ベルナルド・シウバ獲得 公式発表
レアル・マドリードは、マンチェスター・シティを契約満了で退団したポルトガル代表MFベルナルド・シウバの獲得を公式発表しました。マルク・ククレジャに続く今夏2人目の公式発表となります(モウリーニョ新監督の就任発表を含めると3人目)。契約期間は2028年6月30日までの2シーズンで、目標達成に応じた1年間の延長オプションが付帯しています。8月で32歳になる同選手ですが、フロレンティーノ・ペレス会長が定めた「30歳以上の選手は単年契約」という厳格なポリシーを破っての異例の契約となりました。モウリーニョの第1次政権時に加入したリカルド・カルヴァーリョ以来となるベテラン補強であり、監督は彼に対して、2010年のジネディーヌ・ジダンのようなロッカールームのまとめ役としての役割も期待しています。
獲得の裏側には、アトレティコ・マドリードやFCバルセロナとの熾烈な争奪戦がありました。特にバルセロナとは、デコSDと代理人のジョルジュ・メンデスが弁護士事務所で税務の専門家を交えて年俸約6000万ユーロという契約詳細を詰める段階まで進んでいました。しかし、モウリーニョ監督の就任が事態を急転させました。ホテル・サント・マウロで行われたホセ・アンヘル・サンチェス、ジュニ・カラファト、メンデス、モウリーニョの首脳陣会談で彼の獲得が最優先事項として設定されました。バルセロナ側がスタメンを確約できなかったのに対し、モウリーニョは絶対的な主力としての地位と、他クラブを凌駕する最高の経済的オファーを提示しました。ベルナルド・シウバ自身も『私を最も必要としてくれるチームを探す』と語っており、見事にマドリードが射止めました。契約金(移籍ボーナス)として1000万ユーロ(ネット)が支払われるとも報じられています。
戦術的な起用法としては、モウリーニョの基本布陣である4-2-3-1において、オーレリアン・チュアメニとボランチを組むか、トップ下、あるいは右サイド、さらには偽9番としての起用が予想されます。ペップ・グアルディオラの下で培われた戦術眼とテクニックは、スター選手の閃きに頼りがちだったチームに秩序をもたらす劇薬として期待されています。ヴィニシウスとキリアン・ムバッペの後ろに3列目を形成するオプションもあり、ベリンガムやアルダ・ギュレルとの共存も注目されます。一方で、この加入によりブラヒム・ディアスの出場機会減少や、負傷リハビリ中のロドリゴ・ゴエスとのポジション争い激化、さらにはフェデ・バルベルデのポジションがより後方(破壊的なボランチ)へ下がる可能性も指摘されています。(via SPORT)(via Estadio Deportivo)(via ElDesmarque)(via El Confidencial)(via MARCA)
新生モウリーニョ・マドリードの陣容と守備陣革命
今夏のマドリードはモウリーニョ監督の強い要望により、守備陣の再構築を最優先事項としています。すでにデンゼル・ドゥンフリースの獲得(契約解除金2000万ユーロを支払い済み)とイブラヒマ・コナテの右CBとしての加入が事実上決定しています。さらに左サイドバックとして、チェルシーからスペイン代表マルク・ククレジャを移籍金5500万ユーロ+ボーナス500万ユーロで獲得し、2032年までの6年契約を結びました。モウリーニョは彼のアグレッシブさ、競争力を高く評価しており、『ナイフを口に咥えてやって来るような、守備の激しさをもたらしてくれる選手だ』とその姿勢を絶賛しています。左SBだけでなく、ウイングバックや3バックの左CBとしても計算されています。イングランドではモウリーニョがククレジャの戦術的規律や適応能力を高く評価していると報じられており、スポーツジャーナリストのファンマ・カスターニョはペレス会長のククレジャ獲得の手腕を『真のマスターピースだ』と称賛しています。
そして、モウリーニョは最終ラインの完成に向けてもう一人のCB獲得を熱望しています。候補の一人がインテルに所属するイタリア代表アレッサンドロ・バストーニです。先週末に行われたレジェンドマッチの際、フロレンティーノ・ペレス会長とインテルのマロッタCEOが直接会談し、移籍金について話し合いました。インテルは約7000万ユーロを要求しており、値下げには応じない構えです。モウリーニョはマンチェスター・シティのルベン・ディアスとの間で最終的な決断を下す見込みです。
