ジョゼ・モウリーニョ新監督の就任と展望

レアル・マドリードの新たな指揮官として、アルバロ・アルベロアの後任にジョゼ・モウリーニョが就任した。契約は2026年6月11日に結ばれ、期間は2029年6月30日までの3シーズンとなる。ポルトガル人指揮官は7月13日のプレシーズン開始に合わせてチームに合流する予定だ。

Vanity Fairのインタビューにおいて、彼はクラブへの深い愛情とライバルであるバルセロナへの思いを語っている。

『結局のところ、私がレアル・マドリードを愛していることは否定しないし、だからこそ戻ってくる。しかし、バルセロナに対して何の恨みも抱いていない。サッカーにおいて、最高の相手と戦うことは楽しいからこそ、彼らと対戦することを楽しんでいる。最高の相手は自分をより良くしてくれる』

さらに、レアル・マドリードの持つ唯一無二の歴史についても触れた。

『歴史。レアル・マドリードの歴史は他とは比較にならない。白いユニフォームには何か魔法のようなものがあると思う。しかし現実には、それが黒でも緑でも青でも何も変わらないだろう。なぜなら、レアル・マドリードを今日のような存在にしたのは、その歴史だからだ』

『レアル・マドリードの歴史は違う。レアル・マドリードでプレーした数多くの素晴らしい選手たちの歴史ではない。クラブについての歴史だ。タイトルについての歴史だ。もちろん、困難な時期もある。チャンピオンがそうであるように、勝てない時期もある。常に構築し、再構築しなければならない時期がある。しかし、それはレアル・マドリードのDNAであり、多くの面で世界最大のクラブだ。社会的にも経済的にも、多くの意味で。しかし最終的に残るのはタイトルだ。そして私たちがレアル・マドリードについて話すとき、私たちはサッカーの歴史、サッカーの遺産について話している』

キリアン・エンバペの起用や周囲の批判については、まずは直接彼を知ることが必要だと冷静な姿勢を見せている。

『自分の目で彼を見る必要がある。現時点では知らないことを理解する必要がある。今私が知っているのは、メディアで読むこと、テレビで見ることだけだ。選手たちを知る必要がある。今は話す時ではない。冷静さを保ち、分析し、コミュニケーションを取り、質問し、質問に答え、スムーズで誠実な対話を行う時だ』

『なぜなら最終的に私が望むのは、選手たちの向上を助け、チームの向上を助け、クラブの向上を助けることだからだ。私は皆を助けるためにここにいるのであり、批判するためや話すためではなく、耳を傾けるためにここにいる。キリアン・エンバペについて私が言えるのは、彼が驚異的な選手であるということだけだ。そして彼がさらに良くなるように手助けしたい』

また、かつてのペップ・グアルディオラやリオネル・メッシたちと繰り広げたクラシコの熱狂を、テニスの伝説的なライバル関係に例えて懐古している。

『人々は以前のようにクラシコを見なくなった。世界が止まっていた。マドリードとバルセロナ、あるいはスペインだけの問題ではなかった。全世界だった。人々はあの試合を熱望していた。もちろん、クリスティアーノとメッシはアイコンだった。彼らは世界最高の2人の選手だった。レアル・マドリードは世界最高のクラブだ。バルセロナはレアル・マドリードに次ぐ世界最高のクラブの1つだ。正直に言って、あれは狂気だった。ナダル対フェデラー、あるいはナダル対ジョコビッチに少し似ていると思う。現在のテニスには若く有望な選手がいるが、このスポーツを愛する人々はあの時代を特別なものとして記憶している。あのクラシコも特別だった』

プレースタイルに対する批判に対しては、勝利こそがスポーツの真髄であると反論した。

『勝たずに偉大になることができるという馬鹿げた理論が存在する。スポーツにおいて、目標は勝つことだ』

『あのチームはどれほど守備的だったのか?』

これは、2011-12シーズンに勝ち点100、121ゴールを記録した自らのレアル・マドリードを引き合いに出したものである。(via MARCA)

エンソ・フェルナンデスの獲得と放出計画

モウリーニョ監督は中盤の補強を熱望しており、最優先ターゲットとしてチェルシーに所属する25歳のアルゼンチン代表、エンソ・フェルナンデスを指名した。監督は彼が持つ連携能力、リーダーシップ、トップレベルでの経験、そして即戦力としての価値を高く評価している。

