登録メンバー整理と下部組織:エディン・テルジッチ新監督によるカチョロス5人のファーストチーム昇格プラン
アスレティック・クラブはプレシーズン最後の親善試合に向け、本拠地の練習場レサマに帰還してトレーニングを再開しました。エディン・テルジッチ新監督は、サン・マメスで行われるセビージャFCとのラ・リーガ開幕戦を強く見据えながら、余剰戦力を抱えるチームの登録メンバー整理に奔走しています。今夏の移籍市場はクラブ独自の哲学も影響し、選手獲得の動き自体は非常に静かな推移を見せています。そのため、現行スカッドを軽量化することが最優先事項となり、期限付き移籍から帰還したレンタルバック組の存在が編成に多大な影響を与えています。
その中で、プレシーズン中に目覚ましい活躍を見せて大ブレイクしたペオ・カナレスのように、そのままファーストチーム残留を勝ち取る選手がいる一方で、去就が極めて不透明となっているウナイ・ベンセドールはクラブでの最後の時間を過ごしており、退団に向けた動きが決定決定的となっています。このような補強ゼロの状況下ですが、テルジッチ監督は下部組織から5人の若き才能(カチョロス)を昇格させてファーストチームに加える方針を固めています。
まず1人目は、第3ゴールキーパーとして昇格が正式に決まった若手のミケル・サントスです。絶対的な守護神であるウナイ・シモン、およびアレックス・パディーヤに次ぐバックアップの役割として、ファーストチームの選手枠に名を連ねることになりました。
残りの4名は、現在レサマで評価を急上昇させている逸材たちです。センターバックのイケル・モンレアルは、すでにトップチームでのデビューを飾った経験を持っています。現在の守備陣の層は厚いものの、希少な左利きのディフェンダーであり、非常に優れた足元のビルドアップ技術を持っていることから、バックアップオプションとしての地位を確立しつつあります。
サイドバックのヨハネコ・ルイ=ジャンは、プレシーズンで圧倒的なスピードを披露し、テルジッチ監督の心を完全に掴んでいます。右サイドバックの層は過密気味ですが、アンドニ・ゴロサベルの去就次第では、一気にローテーションに入り込むチャンスが広がっています。
中盤のセルトンは、昨シーズンに鮮烈なデビューを果たして以降、激しいポジション争いが繰り広げられるミッドフィールダー陣の中でアピールを続けています。クラブは昨季の若い才能の育成に関する教訓を踏まえ、実戦での出場時間を最優先に考えており、彼の成長にとって最も有意義な起用プランを練っています。
最後の1人は、左ウイングの超新星エライジャ・ギフトです。レサマの育成担当やファンから絶大な期待を寄せられており、クラブは彼の爆発的なポテンシャルを最大限に引き出すための緻密な特別育成プログラムを定義することに力を注いでいます。(via ElDesmarque / AS)
イェライ・アルバレスのがん闘病:U21代表招集とキャリアの絶頂期に襲った試練と当時の赤裸々な心境
アスレティックを長年にわたり支え続けるセンターバックのイェライ・アルバレスが、プロフットボール選手として、そして一人の人間として乗り越えてきた極めて過酷な試練について重い口を開きました。2017年、彼はキャリアにおける最初の絶頂期を迎えており、スペインフル代表(ロペテギ監督体制)の最初の合宿に招集され、さらにその後、UEFA U-21欧州選手権を戦うCelades監督率いるU-21代表チームにも合流する予定でした。
しかしその直前、彼に精巣がんというあまりに過酷な診断が下され、一瞬にしてフットボールの舞台から完全に隔離されることとなりました。人生で最も大きな戦いに直面した当時の絶望と心境について、イェライは次のように赤裸々に吐露しています。
『私は当時、A代表の最初の合宿にいて、その後にCelades監督率いるU-21代表に合流していました。両親と話し合って、全員が一致して今すぐ治療を始めようと決めました。正直なところ、その瞬間はU-21代表のことも、サッカーのことも、他のすべてがどうでもよくなっていました。ただ病気から回復することだけを望んでいましたし、これから自分がどのような経験をすることになるのかを知りたかったのです。そうした状況は耳にしたことはあっても、いざ自分が当事者になって体験するまでは、何が待ち受けているのか本当に分からないものです』
