14年ぶり5000日の沈黙を破る歴史的1部復帰戦とエル・サルディネロの感動コレオ
実に14年(5000日以上)ぶりの1部リーグ(LALIGA EA Sports)復帰となった歴史的な開幕戦を迎え、本拠地エル・サルディネロは満員札止めの超満員のサポーターで埋め尽くされました。
選手たちの入場に合わせて、熱狂的なサポーター組織である「La Gradona de los Malditos(ラ・グラドナ・デ・ロス・マルディトス)」による巨大なコレオグラフィー(tifo)がスタンドいっぱいに掲げられ、背景に広がる美しいカンタブリア海と灰色に曇った空のもと、スタジアムの観衆全体がクラブ公式賛歌を完全なアカペラで大合唱するという、極めてエモーショナルで美しい光景が広がりました。この演出はまるでハリウッド映画のワンシーンのような格調高い雰囲気を創出し、1部復帰を心から待ち望んだクラブ全体の熱い想いをピッチへと届けました。(via Mundo Deportivo)
自分たちのアイデンティティを貫くホセ・アルベルト監督の熱き信念
昨シーズンの2部リーグ(LALIGA Hypermotion)において、攻撃的で圧倒的なフットボールを展開して昇格を成し遂げたホセ・アルベルト・ロペス監督。今シーズンのラ・リーガにおいて、最も注目すべきブレイク監督候補の一人として高い評価を得ている彼は、相手がチャンピオンズリーグに出場する格上の強豪ビジャレアルであっても、一切守備的に引くことはありませんでした。
試合前の記者会見で監督は『自分たちの原則やフットボールのスタイルを決して捨てるつもりはない』と力強く話し、昇格チームだからと臆することなく、真っ向から攻撃的な戦術で挑む姿勢を強調しました。昨季のコパ・デル・レイでもビジャレアルを2-1で下した自信を胸に、チームは勇敢な姿勢でピッチへと向かいました。(via ElDesmarque)
アンドレス・マルティンが沈めた14年ぶりの記念すべき復帰第1号ゴール
試合はキックオフ直後から非常に高い強度で進みました。序盤にビジャレアルがラシンのエリアに迫りシュートを放つ場面もありましたが、これをしのぐと、前半21分にスタジアム全体を揺るがす歓喜の瞬間が訪れました。
アトレティコ・マドリードからの関心が噂されているホルヘ・サリナスが相手エリア内で抜け目ない動きを見せてPKを獲得。キッカーを務めたアンドレス・マルティンは、今夏ビジャレアルに加わったばかりのGKルイス・ジュニオールを完全に騙し、ゴールへと丁寧に流し込みました。エル・サルディネロが1部リーグでのゴールを祝うのは実に14年ぶりのことであり、スタンドは狂喜乱舞の渦に包まれました。(via ElDesmarque)
19歳の地元出身セルヒオ・マルティネスが放った涙のスーパーボレー弾
ラシンの夢のような時間はここで終わることはありませんでした。リードを奪って勢いに乗るチームは、さらにインテンシティを上げてビジャレアルを押し込みました。
そして前半30分過ぎ、クラブの歴史に深く刻まれる驚異的なゴールが生まれました。ラレド生まれでわずか19歳の生え抜きミッドフィールダー、セルヒオ・マルティネスが、ゴール正面のエリア外から右足を一閃。凄まじい軌道を描いた弾丸ミドルボレーシュートがゴール上隅の完璧なコースに吸い込まれ、追加点をもたらしました。プロ初ゴールという最高の夢を叶えた若武者は、その瞬間に目に大粒の涙を浮かべながら、ユニフォームのエンブレムに熱いキスを送り、エル・サルディネロのサポーターに愛を捧げました。(via Mundo Deportivo)
前半最後の1分間で喫した失点と1部リーグの厳しすぎる洗礼
誰もが完璧なストーリーの進行を信じたものの、トップリーグの壁はあまりにも冷酷でした。2-0のリードを手にしてハーフタイムが近づいていた前半最後の1分間、ビジャレアルがその圧倒的な攻撃の破壊力を証明しました。
まずはペナルティーエリア手前からの鋭い弾道でパペ・ゲイェに追いつかれると、失点直後のわずか1分後に、今度はニコラス・ペペに同じく正確無比な鋭い一撃をネットに突き刺されました。ほんのわずかな集中力の緩みと一瞬の個の力によって、試合はあっという間に2-2の同点となり、昇格組のラシンにとってこれ以上ないほどの厳格な教訓となりました。(via MARCA)
移籍市場を賑わすホルヘ・サリナスと試合の勝敗を分けたPK誘発劇
この大一番で先発に名を連ね、攻撃で素晴らしい貢献を見せたのがホルヘ・サリナスです。現在、首都の強豪アトレティコ・マドリードへの移籍を巡り交渉が本格化していると報じられる中、そのピッチ外の雑音を完全にシャットアウトして高いプロ意識を示しました。
