「補強ゼロ」の誇り:レサマから覚醒する若き獅子たちとアダマの移籍

アスレティックは今夏の移籍市場において、ラ・リーガの全20クラブの中で唯一、外部からの補強を一切行いませんでした。これは一見、戦力的な停滞のようにも映りますが、実際にはチームの底力を支える伝統の下部組織「レサマ」の圧倒的な存在感を際立たせることになりました。

現在、テルジッチ監督の戦術において重要な役割を果たしている若手メンバーの多くは、今シーズンが始まるまでトップチームでの公式戦デビューすら経験していませんでした。その中でも最も輝きを放っているのが、ヘレナバルエナ(ヘレ)です。カステリョンへの期限付き移籍から復帰したレケイティア出身の若き才能は、トップチーム未デビューの立場から一気に頭角を現し、今や中盤の欠かせないレギュラーとしての地位を不動のものにしています。

また、ディフェンスラインではウゴ・リンコンがジローナへのレンタル移籍を経て大きく成長し、ついに念願のトップチームデビューを飾りました。

さらに、以前プリメーラでわずかにデビューを経験していたピオ・カナレスも、ラシン・サンタンデールからの復帰後、今シーズンすでに2試合で先発出場を果たすなど、トップチームの重要な戦力として確固たる地位を築いています。

プレシーズンからトップチームに同行しているヨハネコも、開幕からの4試合のうち実質3試合に出場。アトレティコ・マドリード戦の終盤には左サイドバックを務めるなど、指揮官の信頼を勝ち取っています。その一方で、同じ下部組織出身のアダマがウェストハムへとレンタル移籍を果たすなど、レサマ育ちの選手たちが国内外から高い評価を受けていることも証明されました。

また、前線では、開幕2試合で右ウイングを務めていたイニャキ・ウィリアムズをセルタ戦からセンターフォワードへと配置転換する大胆な決断が下されました。昨季の得点王であるゴルカ・グルセタをベンチに置くというこの決断は完璧に機能し、アトレティコ戦でも同じイニャキのセンターフォワード起用が繰り返されました。

新加入選手を一人も獲得せずとも、レサマの血を引く若き獅子たちが次々と覚醒し、新監督の可変戦術をピッチで体現している現状こそが、アスレティックが誇る育成組織の偉大さを物語っています。

(via Mundo Deportivo)

【本日の総括】

開幕2連敗の重苦しいスタートから一転、テルジッチ監督の緻密なシステム変更術と、ヘレナバルエナらレサマ出身の若きタレントたちの見事な覚醒により、セルタ戦とアトレティコ戦で連勝を飾り、疑問の声を完全に払拭しました。今夏「補強ゼロ」を貫きながらも、伝統の育成力と革新的な戦術で進化を続ける新生アスレティックの今後の躍進に、大きな期待がかかります。