ロドリ移籍破談の裏側とペレス会長の不興
ロドリとレアル・マドリードは個人契約条件で完全に合意に達していた。しかし、マンチェスター・シティへの提示額で決裂した。シティは8000万ユーロを求めたが、マドリーは3500万〜4000万ユーロに500万ユーロの変数を加えた総額最大4500万ユーロを上限とし、一回オファーを提示したのみで追加の交渉は行わずに手を引いた。一方、バルサは6500万ユーロに500万ユーロ変数の総額7000万ユーロ、または6000万ユーロに1100万ユーロ変数を提示してシティと合意。この破談の背景には、ロドリがマドリー会長選で落選した候補者エンリケ・リケルメと事前に合意を結んでいたことが、当選したペレス会長の不興を買ったという政治的事情がある。元マドリーのキーパーであるサンティ・カニサレスは『ロドリがレアル・マドリードに来ない理由は、落選した候補者と合意を結んでいたからです。フロレンティーノ・ペレスがどういう人物か皆さんは知っているでしょう』と明かしている。また、ホルヘ・バルダーノは『バルサにとって彼の価値は3500万ユーロだが、マドリーから彼を奪った価値は4000万ユーロに及ぶ。マドリーならチームに革命をもたらしていた』と語り、ロベルト・ゴメスは『トニ・クロースの退団以降、中盤が定まらず迷走している。彼を逃したのは深刻な過ちだ』と批判している。トマス・ロンセロは『私はロドリを求めていたのでこの件は痛む。だが、代理人がマドリーの誠意あるオファーを認めており不満はない。バルサを選択したロドリを倒す挑戦が楽しみだ』と意気込んでいる。(via ElDesmarque, Estadio Deportivo, MARCA)
プレシーズン最終戦シャルケ04戦の快勝と全スタッツ
プレシーズン最終戦において、マドリーはドイツのシャルケ04を0-3で下し、プレシーズンを無敗(5勝1分け)で終えた。試合は、6分にキリアン・エムバペが相手DFシャレンベルクのバックパスミスを奪い、ロリス・カリウスとの1対1を制して先制。20分にはアルダ・ギュラーのコーナーキックをディーン・ハイセンが頭で合わせて追加点を挙げた。57分にはアルバロ・カレーラスのアシストからカルロス・エスピがチーム全体の華麗な連係から3点目を奪った。スタメンは、クルトゥワ(後半ルニン、87分イリア)、トレント(61分ドゥムフリース)、コナテ(後半リュディガー)、ハイセン(86分マリオ・リバス)、カレーラス(61分ククレジャ)、バルベルデ(74分セステロ)、ベルナルド・シウバ(61分ベリンガム)、ブラヒム(61分ディオマンデ)、アルダ・ギュラー(後半カマヴィンガ)、ヴィニシウス(87分アレクシス・シリア)、エムバペ(後半カルロス・エスピ)が起用された。40分にエムバペ、71分にカマヴィンガが警告を受けた。終盤には、カルロス・エスピからの折り返しを受けたアレクシス・シリアが無人のゴール前でシュートを外す決定機逸もあった。プレシーズンは非公開のアルコルコン戦とレガネス戦、そしてフェレンツヴァーロシュ戦、デポルティーボ戦、シャルケ戦に勝利し、フィオレンティーナ戦を1-1で引き分けている。(via ElDesmarque, SPORT)
モウリーニョ第二次政権の戦術とボランチ転換案
ジョゼ・モウリーニョ監督はプレシーズンで4-2-3-1システムをテストし、強烈なプレスとコンパクトなブロック構築を課している。モウリーニョ監督は『チームとして正しい一歩を踏み出せている。新合流組のトップレベルの精神力に満足している。出場時間はデータに基づき科学的に管理している。シーズン開幕に向けて順調だ』と自信を見せた。しかし、中盤の要であるチュアメニが軽度の筋肉トラブルでプレシーズン戦は未出場となっており、開幕への不安が残る。このため、右サイドバックに新加入のドゥムフリースを据えた上で、トレント・アレクサンダー=アーノルドをボランチへコンバートする緊急プランが浮上している。トレントはイングランド代表でもボランチ経験があるが、背を向けた状態でのボール受け取りや守備の対応に課題を残した経緯がある。(via ElDesmarque, SPORT, MARCA)
