カング・イン・リー:グリーズマンの7番を継承しセカンドプンタへの改造計画が始動

PSGから新たに加入し、2度のチャンピオンズリーグ制覇という輝かしい経歴を誇る韓国代表のカング・イン・リーが、チームの初練習に合流しました。退団したアントワーヌ・グリーズマンの背番号である7番を受け継いだ彼に対し、ディエゴ・シメオネ監督はかつてレアル・ソシエダから極上ウイングとして加入したグリーズマンをセカンドプンタ(2列目アタッカー)に育て上げたときと同様の、特別な戦術的改造プログラムを開始しました。

初日の練習では、たとえ実績があってもチームの「序列」を重んじるルールに従い、ロンド(鳥かご練習)の最初に中央でボールを追う役割からスタート。その後、ベテラン主力組(ヒメネスやレマルはカンテラーノ主体のロンドに入っていたのに対し、彼は主力組に混ざる)での練習では、ボールを保持しながら華麗なスキルとインテリジェンスの高い技術を披露しました。

その後の紅白戦では控えチームに配属され、アルナウ・オルティスと2トップを形成し、先発固定予定のバリオスらとの連携や中盤でのコンビネーションをテストされました。シメオネ監督は、カング・インにエリア付近で求められる細かなポジショニングや動き出しの戦術を直接指導するために、途中で何度も紅白戦を一時ストップさせて熱心に説明を施しました。

なお、この日の紅白戦で指揮官が試した先発(予定)チームの布陣は、GKオブラク;DFドミンゲス、ル・ノルマン、ハンツコ、ダニ・マルティネス;MFカルロス・マルティン、コケ、ヒュルマンド、オベド・バルガス;FWルックマン、セルヒオ・エステバン。控えチームの布陣は、GKエスキベル;DFボニャール、ピュリッチ、ヒメネス、アルナウ・ソラ;MFメンドーサ、カルドーソ、バリオス、レマル;FWカング・イン、アルナウ・オルティス。先発チームの左サイドに入った若きオベド・バルガスが2ゴールを叩き出す大活躍を見せ、監督に猛烈なアピールを行いました。チームは日曜日にソウルで行われるマンチェスター・シティとのプレシーズン第3戦(初戦ヘタフェに4-1勝利、第2戦ユナイテッドに2-1敗北)に向けて、実戦的なトレーニングを完了させています。(via Mundo Deportivo, MARCA)

カング・イン・リー:ソウル遠征同行者80名全員を自腹で高級韓国料理店へ招待する男気

新加入のカング・イン・リーは、ピッチ上で見せる高いサッカーセンスだけでなく、その驚くべき人間性と謙虚さ、クラブへの深い敬意によって、早くもチームメイトやスタッフ全員の信頼を勝ち取っています。同じく新加入のデンマーク代表ヒュルマンドとはすでに非常に親しい関係を築いており、ピッチ外でも積極的にコミュニケーションを図っています。

カング・インは、金曜日の夜にソウル遠征に帯同しているチーム一行の全員を、高級韓国料理店でのディナーに招待しました。この招待は当初、選手同士の親睦を深めるためのちょっとした食事会と考えられていましたが、本人が『選手たちだけでなく、裏でクラブを支えるコーチ陣、医療スタッフ、広報、プロトコル、マーケティング、旅行部門スタッフ、さらには同行しているクラブ役員も含め、遠征に同行している全員を招待したい。温かく迎え入れてくれたことへの深い感謝を示し、母国で最高の思い出を作ってほしい』と明確に意思を伝え、総勢約80名分の食事代をすべて自腹で支払うという、驚くほど男気にあふれるホスピタリティを見せました。

木曜日のチーム到着時には、宿泊先ホテルで選手やコーチを笑顔で出迎えるなど、最高のホスト役を務めています。実はカング・インは直接空港のターミナルまで出迎えに行こうと画策していましたが、空港に彼とアトレティコを一目見ようと数百人規模の熱狂的な現地ファンが殺到していたため、大パニックを懸念した警備および安全担当チームの強い勧告により、やむを得ず断念したというエピソードもあります。彼はチームに合流する前から、韓国に派遣されたクラブのフィジカルトレーナーとマンツーマンで精力的な個別トレーニングを消化しており、フィジカル面でも最高のコンディションで新生チームでの第一歩を踏み出しました。(via MARCA, Mundo Deportivo)

