セビージャFC
ストライカーのアコル・アダムスがヴェネツィアへ移籍することが確実となっている。移籍金は固定1600万ユーロに加え、達成が容易な変動ボーナス400万ユーロ、やや困難なボーナス300万ユーロが設定され、最大で総額2350万ユーロに達する非常に有利な取引となる見込みだ。セビージャは昨冬に同選手を550万ユーロで獲得しており、大幅な売却益を得ることになる。この資金は新加入選手(ブラホディモス、サンガンテ、フアン・イグレシアス、グリディ)のリーグ登録に充てられる。アダムス自身も、セリエA昇格組ながら野心的なプロジェクトを掲げるヴェネツィアへの移籍を熱望していた (via Estadio Deportivo)。
さらに人員整理は進んでおり、左サイドバックのオソ(ホアキン・マルティネス)にはフィオレンティーナが1200万ユーロでの獲得オファーを提示し、数日中の決着を目指している (via Estadio Deportivo)。また、度重なる負傷に苦しんだタンギ・ニアンズもリールへの移籍に向けて詳細なメディカルチェック(心臓の検査)を受けており、合格すればセビージャが給与の一部を負担する形で放出される予定だ (via Estadio Deportivo)。
プレシーズン最初の親善試合として、プリメーラRFEFのフベントゥド・トレモリーノスと無観客で対戦し、1-0で勝利を収めた。ルイス・ガルシア・プラサ監督は前半と後半で全く異なる23人の選手を起用し、新加入のサンガンテ、グリディ、フアン・イグレシアスらも実戦デビューを果たした。51分にカンテラーノのヘスス・クルスが獲得したPKをミゲル・シエラが沈め、これが決勝点となった。移籍が近いアダムス、オソ、ニアンズのほか、戦力外通告を受けているラファ・ミル、ジョアン・ジョルダン、フェデ・ガットーニ、ファビオ・カルドソらは出場しなかった。また、親善試合に先立ち、マルカオが右大腿四頭筋の浮腫、オソが右足首の軽い捻挫によりプレシーズンを離脱することがメディカルレポートで発表されている (via SPORT)(via Estadio Deportivo)(via ElDesmarque)。
かつてのゼネラルディレクターであるホセ・マリア・クルス氏が、2005年のセルヒオ・ラモスのレアル・マドリード移籍について回顧し、当時のデル・ニド会長が違約金2700万ユーロの満額支払いをマドリーに要求したことで関係がこじれ、ファンに敵対的な退団であるかのような印象を与えてしまったと明かしている (via Mundo Deportivo)。
バレンシアCF
新加入のアルゼンチン代表MFギド・ロドリゲスがインタビューに応じ、バレンシアをスペインにおける「第二の故郷」と感じており、家族も街と学校を気に入っていると明かした。プライベートではアサード(アルゼンチン風の焼肉)を振る舞うことやマテ茶を飲むのが好きで、現在は『神との対話』という本を読んでいると語っている。ピッチ上ではリーダーシップを発揮し、今季限りとなる現メスタージャの最終年に向けて、ファンとクラブが団結してヨーロッパの舞台を目指すことを誓った (via ElDesmarque)(via Mundo Deportivo)。
アルシラで開催されたバレンシアのペーニャ(公式ファンクラブ)の第30回大会にて、新シーズンからペーニャの本部が新メスタージャ内に移転することが正式に発表された。このイベントにはギド・ロドリゲスとともに、新加入の日本人MF佐藤龍之介も出席し、ファンから大歓声で迎えられた。佐藤はファンやスタッフからの温かいサポートに感謝を示し、『バレンシアへの移籍は大きな挑戦でしたが、このクラブでプレーするというアイデアに非常に興奮しました。ウイングでも中盤でも攻撃的なポジションならどこでもプレーでき、チャンスメイクやアシスト、そして守備も楽しんでやれます。早くピッチに立ってチームを助け、信頼される選手になりたいです。バレンシアを本来の場所、ラ・リーガのトップに戻すことが目標です』と力強くコメント。さらにプライベートな話題として、『バレンシアの街の建築は素晴らしく、スペインの文化が大好きです。ゴルフもやりますが上手くはありません(笑)。ゲームはEAFCやeFootballをプレイし、アニメは「ブルーロック」と「ハイキュー!!」が好きです』と素顔を覗かせた。最後にファンへ向けて、『このクラブの情熱と歴史は理解しています。ピッチに立つ毎分、100%の力を出すことを約束します』と宣言している (via ElDesmarque)。
補強面では、W杯でベルギー代表が敗退したことを受け、ベテラン右サイドバックのトーマス・ムニエのメディカルチェックと契約(1年+1年のオプション)が近日中に完了する見通しだ。指揮官はフルキエが負傷中のため、右SBの早急な補強を求めている (via ElDesmarque)。
レアル・ベティス