また、ボルシア・ドルトムントのドイツ代表ニコ・シュロッターベックも強力なターゲットです。ドルトムントとの契約延長により契約解除金は約5000万ユーロに設定されていますが、マドリードは敵対的買収を避け、円満な形で解除金満額の支払いを検討しています。モウリーニョにとって彼は今後の10年を担う主力CBと評価されており、W杯でのパフォーマンス(すでにキュラソー戦でゴールを記録)を注視し、大会終了後にプレシーズンに向けて獲得を完了させる計画です。右サイドバックには、すでにチームに在籍しているトレント・アレクサンダー=アーノルドも控えています。(via SPORT)(via ElDesmarque)(via AS)(via La Gazzetta dello Sport)(via COPE)
アントニオ・リュディガー 契約延長
レアル・マドリードは、ドイツ代表DFアントニオ・リュディガーとの契約を2027年6月30日まで1年間延長したことを公式発表しました。33歳のリュディガーは2022年にチェルシーから4年契約で加入して以来、カルロ・アンチェロッティ、シャビ・アロンソ、アルバロ・アルベロアという歴代監督の下でディフェンスリーダーとして活躍してきました。これまで182試合に出場し8ゴールを記録しています。昨季は負傷の影響で出場機会が減少し、契約延長交渉が遅れていましたが、無事に合意に至りました。来季もコナテやシュロッターベックらと激しいポジション争いを繰り広げることになります。(via MARCA)(via SPORT)
オペレーション・サリダ(放出)大苦戦中の9選手
新たな選手の加入に伴い、クラブは人員整理(オペレーション・サリダ)を急いでいますが、対象となる9選手の放出は完全に停滞しています。
1. アルバロ・カレーラス: 昨夏にベンフィカから5000万ユーロで獲得したものの期待外れに終わりました。モウリーニョはククレジャの控えとして構想に入れていますが、選手本人は出場機会を求めています。チェルシーの新監督シャビ・アロンソがククレジャの穴埋めとして彼の獲得を熱望しており、マドリードは投資額の5000万ユーロを回収できるなら放出を容認する構えです。現在のグロス年俸は890万ユーロで、23歳、2031年までの契約を残しています。市場価値は6000万から5000万ユーロに落ちています。
2. フェルラン・メンディ: クラブ側は2027年まで、選手側は2028年まで契約があると主張しています。度重なる筋肉のトラブルにより5月に大腿直筋腱の手術を受け、復帰は2027年になる見込みです。クラブもモウリーニョも構想外としていますが、31歳でグロス年俸1040万ユーロを受け取っており、2021年に5000万ユーロだった市場価値が現在は400万ユーロまで暴落しているため、放出は困難を極めています。
3. フラン・ガルシア: 2027年までの契約を残しており、1月にボーンマスへの移籍が土壇場で破談しました。市場価値は1800万から1000万ユーロに下落し、グロス年俸は520万ユーロ。現在はベティスがマヌエル・ペレグリーニ監督の承認を得て獲得を狙っていますが、マドリードは移籍金1000万ユーロを要求しています。
4. エドゥアルド・カマヴィンガ: 2029年までの契約。23歳。昨季は素行不良やコミットメント不足が指摘され、シャビ・アロンソ、アルベロア体制下で問題視されました。ベルナベウのファンからも批判を浴び、フランス代表のデシャン監督からも落選させられています。モウリーニョの構想外リストに入っており、インテルのマロッタ会長が直接フロレンティーノ会長に獲得を打診しました。本人は退団を望んでいませんが、セリエAへの移籍の可能性が探られています。
5. フランコ・マスタントゥオーノ: 2031年までの契約。ベルナルド・シウバの加入により放出かベンチ要員になることが決定的です。クラブは売却を望んでいますが、本人はマドリード残留を固辞しています。
6. ロドリゴ・ゴエス: 2028年までの契約。大怪我からのリハビリ中で、新たなアタッカー獲得のための資金源としてクラブは放出を容認する構えですが、本人は退団の意思がありません。ベルナルド・シウバの加入で右サイドのポジション争いは激化しています。