ソウルの大パニック:選手サイン会にファンが殺到し30分で強制終了となったファンイベント

プレシーズンツアーの滞在地である韓国のソウルにおいて、チームを取り巻くファンの熱狂が限界を突破しています。木曜日に現地にオープンした公式イベントスペース「Casa Atleti」の周囲には、営業開始の2時間前から何重もの長蛇の列がブロック全体を取り巻くなど、オープン初日から空前の大混雑を記録していました。

金曜日の午前中、練習を終えたバリオス、ルックマン、ル・ノルマン、アルナウ・オルティス、ドミンゲス、カスティージョ、エスキベルら数名の選手たちがこのスペースを直々に訪問。サイン会やファンとの写真撮影を行うイベントが開催されたことで、現地のパニックは一気に頂点に達しました。ファンは貴重な数秒間を惜しんで、ユニフォーム、カード、ポストカードだけでなく、自分たちのスマートフォンにまでサインを求め、選手たちに熱い愛を伝えました。

殺到したファンの数は主催者の事前の予想を遥かに超えており、開始からわずか30分が経過し、約500人のファンがサインを受け取った時点で、安全確保のために並んでいた列を強制的に打ち切らざるを得ない事態となりました。もし列をそのままにしていれば、終わりのない行列になっていたことは確実でした。

選手たちが昼食の時間に遅れないようにホテルへと戻り、さらに事前のハードなトレーニングを終えた後であっても、ファンの興奮は一切収まりませんでした。多くのファンが記念品を求めて売り場に殺到し、在庫が完全に枯渇しかけたため、クラブ関係者は急遽、アトレティコの公式ユニフォームや、韓国の有名ファッション・サッカーブランド「Over The Pitch」とコラボレーションした限定の特別デザインユニフォームの販売を、ソシオ(クラブ会員)限定に制限する緊急措置を講じることとなりました。(via MARCA)

クティ・ロメロ:トッテナムのキャプテン獲得に向けた3000万ユーロの公式オファーと拒否

ディエゴ・シメオネ監督が昨夏の移籍市場から獲得を熱望し続けているディフェンスリーダーの最優先ターゲット、トッテナムのアルゼンチン代表DFクティ・ロメロ(28歳)の獲得に向けて、ついに具体的な交渉が始まりました。

ディレクターのマテウ・アレマニー氏は、トッテナムに対して固定額3000万ユーロの最初の公式オファーを準備しました。この資金は、アストン・ヴィラへ移籍するマッテオ・ルッジェーリの売却益1800万ユーロ、およびローマへの完全移籍が迫るナウエル・モリーナの1300万ユーロを元手に算出されたものであり、さらにチアゴ・アルマダの売却による給与枠の圧縮もこの巨額ディールを側面から大きく支えています。しかし、トッテナム側はこの3000万ユーロという提示額を、チームのキャプテンであり守備の絶対的要であるロメロに対してあまりに不十分であるとして、即座に拒否しました。

トッテナム側は昨シーズンの失望的な結果を受けてチームの世代交代とサイクル変更を望んでおり、ロメロの退団自体には扉を開いているものの、安売りするつもりは全くありません。ロメロは昨年夏にアトレティコが獲得を一度断念した直後、トッテナムと2029年までの長期契約を結び、現在は年俸700万ユーロという高額な給与を受け取っています。そのため、トッテナムは移籍金として最低でも4000万ユーロから4500万ユーロのレンジを要求しており、アトレティコの提示額とは大きな開きがあります。

さらに、インテルのスポーツディレクターであるピエロ・アウジリオ氏もロメロの獲得を狙っており、アトレティコを出し抜くために3500万ユーロを支払う用意があるため、アトレティコも交渉を進めるためにはオファーをこの金額付近まで引き上げる必要性に迫られています。

ただし、アトレティコ側には非常に強力なアドバンテージがあります。クティ・ロメロ本人がシメオネ監督の下でプレーすることを強く望んでおり、最初に獲得の可能性が浮上した2024年10月以来、赤白のユニフォームを着てメトロポリターノのピッチに立つという強い願望を抱き続けていることです。(via MARCA, ElDesmarque)