フリーとなっているダニ・セバージョスの復帰に向けて、クラブは忍耐強く戦略を練っている。アヤックスもミチェル監督の強い要望で獲得に動いているが、セバージョス本人はベティス復帰を最優先としており、経済的な条件は二の次であると明言している。ベティス側は現在サラリーキャップに余裕がなく、彼をトップクラスの給与で迎え入れるためには放出を進める必要があり、選手側にもう少し時間をくれるよう要請している (via Estadio Deportivo)(via ElDesmarque)。
また、ジローナから降格した23歳のDFアルナウ・マルティネスにも関心を寄せている。選手自身もベティスへの移籍に強く惹かれているものの、現在は右サイドバックの人員が飽和状態にあるため、他国クラブからの関心を含めて市場の動向を見守っている段階だ (via Estadio Deportivo)。
昨夏加入したコロンビア人MFネルソン・デオッサの売却交渉も再開される見込みだ。ブラジルのバスコ・ダ・ガマと約1200万ユーロでの移籍が基本合意に達していたが、相手クラブの内部問題で保留されていた。問題が解決したため、ベティスは投資額の回収を目指し交渉を再開する (via Estadio Deportivo)。過去の移籍市場を振り返ると、ラモン・プラネス元SDが獲得したセルジ・アルティミラのスポルティングCPへの売却(1800万ユーロ)など、過去の投資がクラブに大きな利益をもたらしており、エズ・アブデについてもプレミアリーグからの関心に対し6000万ユーロの移籍金を要求する構えだ (via Estadio Deportivo)。
チームは現在ドイツのハルゼヴィンケルでプレシーズンキャンプを行っている。新加入のファクンド・ベルナルやフラン・ガルシアは既に合流しているが、アントニーは家族の事情で合流が遅れている。一方で、負傷離脱していたイスコ、マルク・バルトラ、アンヘル・オルティスらは順調な回復ぶりをアピールしている (via Estadio Deportivo)。また、スペイン代表が優勝したU-19欧州選手権では、ベティスの下部組織に所属するホセ・アントニオ・モランテが4ゴールで大会得点王に輝き、GKマヌ・ゴンサレスも全試合無失点の「サモラ」を達成して大活躍を見せた (via Estadio Deportivo)。
アトレティコ・マドリード
ポルトガルのスポルティングCPから、デンマーク代表MFモルテン・ヒュルマンドを獲得したことを公式発表した。移籍金は固定4000万ユーロ+変動500万ユーロで、2031年までの長期契約を結んだ。中盤での守備力や戦術眼に優れる27歳は、『子どもの頃から見ていたクラブであり、アトレティコの一員になるのは夢の実現です』と喜びを語り、シメオネ監督の求める攻守のバランスをもたらす存在として期待されている (via Mundo Deportivo)(via ElDesmarque)。
FWフリアン・アルバレスの去就問題については、元アトレティコのセルヒオ・アグエロが『彼は正直すぎただけで、話し合いで解決できる。アトレティコに残ると思う』と後輩を擁護した。バルセロナはW杯終了後に約1億ユーロでのオファーを準備しているが、アトレティコ側は代役を確保するまでは放出に応じない強硬な姿勢を貫いている (via Estadio Deportivo)(via SPORT)。
昨季加入したアデモラ・ルックマンは、24試合で9ゴール4アシストを記録し、グリーズマン退団後の新たな攻撃の柱としてシメオネ監督から絶大な信頼を寄せられている (via MARCA)。また、DFマルク・プビルは加入当初に出場機会に恵まれなかった時期も『シメオネの兵士になりたい』という強い意志を貫き、現在では欠かせないセンターバックへと成長したことがドキュメンタリーで明かされた (via MARCA)。
ジローナFC
アヤックスのミチェル監督が古巣ジローナの戦力引き抜きを画策している。ダニ・セバージョス獲得が難航しているアヤックスは、ジローナのMFアゼディン・ウナヒにターゲットを切り替え、違約金2500万ユーロの値下げ交渉を行っている (via SPORT)。
一方でジローナは、バルサ・アトレティックでキャプテンを務める20歳のMFブリアン・ファリーニャスの獲得に向けて交渉を進めている。選手自身もセグンダでのプレーを望んでおり、レンタルか完全移籍かでバルセロナと調整中だ (via Mundo Deportivo)。
RCDマジョルカ
アルメリアを退団したアルナウ・プイグマルがフリーで加入し、すでにトレーニングに合流している。今夏、アドリ・フエンテス、ジト・ルヴンボ、アブバカ・スマホロに続く4人目の新戦力となる。プイグマルは『プリメーラのクラブであり、プロジェクトに惹かれた』と語り、多数の退団者が出たマジョルカの戦力補填としてルイス・ガルシア監督の戦術に組み込まれる (via SPORT)。
RCセルタ
