アントニーの残留決断と新シーズンへの野心

ドイツでの合宿中、アントニーがBild紙のインタビューに応じ、ベティスへの強い思いを語りました。昨夏、バイエルン・ミュンヘンをはじめ、イギリス、サウジアラビア、ブラジル、イタリアの複数クラブからオファーがあり、ヴァンサン・コンパニ監督から直接電話を受けたことも明かしました。アントニーは『言うまでもなく、それは大きな名誉でした。バイエルン・ミュンヘンとヴァンサン・コンパニには深い敬意を抱いています。とても高く評価している監督です。バイエルンのようなクラブが興味を示し、監督が直接電話をくれるというのは、選手にとって本当に大きな意味を持ちます』と感謝を口にしました。しかし、最終的にはベティス復帰を選択。『それは家族と一緒に下した決断でした。当時、私は人生の難しい時期にあり、サッカー選手としてだけでなく、一人の人間として再び幸せになれる場所を必要としていました。ベティスこそが、私にとってまさにふさわしいクラブだと感じました。だからこそ、この決断をまったく後悔していません!』と断言しました。

マンチェスター・ユナイテッドからセビージャへの移籍については、『非常に大きかったです。マンチェスター・ユナイテッドについてあまり多くは語りたくありません。あそこでの時間は、私を人間として成長させてくれました。セビージャに到着したとき、私は簡単な状況にはありませんでした。ここで私は再びサッカーへの喜びを見出しました。ファンとクラブは最初の日から信じられないほどの信頼を与えてくれました。それが大きな助けになりました』と振り返っています。

昨シーズンのパフォーマンスについては『感情に満ちたシーズンでした。チームとして特別なことを成し遂げましたし、個人的にも良い1年でした。もちろん、アタッカーとしては常に多くのゴールを決め、多くのアシストをしたいと望んでいます。しかし、選手としても人間としても成長できました。だから全体として、このシーズンはとてもポジティブな思い出として残っています』と総括。ワールドカップに出場できなかった痛みについても『もちろんです。そのために全力を尽くし、多くの犠牲を払いましたから。結局のところ、サッカーには自分ではコントロールできないことがあります。最も重要なのは、一生懸命働き続けることです。残りのことは自然とついてくると確信しています』と前向きな姿勢を見せました。

21年ぶりのチャンピオンズリーグ復帰については『クラブと私たちのファンにとって、これは極めて特別なことです。彼らはこの瞬間を長年待ち望んでいました。チャンピオンズリーグでの挑戦がどれほど大きなものになるかは理解していますが、それが来るのを楽しみにしています。私たちの目標は、そこでベティスを可能な限り最高の方法で代表し、すべての試合で全力を尽くすことです。ファンは、多くの情熱と多大な献身を持ってプレーするチームを期待していて間違いありません』と語り、今季の目標を『タイトルを勝ち取りたいです。それが常に私の最大の目標です。さらに、自分の数字を向上させ、もっとゴールを決め、もっとアシストを提供したいと思っています。しかし何よりも、チームが昨シーズンよりもさらに良いシーズンを送れるように助けたいです』と力強く宣言しました。(via Estadio Deportivo)

プレシーズン初戦快勝と監督不在の舞台裏

ドイツのクロスタープフォルテで行われていた第1次合宿が終了し、ドイツ4部のシュポルトフロインデ・ロッテとの親善試合に0-3で快勝しました。この試合、マヌエル・ペジェグリーニ監督は個人的な理由により金曜日に合宿を離脱してスペインへ帰国していたため、アシスタントのルベン・コウシージャスが急遽指揮を執りました。また、イスコ・アラルコンも同様に個人的な理由で一足早くセビージャへ帰国しています。

試合は前半、パブロ・フォルナルスが中盤を掌握し、際どいフリーキックやオフサイドで取り消されたゴールなど攻撃を牽引しました。新加入のフラン・ガルシアも左サイドで果敢な攻め上がりから3本のシュートを放つなど好印象を残し、ロドリゴ・リケルメも積極的にゴールを狙いました。前半は0-0で折り返しましたが、後半にパブロ・ガルシアの2ゴールとデオッサのPKで3点を奪い、順当な勝利を収めています。もう一人の新加入選手、ファクンド・ベルナルも後半から出場し、ポジショニングの良さや両足の扱い、ゲームメイクの才能を披露し、コーナーキックからヘディングでゴールを脅かす場面も作りました。