7. アルダ・ギュレル: クラブは今夏のローン移籍を検討していましたが、モウリーニョが非常に気に入っており、残留する可能性が高まっています。
8. ディーン・ハイセン&アセンシオ: 新たなCB獲得により余剰人員となっており、枠を空けるための退団が濃厚です。ハイセンは昨夏加入後、期待された活躍ができませんでした。
(via Mundo Deportivo)(via ElDesmarque)(via SPORT)(via AS)(via Simon Phillips)
ダニ・セバージョスの去就とフリー退団要求
ダニ・セバージョス(2027年までの契約)の移籍問題も難航しています。先日、アヤックスとの交渉が進んでいると報じられましたが、本人がSNSで『フェイク(嘘)だ』と一蹴して破談となりました。セバージョスの本命は古巣ベティスへの復帰であり、マドリード側に『残り契約期間の年俸を放棄する代わりに、この夏にフリートランスファーで退団させてほしい』と直訴しました。しかし、マドリード首脳陣はこの要求を断固拒否し、移籍金の回収を求めています。昨夏は1500万ユーロを要求していましたが、現在の彼の市場価値は約700万ユーロとされています。ベティスのマヌ・ファハルドSDも中盤の補強として歓迎しており、ペレグリーニ監督も了承済みですが、多額の移籍金は支払えないため、マドリードが要求を下げるのを待つ長期戦の構えを見せています。(via Estadio Deportivo)(via The Athletic)
ニコ・パス、コモへの残留を決断
21歳になり、アルゼンチン代表としてW杯に参加しているMFニコ・パスは、自らの去就についてレアル・マドリードに決断を伝えました。彼はセスク・ファブレガス率いるイタリアのコモでさらにもう1シーズンプレーすることを優先しました。コモは来季チャンピオンズリーグに出場するため、最高レベルでの出場機会を確保したいという強い希望があります。ベルナルド・シウバらの加入やモウリーニョ新監督の就任により、マドリード復帰しても出番が見込めない状況も判断を後押ししました。昨季のコモでは40試合で13ゴール8アシストを記録し、キープレーヤーとなっています。マドリードは2027年6月30日まで1000万ユーロで彼を買い戻す優先オプションを保持しており、引き続き彼の動向を注視しつつ連絡を取り合っています。また、彼の将来の移籍にはマドリードの承認が必要となります。(via ElDesmarque)(via AS)
カンテラ出身ラウル・アセンシオの裁判動向
カンテラ出身のDFラウル・アセンシオは、2023年夏にグラン・カナリア島のアマドレスのクラブで未成年者を含む女性との性行為の動画を同意なしに撮影・拡散した事件の裁判に直面しています。カナリア諸島検察庁は当初、禁錮2年半を求刑していましたが、法廷で被害者2名に対して正式に謝罪することを条件に、求刑を取り下げる方針で合意しました。アセンシオはすでに被害者に『友人に動画を見せるという過ちを犯した』と謝罪の手紙を送り、補償金も支払って被害者側も告訴を取り下げていますが、法的な手続きとして出廷し謝罪することが求められます。これにより、収監は免れる見通しです。他の関与した3名の選手(フェラン・ルイス、フアン・ロドリゲス、アンドレス・ガルシア)には児童ポルノの拡散などの罪で4年7ヶ月の厳しい求刑がなされています。(via ElDesmarque)(via SPORT)(via Canarias 7)
W杯でのムバッペの活躍と波紋
W杯グループIでフランス代表として出場したキリアン・ムバッペは、セネガル戦(3-1で勝利)で2ゴールの大活躍を見せました。前半は焦りからミスを連発し、DAZNで解説を務めていたクロード・マケレレからは『一体どうしたいんだ?ボールと一緒にゴールに入りたいのか?全て自分一人でやろうとするのが彼のエゴイストな問題だ。チームでプレーしていない』と酷評されました。しかし後半、マイケル・オリーズからの極上のアシストを受けて先制点を決めると、試合終了間際にはエリア外からのミドルシュートで2点目を奪い、批判を黙らせました。このゴールで彼はフランス代表での通算得点数を58とし、オリヴィエ・ジルー(57ゴール)を抜いて同国歴代最多得点記録を更新しました。また、W杯通算得点も14となり、ゲルト・ミュラーに並び、ミロスラフ・クローゼ(16ゴール)の記録に迫っています。