マルコス・アロンソが契約延長の記者会見に臨み、『いくつか重要なオファーもあったが、ここでのプロジェクトの継続性や自宅からの近さ、ドレッシングルームの素晴らしい雰囲気を優先した』と述べ、新たに2年契約を結んだ。また、自身の年齢に対するフィジカルの不安を一蹴し、『今はキャリアで最高の時期かもしれない』と自信を覗かせた (via ElDesmarque)。
また、カンテラ出身のMFウーゴ・ソテロが、出場機会を求めてレバンテへレンタル移籍することで大筋合意に達した。現在は買取オプションの有無について最終調整が行われている (via SPORT)。
かつてセルタを率いたエドゥアルド・ベリッソ元監督は、現在のクラウディオ・ヒラルデス監督が率いるチームについて『私たちがやっていたような殴り合いのサッカーではなく、ポゼッションで美しく崩す素晴らしいサッカーをしている』と高く評価している (via SPORT)。
ヘタフェCF
ドミニカ共和国代表FWピーター・フェデリコを、ポーランド1部のグールニク・ザブジェへ完全移籍で放出した。昨季はレアル・バジャドリーへレンタルされ、セグンダで一定の成績を残したが、ヘタフェの構想からは外れていた。これで今夏のヘタフェの退団者は8人目となる (via SPORT)。
アスレティック・クラブ
昨季ミランデスへのレンタルで15ゴールを挙げたFWウルコ・イセタを、カディスへ完全移籍で売却したことを発表した。アスレティックは固定の移籍金(約150万ユーロ)に加え、将来の売却益のパーセンテージや優先交渉権などを保持する契約を結んでいる (via SPORT)(via ElDesmarque)。
また、怪我に悩まされたシーズンを過ごしたニコ・ウィリアムズだが、W杯の準々決勝ベルギー戦に途中出場してスペイン代表のベスト4進出に貢献。自身の誕生日をアメリカで迎えることになり、最高の形で復活をアピールしている (via Mundo Deportivo)。
RCDエスパニョール
下部組織出身のGKアンヘル・フォルトゥーニョがクラブと2030年までの契約延長にサインした。『エスパニョールで成功したい。ここは僕の家であり、スタメンを勝ち取るのが目標だ』と力強く語り、幼少期から憧れ続けたトップチームでの飛躍を誓っている (via Mundo Deportivo)。
【本日の総括】
移籍市場が佳境を迎える中、ラ・リーガ各クラブはそれぞれの目標に向けて活発な動きを見せている。セビージャは主力の高額売却によって新戦力登録のための資金を捻出する道筋を立て、アトレティコ・マドリードは中盤の要となる大物選手を確保して陣容を強化した。ベティスやセルタのように、自チームのプロジェクトの魅力や環境の良さを武器に、実力者を引き留める、あるいは呼び戻すための粘り強い交渉を続けるクラブの姿勢も目立つ。また、W杯やU-19欧州選手権でのスペイン人選手・下部組織出身選手の活躍が、各クラブのプレシーズンの勢いや移籍市場での価値に直結しており、若手からベテランまでチーム内の競争がさらに激化していくことが予想される。
デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
セビージャのプレシーズン初戦は、ルイス・ガルシア・プラサ監督が前後半でメンバーを総入れ替えし、新戦力の適応を優先した点が興味深い。特にサンガンテやグリディといった新加入組が実戦でどう立ち位置を確保するかは、今季のチームの可変性を占う試金石となる。一方で、アダムスやニアンズといった主力級の放出が確実視される中、戦術的な連続性をどう担保するのか。カンテラーノのヘスス・クルスがPKを獲得した場面のように、若手の突き上げが既存の序列をどう揺さぶるか、キャンプ後半の連携構築に注目したい。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
バレンシアのペーニャ集会での光景は、クラブとファンが新メスタージャという未来へ向けて結束を強めている象徴的なシーンだ。ギド・ロドリゲスや佐藤龍之介がファンと直接交流し、街への愛着を語る姿勢は、クラブのアイデンティティを再構築する上で非常にポジティブな影響を与えるだろう。セビージャのホセ・マリア・クルス氏による過去の回顧も、クラブの歴史的背景が現在のファン心理や経営判断にどう影を落とすかを物語っており、フロントの透明性が信頼回復の鍵を握っている。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
今夏の市場は、セビージャのように「売却益による登録枠の確保」という現実的な編成が目立つ。アダムスの取引は、昨冬の獲得から短期間で大幅な利益を生む理想的なモデルケースだ。一方で、ベティスのセバージョス復帰交渉は、サラリーキャップの制約と放出の連動が不可欠な、非常に難易度の高いパズルとなっている。アトレティコのヒュルマンド獲得に見られるような、長期契約を前提とした大型投資と、若手の売却益を再投資する各クラブの戦略の差が、今季の順位表にどう反映されるか注視が必要だ。