会場には約5000人の観客が集まり、ドイツ在住のベティコやペーニャのメンバー数十人も応援に駆けつけました。チームは日曜日をオフとし、月曜日の朝からセビージャのルイス・デル・ソル・トレーニング施設で練習を再開。その後、ウエルバでのコロンビーノ杯、グラナダ、ラ・リネア・デ・ラ・コンセプシオンでの親善試合を経て、アイルランドのダブリンでの第2次合宿へと向かいます。(via Estadio Deportivo / ElDesmarque)

パブロ・ガルシアの躍動と力強い決意表明

ロッテ戦の後半から出場したカンテラーノのパブロ・ガルシアが、素晴らしい活躍を見せました。後半開始早々、イケル・ロサダのパスを受けて左足で鮮やかな先制ゴールを決めると、80分にはマルク・バルトラの中盤でのボール奪取からの持ち上がりを受け、至近距離から強烈なシュートを叩き込んで3点目をマーク。さらにロサダへの決定的なパスも供給し、全ゴールに絡む勢いを見せました。

試合後、クラブ公式メディアに対して『とても良い感覚です、はい。チームにまた戻れてとても嬉しくて幸せですね? また新たな、非常にエキサイティングで要求の厳しいシーズンに向けて、このように戻れるのは気分が良いです』と喜びを語りました。格下相手の試合でしたが『結果よりも体や心の感触が大事』とし、自身のゴールについては『はい、はい、もう僕のことは知っていますよね? この世界で僕を一番幸せにするのはゴールを決めることなんです。しかも、それが自分の人生のクラブであるなら尚更です。親善試合であれ、コパであれ、ヨーロッパの大会であれ、ラ・リーガであれ、僕は常に最高に幸せな人間であり続けるでしょう。そして、今年の数字に関しては、昨年の流れを少しでも変えたいと願っています』と、昨季ラ・リーガで無得点に終わった悔しさを晴らす決意をにじませました。

プレシーズンの進捗については『僕たちはドイツで10日間、バカンスから少し戻って練習してきました。確かに進歩し続け、働き続ける必要がありますが、これはまだ始まったばかりで、前にはたくさんのことが待ち受けています』と冷静に分析。ファンに向けては『もちろん、常に彼らに感謝しなければなりません。彼らは僕たちの日常において非常に重要な支えです。さあ、日曜日は休んで、月曜日の朝には水曜日の準備をします。そこにはたくさんのベティスファンが来て、応援しサポートしてくれることを期待しています』とメッセージを送りました。(via Estadio Deportivo)

デオッサの移籍交渉難航と「偽9番」での輝き

ネルソン・デオッサのヴァスコ・ダ・ガマへの移籍交渉が続いていますが、書類作成や条件面での相違から決着が遅れています。ヴァスコの新オーナーであるマルコス・ラマッキアに対する司法の拒否権問題はクリアされ、義母がパルメイラスの会長であるという利益相反の懸念についても、弁護士が『もしそうなったとしても、契約は継続します。ヴァスコの残留が条件ではないからです。しかし、ヴァスコが降格することは絶対にありませんし、このオペレーションは実現します』と明言し、障害は取り除かれたかに見えました。ベティスはラマッキアの個人銀行保証を受け入れたとされ、デオッサはメディカルチェックと契約サインのため日曜日から月曜日の間にブラジルへ飛ぶ予定でした。

しかし、クラブ間の条件で溝が埋まっていません。ベティスはラ・リーガのサラリーキャップに計上するため、完全移籍でないなら買い取り義務付きの有償レンタルを求めています。一方、ブラジル側は条件付きの買い取りオプションを提示しており、さらに買い取り実行を2027年夏とし、移籍金1000万ユーロと将来のボーナス200万ユーロ弱を4年分割で支払うという内容で、これがベティスを納得させていません。

交渉が長引く中、デオッサはドイツ合宿で絶好調を維持しています。昨夏は加入の遅れと足首の負傷でプレシーズンを棒に振りましたが、今年は初日からフルメニューを消化。合宿中の練習ではフリーキックからゴラッソを決め、パブロ・ガルシアに絶妙なアシストを供給していました。ロッテ戦では後半から「偽9番」という珍しいポジションで出場し、見事なポストプレーからのターンでパブロ・ガルシアの先制点の起点となると、自らドリブルで仕掛けてPKを獲得し、それを沈めて2点目を奪いました。状況に大きな変化がない限り、月曜夕方のセビージャでの練習にも引き続き参加する予定です。(via Estadio Deportivo)

