敵地メトロポリターノでアトレティコと2-2の激闘ドロー、数的優位を生かせず悔しさの残る結果に
アウェイで行われた第2節、アトレティコ・マドリード戦。ビジャレアルCFは、難敵ひしめくリヤド・エア・メトロポリターノにて2-2のドロー決着となりました。
前半は、新指揮官イニゴ・ペレス監督が仕込んだスタイルが抜群に機能。中盤の底で Pape Gueye が舵を取り、Alberto Moleiro や Nicolas Pépé、Carlos Romero らのインサイドへ侵入するアグレッシブなポゼッションにより、約85%の時間を相手陣内で過ごすなど試合を支配しました。前半6分に Pépé の素晴らしい仕掛けから Mikautadze に決定機が訪れ(Marc Pubill の決死のブロックに阻まれる)、さらに前半終了間際には Ayoze Pérez が Oblak との一対一を迎えましたが、防がれてスコアレスで折り返します。
後半に入り、試合は一気にヒートアップ。59分、アトレティコの Marc Pubill に左足の衝撃的なミドルシュートを teledirigido( teledirigido: teledirigido)で teledirigidoを teledirigido、先制を許しましたが、直後にビジャレアルが反撃。交代出場の Tajon Buchanan が Morten Hjulmand にエリア内で倒されPKを獲得すると、64分に同じく途中出場のエース、ジェラール・モレノがこれを沈めて 1-1 に追いつきます。さらに78分、Mikautadze が Robin Le Normand に倒されて得たPKを自ら決めて 1-2 と逆転。Le Normand が一発退場となり、勝利へ向けて完璧なシナリオが完成したかに見えました。
しかし85分、10人のアトレティコの執念に屈します。Álex Baena のスルーパスから Giuliano Simeone に抜け出され、低い右足シュートを決められて 2-2。メトロポリターノの熱狂的なスタジアムパワーと、交代で押し込まれる展開を管理しきれず、勝ち点3が手のひらからこぼれ落ちる非常に悔しい結果となりました。(via SPORT / via Estadio Deportivo / via Mundo Deportivo)
イニゴ・ペレス監督が語る試合の手応えと、1人多い状況で許した同点弾への猛省
イニゴ・ペレス監督は、試合後に結果に対するフラストレーションと、チームとしての確かな成長について熱い思いを明かしました。
『あそこ(メトロポリターノ)に行って、自分がイメージし練習で準備してきた通りの戦い方を表現し、それが上手くいっているのだから、パフォーマンスについては非常に満足していいはずだ。一番良い状態だった時間帯に失点したものの、しっかりとメンタルを立て直して2ゴールを奪い返した彼らの精神的な強さは素晴らしい。ただ、2試合で2つの引き分けという結果については全く満足していない。これは選手を責めているのではなく、もっと多くの勝ち点を積み上げられたという手応えがあるからこそのフラストレーションだ。分析は2つの方向、つまり結果・順位と、自分たちのアイデンティティや実行過程という「プロセス」に分けて行うべきだ。プロセスという点において、選手たちが新しいアイデアに心を開いてそれを忠実に実行している姿は、我々が完璧な軌道(良い道)に乗っていることを示している』
このように、チームの進化に大きな手応えを示しました。
一方で、1-2でリードし、さらに相手が1人少ない状況から許した同点ゴールに対しては厳しい評価を突きつけています。
『あの失点はどのように守るべきだったのか、そのディフェンスの戦術的コンセプトを何としても改善しなければならない。今季許した4つの失点のうち、数的優位がありながらもコントロールを失って許した今日の最後のゴールが最も気になる。人は状況が簡単に見えると、無意識のうちに「状況を支配できている」と錯覚してしまい、気が緩んでしまうものだ。アトレティコは監督の熱狂的なエネルギーやサポーターの声援を受けて火がつくチームであり、そうした心の隙を突かれて最も嫌なことが起きてしまった。我々はその展開を正しく解釈できなかった。守備を固めて守りに入ろうとしたのではなく、相手の圧力に押され、掴みかけていた勝利を失うことへの恐怖を感じてしまったのだ』
このように失点シーンを冷徹に分析し、試合の進め方に課題があることを認めました。(via MARCA / via Estadio Deportivo / via Mundo Deportivo)
エースのジェラール・モレノが復活!冷静なPKでメトロポリターノでのアウェイ選手得点王に
筋肉の過負荷(sobrecarga)という肉体的な不安から今回はベンチスタートとなったものの、60分にピッチに入り、エースの価値を証明したのがジェラール・モレノです。
