悲願のFW補強候補バンバ・ディエン、紆余曲折の末にセルビアの古豪レッドスターへ移籍決定

移籍市場の閉幕後も注目を集めていたストライカーの去就がついに決着しました。今夏の市場でフォワード陣の補強を最優先課題に掲げていたセビージャFCと宿敵レアル・ベティスですが、両クラブがかつて獲得リストに載せていたセネガル代表FWバンバ・ディエン(26歳)が、セルビアのレッドスター・ベオグラードへ移籍することが正式に決定しました。契約期間は2年で、1年の延長オプションが付帯しています。

現在、市場価値1500万ユーロと評されるディエンは、前所属のロリアンとの契約延長を拒否したため、今夏はフリートランスファー(移籍金ゼロ)で獲得できる絶好のチャンスとなっていました。ベティスは早くも4月の段階で接触を開始し、セビージャも昨シーズン終了後の6月に関心を示していました。セビージャにとってディエンは長年のターゲットであり、ホルヘ・サンパオリ監督が率いていた2021-22シーズンの冬の移籍市場でも獲得を強く推奨されていた過去があります。しかし、最終的にセビージャもベティスも、この実力派アタッカーの獲得へ最終的な一歩を踏み出すことはありませんでした。

ディエンを巡っては、ドイツのフライブルクやザンクトパウリ、イタリアのラツィオ、さらにはイングランド2部(チャンピオンシップ)のレスター・シティ、ブラックバーン・ローヴァーズ、オックスフォード・シティ、ポーツマス、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン、クイーンズ・パーク・レンジャーズといった数多くのクラブが争奪戦を繰り広げていました。

その後、サウジアラビアのアル・シャバブと合意に達したものの、サウジ・プロフェッショナルリーグ側から必要な投資許可が下りずに破談。さらにトルコのアメドSKへの移籍も合意間近で瓦解しました。トルコ側はメディカルチェックで問題があったと主張する一方、選手側は新たな仲介人の出現によって契約条件(特に給与面)が土壇場で変更され、手数料を巡るトラブルが発生したために自ら渡航を取りやめたと主張しており、泥沼の泥仕合となっていました。

最終的に8月21日にレッドスターへの移籍が完了したディエンですが、加入後はまだ公式戦デビューを飾っていません。セビージャは最終的にロビー・ユーレやルカス・スタシンの確保に成功したものの、長年追いかけた怪物の数奇な移籍劇は、バルカン半島での挑戦という意外な形で幕を閉じました。 (via Estadio Deportivo)

宿命の対決!元SDモンチ氏がエスパニョールを率いてセビージャと史上初の直接対決へ

今週末のリーガ第4節、セビージャにとって極めてエモーショナルで特別な戦いが幕を開けます。長年にわたりセビージャのスポーツディレクター(SD)として君臨し、7度のヨーロッパリーグ制覇や2度のコパ・デル・レイなど数々の栄光をもたらしたレジェンド、モンチ氏が、現在SDを務めるエスパニョールを率いてセビージャと直接対決を行います。モンチ氏が「敵」としてセビージャと対戦するのは、彼の輝かしいキャリアにおいて史上初めての出来事です。

モンチ氏は2017年に一度セビージャを離れてローマへ赴き、2019年に復帰。その後、2023年に現フロント陣との度重なる意見の相違から再び退団し、アストン・ヴィラを経て今夏エスパニョールのSDに就任しました。2017年当時、彼は『セビージャ以外のスペインのチームでは絶対に働かない』とファンに誓っていましたが、約10年の歳月を経て、ついにその誓いが破られ、対戦相手として立ちはだかる運命を迎えました。

この因縁の対決を前に、モンチ氏はエスパニョールでの補強会見(アンドニ・ゴロサベルとブライアン・サラゴサの発表会見)で、今夏の自らの仕事を振り返りつつ、セビージャの現SDジョセ・イグナシオ・ナバロ氏の手腕に最大の賛辞を送りました。

モンチ氏はまずエスパニョールの補強について『私たちは当初から明確なロードマップを持っており、正直に言って100%ではないかもしれないが高い割合でそれを達成できたと思います』と満足感を示しました。その上で、他クラブの動向にも言及し、『デポルティーボ、ラシン、あるいは昨年難しい時期を過ごし、次の対戦相手であるセビージャがこの市場の終盤に非常に興味深い補強を行ったのを見てきました』と語り、終盤に怒涛の補強を見せた古巣の立ち回りを高く評価しました。

エスパニョールとセビージャの対決は、日曜日21:00にRCDEスタジアムでキックオフされます。なお、セビージャのホームであるエスタディオ・ラモン・サンチェス・ピスフアンでの第2戦は、2027年2月13日または14日のバレンタインデーに予定されています。将来的なセビージャへの3度目の復帰の可能性について、モンチ氏は数ヶ月前に『セビージャに戻るかって? 分からないし、戻らないと思う。でも100%とは言えない。5〜6年後に何が起こるか分からないからね。どんな未来のシナリオであれ、サン・フェルナンドが関わっているはずだ』と語るに留まっており、愛憎入り混じる複雑な思いを抱えたまま、因縁のピッチ外バトルに挑みます。 (via Estadio Deportivo)

運命のスタメン予想!新戦力獲得でプラサ監督念願の「4-4-2」システムへの移行も視野に

リーガ第4節エスパニョール戦に向けて、セビージャの最新チーム状況とスタメン予想が明らかになりました。今回のセビージャは、負傷による離脱者がゼロという極めて健全なスクワッドで敵地バルセロナに乗り込みます。