ゴール後、ムバッペはフルートを吹く真似をするセレブレーションを披露しました。これは以前、Fox Sportsの「After Hours」という番組でジェームズ・コーデンと共演した際、フルートに挑戦してうまく吹けず、『W杯でゴールを決めたらこのポーズをする』と約束していたものを果たした形です。試合後、ムバッペは『私は復讐のためにプレーしているわけではない。批判を黙らせたいなら80歳までプレーしなきゃいけない。私は自分の国のためにベストを尽くすことだけに集中している』と語りました。
一方で、エル・チリンギートのジョセップ・ペドレロルは彼に対して厳しい見方を示しました。『私は7年間ムバッペを擁護し続けたが、才能だけではマドリードで誰も成功できない。マドリードのファンは怠慢や無気力を絶対に許さない。世界一であるならば、誰よりも称賛されると同時に誰よりも批判されることを受け入れ、少しの謙虚さを学ばなければならない』と苦言を呈しています。なお、他のマドリード関連選手では、イングランド代表のトレント・アレクサンダー=アーノルドがトーマス・トゥヘル監督から不可解な理由で招集外にされ、波紋を呼んでいます。(via ElDesmarque)(via MARCA)(via Mundo Deportivo)(via DAZN)(via Fox Sports)
フリアン・アルバレスへの1億5000万ユーロのオファーの噂
アトレティコ・マドリードのアルゼンチン代表FWフリアン・アルバレスに関して、レアル・マドリードが1億5000万ユーロのオファーを提示したと公式声明で発表したという情報が一部で流れました。しかし、彼を追うFCバルセロナ側は、これを「幻のオファー」と見なしており、バルサの内部では『ゲームは続いている。我々は我々の道をいく』と冷静に受け止められています。(via SPORT)
【本日の総括】
モウリーニョ監督の復帰に伴い、ベルナルド・シウバやククレジャの獲得など陣容の刷新が急ピッチで進むレアル・マドリード。しかし、オペレーション・サリダ(放出)は難航を極めており、セバージョスやメンディらの去就問題が今後の大きな課題となりそうです。また、W杯で輝きを放つムバッペには、マドリードでの成功に向けた厳しい期待とプレッシャーが寄せられています。
デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
ベルナルド・シウバの加入は、モウリーニョが目指す「秩序ある攻撃」の要となるでしょう。個の閃きに依存しがちだった前線に対し、彼が加わることで中盤から前線にかけての距離感が整理され、ビルドアップの出口が明確になります。特に4-2-3-1のトップ下や右サイドでの起用は、ヴィニシウスやムバッペの背後でゲームをコントロールする役割を担うはずです。バルベルデをより後方に配置するオプションも含め、モウリーニョが求める「規律と強度」をピッチ上で体現する、戦術的な潤滑油としての活躍を期待しています。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
モウリーニョ監督の就任は、クラブの空気を一変させました。ベルナルド・シウバ獲得におけるバルセロナとの争奪戦を制したことは、新体制の求心力を象徴しています。一方で、放出候補の選手たちが抱える契約問題や、ムバッペに対するメディアの厳しい視線は、マドリードというクラブが常に背負う重圧の表れです。監督が求める「守備陣の革命」と、それに伴う冷徹な人員整理は、クラブが再び勝利の文化を再構築しようとする強い意志の表れであり、今後のフロントの舵取りが注目されます。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
ベルナルド・シウバとの契約は、30歳以上の単年契約というクラブの原則を覆す異例の決断です。これは短期的なタイトル獲得を最優先するモウリーニョ体制の意向が強く反映された結果でしょう。一方で、放出対象の9選手が抱える高額年俸や市場価値の下落は、編成上の大きな足枷となっています。特にセバージョスやメンディのケースは、契約期間と選手の希望が乖離しており、クラブのキャッシュフローと登録枠を圧迫しています。今後は、新規獲得のスピード感と、いかに効率的に余剰人員を整理できるかが編成の鍵となります。