25/26シーズン総括
ビジャレアルの25/26シーズンは、素晴らしい結果を残したリーグ戦と、対照的に期待外れに終わったチャンピオンズリーグおよびコパ・デル・レイという、明暗がはっきり分かれた1年となりました。
ラ・リーガではアトレティコ・マドリードを上回る3位でフィニッシュし、来季のチャンピオンズリーグ出場権を獲得しました。今季獲得した勝ち点72は、07/08シーズンの77ポイントに次ぐクラブ史上2番目の好成績です。さらに、チームはプリメーラにおけるクラブ史上最多となる72ゴールを記録しました。これはアトレティコを10ゴール上回り、レアル・マドリードまでわずか5ゴール差に迫る驚異的な数字です。
今季のチームはカウンターアタックにおいてリーグで最も致命的な存在となり、そのトランジションの完成度の高さで多くの対戦相手を粉砕しました。特に本拠地エスタディオ・デ・ラ・セラミカでは圧倒的な強さを誇り、19戦15勝を記録しました。ホームで敗れたのはバルセロナ、レアル・マドリード、セビージャのみで、ホームだけで48ゴールを叩き出しています。
一方で、チャンピオンズリーグでは選手たち自身が認めるように経験不足によるミスが目立ちました。8試合を戦ってユベントスとの引き分けによる勝ち点1のみにとどまり、7敗を喫しました。パフォスでの1-0の敗戦は、早く忘れたい大会の象徴的な出来事となっています。
また、コパ・デル・レイでもクラブの呪縛は解けず、ラウンド32で下部カテゴリーのラシン・サンタンデールに2-1で敗退しました。来季に向けては、ミスが許されないカップ戦での戦い方の改善が最大の課題となります。(via SPORT)
選手パフォーマンスと負傷者
今シーズンの大型補強は、ピッチ上でしっかりと結果を残しました。適応期間を必要としたジョルジュ・ミカウターゼですが、最終的には13ゴールを挙げてチームの得点王に輝き、まだまだポテンシャルを秘めていることを示しました。アルベルト・モレイロは10ゴール5アシストを記録し、アレックス・バエナの抜けた穴を見事に埋めています。また、サンティアゴ・モウリーニョとガブリエガ・ベイガは守備のレベルを大きく引き上げ、さらなる成長の余地を残しています。
カンテラからはパウ・ナバーロがトップチームに定着し、下部組織の選手たちがいつでも飛躍できる準備が整っていることを証明しました。
ベテランのジェラール・モレノにとっては、後半戦で筋肉系のトラブルが減ったことが朗報でした。再びピッチでプレーを楽しみ、リーグ戦10ゴールでシーズンを終えています。
一方で、期待外れに終わった選手もいます。トーマス・パーティはアーセナルで中盤を支配していた頃の姿からは程遠く、期待された貢献ができませんでした。
怪我人に関しても苦しいシーズンとなりました。ウィリー・カンブワラ、ローガン・コスタ、パウ・カバネス、そして守備の要であるフアン・フォイスが重傷を負いました。さらに、アジョセ・ペレスも度重なる痛みに悩まされ、昨シーズンのようなトップレベルのパフォーマンスを維持することができませんでした。(via SPORT)
マルセリーノ監督退任と後任人事
約3シーズンにわたりチームを指揮したマルセリーノ・ガルシア・トラル監督が、ビジャレアルを去りました。残留争いの危機からチームを救い出し、2年連続でチャンピオンズリーグ出場へと導いた功労者は、大勝、3位フィニッシュ、そしてファンからのオマージュという完璧な形で別れを告げました。
マルセリーノ氏は今後の自身の去就について、短期的にスペイン国内のクラブを指揮するつもりはないと明言しています。かつて指揮を執ったバレンシアへの復帰やセビージャ行きも噂されましたが、現在はプレミアリーグなど国外での初めての挑戦を見据えている模様です。インタビューでは『引退する前にプレミアリーグを経験してみたいです。誰もが最高のリーグだと言っていますからね』と語っています。