死線に立たされながらも、彼は家族の献身的なサポートと強い意志でこのがんを完全に克服し、奇跡的なピッチへの帰還を果たしました。この壮絶な経験こそが、現在の彼の人間性と何事にも屈しない強靭なメンタリティを構築する基盤となっています。(via Estadio Deportivo / AS)
育毛薬誤飲によるドーピング処分:10ヶ月の出場停止を科したUEFAの裁定への納得とCLをスタンドで見守った記憶
がんという最大の困難を乗り越えたイェライを、昨年ふたたび予期せぬ大きな悲劇が襲いました。パートナーの女性が脱毛予防のために使用していた髪の抜け毛防止薬を、彼が自身の薬と間違えて不注意で誤飲してしまったのです。この不注意な一回の服用が原因で、ドーピング検査において陽性反応が検出されてしまいました。
UEFAはイェライに対してパフォーマンスを向上させるための意図的な服用(ドーピング目的)は一切なかったと公式に認めましたが、規定に基づき彼に対して10ヶ月という極めて重い出場停止処分を下しました。この長期にわたる出入り禁止措置により、アスレティックが悲願を達成して臨んだ夢のチャンピオンズリーグ(CL)の舞台をピッチ上で戦う機会を完全に失いました。
それでも彼は、かつての闘病生活で身につけた強い自己コントロール能力を保ち、UEFAの裁定を完全に受け入れて前を向き続けました。
『私は自分が何をしてしまったのか、どの薬を服用してしまったのか、 warliked なしにそれがどのような処罰基準に該当するのかを理解していましたから、UEFAの最終的な決定には納得していました。出場できない間も、残り10試合という非常に厳しい状況で再び高いパフォーマンスレベルで復帰できるよう、自分ができる最高の準備を続けました。物事がどのように運ぶか不安はありましたが、復帰のプロセス全体に満足していますし、最終的な試合で少しでもチームの力になれたことは本当に良かったです』
出場停止期間中、彼はサン・マメスの満員のスタンドから、アーセナルやPSGといったヨーロッパのメガクラブを相手に戦うアスレティックの勇姿を見守っていました。悔しさを抱えながらも、一人のサポーターとしてその熱戦を心から楽しんだと振り返り、昨季のリーグ戦最終盤にようやくピッチへ復帰できたこと、そしてチームの欧州カップ戦出場権獲得に少しでも貢献できたことに深い満足感を示しています。(via Estadio Deportivo / AS)
恩師と新指揮官への評価:バルベルデを歴代最高の指揮官と崇め新監督テルジッチの情熱を絶賛
イェライは自身のキャリアにおける指揮官たちに対して、極めてエモーショナルで対照的な素晴らしい評価を下しています。まず、昨季までチームを率い、40年ぶりのコパ・デル・レイ優勝という歴史的な栄冠をクラブにもたらした恩師エルネスト・バルベルデ監督に対して、自身にとっての「生涯の恩人」であり「クラブ史上最高の監督」であると熱く賛辞を贈りました。
『彼にはすべてを負っています。彼こそが、当時まだ21歳だった私をファーストチームにデビューさせてくれ、信頼を寄せ、近年のチームで見せてきた素晴らしいサッカースタイルを私に教え込み、伝えてくれた恩人です。昨シーズンはすべてが完璧に運んだわけではありませんでしたが、彼がアスレティックにとって歴代最高の指揮官であるという私の考えは揺るぎません。40年ぶりとなるガバルラ(優勝パレードの船)の出港を実現させ、多くの欧州カップ戦出場権をもたらすなど、極めて偉大な功績を達成しました。彼はあまり感情を表に出さないタイプでしたが、その寡黙さの中に選手たちを突き動かす絶大な伝達力を持っていました』
そして今シーズンから新たにチームの指揮を執るエディン・テルジッチ新監督については、そのみなぎるパッションとポジティブなキャラクターが、アスレティックに全く新しい風を吹き込んでいると確信しています。
『彼は非常に明確なアイデアを携えて就任しました。チームに合流した最初の瞬間から、自らのプランを熱心に伝えてくれました。これまでとは異なるコンセプトや様々な戦術システムを少しずつ取り入れている最中で、私たちはそれに適応していく必要があります。彼はエネルギーとポジティブな精神の塊のような人物で、監督として必要な強いキャラクターを兼ね備えています。チームの調子が落ち込んでいる時こそ、選手たちはその頼もしさを実感するはずです。非常に希望に満ちた素晴らしいシーズンになるでしょうし、全員がこれからの戦いに向けて強いモチベーションを抱いています』(via Estadio Deportivo / AS)