ルッジェーリ:アストン・ヴィラへの1800万ユーロでの売却合意とモリーナらの放出状況

クティ・ロメロ獲得のための資金調達とサラリーキャップ(給与登録枠)の確保を最優先に進めるため、フロントの売却交渉が怒涛の勢いで合意に達しています。

まず、イタリア人DFマッテオ・ルッジェーリのアストン・ヴィラへの完全移籍がクラブ間で正式に合意されました。月曜日にルッジェーリの代理人がマドリードを訪れてマテウ・アレマニーSDと直接会談し、アエマニー氏にウナイ・エメリ監督率いるアストン・ヴィラからの獲得への強い熱意を伝えました。それ以降、交渉は一気に加速し、固定1800万ユーロに加え、各種ボーナスによる変数600万ユーロが設定された総額最大2400万ユーロの好条件で合意に至りました。ルッジェーリは水曜日の午後、チームの韓国遠征に向かう飛行機への搭乗を急遽取りやめ、移籍の正式な手続きを完了させるためにマドリードに居残る決定を下しました。

これに加え、ナウエル・モリーナのセリエAのローマへの完全移籍も、移籍金1300万ユーロでの取引完了が秒読みとなっています。

さらに、昨シーズンの加入初年度は非常に限られた出場時間にとどまり、バックアップオプションに甘んじていたアルゼンチン代表MFチアゴ・アルマダの今夏の完全売却に向けた動きも大詰めを迎えています。アルマダに対してはリバープレートが具体的なアプローチを仕掛けているほか、ブラジルのフラメンゴが獲得に向けて最も有利な交渉ポジションをキープしており、移籍期限に向けて取引がクローズする見通しです。これらの売却が成立すれば、高額な給与枠が一気に解放され、クティ・ロメロをチームに登録するための十分な酸素が確保されることになります。(via ElDesmarque)

ソルロート:4000万ユーロの売却価格設定と後釜ヴラホヴィッチ獲得の絶対条件

ノルウェー代表ストライカー、アレクサンダー・ソルロート(30歳)の今夏の退団に向けた動きが急浮上しています。ソルロートは2028年6月までの契約を残していますが、クラブのフロント陣は昨シーズンの彼のパフォーマンスに完全には満足していません。

ソルロートは2024年の夏にビジャレアルに3200万ユーロを支払って獲得され、初年度こそリーグ戦で20ゴール2アシスト、コパ・デル・レイで4ゴールを挙げて期待に応えたものの、昨シーズン(2025/2026)はシメオネ監督にリーグ戦35試合で起用されながらも、13ゴールにとどまり評価を落としました。ピッチ上では、ボールを足元に置いた際の「不器用さ(torpeza)」を批判される場面が多く、さらに昨季チャンピオンズリーグで10ゴールを記録したジュリアン・アルバレスの圧倒的な活躍もあり、構想内での順位を下げました。今プレシーズンでも、シメオネ監督から未だに実戦でのテスト機会を1分も与えられておらず、チームが韓国へ飛ぶ中、マドリードに一人居残って個別のトレーニングを消化しています。

アトレティコはソルロートの放出に扉を開けており、移籍の条件として「4000万ユーロの移籍金」という明確な最低価格を設定。これに対し、トルコの名門フェネルバフチェが満額の4000万ユーロを一括で支払う意向を示して交渉の席に着いています。ただし、ソルロート自身はトルコリーグへの復帰にそれほど魅力を感じておらず、移籍をのむ絶対的な条件として、年俸1200万ユーロ(税引前)という超高額な給与を要求して抵抗。トラブゾンスポルも関心を示しています。

アトレティコが4000万ユーロでソルロートを売却できれば、マテウ・アレマニーSDは即座に後釜として、ユヴェントスとの契約を満了してフリーエージェントとなっている26歳のセルビア代表FWドゥシャン・ヴラホヴィッチの獲得に乗り出します。ヴラホヴィッチに対してはバルセロナやベシクタシュも関心を示していますが、アトレティコは高額なサラリーの支払いを厭わない構えです。しかし、この獲得計画はソルロートの4000万ユーロでの売却が完了しない限り、絶対に実現することはありません。(via Estadio Deportivo, ElDesmarque, Mundo Deportivo)

ジュリアン・アルバレス:バルサが獲得を完全断念した裏事情とアーセナルによる強奪の可能性

アルゼンチン代表のエースFW、ジュリアン・アルバレス(ラ・アラニャ)をめぐる今夏最大の移籍騒動ですが、最大のライバルであるバルセロナへの移籍の可能性はほぼ完全に消滅しました。