そして、彼からバトンを受け継ぐ新監督の最有力候補として、現在ラージョ・バジェカーノを率いているイニゴ・ペレス監督の名前が挙がっています。イニゴ・ペレス監督は、カンファレンスリーグ決勝を戦い終えた後に、その去就が明らかになると見られています。(via Estadio Deportivo)
ダニ・パレホ退団の真相
ビジャレアルで6シーズンを過ごし、クラブのレジェンドとなったダニ・パレホがチームを離れることが正式に決まりました。2021年のヨーロッパリーグ制覇にも貢献し、270試合出場、17ゴール、36アシストという素晴らしい記録を残しました。
パレホはインタビューの中で、退団はクラブ側からの決定だったことを明かしています。4月末から5月上旬にかけて、フェルナンド・ロチ会長と話し合いの場を持った際、チャンピオンズリーグ出場権を獲得したタイミングで契約を更新しない旨を告げられました。
パレホはその時の状況を『会長は、この決断を下すのは非常に難しかったと言ってくれました。また、引退後もクラブの扉は開かれていると言ってくれましたが、私はまだプレーを続けるエネルギーがあること、そしていつかまた一緒に仕事ができると信じていることを伝えました』と詳細に語っています。
クラブからは『新監督を迎え、新たなプロフィールを持つ選手を探したい』と説明されたとのことで、パレホ自身は『もう1年プレーしたかったですが、決断を受け入れるしかありません。誰も永遠ではありませんからね』と納得の姿勢を示しています。
さらに『ビジャレアルと私の家族にとって素晴らしい6年間でした。タイトルを獲得し、CL準決勝を戦い、クラブ史上初となる2年連続のCL出場権も獲得しました。どんなサッカー選手にもこのクラブを推薦します』と、クラブへの深い感謝を述べています。
今後は現役続行を希望しており、古巣であるバレンシアへの復帰についても『バレンシアは私の人生です。機会があれば、すべてを評価して考えたいですね』と前向きな姿勢を見せています。(via AS) (via Estadio Deportivo)
夏の移籍市場動向
ダニ・パレホの退団を受け、クラブは中盤に経験、判断力、組織力をもたらす新たな選手の獲得に動いています。
最大のターゲットはヘタフェのルイス・ミジャでした。来季のチャンピオンズリーグに出場できるという条件が交渉の強力な武器となり、ミジャ本人もラ・セラミカでのプレーを好意的に受け止めていました。しかし、サウジアラビアのアル・ナスルが600万ユーロの移籍金と破格の年俸を提示したことで、この獲得計画は破談の危機に瀕しています。
これを受け、ビジャレアルは代替案の検討を急いでいます。主要なターゲットとなっているのは、6月にバレンシアとの契約が切れるアルゼンチン代表のギド・ロドリゲスです。クラブはすでに彼の代理人と接触し、合意に向けて距離を縮めています。他にも、アラベスとの契約が満了するアントニオ・ブランコも選択肢としてリストアップされています。
また、ゴールキーパーのポジションでも選手の入れ替えが予想されます。今季ビジャレアルで出場機会を得られなかったディエゴ・コンデは、クラブを去る見込みです。現在、セビージャが低コストでの完全移籍またはレンタルでの獲得を狙っていると報じられています。(via Estadio Deportivo)
【本日の総括】
ビジャレアルの25/26シーズンは、ラ・リーガでクラブ史上最多ゴールと歴代2位の勝ち点を記録し3位でチャンピオンズリーグ出場権を獲得する素晴らしい成果を挙げましたが、カップ戦では課題を残しました。マルセリーノ監督とダニ・パレホという功労者がチームを去り、イニゴ・ペレス新監督の招聘や、ギド・ロドリゲスらの獲得を目指す中盤の再編など、クラブは新たなプロジェクトに向けて大きく動き出しています。