バイエルン・ミュンヘンのマイケル・オリーズの獲得は、相手クラブの強硬な姿勢と2029年までの契約の壁により事実上不可能となった。クラブはオリーズに関する推測から公式に手を引き、エンソ・フェルナンデス一本に絞っている。エンソ自身もサンティアゴ・ベルナベウでのプレーやマドリードでの生活を以前から望んでおり、加入には前向きである。

最大の障壁は財政面だ。チェルシーは彼をプロジェクトの戦略的ピースとみなしており、2032年までの契約を結んでいるため、移籍金として1億ユーロ以上を要求することが予想される。この莫大な資金を捻出するため、レアル・マドリードはプレミアリーグで市場価値の高いエドゥアルド・カマヴィンガやオーレリアン・チュアメニなどの売却を検討している。

一方で、マテウス・フェルナンデスやアユーブ・ブアディといった若手選手は、トップレベルでの経験を重んじるモウリーニョ監督の即戦力志向に合致せず、獲得リストの優先順位から外れた。

また、ストライカーの補強としてフリアン・アルバレスの名前も浮上している。クラブはアトレティコ・マドリードに対して1億5000万ユーロのオファーを提示したとされているが、これは価格を釣り上げるための戦術的な動きであるとも指摘されており、フロレンティーノ・ペレス会長は直接エンリケ・セレソ会長に電話で相談し、拒否されたという経緯もある。(via SPORT)

ビニシウス・ジュニオールの契約延長問題と最後通牒

レアル・マドリードとビニシウス・ジュニオールの契約延長交渉は、大きな壁に直面している。現在の契約は2027年6月30日までとなっているが、交渉は数ヶ月前からストップしている。

原因は、ビニシウス側がフリー移籍で加入し巨額のボーナスを受け取っているキリアン・エンバペと同等の給与を要求していることにある。ピッチ内外でエンバペに対するライバル心を募らせているとされ、クラブ側は現時点でこの要求を受け入れていない。

フロレンティーノ・ペレス会長は、2018年にフラメンゴから彼を獲得して以来、批判や人種差別的な攻撃から常に彼を守り抜いてきた。過去には、ビニシウスがバロンドールを逃したことを知った際、パリへ向かう飛行機から代表団全員を降ろしたエピソードもあるほどだ。それだけに、今回の契約延長に対するビニシウスの姿勢に会長は失望を隠せないでいる。

クラブは、ワールドカップでの彼のプレーが終了した直後に、期限付きの最終オファーを提示する戦略を立てている。もしこれに返答がない、あるいは拒否された場合、契約満了で無償で退団するという最悪のシナリオを避けるため、クラブは彼を含めない将来のプロジェクトの構築を開始し、売却に動く方針を固めている。(via SPORT)

ワールドカップでのマドリード戦士たちの活躍

現在開催中のワールドカップ2026において、レアル・マドリードの選手たちが各国の代表として躍動している。

ブラジル代表のビニシウスは、ここまでの2試合ですでに2ゴールを記録。ガブリエウ・マルティネッリからは世界で最もアンバランスを生み出せる選手の1人として称賛されている。同じくブラジル代表のエンドリッキについて、カルロ・アンチェロッティ監督は次戦のスコットランド戦に向けた起用について言及した。

『エンドリッキはすべての試合でプレーできる。次の試合でも、いつでもプレーできる能力を持っている。ファンはエンドリッキを大いに求めているが、明日はネイマールもいる。彼らはネイマールを求めるのか、それともエンドリッキを求めるのか?彼らは両方を応援すると思う』

また、アンチェロッティ監督はブラジル代表監督としてワールドカップ参加監督の中で最高額となる950万ユーロを受け取っている。

フランス代表のキリアン・エンバペは、イラク戦とセネガル戦でそれぞれ2ゴールを挙げ、計4ゴールと大爆発している。代表チームメイトのジュール・クンデは『キリアンがいることは贅沢だ。彼は高いクオリティを持っており、試合を決定づけることができる』と賛辞を贈った。

