マテウ・アレマニーSDの大改革:補強計画と退団候補
スポーツディレクターとして初となる夏の移籍市場に臨むマテウ・アレマニーは、ディエゴ・シメオネ監督のチームを根本から立て直すという難題に取り組んでいる。今季のアトレティコ・マドリードはコパ・デル・レイ決勝でレアル・ソシエダに敗れ、チャンピオンズリーグでは準決勝でアーセナルにPK戦の末に敗退するなど、カップ戦では一定の成績を収めたものの、ラ・リーガでの成績は期待を大きく裏切るものだった。シメオネ体制の代名詞であった堅守は崩壊し、全公式戦で81失点、リーグ戦だけでも44失点という異常事態に陥った。2021年以来となるタイトル獲得を目指し、新投資家であるアポロの資金力は期待されたほどではないものの、昨季と同規模の予算で少なくとも7人の新戦力を迎える大幅な血の入れ替えが計画されている。ターゲットはセンターバック、左サイドバック、ミッドフィルダー、突破力のあるサイドアタッカー2人、退団が確実視されるアントワーヌ・グリーズマンの代役、そして存在感のあるストライカーとなっている。なお、アトレティコ・マドリードはFCバルセロナやレアル・マドリードと共に、他のラ・リーガのクラブとは別次元の大きな予算規模を運用しているクラブとして評価されている。
(via SPORT, Estadio Deportivo)
守備陣の再編:ロメロ獲得へ、ヒメネスとラングレは放出危機
守備の再構築において、最大のターゲットとなっているのがトッテナムに所属するアルゼンチン代表DFクリスティアン・ロメロである。シメオネ監督は同胞である彼に新たなディフェンスリーダーの役割を期待している。ダビド・ハンツコ、マルク・プビル、そしてロビン・ル・ノルマンの3人は新プロジェクトの軸として残留が確実視されている。一方で、退団の危機に瀕しているのがクレマン・ラングレとホセ・マリア・ヒメネスである。ラングレは大一番での致命的なミスなど期待外れのパフォーマンスに終わり、獲得費用がわずか300万ユーロだったこともあり、クラブに利益をもたらす形での放出が模索されている。ファンから愛されるキャプテンのヒメネスも、度重なる怪我による出場機会の減少やシメオネ監督との関係悪化が指摘されており、魅力的なオファーがあればクラブは交渉に応じる構えだ。また、左サイドバックの理想的な補強としてマルク・ククレジャがリストアップされているが、獲得のためには今季重用されたルジェリを放出する必要がある。ルジェリは1700万ユーロで加入したが、現在2800万から3000万ユーロでの売却が見込まれており、ククレジャ獲得の資金源となる。
(via SPORT, Estadio Deportivo)
中盤の補強:ベルナルド・シウバ争奪戦とジョアン・ゴメス合意
中盤の補強における最大の目標は、マンチェスター・シティとの契約が満了してフリーエージェントとなったベルナルド・シウバである。経験、才能、ハードワーク、勝者のメンタリティを兼ね備える彼を巡り、FCバルセロナと激しい争奪戦を繰り広げている。アレマニーSDはバルサのデコSDを出し抜くべく選手の周辺と精力的に接触を重ねており、メトロポリターノでの野心的なプロジェクトの中心選手としての役割を約束している。ベルナルド・シウバ本人はワールドカップ終了後に去就を決断する意向を示しているが、アトレティコの熱心なアプローチが状況を変える可能性も残されている。その他の中盤の補強として、ウォルバーハンプトンで今季数少ない明るい話題となったブラジル人MFジョアン・ゴメスとはすでに基本合意に達しており、7月1日以降に公式発表される見込みとなっている。
(via SPORT, Estadio Deportivo, ElDesmarque)
サイドの強化:ニコ・ゴンザレス残留とイ・ガンイン急浮上
サイドアタッカーの強化において、冬に加入してチームの顔つきを変えたルックマンに続き、クラブは突破力を求めている。優先事項はニコ・ゴンザレスの完全移籍による残留であるが、設定されている3200万ユーロの買い取りオプションは行使せず、より安価な条件で獲得する道を模索している。さらにここ数時間で、PSGに所属する韓国代表イ・ガンインの獲得が急浮上している。ルイス・エンリケ監督のもとで十分な出場機会を得られていない彼は、2500万ユーロでの獲得が可能とされており、選手自身もラ・リーガへの復帰を前向きに捉えている。メディアやマーケティングの観点からも、アジアで絶大な人気を誇る彼の獲得はクラブにとって大きなメリットになると考えられている。
(via SPORT, Estadio Deportivo)
FW陣の不確実性:フリアンの去就、セルロートのユーベ移籍、グリーズマンの後釜
攻撃陣の編成は、フリアン・アルバレスの去就に大きく左右される。クラブ側は彼がプロジェクトに不可欠であると繰り返し主張しているが、選手側は将来についての明言を避けており、不確実性が漂っている。また、素晴らしい得点数を記録したアレクサンデル・セルロートは、シメオネ監督のもとで控えの立場から抜け出せず、退団の可能性が高まっている。ユベントスが彼の獲得に強く動いており、ルチアーノ・スパレッティ監督が直接電話で説得に当たった。契約を延長しないドゥシャン・ヴラホヴィッチの理想的な後釜として、年俸400万ユーロの4年契約を提示している。アトレティコは移籍金3000万ユーロを要求しているが、ユーベ側は2500万ユーロでの決着に自信を見せている。退団が確実となっているアントワーヌ・グリーズマンの代役としては、ベルギーのクラブ・ブルッヘでプレーする若手ストライカー、ニコロ・トレソルディ(186cm)の獲得に動いている。高い得点力とフィジカルを備えた彼は、フリアン・アルバレスの補完役としても期待されている。
