恩師プッチ監督が語る佐藤龍之介の才能と課題

FC東京時代に佐藤龍之介をわずか16歳でトップチームデビューさせたアルベルト・プッチ監督が、バレンシアに加入した教え子の特徴について詳細な分析を披露している。

佐藤のプレースタイルについて『彼を誰かに例えるなら、私の時代で言えば10番の選手だ。ペドリに似たところがあり、フェルミンに似た部分もある。日本の文化もあって、より縦への推進力があるペドリという感じで、ボールコントロールが良く、パスセンスがあり、ゴール前への飛び出しや得点力、そしてフェルミンのような良いシュートを持っている。ただし、もちろん比較するのは難しいがね』と極めて高い評価を下している。

16歳でのプロデビューの経緯については『初めてボールを触ったのを見た時、バルセロナで育成されるような、ボールをキープし保護するスタイル、繊細なタッチを持っていることに驚いた。日本では珍しいタイプだ。翌年、クラブのスポーツディレクターと話し、週3日トップチームの練習に参加させることにし、カップ戦のセレッソ戦でスタメン起用を決断した。育成出身の指導者としては、こういう才能を見れば待つ必要はないと感じるものだ』と当時の驚きを振り返った。

さらに『日本の16歳とスペインの16歳はサッカーの成熟度が違うが、彼は非常に良いプレーを見せ、特にボールを持った時に違いを生み出していた。彼がデビューする前年にも、18歳のフィジカルの強い選手をデビューさせ、彼は今プレミアリーグでプレーしているが、サトウの場合はフィジカルではなくボールタッチに驚かされた。日本では縦に速くプレッシャーをかけるタイプの選手が多いが、16歳の少年がこれほどまでに落ち着いてボールをキープできるのは普通ではない。ライン間でのパスが非常に上手く、ラインを破る能力に長けている』と絶賛している。

ピッチ外の顔についても『彼は本当に素晴らしい性格の持ち主だ。とても礼儀正しく、敬意を払い、人を惹きつける笑顔を持っている。態度は100点満点だ。バレンシアのファンも彼の素晴らしいキャラクターを楽しむことができるだろう』と太鼓判を押した。

一方で、ラ・リーガへの適応という大きな課題については冷静な視点を持っている。『ラ・リーガに飛躍する能力があるかは誰にも分からない。クオリティがあるのは明らかだが、プロサッカーは競争力や成長といった別の要素で決まるもので、そこが若い選手の未知数な部分だ。彼は日本の1部リーグで2年間プレーしてきたが、世界トップ3のリーグに行くのだから適応が必要だ。彼が改善すべき課題は、ここのサッカーの現実、つまり真の競争力だ。スペインのサッカーは戦術的でボールを保持するが、同時に非常に競争が激しい。トップリーグでは毎分が重要で、ミスは許されない。その適応が彼の最大の課題になる』と厳しさを指摘している。

また、『周囲が辛抱強く見守れば、良い選手になるためのすべてを備えている。タケフサ・クボ(久保建英)と同じケースだ。タケも直接レアル・マドリードのトップチームに入ったわけではなく、プロセスを経た。すべては彼次第であり、監督がチャンスを与えるかどうかにかかっている。その年齢ではミスをするのが普通だからだ』と周囲の忍耐の必要性を強調した。

バレンシア移籍の報を受けた際は『移籍を知った時はとても嬉しかった。日本で指導した4、5人の選手がヨーロッパへ飛び立つ時はいつも嬉しいが、今回は彼がとても魅力的で愛情深い青年なので、彼が成功するのを見るのは二重に嬉しい。今シーズンは必ず彼を見に行くよ』と温かい言葉で締めくくっている。(via SPORT)