酷な現実を直視しないまま過去の成功体験を当てはめることは、チームに不必要なプレッシャーを与え、再建を阻害すると主張しました。

なお、アルゼンチンのタジェレス・デ・コルドバでの仕事を終えたフェルナンデス氏は、現在アメリカのFCブラウンズビルと5年契約を結び、会長に就任しています。彼はラシン・サンタンデールとの提携やテキサス地域でのスカウト網強化、オースティンの巨大アカデミーとの連携を通じて、アメリカの地でヨーロッパ型のフットボールモデルを浸透させる新たな挑戦を始めています。 (via SPORT)

【本日の総括】

エスパニョール戦を前に、元SDモンチ氏との歴史的な「初対決」というドラマが熱を帯びる中、クラブの黄金期を知る元幹部からは財務危機の生々しい警告が飛び出すなど、ピッチ内外でセビージャの過酷な現在地が浮き彫りとなっています。しかし、現有戦力のフル稼働とプラサ監督の戦術的アップデートにより、チームは新たな一歩を踏み出そうとしています。運命の一戦で新生セビージャが真の強さを見せられるか、その戦いに期待しましょう。