敵地リアソールでの開幕戦

エルチェCFは、デポルティーボ・ラ・コルーニャの本拠地リアソールに乗り込み、新シーズンの幕を開けました。試合は1-1の引き分けに終わりましたが、エルチェは終始ボールを握り続け、約62%のポゼッション率を記録してゲームを支配しました。しかし、デポルティーボのキーパーであるレオ・ロマンが5回もの決定的なセーブを披露し、エルチェの前に立ちはだかりました。序盤からアリ・ワリが活発に動き、6分に強力なドリブルからシュートを放ったものの枠を外れ、10分にはデビッド・アフェングルーバーのヘディングの跳ね返りを狙ったものの、キーパーの好セーブに阻まれました。16分にはGKディトゥーロがビルドアップで痛恨のパスミスを犯し、相手FWンソンゴにミドルシュートを放たれるピンチを招きましたが、ディトゥーロ自らが死守してコーナーへ逃れました。しかし21分、デポルティーボのアマトゥッチからの40メートルを超える正確なロングパスに対し、ブバ・サンガレとアフェングルーバーの間に連携ミスが生じ、マークを外したアバメヤンに鮮やかなコントロールから左足で先制点を決められました。後半に入り、フェル・ニーニョがビクトル・チュストからのスルーパスでキーパーと1対1になる絶好の機会を迎えましたが、シュートはキーパーの胸を直撃。こぼれ球を押し込もうとしたゴンサロ・ビジャールのシュートも、レオ・ロマンの信じられない片手セーブに防がれました。それでも76分、セペダが蹴ったコーナーキックのこぼれ球をビジャールが回収し、ペナルティエリア内に柔らかいクロスを送ると、マーク・アグアドが頭で正確に合わせ、レオ・ロマンの守るゴール右上の隅へとヘディングシュートを突き刺して見事に同点に追いつきました。その後も危険なカウンターを警戒しつつ守備のブロックを崩さず、1-1のまま勝ち点1を分け合いました。(via SPORT)

マルティン・アンセルミ監督の戦術

アルゼンチン人のマルティン・アンセルミ監督は、自身初となるスペインでの指揮に並々ならぬ情熱を燃やしています。プレシーズンを2勝(カイザー・チーフス戦、トゥールーズ戦)3分け(ジョホール戦、アル・アイン戦、コルドバ戦)の無敗で乗り切り、初戦のデポルティーボ戦でもその実力を証明しました。アンセルミ監督は、前任者であるエデル・サラビアがチームに植え付けた「ボールを保持して主導権を握る」という魅力的なアイデンティティを尊重し、それを継承することの重要性を語りました。監督は『エデル・サラビアは昨季、チームに明確なアイデンティティをもたらしてくれました。フロントが私を招聘したのも、そのアイデンティティに継続性を与えたいと考えたからであり、それは決して偶然ではありません。攻撃の際、私たちは同じ高い感受性と本質を持っています。もちろん、私独自のいくつかの細かな変化はあります。しかし守備に関しては、今日はすでに異なる変化が見られたはずです。なぜなら彼らは多くの局面でマンツーマン守備を行っていましたが、私たちはもっとチームとして守るべきだと考えているからです』と明確な戦術変更を強調しました。アバメヤンに許した先制点については、『アバメヤンのコントロールと素晴らしい決定力を褒めるべきですが、その前にボールがフリーになっていたことは許されません。あのように簡単にパスを蹴らせてはいけなかった。引いて守る相手が背後に脅威を与えている際には、最終ラインは常にその走りに追随しなければならないのです』と厳しい口調で守備のズレを指摘しました。また、試合結果について、引き分けに終わったことに満足せず『試合が終わると様々な感情が生まれますが、それらは現実ではありません。今持っている私の感覚としては、相手のキーパーが主役だったということです。エルチェは難しいスタジアムで戦い、ゲームのほぼすべての局面で私たちが優勢でした。本来であれば勝利に値したと感じています。フットボールは結果がすべてです。スコアは引き分けであり、引き分けに終わりました。勝つに値したと言うことは、検証不可能な領域に入り込むことになります。ただ、私にとってこの試合の主役はレオ・ロマンでした。失点の場面を除けば、相手に危険なチャンスをほとんど作らせなかったと思います。私たちは戦うためにここにいます。試合をビデオで見返せば、改善すべき多くの場面が見つかるはずですが、私が求めている絶対に欠かすことのできないもの、それは競争力とインテンシティです。それらは十分に発揮されていました。残りは細かい調整の部分に過ぎません』と語り、チーム全体の仕上がりに強い自信を示しました。(via Estadio Deportivo)