ベルナルド・シウバの獲得とチームでの多才な役割
マンチェスター・シティからフリーで加入した32歳のベルナルド・シウバは、プレシーズンで極めて高い順応性を見せて絶賛されている。モウリーニョ監督は『ボランチの低い位置でもビルドアップを助け、トップ下でも快適にプレーできる。3〜4ポジションをこなせる万能性がある』と評価している。プレシーズンではアルダ・ギュラーの守備負担を軽減し、彼を自由に動かす最高の相棒として機能した。しかし、ディオマンデ、エムバペ、ヴィニシウス、ベリンガムといった攻撃陣を同時起用した場合、ベルナルド・シウバに大きな守備強度が要求されるが、彼は機動力を売りにするタイプではないため、大一番での守備バランスが課題となる。(via MARCA, SPORT)
アルダ・ギュラーの躍進とベリンガムとの競争
アルダ・ギュラーはプレシーズンで最も際立った活躍を見せ、モウリーニョ政権の主役に躍り出た。トルコ代表として挑んだワールドカップでグループステージ敗退した悔しさをバネに、プレシーズンを完璧に乗り切った。初戦のアルコルコン戦でPKを失敗したものの、トップ下としての創造性はピッチ上で輝きを放った。その左足のテクニックは、2010年にモウリーニョの下でブレイクしたメスト・エジルを彷彿とさせ、サポーターを虜にしている。ワールドカップ後の合流が遅れたジュード・ベリンガムに対し、ギュラーは仕上がりの良さで大きくリードしており、8月22日のエスパニョールとの開幕戦での先発起用が確実視されている。(via Mundo Deportivo, MARCA)
キリアン・エムバペのリーグ開幕に向けた意気込み
キリアン・エムバペは休暇明けの練習合流から間もないながら、プレシーズン最終戦で先発出場し、カリウスを破る先制点をマーク。高い運動量と、前線からの熱心な守備でコンディションの良さをアピールした。エムバペは『絶対にタイトルを勝ち取る必要がある。今年、我々は再びタイトルを獲得できると確信している。マドリディスタ全員に喜びを届けるため、一年中集中する。モウリーニョのような勝ち方を知る監督の存在は非常にポジティブだ。クラブもリーグもスペインでの生活も夢のようだが、今はただ勝つことが重要だ』と勝利への執念を語っている。40分には熱くなるあまりイエローカードを受けるなど、ピッチ上で並々ならぬ熱意を示している。(via SPORT, ElDesmarque)
ヤン・ディオマンデの加入とファーストチーム登録による25枠問題
ライプツィヒから、1億2500万ユーロに1500万ユーロの変数を加えた総額1億3500万ユーロを超えるクラブ史上最高額で獲得された19歳のコートジボワール代表ウイング、ヤン・ディオマンデがシャルケ戦の後半61分からデビューを果たした。30分間の出場で18タッチを記録し、ヴィニシウスへの好パスなどで非凡な才能を示した。ディオマンデは『マドリーからのオファーを断ることはできない。テレビで見ていた素晴らしい選手たちとロッカーを共有できるなんて信じられない。私を信じてくれた監督とクラブに感謝し、ハードワークしてすべてを勝ち取りたい』と喜びを語った。クラブはディオマンデをBチーム登録にせず、直接ファーストチーム登録したことで、ラ・リーガのプロ登録上限である25枠が完全に埋まる事態となった。これにより、新たな選手を獲得するためには、まず誰かを放出しなければならないという制約が生まれた。(via SPORT)
エンドリックの去就とカルロス・エスピの台頭
20歳のエンドリックは、昨冬にリヨンへレンタルされて21試合8ゴールを挙げたものの、ワールドカップでは決定機を逸してブラジル代表敗退の要因として批判された。今夏マドリーでの活躍を狙っていたが、レバンテから5年契約で加入した大型FWカルロス・エスピがプレシーズンで2ゴールを挙げ、その空中戦の強さからモウリーニョ監督の「試合を打開する切り札」としての信頼を急速に集めている。エンドリックは先発した親善試合で無得点が続き、シャルケ戦は右太もめの過負荷により欠場を余儀なくされた。これによりエスピに序列を奪われる形となり、残留が確実視されていたエンドリックの去就は再び不透明な状況となっている。(via ElDesmarque)