左サイドから果敢にオーバーラップを仕掛け、エリア内への狡猾な侵入からサンティ・コメサーニャのファウル(コメサーニャにとっては防げたはずのファウルと評価されている)を誘ってPKを獲得。彼が頭を上げた時に供給される精度の高いクロスボールは常にビジャレアルの脅威であり、移籍市場で高く評価される理由を余すことなく証明しました。(via ElDesmarque)
後半のアギレザバラの踏ん張りと終盤の怒涛の交代策
後半に入ると、ラシンは再び高い強度のプレスでビジャレアルを押し込もうと試みましたが、ビジャレアル側がベンチからジェラール・モレノ、ブキャナン、マシアといった主力メンバーを次々と投入したことで、フィジカル面で非常に過酷な展開を強いられました。
ここでチームを救ったのが、今夏アスレティック・ビルバオから完全移籍で加入して先発メンバーのサプライズとなったGKフレン・アギレザバラです。前半の2失点こそノーチャンスであったものの、後半にビジャレアルが仕掛けた決定的な決定機を幾度となく素晴らしいセーブで防ぎ、試合がひっくり返るのを阻止しました。
終盤には、ホセ・アルベルト監督もヤシル・ザビリ、マゲッテ・ゲイェ、ディエゴ・ディアス、ファク・ゴンサレスといった新鮮な力を次々にピッチへ送り込み、特にザビリがヘディングシュートで相手ゴールを脅かすなど、最後まで勝ち点3を目指して勇敢に戦い抜きました。(via ElDesmarque)
開幕戦での全選手の詳細な現地評価と各スタッツ
開幕戦を戦い抜いた選手たちの個別評価および詳細なスタッツは以下の通りです。
・フレン・アギレザバラ(評価5.5):前半の連続シュートには驚かされたものの、後半に数回のビッグセーブを披露して守護神としての役割を全う。
・マンティージャ(評価6):守備を安定させつつ、チャンスがあれば果敢に攻撃参加を試みてすべての力をピッチに置いてきた。
・パブロ・ラモン(評価6.5):デュエルにおいて圧倒的な勝率と抜群の強さを見せ、終始安定感抜群のパフォーマンス。
・ペドロ・フェリペ(評価なし):前半15分に無念の筋肉系の負傷により涙を流しながら退場。
・マヌ・エルナンド(評価5.5):緊急の途中出場ながらすぐに試合のテンポに馴染み、エリア内の危険な場面を堅実に防いだ。
・ホルヘ・サリナス(評価6.5):狡猾な仕掛けでPKを勝ち取ったほか、精度の高いクロスで攻撃をリード。
・グスタボ・プエルタ(評価5.5):中盤を幅広くカバーする役割をこなしたものの、徐々に体力を消耗してペースダウン。
・セルヒオ・マルティネス(評価7.5):夢のような1部デビュー戦。驚異的なゴールを突き刺し、中盤の要としても大活躍。
・セルヒオ・カナレス(評価5.5):限られたスペースでの技術の高さは見せたが、ゲーム全体への関与がやや不足。
・アンドレス・マルティン(評価6.5):緊迫したPKの場面で落ち着いてゴールを決め、歴史的な得点を記録。
・イニゴ・ビセンテ(評価7):ピッチを自在に漂いながら、自身が1部リーグで十分に通用するトップクラスのクオリティを証明。
・アシエル・ビジャリブレ(評価4):前線でのボール保持に苦しみ、今回唯一厳しい評価となったが、守備の献身性は見せた。
・ヤシル・ザビリ(評価6):終盤に投入され、鋭い攻撃のアイデアと決定的なヘディングで存在感を発揮。
・マゲッテ・ゲイェ(評価5.5):ゲームを落ち着かせ、ボールを持った際の冷静な判断力で貢献。
・ディエゴ・ディアス(評価5)
・ファク・ゴンサレス(評価5)(via ElDesmarque)
ラシングを直撃したペドロ・フェリペの負傷とその影響
ラシングは前半15分に大きなアクシデントに見舞われました。センターバックとして先発していたペドロ・フェリペが、競り合いの中で筋肉を痛め、自らプレー続行不可能を悟ると、ピッチ上で悔しさのあまり大粒の涙を流しながら退場しました。
ホセ・アルベルト監督は代わりにマヌ・エルナンドを投入し、幸いにも守備陣は大きな混乱なく機能したものの、今後の過酷なシーズンを戦い抜くにあたり、主力センターバックの負傷の程度や離脱期間は、クラブの補強戦略にも重大な影響を与える可能性があります。(via SPORT)
【本日の総括】
14年ぶりの1部復帰戦という記念すべき日に、エル・サルディネロでビジャレアルを相手に2-2で引き分けたラシング・サンタンデール。2点のリードを一瞬にして奪い返されるという厳しい1部の洗礼を浴びたものの、19歳の地元出身セルヒオ・マルティネスによる涙のスーパーゴールや、自分たちの攻撃的なアイデンティティを格上相手に堂々と貫き通した姿勢は、今シーズン彼らが1部で大躍進を遂げるだけの確かな可能性を感じさせました。