スペイン代表のW杯制覇とクラブ愛:守護神ウナイ・シモンらの快挙を称えつつ語るアスレティックへの一途な忠誠
スペイン代表チームが成し遂げたワールドカップ(W杯)優勝という栄冠について、イェライはアスレティックの同僚である守護神ウナイ・シモンをはじめ、ディフェンダー陣やチーム全員のハイパフォーマンスを最大級の言葉で祝福しました。
『彼らを心から祝福したいです。ディフェンダー陣やゴールキーパーのウナイ・シモンも含め、チーム全体として信じられないほどハイレベルな、素晴らしいワールドカップを戦い抜きました。世界トップクラスの強豪国を次々と撃破していく彼らの姿は、誰もが予想していなかったほど見事なもので、私たち全員にサッカーというスポーツの美しさ、仲間意識、そしてハードワークの重要性を教えてくれる素晴らしい教訓となりました。おめでとうと伝える以外に言葉はありません。自分もあの舞台で戦いたかったかと言われれば、当然、誰もがワールドカップで優勝したいと願うものですが、そのことをいつまでも悔やむ必要はありません。私の所属クラブは常にアスレティックであり、私はアスレティックのために働き、アスレティックで勝利を掴み取りたいのです』
代表チームへの憧れを素直に認めつつも、彼自身のフットボールに対する情熱とアイデンティティは、どこまでも愛するアスレティックのユニフォームに注がれています。サン・マメスのサポーターのために戦い、このクラブでトロフィーを掲げることこそが、彼の真の夢であると力強く語りました。(via Estadio Deportivo / AS)
オリンピック・マルセイユ戦のサポーター規制:スタジアム内外でクラブを特定する赤白グッズの着用・展示が完全禁止
プレシーズン最大の強豪対決となるオリンピック・マルセイユとの親善試合は、日曜日にマルセイユの本拠地スタッド・ヴェロドロームにて17時30分からキックオフされます。この試合において、アウェーに乗り込むアスレティックのファンにとって非常に深刻なセキュリティ規制が通達されました。
ホストクラブであるマルセイユ側からクラブのフロント(Ibaigane)に届いた通知によると、スタジアム内にはアスレティックサポーターを隔離・保護するための分離帯やアウェー専用エリアは一切設置されません。チケットはマルセイユの公式ウェブサイトから誰でも一般購入できる形となっています。
さらに、フランス当局が決定した極めて厳格な安全対策指令に基づき、「スタジアムの内部、およびスタジアムの周辺地域一体において、アスレティック・クラブのユニフォーム、マフラー、旗、その他一切のクラブを特定できるレプリカやデザインの着用・展示を行うことが完全に禁止」されます。現地を訪れるサポーターは、この厳重なアウェー規制を十分に遵守するよう、クラブ側からも強く注意喚起がなされています。(via Mundo Deportivo)
アタランタ戦のプレシーズンマッチ:イタリア遠征のチケット販売スケジュールと入場制限の厳格な詳細
マルセイユ戦に続く、プレシーズン最後の重要な実戦テストとして、8月14日の金曜日にイタリアのスタディオ・ディ・ベルガモにてアタランタとの親善試合が開催されます。この一戦の観戦チケットの販売詳細が正式に発表されました。
アタランタ戦のチケットは、金曜日から8月13日の木曜日までの期間限定で、アタランタの公式チケット販売ポータルサイトにてオンラインで購入することができます。チケット価格は、大人の一般席が10ユーロ、16歳未満の子供や青少年は5ユーロという非常にリーズナブルな設定となっています。
ただし、セキュリティ確保の観点から入場規制は極めて厳格に運用される予定です。チケットの購入時、および試合当日にスタジアムのゲートを通過して入場する際には、本人確認のためのパスポート、またはスペインの国民身分証明書(DNI)の提示が法的に義務付けられており、これらを所持していない場合はいかなる理由があろうとも入場が認められません。(via Mundo Deportivo)
【本日の総括】
アスレティック・クラブは、かつてがんとの闘病や昨年のドーピング停止という壮絶な試練を乗り越えたイェライ・アルバレスの復活、そして新指揮官エディン・テルジッチ監督による若手育成プロジェクトという、非常に希望に満ちた新体制をレサマで構築しています。マルセイユでの過酷なアウェーグッズ規制や、イタリアでのアタランタ戦を控える中、開幕セビージャ戦に向けてチーム一丸となった熱い闘志がサン・マメスに満ちています。