開幕戦での痛恨の逆転負け
ラージョ・バジェカーノの新たなシーズンは、敵地サンチェス・ピスフアンでのセヴィージャFC戦における2-1の逆転負けという、非常に悔しい形で幕を開けました。試合は開始わずか3分、相手ディフェンダーのクリアミスを逃さなかったアルバロ・ガルシアが電撃的なゴールを決めて0-1と先制。幸先の良いスタートを切りました。
しかし、後半に入るとセヴィージャの選手交代による猛攻を受け、試合の流れが変わりました。後半にはアルバロ・ガルシアがエリア内で相手の若手選手を倒してしまいPKを献上。これを同点に追いつかれます。その後、ラージョは相手選手の一発退場により数的優位に立ったものの、試合終了間際のアディショナルタイムに中盤の危険な位置で痛恨のボールロストを犯し、カウンターを浴びました。エリア内で Florian Lejeune が相手を倒してしまい再びPKを宣告され、これを決められて万事休す。土壇場での逆転負けにより、開幕戦での勝ち点獲得を逃す極めて手痛い結果となりました。(via ElDesmarque, Estadio Deportivo)
物議を醸した決勝PK判定
試合終了間際に宣告された決勝PK判定は、ラージョ・バジェカーノの陣営に大きな怒りと不満をもたらしています。主審の De Burgos Bengoetxea がエリア内のタックルをPKと判断した際、VARのモニターで確認を一切行わずにそのまま宣告したことが最大の論争となっています。
ベニャト・サン・ホセ監督は試合後、非常に落胆した表情で以下のように不満をぶちまけました。
『今回の敗戦は受け入れがたいほど辛いものです。もし主審がVARの指示に従って自らモニターで確認しに行っていたら、おそらく判定を覆していただろう。私から見れば、相手に触っていないからです』
この判定を巡っては、元国際審判員の解説者が生放送のラジオ番組で、最初は『攻撃側の明らかなシミュレーションだ。ディフェンダーは一切触れていない。VARは介入してシミュレーションを行った選手にイエローカードを提示すべきだ』と激しく主張したものの、その後ズーム映像が流れると『いや、接触があったかもしれない』と慌てて前言を撤回する一幕がありました。
一方、元審判の専門家は、『接触自体は非常に軽いものだった。しかし、攻撃側が足を地面に着くために空中に浮かせた瞬間の接触であったため、彼のバランスを崩して転倒させるには十分なものだった。これがもし足が完全に地面に着いた状態での接触であればPKにはならなかっただろう。非常に際どいシーンだが、主審のPK判定は正しい』と審判擁護の意見を述べており、SNS上でも激しい議論が巻き起こっています。(via Estadio Deportivo)
先制ゴールの歓喜から悲劇のPK献上となったアルバロ・ガルシアの運命
この試合で最も目立つ存在となったのが、ラージョの攻撃を牽引したアルバロ・ガルシアでした。開始わずか3分、セヴィージャの守備の致命的なミスを見逃さず、素晴らしい嗅覚でボールを奪って先制ゴールを挙げ、チームに大きな歓喜をもたらしました。その後も持ち前のスピードを活かした鋭い突破で何度も相手守備陣を脅かし続け、この日の攻撃陣の中で最も輝きを放っていました。
しかし後半、守備の局面で悲劇が彼を襲いました。エリア内での激しい競り合いの際、セヴィージャの若手選手に一瞬早く体に入り込まれてしまい、後ろから倒す形でファウルを犯してしまいました。これによりセヴィージャに同点となるPKを献上することになり、前半のヒーローから一転して悔しさに顔を歪めることになりました。(via ElDesmarque, Estadio Deportivo)
負傷者続出による緊急布陣と粘り強いディフェンスラインの奮闘
ラージョ・バジェカーノは開幕戦を迎えるにあたり、ディフェンスラインに非常に深刻な負傷者欠場問題を抱えていました。その結果、本職ではない Iván Balliu が急遽左サイドバックとして先発出場する緊急事態となりました。しかし、バジウは慣れないポジションながらもベテランらしい落ち着いた対応で守備を安定させ、相手のアタッカー陣を相手に大きな破綻を見せることなく役目を全うしました。
また、Pathé Ciss も急遽センターバックへとポジションを下げて出場。持ち前のフィジカルの強さを活かして空中戦で抜群の強さを誇り、相手のパワープレーを何度も跳ね返す素晴らしい貢献を見せました。
センターバックの Florian Lejeune も、最後のPK献上のシーンまでは、相手のアタッカー陣に対して一切の容赦のないハードなディフェンスを見せており、空中戦の強さや果敢なロングシュートで攻守を牽引していました。