ジュリアンはアルゼンチン代表としての活動中、シメオネ監督に対して『今夏、バルセロナへの移籍のみを望んでいる』と直接退団を直訴。これを受け、バルセロナのデコSDは選手代理人のフェルナンド・イダルゴ氏と会談を持つなど、獲得に向けた準備を進めていました。しかし、アトレティコのフロントはライバルへの売却を絶対に許さない姿勢を貫き、バルサに対してのみ適用される超高額な経済的要求を突きつけて移籍の道をブロック。バルサ関係者もこのあまりに高い障壁の前に、ついに獲得を完全に断念しました。

アトレティコは国内ライバルへの流出は拒絶するものの、海外クラブからのオファーであれば交渉に応じる姿勢を維持しており、ここでプレミアリーグのアーセナルが強い関心を示してアプローチを開始しました。アーセナルは、宿敵レアル・マドリードのヴィニシウス・ジュニオールが契約延長に合意したことを受け、当初ヴィニシウス獲得に準備していたとされる巨額のミリオン資金を、ジュリアン獲得へとそのままスライドさせて強奪ディールを仕掛ける可能性があります。また、PSGもジュリアンを注視していましたが、PSGはバルセロナのフェラン・トーレスの獲得交渉を最優先に進めています。(via ElDesmarque)

イケル_ルケ:カンテラの最高傑作の去就をめぐりラ・リーガ1部の8クラブが争奪戦を展開

アトレティコの下部組織(カンテラ)から、また一人規格外の超新星ウインガーが誕生し、移籍市場を大いに賑わせています。21歳の右ウインガー、イケル・ルケです。

ルケは昨シーズン、マドリーニョ(カスティージョ)の一員として1部RFEFで37試合に出場し4ゴールを挙げて大ブレイクを果たし、シーズン最終盤にシメオネ監督にトップチームへ引き上げられると、メスタージャでのバレンシア戦で鮮烈なデビューゴールを記録しました。契約は2028年6月まで残っており、クラブから4000万ユーロの強固な契約解除金が設定されている最高傑作の一人です。現在はファーストチームの韓国遠征(ソウル)に帯同しており、マンチェスター・ユナイテッド戦でも素晴らしいキレのあるドリブルを見せてアピール。日曜日のマンチェスター・シティ戦での出場を目標にトレーニングに励んでいます。

シメオネ監督は来週、ワールドカップを戦い終えた各国の代表メンバーがチームに完全合流するタイミングで、カンテラーノの保有・整理計画を最終決定し、ルケをファーストチームに留めるか、成長のためにローン移籍させるかを判断します。もしローンで放出する場合、クラブはかつてジュリオ・ディアスをセビージャに放出したときと同様に、「将来の選手保有権(売却利益の権利)の50パーセントをアトレティコ側が維持する」という、流出を防ぐ特別な条項を付帯させる方針です。

現在ラ・リーガ1部において、右サイドを主戦場とする生粋の右利きウインガーは極めて希少価値が高く、すでに1部の最大8つのクラブがアトレティコに獲得の可能性を正式に問い合わせています。具体的には、1部に復帰したデポルティボ・ラ・コルーニャのフェルナンド・ソリアーノSDが獲得に熱い視線を送っているほか、セビージャ、レバンテが状況を注視しています。また、ルケ自身がバジェカス出身であることから、本人はレイヨ・バジェカーノへの移籍に前向きな姿勢を見せていますが、レイヨの内部体制の不透明さが障壁となり、交渉の行方は移籍市場の最終盤までもつれ込む見通しです。(via ElDesmarque, Mundo Deportivo)

【本日の総括】

チームは昨シーズンにチャンピオンズリーグ準決勝進出、コパ・デル・レイ準優勝を達成し、今季も非常に野心的な戦いを志向しています。ソウルでのカング・イン・リーの電撃的な合流や彼が見せた素晴らしい人間性、現地での過熱するアトレティコ熱がファンを沸かせる一方で、クティ・ロメロ獲得のためのルッジェーリらの売却推進、ソルロートの4000万ユーロでの放出計画とヴラホヴィッチ獲得の条件整備、ジュリアン・アルバレスのバルサ移籍破談の裏事情など、新生アトレティコのスカッド完成に向けた巨大な神経戦が移籍市場の裏で緻密に展開されています。