イシ・パラソンの出場停止処分を巡る司法の救済と電撃復帰
ラージョ・バジェカーノのエースアタッカーであるイシ・パラソンに対し、裁判所から救いの手が差し伸べられました。今年4月26日に行われたレアル・ソシエダ戦において、審判のホセ・ルイス・グスマン氏に対して不適切な言葉を浴びせたとしてレッドカードを提示され、その後、合計7試合という極めて重い出場停止処分を科されていたイシ・パラソン。しかし、マドリード高等裁判所がこの処分に対して暫定的な執行停止の決定を下したことで、一転してラ・リーガの開幕戦からピッチに立てる青信号が灯りました。
パラソンは科された7試合の処分のうち、すでに昨シーズン終盤から今夏のプレシーズンにかけて、ヘタフェ戦、ジローナ戦、バレンシア戦、ビジャレアル戦、およびアラベス戦という5試合分の出場停止を消化していました。残り2試合の処分が残っている状態でしたが、高等裁判所の司法判断によりこの処分が一時的に凍結されたため、チームを率いるベニャット・サン・ホセ新監督にとっては、来週土曜日にサンチェス・ピスフアンで行われるセビージャとのアウェー開幕戦、およびその後に予定されているホームでのアラベス戦に向けて、これ以上ない強力な補強が現実のものとなりました。(via Estadio Deportivo)
自宅でのパートナーとの食事を凍りつかせた「7試合出場停止」通告の勘違いエピソード
イシ・パラソンが自らに下された前代未聞の重い処分を知らされた瞬間には、フットボール界の裏側ならではの奇妙で少しユーモラスな、しかし本人にとっては絶望的なエピソードが存在していました。
処分が決定した当時、パラソンは練習の合間の時間を利用し、自宅でパートナーと共に穏やかに昼食を取っていました。その最中、クラブのチーム代表者から彼のスマートフォンに突然の電話が入りました。電話口の代表者から『イシ、7だ』と告げられたパラソンは、自分がラージョで着用しているお気に入りの背番号のことだと思い込み、『ああ、そうだね。もちろん僕が背番号7をつけているよ』と何気なく答えました。
しかし、代表者から返ってきた言葉は『いや、そうじゃない。7試合の出場停止処分が下されたんだ』というあまりにも衝撃的な通告でした。パラソンは一瞬で血の気が引き、目の前にあった食事も一切喉を通らなくなってしまいました。当時のパラソンは『あそこで起きたことについては確かにその通りだが、それにしてもこの決定はあまりにもひどい、恥ずべきことだ』と強い衝撃と憤りを感じていたことを明かしています。(via Estadio Deportivo)
子供たちへの真摯な謝罪と前監督イニゴ・ペレスが叫んだ不当極まる判決への抗議
スペインサッカー連盟(RFEF)の規律委員会は、審判の報告書に記載されたパラソンから審判に対する「恥知らず」という表現を重く見ました。連盟の規定によれば、審判への抗議行為(規律コード第127条)として2試合の出場停止、さらに侮辱的な表現(第99条)として4試合の出場停止がそれぞれ個別に適用され、それらが合算されて計7試合という厳罰が下されていました。
このあまりにも機械的で重い処分に対し、当時ラージョ・バジェカーノを率いていたイニゴ・ペレス前監督は激怒し、記者会見で『イシが7試合もの出場停止処分を受けるというのは、あまりにも過度で、不釣り合いで、不当な決定だ。声を大にしてはっきりとそう言わなければならない。無視することはできない。決定されたことは受け入れるが、クラブがこの処分を減軽させるためにあらゆる努力をしている。非常に明白なケースなのだから、道理をわきまえた判断をしてくれることを願っている』とメディアの前で怒りをあらわにし、判定の不条理さを猛烈に訴えていました。