GKの Augusto Batalla も、前半に一度はPKを吹かれたもののVARによって取り消されるという運に恵まれ、その後も決定機を落ち着いたセービングで防ぎ続けていました。それだけに、最後の2本のPKによる失点はディフェンスラインにとって悔やまれる幕切れとなりました。(via ElDesmarque, Estadio Deportivo)
開幕戦における全選手査定と評価
ラージョ・バジェカーノの開幕戦における各選手の評価と寸評は以下の通りとなっています。
アウグスト・バタジャ(評価:5)
一度はエリア内での接触でPKを宣告されたが、VARによる主審の判定変更により救われた。相手攻撃陣の決定機をいくつか防ぐ粘りを見せたものの、2度のPKでの失点にはなす術がなかった。
アンドレイ・ラティウ(評価:6)
右サイドバックとして先発出場。豊富な運動量を活かして右サイドのタッチライン際を何度も往復し、鋭いスプリントで相手のディフェンス陣を警戒させる働きを見せた。
フロリアン・レジェヌ(評価:7)
終盤のアディショナルタイムにPKを献上するまでは、ディフェンスラインの絶対的な大黒柱として圧倒的な強さを見せていた。空中戦で強さを示すだけでなく、攻撃時には得意の強力なロングシュートでゴールを脅かした。
パテ・シス(評価:6)
チーム事情により急遽センターバックにポジションを下げて出場。空中戦において完璧な対応を見せ、ラージョの強固な守備ブロックの一部として大いに貢献した。
イバン・バジウ(評価:6)
負傷者が相次いだため、本職ではない左サイドバックとしてスクランブル出場。不慣れなポジションながらも冷静沈着なプレーに終始し、守備で手堅いタスクをこなした。
ウナイ・ロペス(評価:6)
中盤でゲームコントロールを担当。彼が中盤で落ち着いてボールを散らし、味方のポジションを押し上げている時間帯こそが、ラージョが最も主導権を握って良い形でアタッカー陣を走らせていた時間帯だった。
オスカル・バレンティン(評価:5)
中盤の底で相手の激しいプレッシングに立ち向かい、泥臭い守備タスクに奔走して中盤を支え続けたが、後半終盤になると明らかにスタミナ切れを引き起こしてしまった。
ホルジェ・デ・フルートス(評価:4)
昨シーズンのような圧倒的な輝きは見せられず、前線での仕掛けの精度を欠いた。一方で、相手からの激しいタックルを受けて相手の一発退場を誘発する働きは見せた。
イシ・パラソン(評価:4)
ヘディングシュートをゴールに流し込んでネットを揺らしたものの、シュートの直前に自身が相手を押し倒していたとしてファウル判定となり、ゴールは無効となった。試合全体を通じてバイタルエリアでの決定的な仕事は極めて少なかった。
アルバロ・ガルシア(評価:7)
相手のミスを見逃さずにゴールを奪い先制点を挙げる大活躍。しかし、後半にファウルを犯してしまい、手痛い同点PKを献上する結果となった。
ランディ・エンテカ(評価:5)
最前線で強固なフィジカルを活かしてターゲットマンとなり、相手ディフェンダーを背負いながら味方へのパス配給に奔走。しかし、彼自身がエリア内で直接シュートチャンスに絡む場面は少なかった。
セルヒオ・カメジョ(評価:5)
五輪で大活躍したストライカーだが、この日は左サイドの守備のサポートタスクに追われ、自慢の攻撃センスを披露する機会はほとんどなかった。
アレマオ(評価:5)
途中出場したものの、チーム全体が守勢に回っていたこともあり、良い形でのパスを受けることができず、相手センターバック陣との肉体的な競り合いのみに終わった。
フラン・ペレス(評価:4)
攻撃にさらなる厚みと推進力を加えるべく後半にピッチに投入されたものの、味方との連携が合わず、期待されたほどの存在感を発揮できなかった。
ペラヨ・フェルナンデス(評価:5)
守備の強度を保つために終盤からピッチに入り、相手の猛攻に対して身体を張った。
ペドロ・ディアス(評価:4)
試合終了間際の最も集中すべき時間帯において、中盤の危険な位置で致命的なボールロストを犯した。このミスから相手の電撃的なカウンターを招き、結果としてPK献上と決勝点に直接繋がってしまった。(via ElDesmarque)
【本日の総括】
開幕戦での白星スタートにあと一歩まで迫りながら、アディショナルタイムのPK判定によってセヴィージャに屈したラージョ・バジェカーノ。判定を巡る怒りと不満は残るものの、アルバロ・ガルシアの先制弾や緊急布陣での粘り強い守備など、今シーズン戦い抜くための確かなクオリティを示しました。次節に向けて、終盤の集中力の維持と、判定に惑わされない精神力の強化が課題となります。
