プレシーズン第6戦、変則マッチでブルゴスに3-0の快勝
アスレティック・ビルバオは、セルヒオ・フランシスコ監督率いるブルゴスCFとのプレシーズン第6戦をエル・プランティオ・スタジアムで行い、約7,000人の観客が見守る中、0-3の快勝を収めました。この試合は両監督の事前の合意により、各30分の4クォーター制、合計120分(給水タイムを含めると実質129分)という異例のフォーマットで行われ、気温36度という酷暑の中で過酷なテストとなりました。
試合は序盤からアスレティックがボールを支配します。前半(第1・第2クォーター)、ジャウレギサルがベレンゲルのパスからシュートを放つ場面や、サンセトの好機などで攻め込みます。そして14分、左サイドのベレンゲルとユーリのパス交換から、ユーリがゴール前へクロスを供給。中央のマロアン・サナディがこれに触れられずボールが流れると、逆サイドから上がってきたヘスス・アレソが豪快にネットを揺らし、先制点を奪いました。アレソは古巣のファンに敬意を払い、ゴールセレブレーションは行いませんでした。
その後、ブルゴスもモジェホの左サイドでの機動力やダビド・エルナイスのミドルシュートで反撃を試みますが、GKパディージャが好セーブで凌ぎます。24分にはパレデスがモジェホの独走を止めてイエローカードを受け、またアスレティックのジェライとブルゴスのイバン・マルティネスが空中で頭をぶつけ治療を受ける激しい場面もありました。ブルゴスのオイエル・ルエンゴはジャウレギサルとの不運な接触で負傷し、イバン・マルティネスと交代しています。また、アレソのクロスからセルトンがヘディングシュートを放つも、ブルゴスのDFリサンコスがゴールライン上でクリアする決定機もありました。
後半(第3クォーター)開始の60分、エディン・テルジッチ監督は大幅な選手交代を実施。ここで投入されたロベルト・ナバーロが、63分にルイス・デ・ガラレタからのスルーパスを受け、ペイオ・カナレスとの鮮やかなワンツーでブルゴス守備陣を切り裂き、GKカンテロを破って追加点を挙げました。ニコ・セラーノも個人技で魅せますが、GKカンテロに阻まれ追加点とはなりません。
しかし84分、今夏のワールドカップを終えて合流したばかりのキャプテン、イニャキ・ウィリアムズが、ニコ・セラーノの精度の高いクロスに飛び込んで3点目を奪い、試合を決定づけました。
最後の第4クォーター(91〜120分)は、両チームともスコアに満足したのかペースダウンします。ブルゴスはダディエのシュートで一矢報いようとしますが、途中出場のGKミケル・サントスが難なくキャッチしました。終盤にはゲレナバレナが違和感を訴えてピッチを退き、グルセタのファウルによりモンレアルのゴール(幻の4点目)が取り消される場面もありました。最終盤、ブルゴスがカウンターを仕掛けようとしたタイミングで主審が試合終了の笛を吹き、スタンドから不満のブーイングが起こるというやや後味の悪い幕切れとなりましたが、アスレティックにとっては盤石の勝利となりました。(via AS) (via SPORT) (via Estadio Deportivo) (via ElDesmarque) (via MARCA) (via Mundo Deportivo)
テルジッチ監督のチーム状況と選手たちの手応え
今回のブルゴス戦での勝利により、アスレティックのプレシーズン戦績は6試合で5勝1分(デリオに0-3、レイオアに0-11、セスタオ・リベルに0-2、ラシン・サンタンデールに0-3、エイバルに2-2、ブルゴスに0-3)となりました。エディン・テルジッチ新監督の下、失点を許したのは引き分けたエイバル戦のみで、5試合でクリーンシートを達成するなど守備の安定が光っています。
テルジッチ監督が目指すロックンロールのような激しいプレッシングとハイテンポなサッカーは、猛暑の影響で常に体現できたわけではありませんが、ボール支配と相手陣内でのボール奪取でブルゴスを苦しめました。
起用面では、ワールドカップを戦い終えて合流したアルバロ・ジャロが実戦復帰を果たし、同じくワールドカップに出場していたイニャキ・ウィリアムズも今夏初出場を飾りました。イニャキは最初はセンターフォワードに入り、その後ウイングにポジションを移してゴールという結果を残しています。また、ホハネコが左サイドバックで高い位置を取り、ボイロがセンターバックでプレーするなどのテストも行われました。
一方で、スペイン代表としてワールドカップに参加したウナイ・シモン、ダニ・ビビアン、ニコ・ウィリアムズらはまだ合流していません。さらに、ブライスとセルヒオ・ゴンサレスが違和感により欠場しており、補強枠があと5人残っているという編成上の課題も指摘されています。
チームの中心選手であるオイアン・サンセトは、若手のペイオ・カナレスやテルジッチ監督の戦術について手応えを口にしつつ、自身やチームに向けられる外部からの批判に対して『人々は本当に嘘ばかりついている』と力強く反論しました。さらに新シーズンの目標について、『我々の明確な目標は、再び欧州カップ戦に出場することだ』と強い決意を語っています。