モレノは投入からわずか4分後、Buchananが獲得したPKのチャンスにおいて、驚くほどの血液の冷たさ(冷静さ)を見せながらOblakを完全に欺いて右隅へとゴールを沈め、待望のシーズン初ゴールとなる同点弾を記録しました。
このゴールにより、モレノはアトレティコの本拠地リヤド・エア・メトロポリターノにおいて、なんと対戦相手の選手として通算4ゴール目を記録(22/23シーズン、23/24シーズン、24/25シーズン、26/27シーズンにそれぞれ1得点)。これまで3ゴールで並んでいたMayoral、Enes Ünal、Lewandowskiといった並み居るストライカーを追い抜き、「メトロポリターノの歴史において、最もゴールを奪った訪問者(アウェイ選手)」として単独トップの歴史的快挙を成し遂げました。
モレノは試合後、次のように複雑な心境を吐ろしています。
『激しい攻防が続き、攻守の入れ替わりが激しい狂った試合だった。勝ち越したあの時間帯に、もっと高いインテリジェンスとインテンシティを持ってゲームをコントロールすべきであり、避けることが十分にできたあの2失点目には大きな悔しさを感じなければならない。しかし、非常にレベルの高い難敵相手に、このようなアウェイのスタジアムで勝ち点を手にしたのはポジティブだし、このまま進んでいく必要がある。新しい監督は常に我々に多くの解決策を提示してくれるが、チームはまだ進化の途中だ。みんながプレーすることを楽しんでおり、新しい戦術コンセプトを非常によく吸収できている。イニゴ監督はフットボールを異なる角度から見ており、アイデアに溢れている。合流してからまだ2ヶ月足らずだが、私たちには大きな伸び代がある。素晴らしいスカッドとスタッフがいるので、ここからさらに良い化学反応が生まれるはずだ』
自身の偉業に奢ることなく、チームとしての成長に視線を向けました。(via MARCA)
相手守備を切り裂きPK獲得を誘発、Le Normandを退場に追い込んだ Mikautadze の脅威
前線で圧倒的な脅威を示し、アトレティコの屈強なディフェンスラインを終始パニックに陥れたのが、ジョルジュ・ミカウタゼです。
ミカウタゼは前半からスピードと力強いドリブルで Le Normand や Hancko を翻弄。前半6分には Nicolas Pépé のアシストパスから早くもシュートチャンスを創出し、前半終了間際にも鋭いシュートで Oblak を脅かしました。
そして最大の見せ場となったのが後半78分、自慢の快脚で抜け出し、背後から懸命に追走した Le Normand との一対一の競り合いに。エリア内に突入した瞬間、Le Normand に両手で押し倒されました。一度はプレーが続行され、Oblak に防がれたものの、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入により Hernández Hernández 主審がモニターをチェック。これが決定的な得点機会の阻止と判定され、ビジャレアルにPKが与えられるとともに、Le Normand には一発レッドカード(退場)が宣告されました。
この緊迫した局面において、ミカウタゼはジェラール・モレノと同様の右側(中くらいの高さ)に力強くPKを叩き込み、見事な逆転ゴール(1-2)を記録。審判の判定についてはアトレティコ側から「あのような通常の競り合いでペナルティを与えるべきではない」と不満の声が上がりましたが、元審判員の Iturralde González 氏や審判エキスパートたちは、単に体を入れた接触ではなく、両手であからさまに押しており、決定的なシュートを阻むファウルであるため、ペナルティおよび一発退場は100%正しいジャッジだと審判協会の正しいガイドラインに沿った判定であったと擁護。ミカウタゼのその類まれな走力と推進力が、アトレティコに最大の破壊をもたらした結果となりました。(via Estadio Deportivo / via ElDesmarque)
ミスを犯した選手をペナルティにしない!GKルイ・ジュニオールやフォイスに寄せる指揮官の厚い信頼
開幕戦のレーシング・サンタンデール戦において、ミスから不要な失点に関与したとして、現地メディアやサポーターから戦犯扱いされ厳しい批判に晒されていたGKルイ・ジュニオール(Luiz Júnior)とDFフアン・フォイス(Juan Foyth)の二人。
しかし、新指揮官イニゴ・ペレス監督は、そのような外部の雑音や一度のミスによって選手をベンチへと降格させ、信頼を損なうような「ペナルティ」を与える方針を完全に拒否しました。
監督は、たった一戦のみのパフォーマンスでジャッジするのではなく、構築しようとしているチームの背骨(骨格)を明確に定義し、信頼関係を醸成することを最優先に掲げ、今回も二人を全く同じ先発布陣のピッチに送り出しました。