唯一の懸念点は、スイス代表MFルベン・バルガスの状態です。バルガスは今夏、移籍交渉が進められていた影響で直近の2試合を意図的に温存されていました。最終的にチームに残留したものの、昨年膝の重傷を負った忌まわしきRCDEスタジアムが舞台という精神的な障壁もあり、今回の試合でプレーするかどうかは非常に不透明です。

しかし、プラサ監督にとっては非常にポジティブな変化が訪れています。移籍市場の最終日にナバロSDが、監督が熱望していたFW Lucas Stassin、ウイング Felix Correia、ピヴォット Youssuf Fofana の3選手を電撃的に確保したことで、戦術の選択肢が劇的に広がりました。これまでは選手層の薄さから現行のシステムを余儀なくされていましたが、新戦力の到着により、指揮官が以前から切望していた「4-4-2」の2トップシステムへ移行する準備が整いました。

最新の予想スタメンによると、今回の新戦力3名はいずれもベンチスタートとなり、後半からの切り札としてデビューを待つ可能性が高いとみられています。一方で、同じく新加入のコチョラシュヴィリは先発に名を連ねる見込みです。

予想スターティングメンバー:

GK:オディッセアス

DF:ファン・イグレシアス、アルナ・サンガンテ、キケ・サラス、ガブリエル・スアソ

MF:コチョラシュヴィリ、ルシアン・アグメ、ミゲル・シエラ、イサク・ロメロ、フリオ・ディアス

FW:ロビー・ユーレ

対するエスパニョールは、キケ・ガルシアとハビ・プアドという主力2枚を負傷で欠く苦しい布陣です。しかし、元セビージャの守護神マルコ・ドミトロヴィッチがゴールマウスを守り、バイエルンからレンタル加入したブライアン・サラゴサがデビューする可能性があり、一筋縄ではいかない戦いが予想されます。前回の対戦ではマノロ・ゴンサレス監督率いるエスパニョールに苦杯をなめさせられたプラサ監督ですが、新たな武器を手に入れた新生セビージャがどのようなサッカーを展開するのか、大きな注目が集まります。 (via ElDesmarque)

「2000年代の黄金期再現は幻想」元技術秘書フェルナンデス氏が語るセビージャの財務危機と現実

今夏の移籍市場で、11人の新戦力を迎え入れ、16人を放出するという合計21件の大規模な取引を完遂したセビージャ。徹底したコストカットを行いながらも若く才能あるタレントをかき集めたこの手法に、多くのサポーターは2000年代初頭、低予算からカンテラの台頭(セルヒオ・ラモスやホセ・アントニオ・レジェスら)と的確な補強で急成長を遂げ、ヨーロッパの頂点へと駆け上がった「第一次モンチ体制」の再来を夢見ています。

しかし、2000年から2006年まで技術秘書としてモンチ氏の「右腕」を務め、クラブの黄金期の基盤を築き上げたアントニオ・フェルナンデス氏は、こうした世論に冷や水を浴びせ、強い警鐘を鳴らしました。

フェルナンデス氏はメディアのインタビューに応じ、現在のチームと2000年代初頭のチームを比較することについて、『それは幻想であり、誤った期待を生むだけだからその見方は捨てるべきだ』と断言しました。その理由として、当時のプロジェクトと現在のプロジェクトでは、出発点の財務・社会的背景が根本的に異なっていることを挙げています。

同氏の説明によれば、『2000年代初頭のセビージャは経済大国になったことがなく』、身の丈に合った低い位置で安定しており、そこから少しずつ上へと積み上げていく上昇局面でした。その後、セルヒオ・ラモスの売却益や、レジェス、ダニ・アウベスといった選手たちの活躍、そして何よりもヨーロッパカップ戦での継続的な成功による莫大な収入が、クラブの財政を健全化し、ステータスを押し上げたのです。

これに対し、同氏は『現在のセビージャは、構築しているというよりは、下落を食い止めている状態』であると、極めてシビアな現実を突きつけました。セビージャは過去4年間で累計1億8000万ユーロ以上の巨額の損失を計上しており、純負債は9000万ユーロ近くに上ります。さらに、日々のクラブ運営を維持するためだけに、米金融大手ゴールドマン・サックスからの融資枠を7000万ユーロも増額せざるを得ないという、極めて危機的な財務状況に陥っています。

フェルナンデス氏は『当時は下から這い上がり、スポーツ、経済、社会面が並行して成長した。しかし現在は、上からの落下を必死に食い止めている状態』と繰り返し、この過酷な現実を直視しないまま過去の成功体験を当てはめることは、チームに不必要なプレッシャーを与え、再建を阻害すると主張しました。

なお、アルゼンチンのタジェレス・デ・コルドバでの仕事を終えたフェルナンデス氏は、現在アメリカのFCブラウンズビルと5年契約を結び、会長に就任しています。彼はラシン・サンタンデールとの提携やテキサス地域でのスカウト網強化、オースティンの巨大アカデミーとの連携を通じて、アメリカの地でヨーロッパ型のフットボールモデルを浸透させる新たな挑戦を始めています。 (via SPORT)

【本日の総括】

エスパニョール戦を前に、元SDモンチ氏との歴史的な「初対決」というドラマが熱を帯びる中、クラブの黄金期を知る元幹部からは財務危機の生々しい警告が飛び出すなど、ピッチ内外でセビージャの過酷な現在地が浮き彫りとなっています。しかし、現有戦力のフル稼働とプラサ監督の戦術的アップデートにより、チームは新たな一歩を踏み出そうとしています。運命の一戦で新生セビージャが真の強さを見せられるか、その戦いに期待しましょう。