一方で、パラソン自身は時間の経過とともに冷静さを取り戻し、自らがピッチ上で見せた感情的な振る舞いがクラブのイメージを損ね、何よりも自分をヒーローとして見つめている若い世代に悪影響を与えたことを深く反省しました。彼はサポーターに対して真摯な謝罪を行い、『自分のリアクションは気に入っていない。ピッチ内での私たちの行動をそのまま鏡のように映し出す子供たちに対して、心から謝罪したい』と述べ、模範的なプロ選手としての責任を示すために頭を下げました。(via Estadio Deportivo)
昨季カンファレンスリーグ準優勝の偉業とベニャット・サン・ホセ新監督による難敵セビージャとの初陣
イシ・パラソンは2019年にラージョ・バジェカーノに加入して以来、その卓越したテクニックと決定力で、チームの絶対的な大黒柱として君臨し続けてきました。昨シーズンはイニゴ・ペレス前監督の戦術的な核として獅子奮迅の活躍を見せ、クラブ史上初となるUEFAカンファレンスリーグの決勝進出という歴史的な偉業を達成。決勝ではイングランドの強豪アストン・ヴィラに惜しくも敗れたものの、準優勝という輝かしい勲章をクラブにもたらしました。
31歳となり選手として完全に円熟期を迎えているパラソンは、今夏に招聘されたベニャット・サン・ホセ新監督のもとでもすでに厚い信頼を掴んでいます。プレシーズン中に行われたハーツ戦、シャルルロワ戦、そしてイプスウィッチ戦といった実戦テストでも積極的に起用され、新戦術への適応とコンディションの良さを十分にアピールしてきました。
新監督ベニャット・サン・ホセにとって、ラージョの指揮官としての公式戦初陣となるのは、敵地サンチェス・ピスフアンでのセビージャ戦という極めてタフなゲームです。クラブはすでに、今夏の補強の目玉としてラツィオなどでもプレーしたアルバニア代表DFマラシュ・クンブラの獲得を完了させており、守備の補強とイシ・パラソンの前線での電撃復帰という二つの好材料を手に、この難しい開幕の地へと乗り込みます。(via Estadio Deportivo)
ウナイ・ロペスとオスカル・バレンティンの新ダブルボランチ体制とバジェカススタジアムの不透明性
電撃的な復帰が決まったイシ・パラソンは、開幕戦において、チームの攻撃陣を長年共に牽引してきたホルヘ・デ・フルートスやアルバロ・ガルシアといった、昨季の欧州カップ戦準優勝を成し遂げた強力なメインキャストたちと再びスタメンの攻撃ラインを形成する可能性が極めて濃厚となっています。
また、サン・ホセ監督が描く新シーズンの基本戦術において、中盤の底を支えるダブルボランチのファーストチョイスとして、ウナイ・ロペスとオスカル・バレンティンのコンビが浮き彫りになっています。基本的にはこの強固な2人が大半のリーグ戦で中盤のバランスを取る主軸として稼働する見込みですが、新指揮官は毎節の対戦相手の特長や、選手のフィジカルコンディションを綿密に評価しながら、柔軟にスタメンを入れ替える方針をとっています。
なお、ピッチ外の懸念材料として、第2節に予定されているホームでのデポルティーボ・アラベス戦の開催状況が挙げられます。現在、本拠地エスタディオ・デ・バジェカスはスタジアムの利用可能性や改修状況が不透明な状態であり、試合の開催地や日程の最終決定は保留中となっています。(via Estadio Deportivo)
【本日の総括】
ラージョ・バジェカーノは、エースのイシ・パラソンが司法の救済措置によって開幕戦から出場可能になるという、シーズン開幕を前にして最大の吉報を受け取りました。昨季のカンファレンスリーグ準優勝を支えたデ・フルートスやアルバロ・ガルシア、さらに中盤の軸となるウナイ・ロペスとオスカル・バレンティンに新戦力クンブラを加え、ベニャット・サン・ホセ新監督のもとで敵地セビージャとの過酷な初陣、そしてスタジアムの利用可能性が懸念されるアラベス戦へと挑みます。