中盤補強の動向:ゼ・ルーカス争奪戦とブラジル路線

セルジ・アルティミラの売却を受けてファクンド・ベルナルを獲得したベティスですが、中盤の強化は終わっていません。現在のロスターにはマルク・ロカ、アルバロ・フィダルゴ、パブロ・フォルナルスがいますが、クラブはさらに最大2人のミッドフィルダーを探しています。1人はよりポジショナルなピボーテ、もう1人はデオッサが退団した場合に備えた汎用性の高いボックス・トゥ・ボックスの選手です。アムラバトの復帰も優先事項ですが過度な投資は避ける方針で、ダニ・セバージョスにも注目が集まっています。

そんな中、ブラジル・セリエBのスポルチ・レシフェに所属する18歳のゼ・ルーカスが新たなターゲットに浮上しました。1.74mの守備的MFで、昨年のU-17ワールドカップで活躍し、当時はバルセロナも関心を示した逸材です。市場価値は800万ユーロとされていますが、スポルチ・レシフェは1500万ユーロを要求していると報じられています。

現在、フラメンゴが交渉を進めているほか、クルゼイロやブライトンとの熾烈な争奪戦となっており、ベティスもこのオークションに参戦しています。一部ではクルゼイロが月曜日にメディカルチェックを予定していると報じられましたが、選手周辺はまだそこまで話が進んでいるクラブはないと否定しており、決着が近いと見られています。ベティスは近年、ジョニー・カルドーゾ、ルイス・エンヒキ、アブネル・ヴィニシウス、ファクンド・ベルナルとブラジル市場から有望な若手を獲得して再評価させる戦略で成功を収めており、ゼ・ルーカスもこの方針に完全に合致するターゲットとなっています。(via Estadio Deportivo)

フアン・クルスのマラガ移籍で思わぬ臨時収入

レガネスに所属していた元ベティスのフアン・クルスが、マラガへ買い取りオプション付きのレンタルで移籍することが公式発表されました。この移籍はベティスの財政にも恩恵をもたらします。

ベティスは2024年の夏にフアン・クルスを100万ユーロでレガネスへ売却した際、将来の移籍(レンタルまたは完全移籍)から得られる収益の40%を受け取る権利を契約に盛り込んでいました。今回、マラガはレガネスにレンタル料として約50万ユーロを支払うため、その40%にあたる20万ユーロがベティスに支払われることになります。

クラブはカンテラーノを放出する際、将来の移籍金の一部を保持する戦略を徹底しています。最近でも、コモ1907へ売却したアサン・ディアオのパスの20%、同じくコモ1907へ移籍したヘスス・ロドリゲスの将来の売却益の12%、ポルトガルのアロウカへ売却したマテオ・フローレスのパスの50%を保持しており、この戦略が確実な副収入を生み出し続けています。(via ElDesmarque / Estadio Deportivo)

ロ・チェルソのW杯決勝進出による日程変更とバレンシアの不満

アルゼンチン代表としてワールドカップ決勝を戦うジオ・ロ・チェルソが所属するため、ベティスはラ・リーガ第1節のバレンシア戦の延期を要請し、これが承認されて試合は8月25日(火曜日)に組み直されました。

しかし、この日程変更に対して対戦相手であるバレンシアのFWウーゴ・ドゥロが苦言を呈しました。延期された試合の直前の週末、ベティスは金曜日にレアル・ソシエダと対戦するのに対し、バレンシアは土曜日にセルタと対戦します。ドゥロはインタビューで『ラ・リーガがルールを決めたのでどうしようもないが、私たちが土曜にプレーして彼らが金曜にプレーし、1日多く休めるというのは驚きだ』『選手1人のために試合が延期されるのは奇妙だ』と、ベティスが休養面で有利になることへの不満を漏らしました。

なお、現在のベティスは多くの選手を欠きながらプレシーズンを進めています。ロッテ戦ではペジェグリーニ監督とイスコが不在で、アイトール・ルイバルは負傷のためセビージャでリハビリ中。マヌ・ゴンサレスとホセ・アントニオ・モランテはU-19欧州選手権で不在。ワールドカップ組のクチョ・エルナンデス、アルバロ・フィダルゴ、負傷中のエズ・アブデ、そして決勝を控えるロ・チェルソもチームに合流していません。(via Estadio Deportivo)

【本日の総括】

プレシーズン初戦を新戦力や若手の活躍で快勝したものの、ペジェグリーニ監督やイスコの緊急帰国、デオッサの移籍交渉の難航、そして多数の代表不在組を抱えるなど、チームはピッチ内外で慌ただしい日々を送っています。一方で、アントニーの力強い残留宣言や、ブラジル市場を狙ったゼ・ルーカスへの接触、過去の移籍条項による臨時収入など、新シーズンに向けた土台作りも着実に進められています。