ククレジャ、コナテ、ドゥムフリースの加入動向と新生活
今夏、チェルシーから加入したマルク・ククレジャはシャルケ戦でデビューを果たしたが、ユーロ2024準々決勝のハンド判定を理由にスタジアムの観客から激しいブーイングを浴びせられた。ククレジャは『素晴らしい仲間たちのおかげで、すべてが簡単になっている。開幕が待ちきれない。ピッチ内で一つの団結したグループになることが重要だ』と語っている。ククレジャは自閉症スペクトラム障害を持つ息子のルーティンを確立するため、静かな環境であるボアディージャ・デル・モンテの高級住宅地Las Lomasを新居に選ぶ予定で、クルトゥワらの近所に住むことになる。また、リヴァプールからフリーで加入したセンターバックのイブラヒマ・コナテはシャルケ戦で先発し、インテルから加入した右サイドバックのデンゼル・ドゥムフリースも後半に出場した。(via SPORT)
クルトゥワの負傷復帰と控えるルニンの現状
ティボ・クルトゥワはワールドカップのスペイン戦で太ももを負傷し途中交代したが、休暇を返上して個別トレーニングに励み、シャルケ戦で先発出場して完封した。クルトゥワは『休暇中もジムにこもり、復帰のために数日前から個別調整をしてきた。今日の最後のテストを無失点で終えられて安心した。モウリーニョ監督からは、コーナーキックやセットプレー、試合の1秒1秒に至るまで常に集中し、真剣にプレーすることを厳格に求められている』と明かした。一方、プレシーズンで活躍したアンドリー・ルニンは、デポルティーボ戦でブラヒムへの手裏剣アシストを見せるなど好調を維持しているが、過去のクルトゥワ不在時のミスや空中戦での弱さから、今季もクルトゥワのバックアップに留まる見込みである。なお、第3GKのフラン・ゴンサレスは300万ユーロでセビージャへ移籍、ジョピスGKコーチは退任してヌーノ・サントスが就任した。(via ElDesmarque, SPORT)
カンテラ史上最高額となるハコボ・オルテガのストラスブール売却
マドリーは、カスティージャに所属する20歳のFWハコボ・オルテガをフランスのストラスブールへ完全移籍させることで公式合意した。オルテガはユースリーグで得点王となり、決勝のブルージュ戦でも得点して優勝に貢献。カスティージャの終盤戦では10試合6ゴールをマークしていた。ストラスブールとは5年契約を結び、移籍金は1000万ユーロで、マドリーは彼の権利の70%を売却し30%を維持する。トップチームでの公式戦出場が一度もない若手としては、カンテラ史上最高額の売却案件となった。(via SPORT, ElDesmarque)
カンテラビジネスの巨額利益とレジェンドからの批判
マドリーはカンテラーノの売却を推進しており、今夏の売却総額は2億ユーロ近くに達している。主な案件として、コモがニコ・パズの権利50%を6000万ユーロで買い取ったほか、ゴンサロ・ガルシアが4000万ユーロでフルハムへ移籍した。今夏にマドリーを去ったカンテラーノには、ビクトル・ムニョス、Gila、アルバロ・ロドリゲス、アレックス・ヒメネス、パラシオス、バルデペニャス、フラン・ガルシア、マリオ・マルティン、フラン・ゴンサレスらが含まれる。また、ダニ・セバージョスもベティスへの移籍を視野に退団に合意している。こうした売却姿勢に対し、ジャーナリストのロベルト・ゴメスは『マドリーはカンテラを単なる資金調達の道具として利用している。これはマドリーの精神と歴史を裏切る行為だ。来季プレーするカンテラーノは一人もいない』と猛烈に批判している。(via SPORT, ElDesmarque, MARCA)
唯一のトップチーム残留を果たす若き才能チアゴ・ピタルチ