ルイ・ジュニオールは前半にGrimaldoの強烈なシュートを見事なセーブで防いだほか、Mendozaの低いシュートを的確にキャッチ。フォイスも安定した対人の強さで相手ストライカーLookmanの動きを抑え込み、エリア内への侵入を防ぐなど奮闘。監督の寄せる厚い信頼に対して見事なパフォーマンスで応え、チームのアイデンティティ確立に向けた強固な土台となることを証明しました。(via Estadio Deportivo / via SPORT)
コモへの移籍最終調整でカンブワラが離脱、17歳の新鋭カルロス・マシアの公式戦デビュー
移籍市場の最終盤を迎え、ビジャレアルのスカッドにも明確な再編成の波が訪れています。
若きディフェンダーのウィリー・カンブワラ(Willy Kambwala)は、元スペイン代表セスク・ファブレガス監督が熱烈に獲得を要望しているイタリアのコモ(Como)への完全移籍が秒読み段階に入ったため、契約手続きやディテール調整に集中すべく、今回のマドリード遠征メンバーから完全に除外されました。また、アラサン・ディアッタ(Alassane Diatta)も前シーズンからの出場停止処分が残っているため引き続き欠場。Sergi Cardonaは筋肉の違和感によりCarlos Romeroにスタメンを譲りました。
一方で、非常に喜ばしい若手の台頭も見られました。あと1週間ほどで18歳の誕生日を迎える期待の中盤の超新星、17歳のカルロス・マシア(Carlos Maciá)です。事前のスタメン予想では、開幕戦でやや重さの見られたSanti Comesañaに代わって先発に入る可能性が囁かれていましたが、実際にはコメサーニャが先発し、マシアは後半79分に Nicolas Pépé に代わって投入されました。
敵地メトロポリターノの異様な緊張感の中、限られた出場時間でありながらも堂々と中盤をコントロールし、その抜群のセンスの片鱗を披露して公式戦デビューを飾りました。今後ビジャレアルの新たな心臓部として大きく花開くポテンシャルを見せつけました。(via Mundo Deportivo / via SPORT / via Estadio Deportivo)
敵地での異様な空気をイニゴ・ペレス監督はどう見たか、ブーイングに晒されたアトレティコのJulián Álvarezをめぐる狂騒
この日のメトロポリターノは、ピッチ内の激しい攻防だけでなく、ピッチ外の雑音によって異様な熱を帯びていました。その渦中にいたのが、今夏アトレティコからバルセロナへの巨額の移籍(バルサ側の1億ユーロ・6回分割払い提案が却下され、アトレティコ側が強硬に売却を拒否して残留となった経緯)を巡る culebrón (大騒動)の主役となったFWジュリアン・アルバレス(Julián Álvarez)です。
アルバレスはピッチ外での身勝手な振る舞いに憤ったサポーターから、ウォーミングアップの開始時、そして後半66分に途中交代でピッチに入った際にも、スタジアム中に響き渡る凄まじい大ブーイング(pitada)と激しい指笛を浴びせられました。
試合後、アトレティコの選手たちがスタンドに挨拶をする際にも、クラブはアルバレスをサポーターの怒りから保護(プロテクション)するため、選手たちに合流させず一人でロッカールームへ直行するよう命じるという、異常な「離婚状態」が明確になる光景が見られました。
この異様なアウェイの空気について尋ねられたイニゴ・ペレス監督は、動じることなく冷静に次のように語りました。
『正直なところ、私はスタジアムに漂っていたという不穏な空気をそこまで強くは察知していなかった。むしろ、彼らは1人少なくなって窮地に陥ってからの方が、一丸となってチームをプッシュし、熱烈に後押ししていたように感じた。アウェイのピッチに立つと、ゲームの集中力によって周囲の空気感に対する認知を失いがちだが、基本的には「どこの家でも煙突から煙は昇る(どこのクラブでも大小さまざまな苦労や問題は抱えているものだ)」ということだ。私たちは目の前のプレーに集中し、全力を尽くすだけだ』
このように、大人の態度で周囲の雑音を一蹴しました。(via SPORT / via Estadio Deportivo / via MARCA)
【本日の総括】
ビジャレアルCFは、第2節のアウェイでのアトレティコ・マドリード戦を2-2の激闘の末にドローで終えました。前半から圧倒的なインテンシティとポゼッションで試合を支配し、後半にPubillの先制弾を許しながらも、モレノのPK、そしてLe Normandを退場に追い込んだMikautadzeのPKで一時は1-2の逆転に成功。しかし、1人多い状況でGiulianoに痛恨の同点弾を許し、勝ち点3を逃す悔しい結果となりました。イニゴ・ペレス監督は、引き分けの結果にはフラストレーションを抱きつつも、チームの「進化のプロセス」には大いに満足しており、モレノのメトロポリターノでのアウェイ選手歴代最多得点記録や若きマシアのデビューなど、将来への大きな希望を感じさせる収穫の多いマドリードの夜となりました。