ウルグアイ代表のフェデ・バルベルデに対しては、母国のレジェンドたちから大きな期待が寄せられている。ディエゴ・フォルランは彼を高く評価している。

『レアル・マドリードにとっても我々にとっても基準となる選手だ。技術的、肉体的、戦術的に高いレベルにある。彼を誇りに思う。彼がこの試合で最高の状態であることが重要になるだろう』

『子どもの頃はもっと前やウイングでプレーしていた。多才だが理想のポジションは中央だ。もっとシュートを打てると思う。彼のキック力なら、私が彼ならもう少しシュートを打つだろう』

『チュアメニとのエピソードは驚いたが、初めてでも最後でもない。2年間無冠だとロッカールームで限界の状況が生まれることがある』

パブロ・ガルシアもまた、『彼がこの試合に現れなければならない。もっとペナルティエリアやボールの近くでプレーすべきだ。サイドに寄りすぎないで』とゲキを飛ばした。(via MARCA)

ジュード・ベリンガムの口隠し騒動とMVP辞退

イングランド代表としてガーナ戦(0-0)に出場したジュード・ベリンガムは、試合中に相手選手のジョルダン・アイェウと手で口を覆いながら会話したシーンが物議を醸した。

FIFAは今大会から、差別的な発言を隠すことを防ぐ目的で、相手選手と口を覆って話すことを禁じる通称「ビニシウス法」を導入している。これはチャンピオンズリーグのベンフィカ戦で、プレスティアンニがビニシウスに対して口を覆って発言し、人種差別騒動に発展したことが発端となっている。

この試合では退場者こそ出なかったものの、ハーフタイムにトンネルへ向かう際、ベリンガムがガーナの選手やスタッフと激しく言い争う場面があった。ガーナのカルロス・ケイロス監督はこれを厳しく非難している。

『彼らは私の選手に足裏でいった。私が落ち着くよう言おうとしただけだ。感情が高ぶる場面では普通のことだ。ジュード・ベリンガムは汚い言葉を吐き、緊張が高まった』

これに対しベリンガムは、自らの非を認めつつも状況を説明した。

『正直に言って馬鹿げたタックルをしてしまった。ボールを奪おうとして、そのまま相手にぶつかってしまったんだ。後で彼と話をしたんだけど、彼らのベンチがイエローカードを要求して飛び出してきたんだ。彼らの監督はマンチェスター・ユナイテッドにいた人だと分かったから、大きな敬意を抱いているよ。結局のところ、お互いの競争心に過ぎなかったんだ』

この試合でベリンガムはMVPに選出されたが、彼はその受賞を自ら固辞するという異例の対応を見せた。

『私はこの賞に値しない。ガーナの選手が受賞すべきだった』

彼のこの誠実な姿勢が話題を呼んでいる。(via SPORT)

ニコ・パスの将来とカスティージャの動向

現在イタリアのコモでプレーするニコ・パスの去就が今週中にも決定する。レアル・マドリードとコモの首脳陣は木曜日に会談を予定している。

マドリード側は数週間前から非公式に、900万ユーロの買い戻し条項を行使して彼を復帰させ、すぐに6000万ユーロで移籍市場に出す意向を伝えている。一方、ニコ・パス本人はセスク・ファブレガス監督の下で成長を続けており、今季は13ゴール7アシストと結果を残しているため、コモでのプレー継続を希望している。コモ側も彼を引き留めるための最後の交渉を試みる予定だ。

モウリーニョ監督のトップ下の構想には、すでにアルダ・ギュレル、ベリンガム、さらには新加入のベルナルド・シウバが含まれており、人員過多の状況となっている。

また、下部組織のレアル・マドリード・カスティージャの来シーズンのリーグ編成が決定した。プリメーラRFEFのグループ2に配置され、アラゴン州のクラブやカタルーニャ、バレンシア、アンダルシアなどのチームと戦うことになる。(via SPORT)

停滞する放出オペレーションと選手たちの去就

新加入選手の登録と給与枠を確保するため、レアル・マドリードは現在26名、加入が内定しているドゥンフリースを含めると27名いるスカッドのスリム化を図っている。しかし、放出オペレーションは思うように進んでいない。