またこの試合では、レザマの重鎮であり、現在のトップチームドクターであるゴンツァル・ベイティアの父親、ゴンサロ・ベイティア氏の訃報を受け、選手たちは喪章を着用してプレーしました。ゴンツァル・ドクターは家族の深い悲しみの中にあってもピッチサイドで職務を全うし、チームを支えました。
チームはこの後、5日間のオフを挟み、プレシーズンの総仕上げとしてオリンピック・マルセイユ、そしてアタランタとの厳しい国際親善試合に臨みます。(via AS) (via Estadio Deportivo) (via ElDesmarque) (via MARCA) (via Mundo Deportivo)
ミケル・ベスガ、アルメリアへの完全移籍が目前に
アスレティックの中盤を長年支えてきた33歳のベテラン、ミケル・ベスガの退団が秒読みとなっています。予想外の展開が起こらない限り、彼はラ・リーガ・ハイパーモーション(2部)の昇格最有力候補であるUDアルメリアへ移籍することが確実となりました。
退団の最大の理由は、エディン・テルジッチ監督の構想外となったことです。プレシーズン開始直後、監督から直々に戦力外であることを伝えられました。中盤にはジャウレギサル、ルイス・デ・ガラレタ、ベニャト・プラドス、アレハンドロ・レゴ、ベニャト・ゲレナバレナといった選手が揃い、さらにペイオ・カナレスやセルトン・サンチェスといった若手も台頭しているため、昨季終盤から出場機会が減少していたベスガがポジションを確保するのは実質的に不可能となっていました。
アスレティックとは2027年6月30日まで1年間の契約が残っていましたが、クラブは違約金を要求せず、契約解除という形で彼を送り出す見込みです。これによりクラブはベスガの給与負担を削減できます。
アルメリアとは2年契約を結ぶ予定で、年俸は税込み140万ユーロという、2部リーグとしては破格の好待遇となります。ベスガの元には、2部に降格したRCDマジョルカからのオファーや、経済的に非常に魅力的なサウジアラビアのアル・ファイサリーからのオファー、さらにはギリシャのPAOKテッサロニキからのオファーも届いていました。しかし、欧州のトップレベルでの競争力を保ちつつ昇格を目指すアルメリアのスポーツプロジェクトと、充実した財政条件に惹かれ、他のオファーをすべて拒否しました。
2019年からトップチームに定着したベスガは、これまで公式戦275試合に出場し、10ゴール12アシストを記録。その献身的なハードワークとチームへの深い愛情で、アスレティックの目標達成に大きく貢献してきた功労者として、惜しまれつつビルバオを去ることになります。(via Estadio Deportivo)
ニコ・ウィリアムズ、欧州5大リーグ最長契約の真価
ニコ・ウィリアムズを取り巻く状況は、欧州のサッカー界でも極めて例外的なものとなっています。彼は現在、欧州5大リーグにおいて最も契約期間が残っている選手という前例のない立場にあります。
昨夏(2025年)、FCバルセロナが攻撃陣の最優先補強ターゲットとして数週間にわたり彼の獲得に向けて交渉を進めていましたが、アスレティックは7月4日に2035年6月までの10年間の契約延長を電撃発表しました。違約金も大幅に引き上げられ、移籍市場におけるメガクラブの攻勢を完全にシャットアウトする強烈なメッセージとなりました。
しかし、その後のシーズンはニコにとって決して平坦なものではありませんでした。慢性的な恥骨炎や、それに起因する筋肉のトラブルに悩まされ、シーズンの多くの期間で継続的なプレーができませんでした。クラブは手術を回避し、特別な保存療法と慎重な起用法を選択。そのため、公式戦の出場は32試合(ラ・リーガで25試合、チャンピオンズリーグで3試合)にとどまり、6ゴール7アシストと、本来の爆発力を考えればやや物足りない数字に終わりました。
この怪我の影響は今夏の2026年ワールドカップまで尾を引きました。鼠径部やハムストリングに不安を抱えたまま大会に臨み、さらにグループリーグで内転筋を負傷したため、2024年のEUROのような絶対的な主役としてのプレー時間は得られませんでした。それでも、ピッチに立てばその圧倒的な違いを見せつけ、アルゼンチンとの決勝戦では、延長戦の106分にフェラン・トーレスの劇的な決勝ゴールを完璧なクロスでアシスト。スペイン代表の2度目のワールドカップ制覇に決定的な仕事をしてのけました。
メガクラブが依然として彼の動向を注視しているものの、アスレティックはバルセロナの誘惑を退け、2035年までの超長期契約を結んだことで、移籍市場においてかつてないほど強固な立場を築いています。怪我さえなければ間違いなく世界で最も決定力のあるウインガーの一人である彼に対し、クラブは絶対的な信頼を寄せており、クラブの未来を託す象徴として大切に守り続けています。(via SPORT)
【本日の総括】
アスレティックはプレシーズンでブルゴスに3-0で快勝し、新体制での守備の安定と若手の躍動を見せつけました。一方で、長年チームを支えたミケル・ベスガは構想外となりアルメリア移籍が決定的に。また、欧州最長契約を結ぶ至宝ニコ・ウィリアムズは、怪我に苦しみながらもワールドカップ優勝に貢献し、クラブの絶対的な柱として君臨しています。