ウルグアイ戦の舞台裏:大雨、国王の観戦、ベンチの乱闘、ピノの涙
グアダラハラで開催されたスペイン対ウルグアイ戦の前後には、ピッチ外で多くのドラマがあった。試合前には熱帯性の嵐が15分間猛威を振るい、ファンはずぶ濡れになった上、厳重な警備によりスタジアムから徒歩45分の場所に車を停めざるを得ず、街は交通麻痺に陥った。スペイン代表は到着後、「カサ・デ・エスパーニャ」でファンとの交流イベントを開催し、ブトラゲーニョらがホストを務めた。試合当日には、スペイン国王フェリペ6世がメキシコ大統領との会談を終えてVIP席で観戦。バエナのゴールに大喜びし、王室のSNSを通じて『この勝利は数百万のスペイン人の希望を繋ぐものだ』と祝福のメッセージを発信した。しかし試合は荒れに荒れた。スペインの選手たちがウルグアイの激しいプレーについてマルセロ・ビエルサ監督に直接抗議すると、ウルグアイの控え選手たちが飛び出してきてスペインベンチに食って掛かり、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督も激怒して両ベンチが険悪な雰囲気になった。試合後、激しいタックルを受けて負傷交代したジェレミ・ピノがベンチで数分間泣き崩れ、家族やチームメイト、スタッフが総出で彼を慰めるという痛ましいシーンもあった。(via SPORT)
フェデ・バルベルデ、屈辱の途中交代と怒りの態度
ウルグアイのキャプテンであるフェデ・バルベルデにとって、スペイン戦は屈辱的な夜となった。0-1で負けている状況の中、わずか57分でマルセロ・ビエルサ監督から交代を命じられたのだ。バルベルデはピッチを出る際に呪詛を吐き、ユニフォームで口を覆って激しい怒りを露わにした。ビエルサ監督の横を通り過ぎる際の険しい表情と態度は、チーム内の不和を決定づけるものだった。ビエルサは試合後『攻撃に力と推進力を与えるためにフェデリコ・ビニャスと交代させた』と戦術的理由だと説明したが、誰もその言葉を鵜呑みにはしていない。それでも試合終了後、バルベルデは自身の怒りを脇に置き、敗退に落ち込むチームメイトたちを一人一人抱き起こして慰めるという、キャプテンとしての立派な振る舞いを見せた。(via ElDesmarque)
2400キロを旅したベネズエラ出身の熱狂的ベティスファン
メキシコのグアダラハラで行われたスペイン代表の試合で、一際目立つファンがいた。マイアミにあるベティスファンクラブ(第372支部)の仲間と共に2400キロの距離を旅して駆けつけた、ベネズエラ出身の「フランシスキート」だ。彼はDAZNのインタビューに対し『ベティスファンになった理由はただ一つ、小さい頃のサッカーコーチがベネズエラでベティスのファンだったからだ。今は死ぬまでベティコだ』と満面の笑みで語った。背中には背番号22とイスコの名前がプリントされており『一番好きなのはもちろんイスコだ。宇宙一のベティコだよ』と自慢げに話した。インタビュアーから、地震で大きな被害を受けた母国ベネズエラについて触れられると『気にかけてくれて本当にありがとう』と感謝の言葉を述べ、最後には『たとえ最下位でも常にチャンピオンに見える。ベティス!ベティス!ベティス!』とベティスの応援歌を熱唱した。(via Estadio Deportivo)
マルセロ・ビエルサのインタビューでの激怒と自虐的発言
ウルグアイの敗退が決まった直後、マルセロ・ビエルサ監督のイライラは頂点に達していた。ピッチ上で行われる「フラッシュインタビュー」の開始が遅れたことに激怒し、待機していた記者たちに向かって『早くしろ!』と怒鳴り散らした。皮肉なことに、その背景ではスタジアムのスピーカーからアイタナ・オカニャの明るい曲「スーパースター」が流れていた。その後の記者会見ではさらに重苦しい空気が漂った。ビエルサは『私の責任だ。選手たちが持っているポテンシャルを引き出せなかった』と敗因を自分に向けた。さらに、この3年間ウルグアイサッカーに何を残したかと問われると『何もない。3年働いても結果が出なければ、どんな貢献も定着することはない。コパ・アメリカでの3位も、予選での4位も無価値になった。私の時代は、何も残さなかった時代として記憶されるだろう』と徹底的な自虐発言でプロジェクトの終焉を匂わせた。(via ElDesmarque, SPORT, MARCA)
フェルナンド・ムスレラ、自ら交代を直訴し国民に謝罪
スペイン戦での失点に直結する致命的なミスを犯したウルグアイのGKフェルナンド・ムスレラは、ハーフタイムに自らビエルサ監督に交代を直訴した。40歳の大ベテランにとって残酷な幕切れとなったが、彼は試合後に逃げることなくメディアの前に立った。『私は隠れるタイプではない。常に顔を出してきた。これがウルグアイの皆さんに語りかける一番身近な方法だ』と語り始めた。『このスポーツでこんなに苦しむとは想像していなかった。自分の準備や努力を思うと余計に辛い。今日は私にそのツケが回ってきた』と沈痛な面持ちで語った。ロッカールームではチームメイトに深く謝罪し『それでは足りないとは思うが、全てのウルグアイの国民に謝罪する』と頭を下げた。(via MARCA, Mundo Deportivo)