ダニ・セバージョスはクラブと契約解除に向けて最終調整を行っており、フリーエージェントとしての退団が決定している。彼は自身のSNSで、マドリードの自宅からの引っ越し作業の様子をエル・バリオの楽曲とともに公開し、『あと1日』と別れを告げるメッセージを投稿した。ユベントスも関心を寄せているが、古巣ベティスへの復帰が最も有力視されている。

フラン・ガルシアにはユベントスなどからオファーが届いているが、アルバロ・カレラスがチェルシーへ移籍した場合、メンディが長期離脱中であることから左サイドバックが手薄になるため、クラブは売却をリスクと判断している。

エドゥアルド・カマヴィンガは2029年までの契約を盾に、すべてのオファーを拒否し残留を希望している。

ラウル・アセンシオも2031年までの契約があり、ローン移籍を拒否。モウリーニョ監督がCBの補強を熱望しているにもかかわらず、マドリードでの定位置争いを決意している。彼の残留により、新たなCBの獲得は困難な状況だ。

ゴンサロ・ガルシアはユベントスのターゲットとなっていたが、モウリーニョ監督から直接、来季の構想に入っており重要な役割を担う可能性があると伝えられ、残留の公算が大きくなった。

ブラヒム・ディアスもユベントスの関心を惹いていたが、ロドリゴの重傷によりウイングの層が薄くなったため、退団は事実上不可能となった。

フランコ・マスタントゥオーノは期待されたほどの成長を見せておらず、プレッシャーから解放されるためにもヨーロッパのトップクラブへのローン移籍が最善とされている。ユベントスがその候補として挙がっている。

また、昨季までレアル・マドリードを率いたアルバロ・アルベロア前監督は、プレミアリーグのフラムの監督に就任する交渉が最終段階に入っている。奇しくもプレミアリーグ開幕戦で、シャビ・アロンソ率いるチェルシーと対戦する可能性がある。(via Mundo Deportivo)

LaLigaおよびCVCとの法廷闘争の行方

レアル・マドリードは、ハビエル・テバス会長率いるLaLigaとの司法の場で、一進一退の争いを繰り広げている。

ポジティブなニュースとして、2022年にスーパーリーグ構想を理由に、LaLigaの放映権管理機関の会議からレアル・マドリードとバルセロナが不当に排除された件について、最高裁判所がLaLiga側の控訴を棄却した。これにより、クラブの参加権が侵害されたとして排除決定の無効が最終的に確定した。

クラブは公式声明を発表し、この判決を『適法性、法的安定性、プロサッカーを構成するクラブの権利の尊重を再確認するもの』と高く評価した。

しかしその直後、より影響の大きいCVCとのインプルソ計画に関する裁判で、マドリード地方裁判所がレアル・マドリードとアスレティック・クラブの控訴を棄却した。裁判所は、CVCへの報酬は放映権の商業化費用であり、契約に同意しなかったクラブには影響しないと判断し、LaLigaとCVCの契約の正当性を認めた。

これに対し、レアル・マドリードは再び公式声明を出し、猛反発している。

『判決を尊重するが、その結論には深く異議を唱える。判決は現在および将来のスペインプロサッカーにとって極めて重要な法的、経済的、制度的な問題に十分な答えを出していない』

クラブは、この契約が放映権の管理モデルやLaLigaの経済体制に直接的な影響を及ぼすと主張しており、最高裁判所へ上告することを明らかにした。

これを受けてLaLigaのハビエル・テバス会長もSNSで反論し、『RMが何年にもわたって主張してきた論理を完全に棄却した』『脅迫、絶え間ない圧力、組織的な司法化、そしてサッカーの統治機関で目的が達成されない場合の不当な政治的影響力への依存は、私たちが何年も苦しんできた行動様式だ』とクラブの姿勢を強く非難している。(via SPORT)

【本日の総括】

モウリーニョ新体制が本格始動する中、エンソ・フェルナンデス獲得に向けた資金捻出や、ビニシウスの契約延長問題など、フロントは多くの難題に直面しています。ワールドカップで所属選手たちが活躍を見せる一方、スカッドの整理は進んでおらず、LaLigaとの法廷闘争も激しさを増しています。ピッチ内外でマドリードの熱い夏はまだまだ続きそうです。