1200万ユーロの積極投資

エルチェCFは今夏の移籍市場において、1200万ユーロの資金を投じて合計8名の新戦力を迎え入れ、スカッドの強化に努めました。補強選手には、ゴンサロ・ビジャール、ブバ・サンガレ、ヴィクトル・チュスト、フェル・ニーニョ、Javi Morcillo、ファクンド・ブオナノッテ、ティツィアーノ・ペロッタ、エセキエル・ポンセが含まれます。特に、ポンセについては過去に売却したことで364万ユーロの移籍金収入を得ていましたが、今夏に復帰を果たす形となりました。一方で、チームは大きな放出にも直面しました。アンドレ・シルバやFebasが移籍したほか、フォワードのアルバロ・ロドリゲスをプレミアリーグのボーンマスへ完全移籍させたことで、2500万ユーロという非常に巨額の売却益を手にしました。これによりクラブの財政健全化が進みましたが、前線の陣容に若干の穴が生じたのも事実です。ペドロ・シノッカ・ゼネラルマネージャーは、アンセルミ監督の招聘について『昨季の成功を収めた後、私たちが長く蒔いてきた種に継続性を与えるという明確なビジョンがありました』と話し、市場の今後の動きについても『私たちはこれまで素晴らしい仕事をしてきました。おそらく、この市場の最終盤でもいくつかの動きを解決するための選択肢が残されています』と語り、ティツィアーノ・ペロッタの交渉を進めるなど、さらなる補強に意欲を見せています。また、現在抱えている最大の課題として、怪我のため開幕戦を欠場したディアンガナのコンディション不良が挙げられており、彼の一日も早い復帰が待たれます。(via MARCA)

マーク・アグアドとゴンサロ・ビジャール

チームの同点ゴールを演出したマーク・アグアドとゴンサロ・ビジャールの2人は、今シーズンのエルチェにおける絶対的な主軸として強い存在感を示しています。76分にビジャールのクロスから値千金のヘディングシュートを突き刺したアグアドは、試合後に『私たちは勝ち点3を獲得するつもりで臨んでいました。チャンスはありましたが、前半のほんの少しの連携のズレから失点を許してしまいました。ただ、全体的には非常に良い試合ができたと思います。誰が監督であるかに関わらず、このチームを定義するものは勇敢さでなければなりません。自分たちの特徴を理解し、監督の助けを借りながら最大限のポテンシャルを引き出すことが重要です。今シーズンの目標は楽しむことです。楽しむことができれば、結果は自然とついてきます。今日はたくさん走りましたが、とても楽しめました』と清々しい笑顔で語りました。また、アシストを記録したビジャールも『アウェイで勝ち点を獲得するのがどれほど難しいかは分かっていますが、私の考えでは、今日は私たちがゲームを支配していました。相手は前半の1-0のゴールの場面で、それほど大きな成果を出していたわけではありませんし、私たちはもっと多くのものを得るに値したと感じています。これからは自分自身が中心選手であると感じたいです。優れた選手が加入しては去っていく中で、私はここに残ってすべての責任を背負う存在になりたいと思っています』と熱く語り、クラブを背負って立つ強いリーダーシップを示しました。(via SPORT)

ユース世代の積極的な抜擢

開幕戦において、エルチェは多くの負傷者や選手登録の手続き遅れから、ファーストチームの契約選手がわずか6人しかベンチにいないという危機的な状況に直面しました。ベンチにはベテランのペドロ・ビガス、新加入のブオナノッテ、そしてポンセといった選手が控えていたものの、コンディションや実戦不足から起用が難しい状態でした。しかし、アンセルミ監督は勇敢な決断を下し、ユースチームから引き上げた10代の若い才能たちを次々とピッチに送り込みました。前半から活発に攻撃を牽引したアリ・ワリに加え、後半にはウマルやセペダを投入してゲームの流れを引き寄せました。さらに、試合の最終盤には20歳のハビ・モルシージョとアルバロ・パディージャをデビューさせ、過酷なリアソールでの試合を戦い抜くための戦力として機能させました。監督は『ウマルには出場時間を与えようと考えていましたし、セペダについては投入のタイミングを待っていました。後半の交代によってチームに深みが生まれ、相手のエリアへと押し込むことができました』と、若手たちの働きを称賛しました。この勇敢な選手起用は、今後の長いシーズンにおいて、エルチェの選手層に大きな厚みをもたらす重要なステップとなることでしょう。(via SPORT)

【本日の総括】

新生アンセルミ体制のもと、リアソールでの開幕戦に臨んだエルチェCF。デポルティーボのキーパーの驚異的なセーブに阻まれ1-1の引き分けに終わったものの、約62%のポゼッション率とゲーム支配力は、前任者から引き継いだ美しいアイデンティティの継承を証明しました。多くの離脱者や補強の遅れによる厳しい台所事情を救ったのは、10代の若いカンテラーノたちの勇敢な躍動であり、第2節に控えるバルセロナ戦という巨大な試練を前に、チームは非常に希望に満ちた確かな第一歩を踏み出しています。