過酷なカンテラ売却の嵐の中で、唯一マドリーに残留したのが18歳のミッドフィルダー、チアゴ・ピタルチである。背番号は45から27に変更され、カスティージャに籍を残しながらトップチームに同行する。昨季はアルベロア監督によりチャンピオンズリーグのマンチェスター・シティ戦で抜擢され、34本中32本のパスを成功(成功率94%)させる落ち着きを見せ、ラウールを抜いてクラブ最年少でのCLノックアウトステージ先発出場記録(18歳220日)を樹立した。フルハムへの移籍の噂もあったが、プレシーズン序盤に左膝内側側副靭帯を損傷し現在は離脱している。(via SPORT)
ヴィニシウスの課題と態度に対する周囲からの忠告
ヴィニシウスはシャルケ戦で87分間プレーしたものの、ドリブル突破は6回中わずか1回しか成功せず、タッチ数36、被ファウル1、オフサイド2、パス成功18/21、キーパス2という低調な出来に終わった。また、スタンドからブーイングを浴びせられた際、コーナーキック時に観客席に向かって投げキッスをしたり嘲笑したりする古い態度を繰り返した。これに対し、ジャーナリストのシロ・ロペスは『敵地での激しい挑発は今後も必ず続く。彼は2番目のキャプテンとして、抗議や gestos を控え、ベテランとしての落ち着きを示すべきだ』と態度改善を促している。(via SPORT, Estadio Deportivo)
お披露目発表会の廃止とペレス会長のプライバシー路線
フロレンティーノ・ペレス会長が今夏マドリーを長期不在にしたことが影響し、恒例となっている新加入選手のお披露目イベントがすべて廃止された。ジョゼ・モウリーニョ監督やククレジャ、ベルナルド・シウバ、コナテ、ドゥムフリース、エスピ、ディオマンデの6名は、メディアへの公式記者会見を行わず、練習場のValdebebasで家族のみを招待した非公開の式典だけで歓迎された。モウリーニョ監督の最初の公式発言の場は、金曜日に予定されているエスパニョール戦前のプレスカンファレンスとなる。(via SPORT, ElDesmarque)
ベルナベウスタジアムの歴史的名称変更と最新改修状況
2019年から始まったスタジアムの改修工事は、約7年を経てほぼ完成した。カステリャーナ側のファサードには、バックライト付きの「BERNABÉU」の文字プレートが取り付けられたが、商業的理由からこれまでの「Santiago Bernabéu」からファーストネームが削除され、ブランドとして統一された。地下鉄駅も「Bernabéu」に改称される見通しである。また、かつて名物だった夏の「トロフェオ・ベルナベウ」は完全に廃止されており、バルサが「ジョアン・ガンペール杯」を維持していることと対照的に、ペレス会長がサンティアゴ・ベルナベウ元会長の歴史的遺産を風化させようとしているとの批判もある。改修では360度ビジョンや格納式ピッチなどの他、今夏に2層目のLEDリングが設置された。最初の公式戦は8月26日のソシエダ戦となる。(via MARCA, SPORT, ElDesmarque)
モウリーニョ監督が望むスビメンディ獲得への動き
ジョゼ・モウリーニョ監督は、アーセナルでライスやギマランイス、メリーノなどの存在からバックアップに甘んじているマルティン・スビメンディの獲得をクラブに要望している。スビメンディの代理人もマドリー移籍を望んでいるが、アーセナルは9000万ユーロを要求しており、マドリーは分割払いで移籍金を抑えたい意向。また、左利きセンターバックとしてインテルのアレッサンドロ・バストーニ(インテルは7000万ユーロを要求)の獲得も望んでいるが、どちらの補強も現在の25名の登録枠が満杯であるため、まずは不要な選手の放出を成立させることが不可欠となっている。(via ElDesmarque, SPORT)
【本日の総括】
プレシーズンを無敗で終え、シャルケ戦で快勝したレアル・マドリード。モウリーニョ第二次政権は順調な仕上がりを見せていますが、ロドリの獲得失敗や25名の登録枠上限問題など、ピッチ外の補強・整理業務に多くの課題を残したままリーグ開幕戦を迎えようとしています。