(via SPORT, Mundo Deportivo, Estadio Deportivo)
W杯に12名を輩出:世界有数の規模を誇るアトレティコ
間もなく北中米で開催される2026年ワールドカップにおいて、アトレティコ・マドリードは全12名の選手を各国代表に送り出す。内訳は、アルゼンチン代表が6名(フリアン・アルバレス、ジュリアーノ、チアゴ・アルマダ、ニコ・ゴンザレス、ナウエル・モリーナ、フアン・ムッソ)、スペイン代表が3名(マルク・プビル、マルコス・ジョレンテ、アレックス・バエナ)、ウルグアイ代表がホセ・マリア・ヒメネス、ノルウェー代表がアレクサンデル・セルロート、メキシコ代表がオベド・バルガスとなっている。この数字はラ・リーガで2番目に多く、世界全体でもマンチェスター・シティ(19名)、バイエルン(18名)、アーセナル(16名)、PSG(15名)、バルセロナ(14名)に次ぐ規模である。カルドーソとバリオスの負傷がなければ14名になっていた可能性もあった。前回カタール大会でもアトレティコは12名の選手(デ・パウル、モリーナ、コレア、グリーズマン、グルビッチ、モラタ、コケ、ジョレンテ、カラスコ、ヴィツェル、ヒメネス、ジョアン・フェリックス)を送り出しており、そのうち3名が世界王者となって帰還した歴史がある。開幕戦のメキシコ対南アフリカ戦では、オベド・バルガスが出場する予定だ。
なお、スペイン代表のアレックス・バエナは会見で、『最終的にリストに入っている全員が、最終メンバーに残れないかもしれないという小さな恐怖を抱えていると思います。私たちはスペインであり、ここにいるための非常に高いレベルを持った何百万人もの選手が外れているのですから。おそらく自分のクラブで100%の力を出せなかったために、そういう小さなざわめきを感じるのです。でも、お互いを知って以来、私は常に監督の信頼を得てきました。ここで常にベストを尽くそうと努めてきましたし、ピッチで結果を出した時には、ルイスはいつもそれに感謝してくれました。私もここにいられるという自信を持っていました。代表チームを助けてきたここ数ヶ月の成果として、ここにいる資格があると思っています。一方で嬉しくもありましたが、全員が持っているあのざわめきもありました』と、クラブでのパフォーマンスが影響する不安を抱えていたことを正直に告白した。また、ノルウェー代表のセルロートはモロッコ代表との親善試合中、コーナーキックの場面でチャディ・リアドと激しく交錯し、その影響でリアドがチームメイトのエズ・アブデの膝に衝突して負傷退場させるという不運なアクシデントに巻き込まれた。
(via MARCA, Mundo Deportivo, ElDesmarque)
アトレティコ・マドリードB及び下部組織の動向
セグンダ・ディビシオン(ラ・リーガ・ハイパーモーション)昇格を目指していたアトレティコ・マドリードB(アトレティコ・マドレーニョ)は、プレーオフ準決勝でポンフェラディーナに敗れ、惜しくも昇格の夢を絶たれた。これに伴い、同チームでプレーしていたDFマティアス・バルボサはレンタル期間を満了し、所属元のコルドバへ復帰することが決定した。彼は自身のSNSで、『怪我に苦しんだ辛い1年の後にやって来ましたが、最初の日からまるで自分の家にいるように感じました。あなたたちは私を象徴するあの幸福感を取り戻してくれて、私はまた自分が一番好きなことを楽しめるようになりました。個人的には思い描いていた通りにはいかなかったかもしれません。困難な時期や涙もありましたが、彼らはそこにいてくれました。一瞬たりとも私を倒れさせない、このロッカールームの仲間たちが』と、クラブとチームメイトへの深い感謝を綴った。また、U-12の大会であるラ・リーガ FC Futuresでは、優勝候補の一角と目されていたアトレティコ・マドリードがベスト16でラージョ・バジェカーノに0-2で敗れるという波乱が起き、早期敗退となった。さらに、セグンダ・フェデラシオンのエルクレスに所属し、ウクライナリーグで活躍したカルロス・ロハスが、クエンカのサッカースクールからアトレティコ・マドリードの下部組織に引き抜かれ、かつて在籍していた過去も紹介されている。
(via SPORT, Estadio Deportivo, ElDesmarque)
【本日の総括】
マテウ・アレマニーSDの下、アトレティコ・マドリードは来季に向けた大規模なチーム改革を進行中です。守備の立て直しを中心に、ベルナルド・シウバなどのビッグネーム獲得を狙う一方で、ヒメネスやラングレなど既存選手の痛みを伴う放出も辞さない構えです。ワールドカップには世界トップクラスの12名の選手を送り出しており、クラブの威信をかけた熱い夏が始まろうとしています。